2024/02/26 のログ
ご案内:「平民地区 昼前の露店大市」にラグナレビアさんが現れました。
ラグナレビア > (春を目前に控えた休日の午後。恐らくは今年最後と思われる積雪の浅く残った広場では、職人達が自慢の逸品を持ち寄り展示する露店大市が開催されていた。そのうちの一つ、あまり集客が見込めぬだろうと広場の端に追いやられた露店の店先で、一人の娘が真剣な面持ちで商品を吟味していた。)

「――――この造形、実に見事ですわ。作品に対する愛……いいえ、偏執的なまでの妄念が感じられますの。悪逆なまでのフォルムに反して心遣いに満ちた素材の質感。これでしたら多少乱暴に出し入れしたとて、中が傷つく事も無いでしょう」

(手にした品に形良い鼻先を寄せ、ガントレットの黒手袋越しにも優美な繊指を滑らせて、複雑な凹凸を形成する品物の使い心地を確認する。20前と思しきその娘は、数多の靴に踏み躙られて今や見る影もない残雪に代わって白銀の艶を陽光に反射させる長髪と、切れ長の紅眼が形成する特級の芸術品めいて整った顔貌を有していた。元のデザインが分からぬ程のアレンジが施された学院制服は、要所を黒鋼で鎧いつつも西瓜めいて実った双丘の柔肌を惜しげもなく露出させ、多くの人目を誘引する。ベアトップにだらしないまでに拉げ乗る魔乳のボリュームに反し、長駆のウェストは高い位置でキュッと括れてガーターストラップも淫靡な絶対領域へと魅惑の曲線を繋げていた。そんな美少女が熱心に評するのは、野太く長く逞しいフォルムを弓なりに反らし、どす黒く変色した着彩も実に本物めいて生々しい張り型――――ディルドである。太幹の底に革製と思しき布片と、それに連なるベルトハーネスがぶら下がるのを見れば、恐らくはペニスバンドの類であろう。先程までは商品を目にした途端真っ赤な顔して逃げ散っていく女性客に品の無いニヤニヤ笑いを向けていた店主も、想定外の客からの望外の称賛に居心地の悪そうな顔をしていた。)

ラグナレビア > 「こちらのローターもとっても素敵ですわ。この見目だけでぞくぞくして来ますもの。その上、登録した物の魔力による遠隔起動で数種の淫動が可能というのも見事でしてよ。 ―――――そう、ですわね。店主、これとこれ、後こちら、サイズ違いの物もあるならそれも含めて購入しますわ。釣りは必要なくてよ。今後の制作の糧になさい」

(黙って立っているだけでも滲み出る品の良さは、近寄りがたいまでの美貌と共に高位貴族の係累なのだろうと思わせる。そんなどこぞの貴族令嬢が平民地区の露店市に伴の一人も連れずに訪れて、その上斯様に下世話な店で他者の視線も見事に無視して淫具の数々を購入する。これが普通の町娘であれば嬉々としてちょっかいを掛けていただろう男達も、全く動く事の出来ぬ異様な状況。そんな周囲の様子など意にも介さぬ傍若無人は懐から取り出した多めの金貨で払いを済ませ、淑やかな足取りにも機嫌の良さを覗かせながら露店市場を後にしたのだった。)

ご案内:「平民地区 昼前の露店大市」からラグナレビアさんが去りました。