2024/02/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にムメイさんが現れました。
ムメイ > (朝方の平民地区、まだ人もまばらなそこ。
 もう少しすれば起きる人も多そうな時間に、溜息を吐きながら歩く男が一人。
 足元を見れば僅かに光っているような、そうでないような朧気なものを見て。)

「ああ、ったく……どうしてこうなっちまうんだかなぁ」

(ぼやきながら光についていく形になっているのだが、これは自業自得である。

 さて、本人も極めて不本意ではあるが、彼は不死者である。
 その種族としての性質故、死者の無念を感じ取りやすい。
 その上、基本譲れない部分以外は人が良いともいえる。

 すると、どうなるのか。
 結果を言うなら御覧の通り、死者の無念を晴らすように共に動く事になる。
 そんな事をせず断れば良いのだが、彼自身も迷ったりした時に世話になる都合と彼自身の性格故にそうもいかず。

 結果、傍から見れば徘徊している男が出来上がってしまい。)

「ん? ああ、別に気にしなくていい。 それより、この辺か?」

(明滅する無念の残滓に手を振ってから、平民地区の空き家の前に立つ。
 これ、傍から見たら不審者か狂人待ったなしだよな、等と他人事の様に考えていて)

ムメイ > (無念の内容は至極単純、「家に戻りたい」と言うものだった。
 残滓である以上、死んだ理由までは憶えていない事が多い。
 今回もそうであり、已むに已まれず手伝ったのが運の尽き。

 無念自体が、恐らく生前所以の方向音痴であった事から。
 平民地区をひたすらに歩き回る事になった深夜。

 ああでもないこうでもない、と話しながら
 ――傍目から見れば一人で話している男の姿は、滑稽か不気味か。
 空き家に光が入っていくのを見れば、片手をあげて)

「おう、家に帰れて良かったじゃねえか。
 次は迷い出てくんなよ、俺みたいになっちまうからな」

(呵々、と笑いながらそれを見送る。
 放っておくには切実で、見ないふりをするにはどうにも座りが悪い。
 消えたのを見れば溜息を一つ吐いて見せて)

「……理屈じゃねぇんだよな、こういうの」

(溜息をもう一度、結局のところは自分の我儘だ。
 優先順位があって、他がこれより下になっただけ。
 決めたのは自分で、選んだのも自分。

 なら、そんなに悪いものでもない。
 ちょっとばかり人より長生き、或いは長死にしているのだ。
 先達としてそれ位はやってもバチはあたるまい。

 溜息を吐いた理由は、そうではなく)

「いやこれどう見ても不審者だよなぁ」

(もっと、どうしようもないことだった。)

ムメイ > (死んで花実が咲くものか、だっただろうか。
 結局、基本的には死んだらそれでおしまいだ。
 自分の様なものは例外もいいところだ。
 何せ、似たような存在に逢った事無いのだし。

 生きている間は色々あったとしても、死んだ後位は言う事を聞いてやってもいい。
 同じく聞かなくてもいい、そんなものだ。
 ただ自分は聞いただけで、深い意味はない。

 目下の問題があるとすれば、不審者にしか見えない事だがこれも離れればなくなる。
 一応周囲を確認し、人の有無を確認する。

 居ない事に安堵を一つ。
 下手に知っている人間に見られたらお付き合いを断られるところだ。
 見られなくて本当に良かったと思いつつ)

「……しかし、こんな時間までどっかから見てる奴でもいんのかね」

(つぶやきを一つ、途中で視線を感じたような気がしたのだ。
 周囲を軽く見ても、人気は無いばかり。

 無害だと判断されたか、追うまでも無いと思われたか。
 それとも――そこで思考を止める。

 どうにも判断の勝手が判らない以上、考えるべきではない。
 元より殴る事しか出来ない馬鹿だ。

 出てきたらものによっては殴ればいい、と結論を下す)

ムメイ > (そうして欠伸を一つ。
 そういや夜通し歩き回っていたから眠くもなるか、と思い出す。
 どうにも最近黄泉還ってから、万事こんな調子だ。

 軽く伸びを一つしてから)

「もうひと眠りすっかね」

(そのまま、朝焼けの中へ歩きながら姿を消した)

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からムメイさんが去りました。