2024/03/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にテイラーさんが現れました。
テイラー > 平民地区。幾つもある酒場のうち一つ。
格安ではないが割高というわけでもなく、特別不味いわけではないが殊更美味い酒や料理が出るでもない、無難なところ。
しかし、ちょいと一味違うのは小さなステージがあって有志が楽器を奏でたり歌を披露していたりするところだろう。
売れない演者が下手な演奏を披露することもあれば、何でここで歌ってんだ? 等と嘯かれる有名人が美声を響かせる事もある。

今宵は、知る人ぞ知るといった知名度の歌手と、店内にたまたま居た演者が即興で組んで、
嗄れた声のくせ活気と騒音の中でもよく通る歌声と小気味いい打楽器と弦楽器の音が景気よく響いていた。

「おつかれぇ~!」

何曲か歌った後に、熱が随分入ったおかげで汗を滴らせながらに拍手に応えたり一緒に組んでくれた有志と手を合わせて適当な椅子に腰掛ける。
よーく冷えたエールは店主からのサービスらしく笑顔で受け取り一気に煽る。
ごくり、ごくり、ごくり、ごくり、ごくり、一気に煽って一気に飲み干して、

「ぷはー!」

盛大に一息。大きく、酒気を含んだ吐息を零して、次の演者がステージに上っていくのを見やりながらのひと休憩。
次はどうするか。交じるか? 待つか? 何て一思案しながら今度はきちんと金を払ってもう一杯エールを注文し、またグラスを煽る。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からテイラーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/『妖精 春のパン祭』会場」にセカンドさんが現れました。
セカンド > ミッション:誤発注して客室の一部を倉庫にせざるを得ないほど大量にある小麦粉とエール樽をなんとかする
条件:安売りはしない

なんでこんな状況になったかはウチも覚えてない。おおかた徹夜やらで頭が回っとらん時に発注書に書く桁を間違えたんやろ。
支払いの時にダメ元でゴネたけどあかんかった。確かに発注書渡した時確認されたような気がする。
エールはなんとでもなる。問題は小麦粉や。挽き方からパンやピザ用、パスタにも使えんことはない。菓子やケーキには向かん。
なんやっけ、妖精祭ってのとうまく組み合わせられへんかな。妖精は人間が作った物を好む、って聞いたことがある。

次の問題はどう消費するか、や。パンを定食にくっつけられる昼間はええけど、夜はあんまはけへん。
エールは逆に昼間売れへんけど、これはまぁしゃーなしや。

カナッペ、クロスティーニみたいにして来店客全員に出すんはどうやろ。つきだし、ちゅーやつやな。
うちみたいなキャッシュオンデリバリーの店にはあんまり合わんけど……エールとセットやとええかな?
そういやエールも昔は『液体のパン』言われてたらしいな。パン、パン、パン。パン祭りや……。

なんやかんや悩んだ末、大きめの紙にさらさらと書いて看板の下に垂らす。
なんだなんだと付近住民が野次馬のように集まって来た。

『妖精 春のパン祭り』

さて、ランチ営業開始や。妖精祭にタダ乗りしとる気はするけど、誰も文句は言わんやろ。

セカンド > 生地を捏ねながら、ようやっと思い出してきたわ。冬小麦や。
王国北部地域ではあと1、2ヶ月したら晩秋に蒔いた小麦の収穫が始まる。
そうなると中部・南部地域で栽培される春小麦はもう古い、ってんで安ぅなっとったんや。
普通はそんなことあらへん……あっても実際に冬小麦が収穫されてからや。どっかで在庫を大量に抱えたアホがおったんやろな。
で、安値に釣られて大量発注したアホがウチ、ってことや。はー……かなんわぁ。

エールは考えてみればこの妖精祭目当てやったな。平民地区の住人には機会があれば酒を飲みたい、っちゅー奴も結構おる。
妖精祭がどんなもんかはウチもよう知らんけど、「祭りやでー、祝おうやー」って言えばみぃんな乗ってくる。
とはいえ、この店は健全な酒場やから、店員へのお触りやら連れ込みやらは厳禁や。酒飲むとそういう欲が出るらしいけどな。
ま、一人部屋で宿泊している二人が自由意思で互いの部屋を行き来することまでは干渉できへんが……。

ぼちぼちお客さんが入って来た。今日の定食は揚げ魚と野菜スープにパン、オプションはミートパイや。
飲み物も頼んでくれたら嬉しいんやけど、ほとんどおらん。

セカンド > パンを焼く手を緩めずに必要なものを考える。
――このペースやと酵母が足りん。塩もや。同じもんばっかやと飽きるやろから、卵と牛乳も必要やな。
デザートパン用の果物とか、カナッペに載せる奴も考えんと。
あぁぁ……在庫管理が大変や。倉庫は有限やねんぞ。誰や目先のカネに釣られて発注したんは。

ぶつくさ文句を言うても時間は早く進んでくれへん。手ぇ動かすだけで昼間が終わりそうや……。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/『妖精 春のパン祭』会場」からセカンドさんが去りました。