2023/12/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 道具屋」にムツキさんが現れました。
■ムツキ > 【待ち合わせ待機中】
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 道具屋」にレキ・キドーさんが現れました。
■レキ・キドー > 「実存の怪しいカミサマを担ぎ出してご利益無しで売ろうとする事もあるじゃない。
全部来世に点数繰り越すからそれに期待しろみたいな、現世にははなから何も期待しないスタンスというか。」
なんでもいいのだけど。
それらもそういうスタンスの、実態あるカミサマなのかもしれないけど。
元神職としては一家言ある風に言いつつ、もぐもぐもぐもぐ。
忙しなく健啖ぶりを披露していると口数は少なくなった。
「――んぐっ… んっん…」
『なってくれるなら』というムツキにコンコンむせる。
そういう話題を振ったのはこちらな気もするがある意味プロポーズ。されたのは初めてだ。
神様の側仕えとして捧げられる巫女には相手がいるというか縁の無い話でそういう事を実際に意識する事もあまりない。
――何言ってんだ、と困惑した顔で、しばらく咽て何もしゃべれないフリをしておこう。
「…何人目って話だよ。ケッコンしてんの?」
そういえばさ、と軽く流してお酒ぐびー、かっかっかっとかきこみ再開。
嫁を貰うハードルが、私というかヒト水準よりだいぶ易しい事なのかなと思っておいた。
…抱くの何のの話には、思いは同じなのかと少ししみじみする。
体だけの関係になるには気まずい腐れ縁。
といって、進展の余地もあまり無い。
■ムツキ > 「あるなぁ、そういう詐欺師集団みたいなやつら…これがあれば万事うまくいくとか言って、色々売ったりな。
そういう教えを信じるのは勝手なんだけどな、こっちに強要したりしなきゃ影響ないし」
カミサマの実態自体は、神職の人間が声などを聴いているので何かしらはいるのだろう。
けれどご利益なしでというのカミサマを信じるのは追い詰められている人などが多そうというイメージ。
少なくとも少女が活て仕えていたのは、そういう相手ではなかったはずで。
さらに現在追いかけている相手も、普通の人には悪であり害だが、一応カミサマなのだろうと、少女を見つめつつ考えて。
「――いや、いきなりどうした?」
少女の言葉に素直に答えていたところ噎せ始め。
心配しつつ、少女を見つめながら、軽く指を振って弱い風魔法で背中をトントンと叩いて。
「…何人目って?、いや、結婚はしてないぞ、してたらもうチョイっと行動変わると思うし」
家はあるし店員も雇っているので、王国での地盤はある程度固めている。
とはいえ、嫁をとなればある程度の条件は出るのだが。
最低でも妖怪と交流が持てる相手でないとだろう。
王国では一市民だが、故郷では一応は王族ともいえる立ち位置であり、父も複数の妻を持ってはいたので、複数婚事態には抵抗がないのも事実。
とはいえ、少女に軽く言っている訳ではなく、話の中でぽっとでたので本音が零れたともいえる。
「まぁ、変わるって言っても、大きく変わるかって言われると微妙だけど。
結婚した相手を大事にする方向になる程度だとは思うけど」
■レキ・キドー > 「上手いよねホント。よくやるっていうか、信じられる人の純真さはそんなところへ向けられるのが勿体ない。」
しかし当世は宗教に実態が無いのが当たり前の世界ではなく、
神も仏も隣人のようなノリでそこに居て人知を超えた力を発揮するのである。
信仰がサブスクとなって久しい昨今、そんな現世利益に目を向けぬという姿勢は、ある意味では本物の信仰と言えるのかもしれない。
母国において祀られる神々は文字通り国家の柱たる上位存在。
便宜的に邪神なんて言ったりするが、ヨコシマも日陰も無い、物理法則や自然現象が人格を持ったような方々だ。
それぞれに役割があり世界の均衡が保たれるのなら、ヒトの尺度で測れる事は限られる。
が、それはそれとしてヒトはヒトで生きてゆくのだから、
チャンネルが開かれている以上は自分達の暮らしを良くするべく努めるのだ。
――お食事搔っ込む様は、レアシーンかもしれない。
胸中に渦巻きはじめている渇望を鎮めるべくしてしまっている事で、ムツキがこっちを見ているのを意識すると、それでかな?と思った。
今更お上品ぶるのもおかしいし、せっかく命を頂戴しているのだから最大限欲求を満たせる形でいくが。
むせてしまった事も含めて「なんだよ」とバツ悪く。
「――ヘンな事言うからだ。
冗談でも、そういう大事なコトは軽々しく口にするもんじゃ―― ぉおおおおおおっ!? なっ、なにっ!?
いらない! なんか凄い落ち着かない!」
えへんおほんと咳ばらいを交えて口を開いたら、不意にトントンと背中を叩く空気圧。
そういう術で背中トントンしてくれてんのね、とは分かるけど無人トントンの違和感ったらない。
服に虫が入ったみたいな挙動でワタついて、不要であると。
「――あ、ああそ… いや結ばれてたら結ばれてたで問題だけど、一夫多妻のそういう文化なのかなと。
…ああ、私ムツキの事全然知らないな、そういえば。」
カミサマ方のアレソレにかかりきりで、ムツキ達の文化的背景をはじめそういった周りの事は殆ど知らなかったのだなと改めて思う。
――むしゃむしゃとお食事再開すると、所狭しと並べられたお皿もすぐに片付いていった。
■ムツキ > 「教義を考えるのは人な事が多いしな…純真な人ほど信仰心は多いだろうからな、詐欺教団には勿体ないな」
人を超えた存在、その中で影響力を与えられる存在がカミサマとなる。
地上にいる事もあり、実は隣の住人がと言う事すら起こりえる。
そういう存在を知ってか知らずか、詐欺師のような人間が人の弱い部分を突く教義を作るのだろう。
少女と同じ国の出身である自分も、神々自体は知っている訳で。
そもそも自分の親が天狗たちの王である魔王尊である、場合によっては仏扱いされる存在。
その中でも天狗方向の血と覚の母の血を継いでいるのが自分で。
とはいえ、親が神仏に近しくとも自分はそこまで力も無ければ感性も尖っては無い。
結局は、人に近い生活をし、人に近い考えで動く少し違ったヒトともいえるだろう。
「変な事なぁ…ん、気をつけとくわ」
食事をかっ込む少女を見て、バツの悪そうな顔に苦笑しつつ頷いて。
「あ…すまんすまん、手が届かないときとか、喉詰まった時に使う事多いから」
ノックするような風の魔法を止められれば直ぐに解除して。
片手を顔の前に出しながら誤って。
慣れない人間は確かに驚くかと、頷いて。
「んー…あぁ、そういやあんま言った事ないっけ、天狗なのは知ってたっけか?
一応は天狗の偉い人の子供の一人だな、半分別な血も入ってるけど。
あと、家の親は一夫多妻だったな、役目もあったし仕方ないんだろうけど」
もしかしたら少女のカミサマとも付き合いがあった可能性もあるレベルの親ではあり、その縁で少女達の事を知ったのかもしれない。
とは言えども、基本育てたのは家人ともいえる一般的な天狗である、身体能力方向に力が配分されている為、神仏方向には今の所行ける気配もない。
木行に近く、覚の血を引いていることで強すぎる感情を感じる時もあるという程度である。
■レキ・キドー > 「ああうん、あんまやり過ぎると怒られるけど、
向こうからしたら『そこまでしなくても』とか『それ必要?』って思われる事もたぶん… んん、いやいや。
あちらと直接交渉できるのは神官だけだ、神官が面倒を見る衆生を束ねるための教義なんだから、いいんだよ。」
カミサマ的には別に求めてない教義もごまんとあろうけど。
それは何もカミサマに対するものではなく、ヒトがヒトに対して定めるものなのでこちらの好きにすると、神職の立場で。
…言ってから、私がそれを言うのもなあ、と自分の立場に宙を仰ぐ。
――気をつける、なんて言われてしまうと、別にいいけど、ともごもごするあまのじゃく。
何をどうして、こんな事になるまで追いかけっこした事くらいしかない女を嫁になんて言えるのかとつい考えてしまうが。
いやいや軽口、冗談だったのであろうと、驚かせた事を詫びる言葉は上の空な様子で聞いていなかった。
「――ああ、それくらいは知ってる。
ムツキのところがどういう集団かっていうのは聞いてたような。
ある程度分かっていたから、そんなに深刻には警戒してなかったよ。…私が何を聞いたのかよく覚えてないだけで。」
それくらい、さほど関係が悪かったり特にマークするような間柄ではなかったという事か。
あるいは、イケニエ巫女の護衛団は担当部署違いで大して情報が回されていなかったのかもしれない。
「天狗ってヒトを化かしもするから、それだけ思うとなんかひょうきんな気もするんだけど。
なんでかな、凄く気難しそうなイメージもある。 ……。」
…なので、半分特別な血とやら、混血は大変したのかな?と思わないではないが、そこまで軽々に口にするのは控えておいた。
それよりも、一夫多妻に気を留めておこう。 だから簡単に嫁にと言えたのねって。 正妻は後から別にもらうんだよねって。
別に実現しそうもなさそうな嫁話を引きずってしまうのは、それだけ変に衝撃だったのか。
――お皿はあらかた片付いて、ムツキもとうに食べ終えているならご馳走様。
ご馳走になるにはよろしくない食べ方であったと、和装のお支払いで軽くなった硬貨袋を取り出すのだ。
ちょっとくらい暴食したからといって素寒貧というほど火の車ではないだろう。