2024/04/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からクルルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/酒場」にサウロさんが現れました。
■サウロ > (陽が落ちて王都中の街灯が灯る頃。
労働者や冒険者たちが仕事を切り上げて歓楽街や食事処、酒場に繰り出して賑わう時間だ。
そのうちの一つの酒場の端の席で肉を葉野菜で包んだトマト煮込みと麺麭を頼み、エールと一緒に口に運んでいる。
雑音にも聞こえる飛び交う話に耳を傾け、情報を得るのはほとんど職業病に近い。
世間話から噂話、ダンジョンの話や、王城や学院の噂話、少し危険な金融機関の話
最近あった貧民地区での事件、最近あった面白い依頼、教会のきなくさい"聖女"の噂――――。
目を伏せたままカップに入ったエールを口に着けて、唇を軽く湿らせているだけ。
あまり酒精の強くないもの。最近、漸く少しだけ酒に手を出せるようになったのは、不意打ちのような淫夢を見なくなっているからか。
加えて言えば、少女になる頻度も低まっている。おかげで次の遠征について本格的に腰を据えて考えられそうだ。)
「(――――魔族領の話なんて、流石にここでは聞けないか)」
(酒場で得られる情報の真偽はさておき、誇張表現がされているものが多い。
拉致誘拐の話が出て調査に出てみれば、実際にはちょっとしたお忍び散策だったりすることもある。
仮にここで魔族領、そのうちにある"国"の話が聞けたとして、信憑性に欠ける。
そういうのはやはり伝手を辿って情報を買うしかないので、旅費も含めた資金稼ぎが、現実的な問題だ。
フォークを包み煮込みにさしてほぐしながら、長い睫毛の下から思案気な碧い瞳が開く。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/酒場」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 小腹が空いた時、それを満たすのに、露店を利用する事が多い。
しかし、必ずしもそうするのか、そう問われれば、そうとも限らない。
ちゃんとした食事処でも、廃れた食堂とかでも、そして、普通の酒場にだって現れる。
ふらりふらりとやって来て、酒場の扉へと、両手を添える。
そして、すぱーんっ!と、派手に扉を開けるのは、少女のいつもの行動パターンだ。
そんな少女の行動に、見慣れた者ならば、そう大した反応を見せず、食事を続けるだろう。
だが、偶然に居合わせた、等の初見の者にとっては、何事か?と、思わせるものであろうか。
「いやぁ、参った参った。
今日も、なかなかに面白い事は、見付からなかったのぅ」
開いた扉から、店内へとやって来る少女は。
そんな言葉を零しながら、ずかずかとカウンター席へと向かう。
まぁ、カウンター席なら隙間が空いてる事が多い、と言うのも理由だし。
その途中で、面白そうな事、食事をたかれそうな相手が居たら…なんて、そんな考えもあっての事だ。
■サウロ > (賑やかだった店内の喧騒がざわりとしたものに変わる。
空気感が変われば怪訝に思いながら顔を上げれば、入口の方に視線が集まっている様子。
何が起きたのかと視線を向ければ、そこには見覚えがある少女の姿がある。
玉子色の髪から生える耳と異国情緒のある衣に身を包んだ小柄な娘。
その見た目こそミレーに似ている為に余計に人目を引くのだろう。
その姿と振る舞いを知る者ほど「関わるな」と周囲に声をかけてみなかったことにするのかもしれない。
そして彼女の姿を見たサウロもまた、額に手を当てて顔を俯かせた。
出会いから再会に至るまで、理性がある今だからこそ思い出として、良いとは言い難いものばかりだ。
同時に頭を抱えたのも、覚えのない記憶が脳裏を過っていくからで。
性が転換された時の記憶が時折混濁する。それがかすかな痛みと酩酊に近い酔いを齎すため、柳眉の合間に皺もできる。
―――― 一方カウンターに向かおうとした彼女に給仕の女が「いらっしゃいませ」と声をかけた。
カウンターにそのまま座っても問題なく対応するだろう。
サウロがいるのは壁際の端のカウンター席。そのまま進めば顔くらいは合わせることになりそうだが。)
■タマモ > こうした場所へと入った時、店内での反応は大体同じものだ。
何も知らぬ者達は、一斉に視線を向けるも、やって来た己の姿を見れば、物珍しそうに眺めるだろう。
そして、何かしら知っている者は、一斉にこちらから視線を外し、食事に集中するように見せ掛ける。
まぁ、時々、怖い物知らずがちょっかいを掛けてくるが…今回は、そうした者は居ないみたいだ。
一部は静まり返り、一部は好奇の視線を向ける、そんな店内。
少女は、気にした様子もなくカウンターにまで、やって来た。
「さて、今日はどうするかのぅ…何か、妾が食べられそうな、お勧めはあるじゃろうか?」
ここでは、まだ男の存在に気付いていない…ようには、見えている。
カウンター席は、団体客はおらず、居ても二人三人程度での来店者が座る感じだろう。
となれば、自然と空いている席は、そうした客の間、となってしまう。
空いているカウンター席…よいせ、と少女が腰を下ろし、給仕の女にそう問うのは。
そんな男から、大して離れていない席だった。
…と、そんな状況ではあるが、少女がそれに、気付いていない訳がない。
なのに、そうした対応をしているのは、視線の端に見える、その男の反応を楽しみ見ているからで。
■サウロ > (自分を含め、目を逸らす者が少なくないのはそれだけ彼女の存在や名がこの王国に広まっている証なのだろう。
それに対して気にした素振りも見せない様子は相変わらずというべきか。
少女からの注文を受けた給仕係はミレーっぽい少女に困惑気味だが、今日のお勧めをいくつか勧めた。
ひよこ豆のスープやサイコロ状にカットした牛肉のステーキ、煮込んだミートソースとチーズをかけて焼いたバケット。
短い串焼きから、卵とベーコンの煎り物のサラダなど、酒場ながら酒に合う食事も中々に豊富な様子だ。
少しだけ離れた席に座った彼女がこちらに気づいていない様子だったが、頭を抱えたまま確認できないでいる。
何事もないように過ごしているようで、まるで隣にいるかのような錯覚。
気のせいだとは思いたいが――――。)
「(今、視線を向けたら目が合いそうな気がする……)」
(果たして本当にそうなるかはわからない。
箱を開けるまで中身が何かわからないように、顔を上げるまで彼女がこちらを向いているか、見ているかはわからない。
嫌な汗が滲んで、心臓が煩いことに静かに息を吐いた。
冷めてしまいそうな煮込み料理をフォークでほぐしつつ、口に運ぶこともできないまま息を静かに吐く。
――――ここを離れるべきかという思考。
それとも、このまま息を潜めているべきか。
彼女を前にすると理性的な思考が乱されるようで、まさに蛇に睨まれた蛙のような心境だった。
動きを見せたのは暫くして、席を立った。
金額を支払って、酒場を後にすることを選択したようだ。
何事もなければ、彼女の背を通り抜け、不自然にならないように外へと出るだろう。)
■タマモ > 己の希望に沿うように、給仕の女は本日のお勧めを伝えてくる。
こうした時、結構一つの注文に絞られる事が多いが、この酒場、なかなかに品揃えが良いのだろう。
その幾つものお勧めを聞けば、軽く思案する仕草を取る。
うん、正直、数が多いと選ぶのに迷う。
と、そんなタイミングか、視線の端に捉えていた男が、席を立ち上がる。
気付かぬよう、覗いていたから分かるが、料理をすべて平らげていなかったはずだ。
まぁ、明らかに己に気付き、場を切り抜けようとしたのだが…
「………おや、食事と言うのは、食材に感謝し、すべて平らげるべき。
食べ残しは、感心せん…と、そう思うんじゃが、どうじゃろうか?」
背後を通り抜ける、その寸前、そんな男へと声が掛かる。
間違いなく、誰に向けられたのか、きっと理解をするだろう。
そして、そこで足を止めたとしても、止めずにいたとしても。
「時に、いくつか料理が勧められて、迷ってしまっておるんじゃが。
しっかりと、すべてを平らげるついでに、お主で良いから一番のものを教えて欲しいのぅ」
続くように、そんな男へと、足止めのように言葉が続けられるのだった。
■サウロ > (通り抜けようとした矢先にかけられた声は、おそらくは自分へと向けられたものだろうと分かる。
それに気づかないふりをして足を止めずに外に出てしまえば、切り抜けられたかもしれないが。
声をかけられてそれに反応してしまうのは、もはや真面目なサウロの性分といえる。
足を止め、視線がその少女へと向けられる。
こちらを見ているのか、背を向けたまま声をかけたのか。
どちらにしても、その視線がかち合えば、端正な顔立ち、その表情が僅かに歪む。
感情としては、しまった、というようなもの。
しかし、続いた言葉は警戒してこわばらせていた身には拍子抜けするような、普通の問いだった。)
「……残してしまうのは心苦しいが、悪酔いしてしまったので」
(言い訳にしては苦しいか、だがどちらにしても悪酔いしたようなもの。
そういえば女給からいくつかお勧めされていた様子だったことを思い出した。
挙げられていた候補に顎に手を当てつつ思案してから、彼女の様子を見て。)
「好みにもよるが、ひよこ豆のスープは下味がしっかりついていてよく煮込まれているから、好き嫌いも分かれにくく食べやすいと思う」
(食や料理のことに関してなら、食べ歩くことも趣味とする自身の舌と経験からの答え。
一番と言うのは、好みにもよるから決めにくい。味に指定がないなら、誰もが食べやすいそれを選ぶだろう。
と、真面目な性根の青年は、問いかけに律儀にそう答えてから、居心地が悪そうに少しだけ視線を逸らした。)