2023/10/27 のログ
ショコラータ > 「ポニーテールと眼鏡にするわ。」

現在のツーサイドアップ… ハーフアップ?はやはり子供っぽいのか。心当たりに眉根を寄せつつも。
当日はそこも変えるつもりなのよ、眼鏡で大人っぽくなるはずって言われたわと、なんかアドバイスくれそうな様子に補足しておく。
今回採用しないにしても、そういう話は聞かせてもらっておいた方が何かとためになるというのが最近の方針で。

「…うらやま? うん?
 そうね、動物化も小人化、透明化なんかもお祭りに混ざるには支障がありそう。
 ――よ、よからぬが何なのか知らないけど、公衆の面前でそんなヘンな事しな―― ぅおうっ!?」

相手の袖口から何か這い出せば、蛇!?ととりあえず一歩引き。
臨戦態勢ではないけれど、ソレなあに?と話は全然頭に入って来ない…! ところだが。
ミレー族に化けられるという視点には、別口でピンときてしまった。

「いや、いやいやそんな事より―― んン!? そうか、ミレーみたいに化ける事も出来るのよね…
 なんか面倒呼び込みそうでしたくはないけど、キルシュナミレーじゃないかもしれないのか…」

先日学院に教師のフリをして紛れ込んだ推定ミレー族に襲われたが、それがミレーではないかもしれないのかと、思案。
今はさておくし、空振りの思考なのだけど、そうとは知らずに気に留めておこうと思う。

「いやいや、じゃなくて、それよりその、ソレは何? あなたヒューマン? それ何。魔術師? お薬屋さんってこと?」

タコの獣人とか、ペットの触手なんかの線もあるのか、いずれにせよ器用ねと、見せてくれる試験管ではなく触手の方をしげしげ。
媚薬と聞くと悪い印象あるようで、そういうのはイイのよと顔をしかめる。

レイン・レジネス > 数本の触手は空中でうねうねと動いており、その質感から、血の通った生物のように見えよう。
なるほど確かに、衣服の内側にペットを飼っていれば、こういう光景も出て来るやもしれない。
が。事実は今少し素っ頓狂である。

「うーむ、問いがそこそこ多い。……順番に答えていくとね。
 ひとつめ。人間だよ、間違いなく。……ちょっと自分で身体を弄ってねぇ、こういうのが生やせるようにしただけ。
 便利なんだよ、触手。長さがかなり自由だし、関節の駆動域が関係ないし。手が届かない所を搔くのとか、楽。
 ふたつめ。魔術師ではあるかなぁ……ほぼ独学だし、魔術の行使はそんなに得意じゃないけど。
 みっつめ。部分的にイエス……? いろんなお薬を作ったり、魔術的な要素を持つ生物を研究したり……が専門分野。
 ……見慣れてくると結構かわいくない? ……触手、かわいくない……?」

うねうねしている触手がいちど袖の内側にひっこんで、試験管をどこかへ片付けて、また這いだして来る。
蛸の脚にも、似ているが違う。蛇──なるほど形状は近いが、目や口は無い。丸っこい先端の数本が、少女の顔の傍で、うねうね、ぐにぐに。
珍獣ではあろう。……と、同時に。鎌首をもたげた複数本の触手、その切っ先が少女の顔へ向けられる様というのは、
邪念の持ち主ならば容易に何かを想像してしまうような光景ではあるのだが──。

「……ところで、かわいいお嬢さん。〝よからぬ〟ことに興味をお持ち……?
 いや、ね。ちょっと何かしら、言い淀んだように聞こえたから……ちょっと気になっただけ、だけども。
 もしかして知らないんなら……当日になって困らせるのも良くないかなぁ……って、さ」

──そして、この場で一番の邪念の持ち主は、おそらくこの女自身である。
さながら内緒話でもするかのように声を潜めて、真剣に相手を案じているような顔をしてみせた。

ショコラータ > 「100万回した説明でも私が聞くのは初めてなのよ。」

横着せずに説明すれ、と見せてくれたからには責任を追及し。
生やした、と聞くと不可逆かと、正気かと思わず怪訝な顔をしてしまう。

「…便利―― うん、便利でしょうけど… ようするに手足増えてるって事よね、アヤトリの比じゃなく頭こんがらがりそうだわ。
 それを独学… そっか、たまにいるこういう人なのね。
 ――カワイイ…? いやま何でもとりあえず「かわいい」って言っときゃ良いような風潮あるけど…
 ううん… 私は、まだ見慣れてないんで…」

ヒトが話す事が全部本当とは限らない。
もっと何か事情や理由があったのだろうと考えつつ、踏み込むような事ではないから頷いておいた。
かわいいかなあ?と、試験管引っ込めて触らせてくれそうな触手におずおず手を伸ばす。
もしかしたらドップリはまる素質持ちとはいえ、触手未経験。
耳年魔はそんな作品を読んだ事もあるかもしれないが、行きずりの人がいきなり見せてくれた触手と淫らなイメージは直結せず。
――ナメクジ引き伸ばしたみたいでキモいかも、なんて感想は、それを生やした人には黙っておいた。
顔に触れようとされると逃げるが、こっちから触らせてもらうのはヨシ。
うねる触手をちょんちょんとつつき。

「――は? は!? い、いや無いわよ人混みに紛れてって事でしょ?
 この街じゃ当たり前なのかもしれないけど、それが普通とは思わない事ね…!」

よからぬ、事に興味があるかと問われれば、
さきほどの祭りの楽しみ方としてなら、こっそり脇道に逸れておっぱじめてしまうカップルなどを想像し、
赤くなったり言及したり興味のありそうな反応を返してしまいつつも、まだまだおぼこな感じで私はやらぬと否定した。
――なお、お祭りの後にちゃんとベッドでなら想定の内である。

レイン・レジネス > 「こういう人……あっれぇー。なんか褒められてないような気がするぅ……。
 いやでも、結構本当に便利なんだよ……? 本棚の隙間に落とした鍵を拾う時とか……。
 けど、そうかー。逆に君みたいな反応、新鮮だなぁ。割とこの国だとみんな、慣れちゃってるからさぁ。
 ……なんとなく会話の雰囲気的に、このあたりの子じゃないって感じだけど。どう?」

実際、人体には付属しない筈の部品でもあるし、軟体の体表は無脊椎動物にも似ていて、
一般的な感覚であれば気持ち悪い判定の方が正しいのだろう────この国の常識がおかしいだけで。
しかし、それはそれとして。実際に触ってみると、手触りの方はそこまで不気味でもない。
割と弾力がある肉。骨が無いので、芯の硬さは感じられないだろうが、豚の腸詰めを茹でたような感触とも言おうか。
……つついている内に、体表にじんわり、甘ったるい香りの体液が滲んで来るのは、些細な悪戯心。
先程言葉にはした〝魔法薬〟のひとつ、〝感覚が研ぎ澄まされる〟薬が、触手の体表に滲み出てくる。
触れれば指先から──或いは、ある程度の時間傍にいれば、揮発した薬を吸い込んでしまう危険は有る。
そうなれば衣擦れだけでも擽ったさ、もしくは心地よさを感じてしまうような薬品ではあるが──女の方は、何も知らぬような顔をして。

「……ところがねえ。君。この国、この街は大概だから……。
 お祭りの日なんて、ちょっと細い路に入れば、物陰で交わってたり……建物の影で身体を重ねてたり……たぁくさん見かけるよ……?
 君のお連れさんのことは知らないけど、そういう雰囲気に当てられちゃったら……誘われたら……」

囁くように声を潜めて、想像を加速させるべく、語る。
その間にも、触手の体表から揮発する薬液は止まらず──止めずに、散布を続けながら。

「……さっきのスカート、丈が短かったし。そういう時には都合がいいだろうねぇ……。
 壁に押し付けられて、たくしあげられて…………ああ、下着はちゃんと選んだ?
 特別な日には、特別なものを身に着けて──の方がきっと、悦ばれると思うんだ。
 お相手さんの人となりは知らないけれど、君と出かけるというなら……君を憎からず思っているんだろうし」

少女の指につつかれる触手も、時折、つついてくる指に絡み返して戯れ始める。
言葉も礼儀も大人びた少女が、性的な話題に狼狽える様が──つい愉しくて、か。
まるで舞踏会でレディーの手を取るような丁重さで、触手は侵蝕を進めて行く。

ショコラータ > 「え? あ、いやスゴイと思ってるのは本当。
 動機とかその辺を信じてないだけで、それは別にいいから。」

たまにいる天才なのねって褒めてるのよ?とキョトンとするけれど、
その、なんだ、そういう話をしている間にも、せっかくの触手が孫の手やら定規とかで代用ききそうな。
例によってこの国の人ではないと当たりをつけられる理由がアレだけど。

「うん留学生。この街の雰囲気は掴めてきた気がするけど、あんまり何もかも合わせてやるつもりは無いので…
 …意外としっかりした手触りなのね、もっとブヨブヨに思ったんだけど、
 ながーく鎌首もたげる自分を支える筋肉なんだって思えばこんな感じなのも納得だわ。」

触手をつついて、撫でて、ちょっと慣れてきたら摘まんでみる。
他人の手にこんなスキンシップはしないから、手足だと説明された上でも感覚としてはペットに触れる感じなのだろう。
触手の体表がほんのり濡れてくるのに気付くと、摘まみ方強かった? なんか搾っちゃった? と焦るが、平気そうなら言及せず。

「…え。は? 何… だ、大丈夫よ相手そういうのに慣れてそうな遊び人だし。
 ――それに… き、きちんと誘ってくれるならやぶさかではないと言うか… な、何の話よ! 関係ないでしょ!」

語りが艶っぽくなってくると、まずは心配してくれているのかなと思って余計な事まで応えてしまうが。
だんだんセクハラめいてくると、これ会話続けなくて良いんじゃないかと身構えた。
――鋭敏化する感覚は、ひとまずセンシティブ発言に感化されてしまったのかなという評価だけど。
甘い香りはしているし、相手がそういう薬を扱っているとも聞いた、イタズラされているとなれば、今とれる姿勢は抵抗で。

ねとねと指に絡み付く触手の感覚はしばらく愉しんでしまったけれど、サッと引っ込める。

「――な、何なのよ急に! したぎ… 下着か… とにかく余計なお世話だから!
 アンタ、女の人? おっぱいみたいなのはこの触手仕舞ってるとか?」

男性だとすれば私によからぬ感情を持って迫られているのかと考えるけれど、
女性だとしたら、ちょっと冗談が過ぎるが外国人たる自分の身を案じてくれている線も捨てきれない。
女性ベースのふたなりに強姦されてもまだ一応そんな感覚で、さきほど聞けなかった乳房の事を、触手の収納場所かと勘繰りながら。

…その返答がどうであれ、長居は無用の雰囲気になってしまった。
じゃあね! と勢いよく踵を返してお会計に向かうが―― 下着、は考えていなかった。
強姦魔からもなんかバカにされた気がする実家下着は、これも新調しておこうとこっそりリマインダーに追加して。
とはいえここで選ぶ事はなく、すたこらさっさ。

レイン・レジネス > 「ふーむ、〝きちんと誘うならやぶさかではない〟か……なるほどねぇ。
 となるとちょっと仕掛け方を間違えたかなぁ。最初からお茶にでも誘えば……ああいや、こっちの話。
 ……けど君、割と無防備というか。うっかりよそ見してる間に襲われてそうな気配があるというか──」

触手と手で交わされるスキンシップ。これも中々に奇妙な光景である。
少女と触手という取り合わせでありながら、性的な戯れに発展しない接触というのは、この国ではきっと珍しい。
いや。そもそもこの国でもなければ、触手生物の類いが街中に現れることそのものが珍しかろうが。
尚、触角はあるようだが、強度は高いらしい。ちょっと強めに摘まんだところで動じる様子は無い。
なんなら思いっきり歯を立ててみたところで平気な作りではある──試す機会があるかはさておいて。

さて。少女の手指が引っ込んでいくと、触手の方は名残惜しそうにゆらゆらと身を揺らしている。
女の方は今日初めて、きょとんとした顔になって──それから愉快そうに、口元に手を当てて笑った。

「……ふふ、あははっ。ああ、なるほど。……私は女だよ、これはちゃあんと自前。
 別に、目立つように膨らますのは出来なくもないと思うけど……ほら、俯せに寝る時に邪魔だし……。
 なんなら触って確かめてみる? ……別にお金は取らないから」

去りゆく背中に冗談めかした言葉を投げつつ、片手と触手で、別れを惜しむように手を振る。
なるほど当初の目的は達成できなかったが、この国に染まりきっていないまれびとを十分に楽しめたし──
付き合い方もなんとなく、見えてきたような気もするし。
……この先、彼女が感謝祭に出向いて、もしかすればその同行者と、この国らしい爛れた遊びに手を染めたりして。

「コートも買うんだよー。これから一気に寒くなるからねぇ」

そうなってくれていたら、次に出会う時は、今日よりもっと愉しいのではないか。
次はあの華奢な身体を──と腹の底で企てたりもしながら、少女の姿を見送るのだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」からショコラータさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」からレイン・レジネスさんが去りました。