2023/12/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にラリーさんが現れました。
ラリー > 平民地区内のその小さな古書店は、わりと地区の中心の近くにありながらほとんど目立たず、立ち寄る者もそう多くない。
また古書店という性質上、商品の劣化を避けるため出入り口の向きなど日差しが殆ど入らない設計になっていて、店内は薄暗い。
そんな店の奥、接客カウンターの向こうで椅子に座って文庫本を読んでいる店番らしき少年の姿があった。

この店は少年の実家が経営しているもので、書類上は別の人間を立てているが実質的な店長は少年が務めている。
それ故、この店は少年にとって学院の図書館以上に自由のきくテリトリーである。
獲物となる対象が訪れれば、ほぼ確実に術中に囚われる羽目になるだろう。
もっとも、客足の少なさから獲物の出現は図書館以上に運任せではあるが…その時はその時、が少年のスタイル。
ただ静かに、読書に没頭しながら客の訪れを待ち続ける。

なお主な客層は通常の書店では見つからないような商品を求めるマニアックな本好きか、
遠方の客との本のやり取りの依頼を受けた冒険者あたりとなる。

「…ん」

そうしていれば来客を告げるドアベルの音が響いて、少年はゆっくり本から顔を上げ
珍しく現れた客の姿を視界に入れた。
さてその客は少年の獲物になりうるような者なのか、それともなんでもない一般客か…。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からラリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 「……ああ、くそう。暑くなるくらい走らせやがって。」

うめき声。肩で軽く息を吐きながら。
だいぶ寒い、程度であればいいのだけど。もうちらほらと雪すら見える、そんな季節。
夕暮れ時――噴水広場の、ちょうど噴水を背中にどすんと押し当てて、巨躯の男が座り込んでいた。
寒い中だったにも関わらず、ぜはーって呼吸と、結構な量の汗。だいぶ激しい運動をしてたのが見て取れる。

「くそう、どこいきやがった。」

もう一度呻く。己の夕食のパンを奪った下手人――灰色猫の姿を探して左右に視線を向ける。
もちろん、いようはずもないが。
諦めてまたなんか買いに行くべきなのか。ぐぅう、ってひどく大きな腹の音。