2024/01/06 のログ
クロエ > 「……ん、んー」

速いテンポに合わせようとして、必死にこくこくと頭を前後させる姿がやはり人形じみて可愛らしい。
と、同時に自分のペースがやはり全力全開すぎて突いてこれてない、ということを再認識する。
自重とはなんだったのか……そんな言葉が脳裏をよぎる。

そして、相手から出てくる言葉もまた、たどたどしい……というより、拾えた言葉をどうにか返しているように見える。
おお、なんということだろうか。
正直、このままこの可愛い様子を見ていたいから自重などかなぐり捨ててしまえ、という発想が湧いてきてしまう。

「えっと……そう。ロズロズ。チューベローズのローズでロズロズね。
 で。あたしは混成クラスで……多分ロズロズは別クラスだろうし、見たことあるって程度だろうねえ。」

できるだけ落ち着いてゆっくり、言葉少なく話そうとする……のだが、やはり口数は多い。
こればかりは仕方ないのだが、努力は認めてもらいたい気もしないでもない。

「そうね。まずは……世の中に存在するお金の種類から理解したほうがいいかも。
 銅貨とか鉄貨って、見たことある?こういうのだけどさ。」

小動物のようにカステラを食む少女の姿に、やば、かわ……と、また口から漏れるがそれ以上はなんとか封じ込める。
とにかく努めて口数を減らし……まずは、硬貨の認識から確認する。
これ、金貨しか知らない可能性があるよね?

「んー……孤児院に届ける、か。それ自体は悪くないと思うけど。
 多分、店主さん忙しいしなあ。直接届けるとか、教会のヒトに任せるとかしたほうが確実かもなー」

少女の考え自体は、いわゆる貴族的思考ではあるがマシな方。
ただ少し、建設的な部分が足りないかもしれないので、同じ方向でよりうまくいきそうなやり方を考える。
オロオロする姿もかわいいな、と思いながらいい加減、可愛いとしか思わない装置になっている自分に気づく。
でもしかたない、可愛いものは可愛い。それは真理なのだ。 

チューベローズ > まさか自分の応対で、ギアが上がる可能性があるなど思ってもいない少女。
ようやくロズロズと自分が完全につながった。
そうしたら相手はクロクロ?ロエロエはなんか変な感じだし、クエクエにいたってはよくわからない動物の鳴き声のようだ。
ただ小さな口はクロクロ?ロエロエ?クエクエ?などと小さく呟き韻をたしかめていたりもする。
それに、ただ繰り返すだけではむしろ長くなってしまっている事に気づき、上手く相手のあだ名をつけられなくてちょっとしょんぼり方が少し落ちるも気分を切り替えたのか穏やかな笑みを浮かべる。

「クロエさん。えぇ私は貴族クラスですので、やっぱりそうなのでしょうね…。 」

銅貨、鉄華が掌に載せられ出されれば、こてんっと小さく首をかしげしげしげと見つめる。

「まぁ、えっと─これは何枚で銀貨になるのかしら…? 銅貨十枚で銀貨…?鉄貨百枚で銀貨…?」

逆に珍し気に手のひらの上にある鈍色の貨幣を見詰めていたりする。
少女のひと月分のお小遣いで平民一人の数か月分になるなどとは知らない少女目を見開きまぁ、なんて感心したような呟きが漏れる。
少女が小さな頭を動かす度にサラサラとした艶やかな髪がキラキラと光を帯びて揺らめいている。
ちらりと覗く項には視線を惹き付ける白さ。
こめかみのあたりからさらりと零れた髪を指先で後ろに流しながら顔を上げる仕草はどこか妖艶で。

「直接、教会の人…確かにそうできたらいいのですが、それではクロエさんと買い食い?出来ないです…。」

等とちょっとしょんぼり。
しかしながら少女にとっては相手と過ごす時間の方が貴重である。
で、有ればすることはただ一つ。
お金の力で人を動かせばいいのである。

「クロエさん、少しお待ちになって?」

と告げると、カステラ店の店主の方へ寄り、何やら交渉。
袋と一緒に銀貨とハンカチを一枚、そして、明日の夕方同じ量とハンカチを教会の孤児院に届けてくれればさらに銀貨を一枚受け取れるようにしておくと話せば店主はにっこり。
最後に、何処からともなく取り出した扇子で口元を隠し囁けばにこりとした店主は一瞬固まってから壊れた人形の様にコクコクと頭を前後に揺らす事となった。

そんな交渉?脅迫?をしてからクロエの元に戻ればやりましたとちいさく胸を張って。

「クロエさん。 お薦めのお店につれていっていただいても?」

等と、つぶらな瞳キラキラと光らせながら相手を見つめ文字通り甘いおねだりをしてみせた。

クロエ > 「んー……やっぱ見たことなかったかー。
 うん、金額の感覚は覚えておいたほうがいいよ。
 正直、お金いっぱい持ってるって思われると、悪いこと考えるヒトもいるしね」

可愛らしい顔で、可愛らしく首を傾げながら見せた硬貨を見つめる少女。
その様子を微笑ましく眺めながら、感想を述べる。
きっと、言葉としては耳や頭に入っているだろうが……実際の価値のようなものは何処まで実感を持って理解できたことだろうか。
庶民の生活感覚なども……貴族であれば別に知らなくても生きていけるといえば、いける、が。
ただ、こうしてお忍びのように街に出るなら、下手をすれば持っているお金を狙ってろくな目に合わない可能性が大きい。
ゆえに、せめて貨幣価値をある程度知っておいてほしい、そう思った。

「お、なに?買い食い希望?ふふ、いいよいいよー。
 あんまり多くは食べられななさそうだし、厳選しないとねー」

しょんぼりしつつ、こぼす言葉に思わず嬉しくなってしまう。
可愛い子が、可愛い思いを口にしてくれているのだ。

が。その後の行動は……あー、貴族っぽいな。けれど、はて。何を話したのだろうか。
どうにも店主の動きがなんというか……凄い。

「んー、ロズロズー。あんまりいじめちゃ駄目だからねー。
 作る人がいて初めて買えるんだし、敬意ってやつは大事だからね。」

戻ってきた少女に、あえて多くは問わず、言わず。
ただ、たしなめるというよりは自分の考えを伝える、というように言葉をかける。

「おっと、オススメ? んー、そうだなー。
 ロズロズ、やっぱりあまーいお菓子とかがいい?」

言うことを言えば、一転気持ちを切り替える。
甘い声、甘い言葉、甘いおねだりを、可愛らしい顔で言われれば相好を崩して応える。
艷やかな髪、美しい白の肌……先程から、ときおり見せる妖艶さ。
それすらもまとめて、かわいい、と受け止めて。

チューベローズ > 「えぇ、初めて見ましたわ。 ふふ悪い事を考える人にはお仕置きですね…」

くすりと、どこか悪戯な笑みを浮かべて、取り出した扇子で口元を隠しながら愉し気に目を細める。
庶民の貨幣価値はお忍びの時に役に立てばいい程度ではあるが、知っておいて損が無い事は確かである。フムフムト頷きつつ、買い食いに付き合ってもらえることが分かればにっこり。

そして、一度離れて交渉後に戻って来れば相手のアドバイスにくすくすと、どこか悪戯な笑みを浮かべ。

「えぇ、また遊びに来た時に先程のお菓子が食べられなくなったら困りますもの。そういった不幸な事が起きない様にお願いをしてきただけです。」

貴族の世間知らずの小娘が大枚を置いた。
善意だけでは人は簡単に転んでしまうが故の太い釘ではある。
どこか悪戯な笑みを浮かべてコクリと頷きつつも、意識はあっさりと相手と食べる買い食いに。
甘いお菓子と言われればコクリと頷き。

「えぇ、普段食べられないような甘いお菓子が食べてみたいですわ? クリームタップリなのにカトラリーがいらないような…。」

あるかしら?なんて小首をかしげながらも嬉しそうにはしゃぐ様子は外見相応の幼さ。
時折漏れる妖艶さはふわふわとした幻のようでもある。

クロエ > 「んんー……」

ときおり見える、奇妙な色気。正直、女の自分もちょっとどきりとしたりしないでもない。
まあそれも、可愛らしいがゆえに一瞬の動きや表情がギャップのようになって見えているのだろうか、
それに加え、少女の顔に今度生まれたのは今までのぽやんとした表情ではなく、どこか悪戯な……悪く言えば悪の笑み。

二重人格?それとも猫を被っている?
少し、そんな事を考えてみたが……今は、そこまで難しく考えないことにする。
どうせ考えても判るわけでもないし、と。
それを考えた時間は、ほんのわずかであるが、もしかすると表情にでていたかもしれない。

「ま、いっか。多分……まあ、大丈夫そう、だし。
 で、えーっと、クリームたっぷりでカトラリーいらず、か。
 手、汚れちゃってもいいのかな? それでよければ割といい感じので、ちょっと思い当たるやつがあるよ。
 駄目なら駄目で、方法はあるから言ってね!」

店主を見る限り、死ぬような顔はしていない……はず、だし。
まあ多分大丈夫だろう、と考えてそれ以上はシャットアウト。
それよりはおねだりの方について、真面目に考える。

手づかみで食事、なんてあまり多く経験はなさそうだし。
それで手が汚れちゃう、なんて経験もあまりなさそうだ。
とすれば、カトラリーを使わないならそういう体験も楽しいのではないだろうか?と思ってみたりする。

にかっと笑って、質問しつつ思いつくお菓子をリストアップする

チューベローズ > 何やら相手が考えている様子にこてんと少女は小首を傾げ不思議そうに見つめる。
ある種複雑な少女。幼気さがもつ残酷さもある。
相手がほんのひと時の後に戻って来れば嬉しそうに微笑み。

「はい。お願いしますね? ふふ。楽しみ♪」

嬉しそうに微笑みながらそんなおねだりを受け入れてもらえばワクワクとしながら、大丈夫です。等と呟き頷いて。
手を差し出し、その手を握られればきゅっと握り返し、場所も分からないが何と無しに相手を急かそうと軽く引っ張って。
どんなものを食べられるのか、目をキラキラとさせている。

「ふふ。こうしてお友達?と買い食い?した話を聞いていて羨ましかったから。小さな夢だったの。」

等と心の底から嬉しそうな表情に嘘はない。

クロエ > ポヤンとしつつもどこか危険な匂いもする不思議な少女を見て、思う。
このあたり、やはりこの子も貴族というものなのかな、などと。
ただ、別にそれが彼女の魅力を損なうわけでも、忌避感を抱かせるわけでもない。

仮に、彼女が悪だとしても。
それはそれ、これはこれ。
今この時の縁は大事にしたい。

「うんうん、楽しみにしておいてロズロズ!」

迷うことなく少女の手を取る。
柔らかく、それでいてしなやかさもある手。
そして、サイズはやはり……小さい。

「おっと、っとぉ。ははは、意外とお転婆だなー?」

引っ張られる手にちょっと驚きながらも思わず笑みが溢れる。
ああ、本当にかわいいなあ、と。

「よっし、夢を叶えにいこっか! 大丈夫、これから何度も叶えてあげるから。
 さてじゃあ今日の目標は、チョー珍しいその場でしか食べれない特別なお菓子だ!
 ゆっくり食べてるとしなしなーってなっちゃうから注意だぞ!」

楽しそうに。本当に楽しそうな輝く笑みを浮かべる。
そして、少女にこの先の予告をする。

そうしてお菓子屋に誘導していくのだろう。

チューベローズ > 楽しみにという言葉にこくんっと頷き。
少女も今この時を楽しんでいる様子で花のような満面の笑み。

相手の手を軽く握る小さくしなやかで柔らかく温かい手。
きゅっと握り。

「ふふ。だって楽しいんですもの。 まぁ、嬉しいですわ。
一杯ロズロズの夢をかなえてくれるの? ありがとう、クロエさん。
しなしなに?」

どんな食べ物なのか胸躍る。相手の前を急ぐ少女、本人は急いでいるつもりだがどう見ても早歩き程度。
鳴れど、少女は跳ねる度に艶やかで長い銀糸も跳ねさらさらと風にたなびいている。

少し動いて血色の良くなったのか白い肌にはうっすらと紅がさし、艶を増す少女。
相手に慣れて来たのか自然と距離も近くなり、目当てのお菓子屋さんにたどり着けば手を握ったまま横に並び、細い肩を相手に寄せ、見上げる。
其れはどう注文したらいいか、どのような食べ物かわからない故。

「ね、クロエさん。早く食べてみたいわ」

等と囁きながらも少女の鼻を刺激する甘い匂いに、形の良い鼻をすんすんと鳴らし、お菓子屋を興味深そうに見つめている。

クロエ > 「ふふー」

早歩き程度の動きで、道もわからないのに先に立って歩いていく少女。
当然、自分が先に立って導いてもいいのだけれど、楽しそうな少女とさらさらと流れ行く美しい髪を見ていたらそんな気持ちは微塵もわかない。
あえて、誘導だけしながら引っ張られて後からついていく。

「んー?」

透けるような白の肌に体温が乗り、美しい紅が差す。
艶が増したその姿は妖艶さすらまとっていた。
その少女が、慣れてきたのか寄り添ってきたことは好ましい。
なんだかんだと、仲良く慣れるのは嬉しいことだ。

そんな彼女が、自分にお菓子のおねだりをしてくるわけで。

「うんうん。じゃ、今回はあたしが注文しようっか。
 おじさーん、あれ二つね。この子と、あたしの分!
 クリームマシマシで、よろ!」

慣れた様子で注文をする。当然、支払いは自分で二人分。
そもそも値段で云々、よりも数量で伝えてしまえば買いすぎ、などはおきないのだ。
これが一番楽だよ、と少女に笑いかける。

「さ、これね。
 クリームたっぷりだから、手とかほっぺとかについちゃうかもだけど気にせずパクっといくのが一番だよ。
 あと、さっきもいったけど時間立つと水吸ってへにゃってなるから早めにね」

ほどなく渡されたお菓子を更に少女に渡す。
それは成型したメレンゲにクリームをたっぷり挟んだお菓子。
脆いメレンゲはクリームの水分を吸いすぎれば、もろくもとろけてしまう。

チューベローズ > そんな目で見られているなど露とも知らず、愉しそうにはしゃぐ少女。
ふわふわと踊る髪の毛に長いスカートの裾。
少々はねても少女の足元は袋萩の当たりの白い肌がちらりと見えるか見えないか程度。

さっと、スマートに注文され支払われてしまえば自分が出したかったのにとちょっと残念そうにしつつも、数量で伝えるというテクニックにこくこくと感心するようにうなずき、聞いてみてもいまいちわからない謎の食べ物。

くりーむましまし?そういった追加オーダーもできるものなのかと小さく驚きつつも、崩した市井の言葉に少し戸惑いを見せてしまう。よろ? よろしく?


もしそんな食べ物があるとすれば毒見の間にたしかにしんなりへにょへにょになるだろう。

出てきたのはメレンゲでクリームを挟んだ見た目も真っ白のふわふわのお菓子。
手の上に載せられれば確かに見るからにもろそうで。
手の上で揺らしてみればプルプルんっと震えるそれを大きな目をぱっちりと見開いて見つめる。

「は…む…」

崩さぬように両手でお皿を作りその上に置いたメレンゲクリーム。
意を決して、小さなお口大きく開けぱくりと一口。
少女の桜色の唇が白いメレンゲに触れ形を崩していくと同時に口の中に広がる甘いクリーム。
少女の唇ん挟まれ潰れたメレンゲは形を崩しながらクリームが溢れ少女の口元を白く汚したまま顔を上げ、驚きの表情を相手に伝える。

ふわふわで甘く、口の中でハラハラと溶けていくそれは衝撃的で。

クロエ > 「こーやって、代わりに払ったり払われたり。
 それも一緒に買いに行く時の醍醐味だよ。
 ワリカンっていって、後できっちり半々払ったりとかも、ね」

ころころと変わる少女の表情を見ながら、ちょっと通ぶって教えてみたりする。
わざわざ人差し指を立てて説明をするあたり、少々大仰である。
そんな指先は、塗られた青色が綺麗に輝いていた。

「色々注文するのは慣れてからだねー。
 だいじょーぶ。これからもまたくれば、いくらでも慣れることができるよ」

本来は貴族で、丁寧な言葉づかいも学んでいるが、そういう堅苦しいのは必要な場面だけ。
それどころか、スラングじみた言葉遣いまでしてしまうのはたまに混乱を招くわけだが……本人はあまり自覚がない。

「そうそう、そんな感じ」

意を決して、ぱくっといく少女の様子に、にんまりと笑顔を浮かべるクロエ。
お行儀としてはとても悪いのだろうけれど、カトラリーを使ってお上品に食べるお菓子にはない醍醐味がそこにはあるのだ。
なにより、そのお行儀が悪い、という背徳感自体がスパイスになるのである。
もしそれを感じ取ってくれたらいいな、と思う。

……これが癖になったら、ひょっとしてお家に迷惑かな?とちょっと思わないでもないが。
まあ、これくらいの歳ならそれくらいは許してほしい。

「ふふ、美味しいでしょー。お行儀悪いかもだけどね。
 慌てない程度に、早めに食べてね。じゃ、あたしも、と」

こちらは行儀悪く、片手でもったお菓子を少し大きな口を空けて、ぱく、というよりは、バクっといく。
勢いに任せて、まとめた髪がゆれ、顔にかかってきてしまうのを何も持っていない方の手で軽く払う。
妖艶さとは遠く、よくて健康的な色気を感じるヒトは感じるやもしれない。

そして、口の中では、というと。
ざくり、とメレンゲがほどけ、柔らかい甘さが伝わりついでクリームの強い甘みが口の中に広がっていく。
メレンゲはそのまま食感で口の中に主張を残し、味はしっかり混ざって余韻を残していく。

うん、今日もこれは美味しい。
きっと貴族の家付きのシェフなどに頼めば同じものができるだろうが……おそらく、こんな上品に食べにくいものは到底出せないのではないか?と思う。

チューベローズ > 「次は私の番ですね。 ふふ。ワリカン?確かにお友達で気を使わなくて素敵な考えですね」

と、愉しそうに微笑みながら、視線はピンと建てられた人差し指、その先の蒼く塗られた爪の部分。
自分が塗るとしたら何色だろうか、ピンクであればむしろ何も塗らずに透明なコーティングだけの方が可愛いか、はたまた、小さな宝石でもつけてみるのも面白いか。

スラングに触れあう少女。
なる程なんて頷きながら、朴っと一口。
お行儀の悪さもまたスパイスの一つ。
口いっぱいに法張り、桜色の唇を白く汚しながら無ぐむぐ。こくこく。

相手は対照的にバクっと勢い任せの一口、健康的な溌溂とした色気を見やれば、未だ幼児体型に近い自身の身体とは異なる褐色の健康的な色気に目を細めるように見つめながら無意識のうちに唇の周りに溢れた白いクリームを少女の赤い舌がぺろりと舐めとる。

そうしながらも掌をクリーム塗れにしてしまいながらも最後の一口まで食べ終えてしまえば名残惜しそうに指についたクリームを少女の赤い舌が舐っていく。

あっという間になくなってしまえばやや物寂し気な表情でその小さな掌を見詰めて。

「美味しかったのにもうなくなってしまいました…」

確かに今食べた物は長rの上に乗り、飾られた状態でカトラリーで食べるのよりも、今の様に食べるのがやはりおいしいだろう事は分かる。
偶に抜け出して食べる分にはとても魅力的な逸品であったが、掌のそれ、無くなってしまえば、ちょっとしょんぼりしながら相手の方へと視線を向けもし相手の口の周りにクリームが残っていれば少女の指先で肌を撫でるように拭って、自身の口元へと運んでしまうだろう。

クロエ > 「そうそう。トモダチだからね。そこは気を使わず、うまくやるってものよ。
 おねがい、なんかもだねー。頼むのも頼まれるのも、お互い様ってね」

わかってきたねー、なんてちょっと偉そうだろうかと思いつつもそんな風に相手の様子を評価する。
貴族らしくない貴族の自分が今日はなんだかとても誇らしい。

一方の相手は、といえば……可愛らしい口で頬張る姿がやはり小動物チックで可愛らしい。
けれど、そんな一方で美しい顔を汚す白いクリームを舐め取る赤い舌はやはり、どこか妖艶だ。
この落差が癖になったりするのだろうか、とくだらないことをつい思ってしまう。
ギャップ萌え、尊い

「こーいうのはねー、物足りないくらいがちょうど……わっと」

クリームまで使っているので、やはり少々贅沢品。その上メレンゲなので、あまり大きくても成型しづらい。
そんな事情も会って、お菓子自体のサイズはあまり大きくはない。
それでも、少女の手に乗せればそこそこのサイズではあるのだが……
そこは、乙女の甘いもの受容量。物足りなくなるのは必然だろうか。

とはいえ、クリームが濃厚で意外と重いそれを大量に食べるのは考えもの。
それに、飽きるほど食べてしまうと次から楽しめない。そんなことを言おうとした矢先。

手元からなくなったお菓子を惜しみ、しょんぼりとした少女はクロエの口元の僅かなクリームを見逃さず拭い取った。
少し予想外の動きに、クロエもほんの少し驚いた。

「あーもー、しょうがないな。じゃあほら。食べかけでもよければ、こっちもあげよっか?
 でも、食べ過ぎには注意だよ?」

ぺろり、と口元のクリームを舐めた少女の様子によほど気に入ったのか、と思わず笑ってしまう。
しょうがない、というのも口だけで、実際はまあそういうこともあるよね、と温かい目で見ている。
クリームなんて自分で拭って舐めてしまうところだったから、まだその前でよかったかも、なんて思ったりも。

だから、手元にまだ半分ほど残ったお菓子を差し出してみる。
もっとも、食べさしなどいや、ということもあるので相手の意向は聞くのだが。

チューベローズ > 「えぇ、お互いさまも大事ですものね。」

相手の言葉にふわりと微笑みながら答えつつ、ギャップをチラチラと見せながら、物足りないぐらいがちょうどいいと呟く相手の口元についたクリーム白魚のような指先で拭ってから自身の口元へ。

相手の驚いた表情を見ればコロコロと楽しそうに笑い。
しょうがないと口だけで言いながらも温かい目で見られれば愉しそうに微笑みながら差し出されたそれ、小さな口を大きく開けてはむんと一口。
もしかしたら指ごと行ったかもしれないが、
其れも悪戯なふれあい。

しばし溌溂とした元気印の少女との買い食いを楽しんでいくのであった。

クロエ > 「なんというか、ロズロズも意外と変わり者だなあ。」
 
ころころと変わる表情。それは自分も同じで変わらないといえば変わらないし、なんなら今も見せているだろう。
けれど、幼子のようで、そうでもなさそうなこの奇妙な感じはちょっと普通と違う。
それを恐れることはなく、ただただ興味深く、面白く感じて、楽しそうに笑う。

「わ、わ。指ごといかないでよー。そっちは美味しくないし、クリームついてないからね」

驚いた顔にころころと笑われて、別に悪い気はしない。そういう表情もするのか、と面白くなるだけだった。
そう思っていたら、差し出したお菓子の指ごとぱっくりいかれた。
たまたまなのか、わざとなのか。意外といたずらっぽい少女のことだからわざとかもしれない。
まあ、どっちでもいいかな、と思ったりしながら冗談っぽく、クリームが付いていたらOKなのか、と突っ込まれそうな咎め方をした。

「ま、いっか。楽しければ、ね」

そんなことを小さく小さく呟いて。
まだ行けるなら次はどうしようか、などと考えながらクロエは新たにできた友人との買い食いを楽しむのであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からチューベローズさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からクロエさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にラウラ・ウッドゲイトさんが現れました。
ラウラ・ウッドゲイト > 冒険者ギルドに併設された酒場。
まだ日が高い時間ではあるが、今回依頼を受けた仲間たちとの打ち上げ。
中堅やベテランにとっては取るに足らないような害獣の群れの討伐、それでも新人にはそれなりな成果。
しかも報酬もよかったと言う事もあり、普段は先ず起きない打ち上げに話は流れ。

「こういうのも悪くはないけど、もう飲まないわよ」

昼間ということもあり、一杯だけとエールを飲んではあとは断り。
仲間とともに頼んだ料理に手を出しては今日の苦労などを話し合い。
それは楽しそうに笑い、こういうのも悪くはないというように楽しい打ち上げは繰り広げられ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にバカラさんが現れました。
バカラ > 美味しい依頼やら商売のネタを探しに昼下がりのギルドに訪れた男。
張り出された依頼のリストを眺めながらおいしそうなネタが無いか等を探し、顔なじみのかわいい受付さんに地方のお菓子のお土産をばらまきつつ情報収集がてらのお喋りをこなした後。

次は酒場にと足を踏み入れて見れば、新人さんたちがわいのわいの今日の苦労話を肴に盛り上がっているのを見かける。
大分昔にそんな時代もあったなぁなどと長命種ゆえの淡くなってちょっと恥ずかしくも輝く記憶が揺り動かされ少し悶えそうになる。
先輩冒険者としては少し絡んでみても許されるだろう。
きっと許される等とおもいつつ、商売相手にでもなってもらおうかとからかい半分近づいていく。

「ややや、なんぞ面白そうで、景気のいい話しとるねぇ。 兄さん姉さん達、その景気の良さお兄さんにも分けてほしいなぁ。」

等と僅かに胡散臭い語り口でその集団に絡んでいく。
持ち出すのはこの酒場では高めで上等な蒸留酒の封を開けていない瓶、ちゃぽんと揺らしながら人懐っこくもやや胡散臭い笑顔を振りまきながら近づいていく。

「あ、そんなに警戒しないでも大丈夫だよ。 こう見えてお兄さんも冒険者だし、信用と信頼がモットーの商人さんだからねぇ。」

続ける言葉もなんだか胡散臭いかもしれない。

ラウラ・ウッドゲイト > もし後で良い依頼があればこのメンツで受けるのもいいかも。
そんな話も出たりし、あの時はどうだった、助けたよな、等という話で盛り上がり。
誰が一番活躍した、でも報酬は平等にと話は続いていたが、人影が近づいてくればその賑やかな声はいったん静まり。
近づいてきた相手の胡散臭い言葉使いに怪しんだ視線を向け。

「まあ、いいじゃない。それでお兄さんも冒険者?」

胡散臭く見える言葉使いに皆が警戒を見せる中、自分も怪しいとは思うが打ち上げを止めるのももったいなく。
おかしなことをすれば追い払えばいいと告げて。

「変なことしたら追い払うからね」

そう告げては空いている席を勧め皆にうなずきかけ。
そうすれば打ち上げは再開し、冒険者で商人と言う言葉に皆が興味を持って。

バカラ > 「あは、仲良しさんで組むのもいいよねぇ報酬は前も後ろもサポートもきっかり平等にした方が長続きするよぉ。 それぞれの苦労もあるしねぇ。 前だから偉いなんてやってたらあっという間に人間関係バラバラさんだ。 そそ、お兄さんも冒険者よー。」

長い年月、コツコツと商人のついでにやっていた分中堅上位といったところ、冒険者のギルドと商人ギルドが連なったタグをちらりと見せ。

「あはは、優しいお姉さんありがとさんねぇ。 じゃ、ま、お邪魔したお礼に、ほらほら、ちゃっちゃとそのコップ開けてお酒注げないから。」

等と、瓶の蓋を開けつつ、それぞれのコップを開けるように促して見せ。

黙っていれば美男子なのに話すとやや崩れた言葉遣いで胡散臭さもあればそんな欠点も含めて愛嬌やら、近づきやすさを作っている。

「で、なになに、今日はどんなことして稼いできたんか途中参加のお兄さんにも教えてほしいなぁ。 いった辺りであと気になった事とか、気づいた事とか、面白かった事もあったら、おつまみも出ちゃうし?消耗品とかちょっとした道具も割引しちゃうよ?」

等と対価を盛り込みつつ、空になったコップに蒸留酒をトクトク注いで、それぞれのコップと自身のコップを満たせば、中心になっていそうな少女へとちらりと視線を向け乾杯のお誘い。

ラウラ・ウッドゲイト > 「仲良しって……ちょっと顔見知り程度の中よ。
複数でしか受けれない依頼しかなかったから今回は組んだの。
皆やる事はやったんだし平等は当たり前でしょ」

相手の言葉に代表するようにそう返し。
見せられたタグ、二つあるタグの片方は冒険者ギルドのものだという事を見て嘘は言っていないと判断して。

「言っとくけど変なことをしたら追い払うから」

まだ完全に信じていないというように呆れた目を向け。
コップをという言葉、安いエールではない蒸留酒に興味をひかれた仲間たちがコップを空にするのを見ると、自分だけ断るのは失礼かと空にして。
胡散臭く見えるが言葉使いなどでそれが愛嬌に見え、仲間たちは疑いをすぐになくし。

「どんな事って害獣の群れの駆除、場所は……説明してあげて」

自分たちの行った依頼内容を問われると簡単に説明をして後は仲間に丸投げ。
そして空になったカップに蒸留酒を注がれ、視線を向けられると乾杯とカップを掲げるようにする。

バカラ > 「あははは、一回一緒にうまい具合にやれば仲良しさんでいいんじゃない? 慣れ過ぎてだるぅんってなったらまずいけどねー そそ、だけどたまに勘違いしちゃう子もいるからねぇ。みんなそうなったらいけないよぉ。 お兄さんとの適当な約束、覚えといて、損はないよぉ」

等と軽く笑いながら席につき、二回目の釘とあきれた目を受けても図々しくも怯まないあたりに冒険者として、商人として長く続けてきた厚み、面の皮の厚みがあった。

あっという間に空になるコップに満足げに頷き、会話に混ざりながら注いで回り。

「いやぁ冬場の害獣駆除体冷え冷えでしょう、ささ、お酒と食事であっためるのが一番一番。」

お仲間さんの話を聞きながら相槌をうちつつ、カップにやや強い蒸留酒を。卓の中央にはやや濃いめの味付けがされたおつまみと、カバンの中から乾燥した果物に砂糖を塗した甘味の入った瓶を置いて、先ずは乾杯。
男は成れたものできゅっとカップの中の酒を流し込み、手酌に。
飲みっぷりの良い男衆には笑いながらおっいい飲みっぷり!等とおだてながら追加で注ぎ、ヘリの少ない子には無理強いはしない様子。

因みに上物であるため、酒精が強いだけではなく後口はどこかふんわりとした甘さを口に残すそんな逸品。

ラウラ・ウッドゲイト > 相手の言葉にそうだと納得する者もいれば、そうかと首をかしげる者もいて。
しかしその言葉には確かに損と通りという説得力があり、全員が納得したように頷き。

釘を刺しても気にした様子がないことに冒険者としてか商人としてか、その両方としての経験かと感心し。

「寒いけど依頼だとそうも言ってられないわよ」

説明に温まるのが一番といい酒や料理を勧められては各々に手を伸ばし。
蒸留酒の味の強さも体を温める為、濃い味付けの料理に気にならなくなり、乾燥果実や甘みに目が引かれて。

蒸留酒を飲みなれた様子で飲む相手とは違い、自分を含めの見慣れない味にゆっくりと飲み進め。
それでも後味は悪くはなく、全員がゆっくりではあるが蒸留酒やつまみ、果実を楽しんでは話しが盛り上がって。

バカラ > 寒いがそうもいっていられないという言葉にはうんうんと頷き、冬が厳しくなる時期には中堅やその上にいたっては、お金に余裕があればお利口にのんびり過ごしている連中もいる。

「あはは、そだねぇ、依頼だとねぇ雪降る山の中とか雨の森の中とかあるからねぇ。」

うんうんと、相手の言葉兄頷きつつも釘を刺されても糠に釘、ずぶずぶと男の懐に飲み込まれていく。
わいのわいのと酒精や濃い味付けの摘みと果実で滑らかになっていく会話の中で、さりげなく植生が荒らされていなかったかとか、出る前にちゃんと採取系の依頼票を見て、受注せずとも探してみたりした?等と時に話題を差し込み、
中堅以上の冒険者の基本をちらりと見せたりしながら会話に混じっている。


「そうそう、そんな寒い時だとねぇ、手とか悴むと剣を振ったり、弓を持ってる人だったり集中が必要な魔法使いさんだと、いざっっていう時に満足に動けなかったり、ちょっとした違和感で失敗!なんてこともあるからねぇ。
みんなちゃんと寒さ対策していった? 何ならお兄さんそういう時用のちょっとした道具も取り扱ってるんだけど、興味ある?あるよねぇ。ちょっとまってねぇ」

等と呟くと、新入りでも手の出そうな温石や懐炉を取り出しつつ男の前に。
そしてゆくゆくはといったところの周囲を温かくする魔道具や、指先を温める効果が付与された少し高級な手袋を並べて見せて。

「まぁ、お金に余裕ができたら、こっちの方がいいけどねぇ、駆け出しさんとかならまぁ懐炉と温石あたりで十分。 これがあるとナイトではいざっていう時の指先の感覚が違うからねぇ。どうどう?お姉さんもこういったのに興味ない?何だったらちょっとかわいい感じのアクセサリーとかあるよ? え?カッコいい感じのアクセサリー? あぁもちろんあるよぉ」

等とさりげなく商売を始めるあたりはやはり商人か。
会話の流れでちょっとした付与がされたアクセサリーなんかも取り出して見せつつ、若い男の子が好きそうななんか妙にとげとげした無駄に豪華なアクセサリーから、ちょっとしたチャームになる小さなアクセサリーも追加で並べて見せて。

ラウラ・ウッドゲイト > 依頼を選べるほど駆け出し付近ではそんな贅沢は出来るはずもなく、余程に天気が悪い以外では働くものであり。
寒いと居ても休めるはずがないと代表して告げて。

「雨はともかく、雪は遠慮したいわよ」

釘ものらりくらりと避けられてしまい。
雪は嫌、できれば雨も遠慮したいと強めの酒に口も滑っては先ほどまでの話よりも踏み込んだものも出始め。
相手の言うことに確認していなかっただの、そういうのも必要なのかとそれぞれば頷いたり驚いたりとみせ。
冒険者としてそういう事を気にするのだと改めて知ったという顔もあり。

「そこは大丈夫。手袋とかで対処してたから。それより休憩の時が寒かったのよね。
でも、それは問題よね…」

対策と言われては手袋ぐらいしか用意はできないが、それでしたと口々にして。
口にはするが温石や懐炉を見ればこんなのがあるのかと目を奪われ。
それ以上の高級な魔道具などは何れ欲しいと口々にして。

そしてアクセサリーまで並べられると打ち上げよりもそっちがメインになったように商品を皆で見てしまって。

バカラ > 貧乏暇なし、仕事も選べない。
駆け出し、初心者の辛い所ではあるがそういった経験を持って上に上がっても躓くだけである。

「そうそう、寒いの暑いの、雨に雪、風、きちんと対策しないと思わぬところで躓いちゃうからねぇ。 一日の仕事も一日で帰れなくなった! なんていうのもあるからねぇ。 急な変化とか、空とか風とか空気とかに気を配って余裕をもってお仕事頑張るんだよぉ」

明るく笑いながら雨、うんうんんと頷きつつ。
口の滑りもゆるくなれば財布の紐も緩くなる。
押し付ける感じではなく、会話の中にちょこちょこと商売のネタを置いて育てていく。

「そうだねぇ。 直に脱げるタイプのローブやら余裕のあるマント一枚あるだけでも休憩時間の過ごし方がだいぶ変わるからねぇ。 焚き火を囲んで、座るだけじゃなくて、ローブをちょっと広げて熱を逃がさないでみたり、移動中も外の空気を少しでもたったりねぇ。 温石なら休憩時間に焚き火の中に放り込んで置けばまた熱も溜められるし、移動中にも冷える体を温められるからねぇ。」

お薦めお薦めと、サンプルにほんのり暖かい温石を渡してそれぞれを持たしていく。
今は大分落ち着いているがほんのり暖かいそれ、あるだけでも指先の感覚は大分違うだろう。

「どや? ちょっと気になる酒場の女の子にでもたまぁに軽いお土産を渡してあげたりしながらちょっと甘い文句もつけて、話のネタにできたりもするよぉ。 そういう時には恋愛小説なんて薄くて軽いのもっていっても休憩時間の暇つぶしになるねぇ。」

等といったかるいネタ商品も勧めて見たりしつつ、コロコロと転がされる若者たちを楽し気に眺めている男。


「あぁ、自己紹介が遅れたねぇ。 お兄さんはバカラっていうんだ。もう知ってもらってると思うけど冒険者兼商人やってるんだ。 取り扱う品はちょっとした情報、たとえば行く先の小話注意点植生生き物の分布から仕事に役立つアイテム、ちょっとした息抜きの品から食べ物なんでもござれ。 これがほしい、あれがほしい、こんなん欲しいとかあるときには相談に乗るよぉ。 よろしくねぇ。お代はしっかりいただくけどこのバカラの腕も売るからねぇ。」

実際は禁制品も取り扱ってはいるが、それを出すにはまだまだ互いの信頼感も無い、駆け出し初心者さんにはその辺りで十分である。
お近づきの品にと、それぞれに小さな飴ちゃんの詰められた小袋を渡しつつ、ダイレクトな宣伝。
にっかり笑って、ちょっと酒場の女給に上せた男の冒険者に女もののアクセサリーなんて捌きつつにっこにこである。
その女給から今回売った代金の半額程度を渡してアクセサリーを回収するなんて言うこともあるかもしれないがそれはまた別のお話し。

ラウラ・ウッドゲイト > 相手の言うことは全くその通り、全員最低1日の野営の用意はしていると口は揃え。
そして依頼を終えた直後となれば多少にも懐には余裕があり、小さなものなら買うようなしぐさを見せ。

「そういうのは高いでしょ?だから今は厚手のを優先してるのよ、皆。
厚手のローブと焚火があれば雪山にでも行かなければ耐えれるし。
そういうのも用意は必要になってくるわね…」

サンプルとして持たされた温石の温かさにそれぞれは買ってもという流れ。
これがあればだいぶ違うという感想を持ったからで。

そして言葉巧みに勧められた商品も一つはという流れにまでなってしまい。

相手が名前を名乗ると酒で緩んだそれぞれは名前を名乗っていく有様。
この先に必要なもの、そういうものはしっかりと用意という考えとともにこの人に買えばという考えに流れ。
飴の入った小袋とは言え、駆け出しには甘いものを買うことはなかなかになく貴重なもの。
そのことですっかりと気を許してしまい、後でもう一度依頼を、そんなことも忘れて打ち上げを続けてしまうことになって…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からラウラ・ウッドゲイトさんが去りました。
バカラ > ふわふわした空気になった若手達の空気を適宜かき混ぜ、
物を売り情報をさりげなく集め、他の子たちに教えて上げれば一目置かれちゃうねぇ等と自尊心を煽りつつ、
ややうさんくさも真面目に商売をして、酒瓶が空になるころに男はお邪魔したねぇ、また会ったらよろしくねぇ相談に乗るからねぇ等と、擦り込みしつつ、ふわりと、席を立ち離れていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からバカラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/商店」にユーダスさんが現れました。
ユーダス > 平民地区の表通りに面した場所に位置する一軒の商店。
棚に陳列された商品は市民向けの日用品や冒険者向けの雑貨等を中心としているが、
『一部の客』に対してはそれ以外の特別な商品が提供される事もある――時としてそんな噂が囁かれる事もある店だ。

その噂の真偽は定かでは無いが、普段であれば歳の頃二十代程の男が店先に立つ事の多い店内、
しかしその日店の中で来客の応対をしていたのは三十代程の黒服に身を包んだ長身痩躯の男であった。

「有難う御座いました。ええ、今後ともどうぞ御贔屓に。」

今しがた、遺跡の探索に必要な道具を買い揃えて店を後にした冒険者の姿をにこやかな笑みで見送ると、
男一人を残して客の姿の無くなった店内には静寂が訪れる。

元より、赤字にならない程度の売り上げを出しているとは言え客の出入りが疎らである事は本来の店主より伝え聞いている。
焦らず次の客を待つ事にしましょうかと、そんな独白を苦笑い混じりに零しながら、男は店の中の風景を一瞥して。

ユーダス > 今の男の表向きの肩書きはこの店の経営者。
平時の店番や経営は自ら雇用した店主にその大半を委ねているものの、
時として今日のように店主には休みを与え、男自身が店先に立つ機会を作り上げていた。

理由は幾つか挙げられるが、店主の立場に立って直接見聞きする事で見えて来るものがあるから、というのがその内のひとつ。
事実、先の客である冒険者との接客の中で交わした会話は商人としてなかなかに有益なものであった。

「………まぁ、とは言えそちらは所詮『ついで』に過ぎないのですが。」

苦笑い混じりの独白をまたひとつ。
自らの建前にくすくすと可笑しそうに含み笑いを漏らしていると、入口の扉が開かれる音におっと、と佇まいを直す。
そうして、一瞬前とは打って変わって人当たりの良さそうな笑みを浮かべながら、穏やかな声で新たな来客に挨拶を投げ掛けるのだ。

「いらっしゃいませ、ようこそおいでくださいました。」

ユーダス > 平民地区の商店という場所にはおよそ似付かわしくない男の大仰な出迎えに面食らう客の姿。
くすりと可笑しそうに笑みを零した後、失礼、と告げ改めて男は姿を現わした客人への応対を始めようとするだろう。
かくして新たな来客を迎え入れた商店の扉は、音も無く静かに閉ざされてゆく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/商店」からユーダスさんが去りました。