2023/12/14 のログ
■レキ・キドー > 自分はと言えばもはや余生の境地。
仇を討てれば何でもよく、巫女からここまでという身の持ち崩し方を知るムツキは分かってくれると思っている。
心配は何となく感じるしありがたいが、死後の世界と言われるものが現実であると知る神職は、
自分のこの有様を死後であると定義するのに何のひっかかりもなく。
注文に対する視線には、ごち!と頷く開き直りで答えてはやらなかった。
「――そっか、あそこもヒトの宗教なのか。
…ん、じゃなくてそもそも別に付き合いたいとも思わないってのはあるよね。」
色んな側面を持っていそうだから、これはムツキがどう見ているかという確認だけだけど。
あまりご縁が無いようであれば、さもありなん、分かる分かる、ヘンな事聞いちゃったなと首を振り。
――人の欲求、と教えてくれるのには、一応把握していると頷いて。
「アレをご利益って言って良いもんかってのがね? 房中術とかそっち絡みなのかもしれないけど、ヒトが用意してるだけじゃんか。」
異性にモテる、メロメロにさせられる、的な性愛を全面に押し出している宗教ではないように思うのだけど、
やってる事はそんな感じで、かと言ってソッチ方面に特別強いわけでもなさそうという違和感。
ムツキだって知らなかろうし、なんだろねとちょっと可笑しそうな表情。
「ちゃんとした女の人誘う時は、それで釣っても金の切れ目が縁の切れ目になるの覚悟しておかないと。…っても余計なお世話か。
こっちはありがたいけど、そっちが思うほど得点になってなかったりしてね?」
お腹は空いている。なのでアプローチかけてくる相手がいたら小腹を満たそうかというコンディションであるが。
このムツキは巫女として健全にやっていた在りし日の私を知っていて、やり難いったらない。
そういう目で見られると意地を張るしか出来ないが、今日はゾワリとムラつくものも覚えてしまって、そういうのいいからと。
どこかの誰かと健全な関係を築く時には気をつけなってスタンスではぐらかし。
「――ムツキに探してもらってる物と私は根っこじゃ同じものだ。
“イチョウ”の呪物はヒトを狂わせて破滅させるために在る。
別に嫌がらせしたいわけじゃないよ、ただアイツにはそれが養分だから。
…最近、修羅場に立ってなかったからな。 たまってる、けど殺伐としてそうな現場の一件や二件で治まるでしょ。
今すぐデキるわけじゃないからやけ食いだ、こんなのに付き合わせて悪いけど。」
――他人事のように、誰かの不幸になってしまいたくなるのさと、下品な部分は省いてちょっと格好付けておいた。
とりあえずヤるのも手っ取り早いから二階が気になるのだとはとても言えないが。
ムツキには呪物繋がりで察せられるか。
しかし伸ばされた手には 何? と身体がちょいと引き。
そろそろ飲み物でも届けば「長寿と健康に」なんてどこかで聞いた適当言って乾杯、カパッと煽る。
…ガラでもない乾杯なんて、気まずさ紛らわせるためだけのものだ。
■ムツキ > 嘗ての少女をしるからなんとなくわかるが、自分のなす事成したらという感じなのだろうと。
ちなみに、此方は人で無いという点にはこだわりはあまりない、自分も人ではないから。
「まぁ、宗教にそういう側面があるのは昔からっぽいけどな。
個人同士で付き合うには悪くはないけどなぁ」
大抵の宗教には抜け道が有り、其の抜け道の先には人の欲求が隠される。
般若湯と言って酒を、神との交合だからと特別な洗礼を与えた女性と、など。
把握していると聞いて、そっかと頷き。
「ん-…俺らが言うご利益じゃなくて、あそこでは利益っていう言葉になってるんじゃないかな、特に上層部」
信仰心の強い人ではなく、上にいる相手が現世利益に偏ってるのでは、と。
一応神聖魔法使う人もいるから、完全にご利益やらが無いとは言えないけどと苦笑し。
「まぁ…それはそうだわな、こうしたおごりより何かしら俺しかできないてことで利益与えるのが一番だけど。
最低限の得点になってるならいいんじゃないか、レキ相手なら”イチョウ”の呪物とかが一番高そうだけど」
少しでも入ってるなら無駄じゃないと頷き。
昔を思い出せば、そういう目では見られて無かったなぁと遠い目を。
はぐらかしのことばには、その時はと苦笑を。
「うん、そういうのがいるのは判る。
妖の中にも人の感情やらが養分っていうのはいるし。
ふーん…その殺伐としたっていう状況は簡単にあるのか?
いや、やけ食いとかは構わないけどな」
――自分に流れる覚もそれに近いし、他にも”イチョウ”の呪物に近い存在は妖には存在する。
だからこそ、妖をまとめる存在がいるし、巫女たちとも交流があった訳で。
”イチョウ”の呪物から感じる力と、集めた情報的に言えば、飢えや溜まっているのがナニカは判るが。
伸ばした手から体が引けば、それ以上伸ばさず。
飲み物が来て、互いに飲み干して。
「まぁ…いくつか”あっち”の情報もあるから、近いうちに新しいの渡せるかもだけど…その時大丈夫そうか?」
■レキ・キドー > 種族を問題に出来るうちは人種問題と大差ないと言うのは暴論だろうか。
そこから更に一歩踏み込んで捕食者の関係。 魂の何のと言い出すと吸血鬼とやらよりも折り合いが付き難く。
出奔された元同僚達からしてみれば、仇討ちなど方便に過ぎず邪神の走狗に成り下がっているという見方も、むしろ一般的かもしれない。
「どこもそんなもんだよね。
個人同士って感覚で集団と分けて付き合う余地がある分、この国らしく緩いというか柔軟って事なんだろうけど。
…まあね、それをくれるのがカミサマでもヒトでも、欲しいものが貰えるなら契約は成り立つ。
上手くやればカミサマ不在の宗教なんてもんもたまには台頭するんだし、商才次第か。」
国教と認められた宗教である。どんな手法であれ一目置くべきやり手であるには違いない。
甘く見たりはすまいと、やはり私が用心すべきというスタンスには変わりなく。
「――そもそも得点稼いでどうすんのさ。私はこんなだ。
ムツキが厳重管理してる蒐集品と同類って考えたら触らぬ神に祟りなし、の方針で行くのが無難だよ。
…いや助かってるからこんな風に言うのもだけどな。 客として、代金で返すくらいしか出来る事ない。
まあ違うとは思うけど… 嫁にはなれない。いやそこまでじゃないのは分かってるけど! 分かり易くな?
子供の頃気になってた巫女とお近付きになるチャンスって事なら… 私はもうだいぶ趣きが違う。」
…とりあえず抱きたいって事か?と、いささかムラついてしまっている勢いで、あけすけに言ってしまう。
良くしてくれるのはありがたいが、その感性どこかでズレてやしないかと。
――やはり客として、今日の支払いも奢らせるのは筋違いであろうと、
やけ食い分は自分で賄わなければと思い直しながら―― 料理が届くといただきます。
これは元から、男子の前でも平気でチキンにかぶりつけるタイプである。
「――切った張った殺し上等って状況だよ? 場所によっては別に仕事選ぶなんてしなくても簡単に転がってる。」
もぐもぐしながら、殺伐とした状況=極端に言えば魂の収奪であると、
呪物の一機能として人の心を虜にするついでに輪廻だの昇天だのといったレールから外してしまうものもあれば、
感情よりもっと根本的なものを食らう性質もあるのだと伝わるか。
ここでも、ここまで言及しながらムツキにだって分かっているだろう色欲には触れず。
「そういう連絡をもらったら、大丈夫にしてから来るよ。
今日、実はそっちも用意があるって話になってたら受け取り延期をお願いしたかもね。」
既に人を取り込んでいる自分と同類の呪物なんて、見ようによっては極上の補給源であるが。
取り込むためにはせめぎ合いに打ち勝たねばならず、負ければ傍に居るであろうムツキや店にも何かしでかさないとは限らない。
――情報、が、いくつも、あるのかと…
この間自力では一つも見つけられていないような不毛な生活であると、しばし固まって、頼む、頼むと頷いて。
■ムツキ > 「個人ていう考えと組織は別だし…組織の人間としては敵でもって事もあるだろう。
まぁ悪魔や魔物だって何か契約で何かくれたりするしなぁ。
あー、そういう宗教…宗教というか団体な気もするけど、傍からは宗教か」
神も仏もいない宗教は、団体な気はする。
傍から見たら似た感じだが。
「ん-、いや…それでも気になるもんは気になるしな。
元が知らない相手なら、気にせず金でのやり取りで終わらせてるよ。
嫁なぁ…まぁ今の状況じゃ無理な気はするなレキの状況とか含めて。
ちなみに、なってくれるなら俺は受け入れるけどな、其の呪いごとか、解呪方探してかは置いて。
巫女じゃないのは理解してるよ、巫女は種族的に近づくと独特な気配があるから」
「抱きたいのは確かかもな、ただなんか体だけっていうのは嫌なんだよな」
あけすけな言葉に、頷きつつそれだけじゃないと内心を説明しきれないなと苦笑し。
届いた食事を食べる少女を見つつ。
「あぁ、そういうのはいくらでもあるな、砦行けば一発だし」
なるほどと頷きながら。
少女の体の機能についての推測と重ねて、思考し。
一息溜息を吐いた後で、壁は厚いなと内心呟き。
「ま、そりゃそうだ…俺だって疲れてるときは、呪物部屋に近づかないし」
――これでも表裏に人魔族、情報源は多い。
少女と能力の方向が違うと言えばそれまでだ、どちらかと言えばシーフやレンジャー向きである。
頼むと言われれば、乗りかかった船だしな、此処で放り出しはしないってと、小さく笑みを作る。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 道具屋」からレキ・キドーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 道具屋」からムツキさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/書店街」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > 書店街。学院からほど近い、平民地区から富裕地区にかけて書店が並ぶ通り。
特定の技術を持つ職能集団はギルドとして組織化される過程で、自然と同じ場所に住まうようになる。鍛冶町が良い例だ。
書物の取扱いも一つの技術といえる。劇作家の新作から地下図書院に眠っていた魔導書まで、数多くの本がこの書店街に集まる。
そんな通りの中、あっちをふらふら、こっちをふらふらと歩く銀髪の壮年男。肩からさげた鞄には何冊か本が入っているようだ。
一軒の本屋に入ると本の背表紙を眺め、気になったタイトルがあると軽く読んで良いか店員に尋ねる。
「…………」
真剣そのものの目が文字の上を滑る。ページをいくつかめくり、男が求める内容が得られるかを値踏みしている。
ふーむ、と唸った後に本を閉じ、値段を聞いて首を横に振る。男の眼鏡には適わなかったようだ。
丁寧に礼をして立ち去っていく男を見送り、背表紙を見遣ると店員は怪訝な顔をした。
真面目そうに読んでいたが、哲学書や魔導書などではなく、性技に関する本だったからだ。ぽつりと呟く。
『あーゆーのをムッツリスケベっていうのかねぇ……』
■ヴァン > 新刊を手広く扱う店、ジャンル問わず買い取る古本屋、魔導書専門の学術系。特徴のある本屋群を通り過ぎる。
ふと気付くと、男は通りの端にある広場へと辿りついていた。他の専門街へ通じる、商業区の中心地。
目当ての本は何冊か買えたが、見逃しがあるかもしれない。もう一度巡るかと思っていると波打ち際のような音が耳に入った。
視線を向けると小さなテントが立っており、ずらりと人が並んでいる。その先には形容しがたい機械のようなものが置いてある。
回転式抽選機とかいう名前だったか。特徴的な音は射幸心を煽る。
通常のくじでは透視の魔法などで不正が発生する余地があるとのことで、近年見かけることが増えてきた。
「……なんやかんやで買い物したからなぁ」
買い物で手に入れたもの、借金の不足分として人から奪ったもの、もろもろあわせると10回分はありそうだ。
この区画まで来ることもそうそうないので、来たついでにやっていくかと最後尾に並んだ。
目玉の特賞は外国への往復飛竜便ペアチケット、3泊4日の宿泊先つき。
「……いや、当たってもそんなに休めないしな」
本数が多い下の賞を見る。九頭龍山脈の温泉旅館、1泊2日。九頭龍の水浴び場の系列店らしい。
他には食品やら家庭用魔導具やら。手に入れて困るものでもないが、嬉しいかと言われると首を傾げたくなる。
■ヴァン > 「まだ特賞も一等も出てないのか、一等は複数あり、と」
捕らぬ狸の皮算用。権利の譲渡は不可と明記されているのが少々気に食わないが、使うあてはある。
列の長さは変わらず、目の前の人々がどんどん減っていく。皆しょんぼりしているのは、お目当てが当たらなかったからか。
男は比較的運が悪い方だ。戦場に出れば友軍が全滅するなんてザラだし、己が所属していた部隊も陰謀に巻き込まれ無くなった。
こういったくじで当たった記憶はない。そもそもくじを引く機会を避けてきたきらいがある。
担当者に判子が沢山押された紙を渡す。自前のものと他のルートで手に入れた分。合算するとちょうど10回分。
この商店街に来る客達はよっぽど運が悪いようだ。抽選機の周辺にいる商業区の者達が小声で囁いているのを耳にした。
どうやら5%ほどの確率で特賞が当たるらしい。一等も考えれば単純計算して倍以上。
「まぁ、幸運の女神にはふられ続けてる覚えしかないが……」
がらがらがら。残念賞の粗品10個を入れるスペースが鞄にあったか考えながら、ハンドルをぐるぐる回す。 [10d100→7+19+35+39+46+52+52+53+59+61=423]