2023/10/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にリコッタさんが現れました。
■リコッタ > 平民地区の夜の裏路地。
その人気のない暗がりに、他人の目を避けるように人影が1つ。
母親が魔族から受けた呪いにより、満月が近くなると獣と化してしまう少女。
かつては呪いの周期の度に部屋に篭り、ただじっとしてやり過ごしていたが。
数年付き合ううちに「悪い意味で」慣れて来てしまっていた。
気晴らしの散歩に人の少ない場所を選ぶ程度の分別は残っているとはいえ。
少女は狂おしい衝動と熱をその身に抱えながら、一人、夜の街を彷徨う。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にサテラさんが現れました。
■サテラ >
夜に出歩くと危ないと言われているのに、ふらふらと散歩に出てきた女。
だって月が綺麗な夜だから、と遊びに出てきてしまうのが、この女、サテラである。
「……なーんか馴染みのある気配がするような」
そして、面倒になりそうな事にこそ首を突っ込んでいく性分である。
この時も、『魔』の気配を感じ取って、歩く予定もなかった暗い裏路地に入ってきたのである。
そして、自分と同じように一人の人影を見つけると、夜に似合わない明るい声で声を掛ける。
「こんばんは、綺麗な夜ね」
軽く手を振って挨拶するが。
相手の状態にはまだ気づけていないようだ。
■リコッタ > 「………………っ」
ぴくっ、と人影が反応した。
その茶色の髪から、同じ色をした獣耳がピンと立つ。
恐る恐るそちらを振り向いたのは……小柄な少女だ。
あなたが感じた通り……不思議な気配を纏っている。
人間の気配、魔族の気配、そして野生の獣のような気配。
「あ……こ、こんばんは……そう、ですね……お散歩日和、です」
相手の顔はフードで見えないが……声からして、女性だろうか。
見られたことを焦っているように、そわそわと視線を泳がせ。
どうにも挙動不審な様子。
■サテラ >
おや、と反応した人影を見れば、人間にはないはずの三角形。
その上、ほのかに感じるのは、明らかに同族の気配。
ただ、それにしては妙な感じがするので首を傾げてしまうが。
「ね、お散歩日和のいい天気。
お月様も綺麗だしねー」
そんなふわふわとした、裏路地に相応しくない言葉を交わしつつ、ゆっくりと人影に近づいていく。
そして、被っていたローブのフードをゆっくりと外せば、月明かりを受けて光る金色の髪に混ざり……。
「もしかして、お仲間かな?
ほら、わたしも一緒だよ」
そんな事言う女の頭の上には、鮮やかな茶褐色の馬の耳。
それは間違いなく、人間の頭にはない物で、あえて魔族としての気配を消す事もやめている。
獣の感覚を得た少女であれば、この女が人間でない事は直ぐに感じ取れるだろう。
■リコッタ > 「…………ぁ……」
フードの下から現れた両の耳に、小さく目を見開く。
このマグメールで獣の耳を持つ存在といえば、ミレーか魔族の二択。
少女はそのどちらでもないが……鋭敏な獣の嗅覚は、確かに人ならざる者の匂いを嗅ぎ取っていた。
───そう、嗅ぎ取ってしまった。あなたの匂いを。
月光を受けて輝く美しい毛並みに惹かれるように、少女もふらりと一歩踏み出す。
「は、はい……その、本当は人間、なんですけど……。
今は……訳あって、少し魔獣化……して、いまして……。
……あの、お姉さんも、夜のお散歩……ですか?
その、良ければ……ご一緒、したいな、って……」
頬をほんのりと染め、じっと注がれる視線。
その耳と、スカートからはみ出した尻尾が、ぱたぱたと忙しなく揺れていた。
■サテラ >
「……あらら、そっか、そういう人間もいるのかぁ」
ちょっとだけ、やってしまった、と困った顔。
うっかり魔族同士だと思ってしまったが。
とはいえ、相手に恐れている様子はみられないので、まあいいか、とお気楽に笑みを浮かべた。
「お散歩のお誘い?
えへへ、嬉しいなぁ~」
頬を染めた視線、その視線の色。
同種ではないにせよその色に色欲が混ざっているのはすぐに分かった。
けれど、女は朗らかに笑いながら、少女の耳と尻尾を見て『可愛い~』なんて声を漏らし。
「いいよ、ほら、こっちにおいで―?」
そんな事を言いながら、腕を広げて愛らしくも欲望に駆られる少女を招くだろう。
■リコッタ > 少女は魔族の気配を多くは知らず、あなたがミレーか魔族か判断できなかった。
それでも恐れを抱けないのは……あなたが女の姿をしていたからだ。
獣の本能に半ば支配された意識は、既にあなたを一匹の雌としか見ることができない。
笑顔で誘いを受けるあなたに、ぱあっと明るい笑みを返す。
その手を掴み、逃げられなくしてしまえ。……そう思っていたのに。
「…………もしか、して……わかっちゃって、ます……?」
己の欲を隠すには、少女はまだ経験がなさ過ぎた。
腕を拡げて招く様子は、今から散歩に向かうようでもなくて。
「わかってて、言ってるなら……良い、ですよね」
少女はそのまま飛び込むように抱き着いて。
小柄な肉体に見合わぬ強い力で、あなたを路地の壁際まで押し込もうとする。
その身体からは発情した獣の臭いがぷんぷんと漂っており、腹部には衣服越しに固い熱の塊が押し付けられていた。
■サテラ >
「おわっ……っとっと、あわわ、よしよーし」
腕の中に飛び込んできた少女の力が、想っていたよりも強くて少しよろめいてしまう。
それでも、しっかりと少女を受け止めて、抱きしめるのは、少女からすれば意外に感じられたかもしれない。
どころか、回した腕で、その背中を、頭を撫で始めるのだから。
「うん、わかるよ。
よしよし、一人で我慢してたんだね、えらいね、いい子だね……」
そう言いながら、頭を撫でて、少女の行動を肯定するように優しく胸に抱きしめる。
「雌を襲いたくて仕方ないんだよね、わかるよ、わたしもそういう時あるから。
それでも我慢してたんだもん、すごいね、いい子いい子」
熱くてかたいものが触れるのを感じつつも、まずは少女の心を落ち着けようと、優しく声を掛けた。
少女の頭を撫でて、耳の裏を優しく掻いてあげて、ただ暴走して襲ってしまった、と言うように感じないようにと言葉と態度で受け入れようと示していく。
■リコッタ > 「あぅ……お姉さんも、ですか……?」
獣の力を受け止められた上、迎えてくれたのは予想外の優しい言葉。
撫でてくれるその温かな掌に、少女の瞳にじわりと涙がにじむ。
「……はい……ずっと、頑張って、抑えてたんです……。
でも、女の人を見るだけで、苦しくて、辛くて、狂ってしまいそうで……」
あなたの胸に顔を埋め、ぐすぐすと涙を拭う。
それでも、その肌の柔らかさと匂いで、欲情は膨らんでいくばかり。
「お願い、です……お姉さん……助けて……」
■サテラ >
「えへへ、恥ずかしながら、わたしもまだまだ未熟者でして……」
お姉さんも?という不思議そうな言葉に、またはにかむように笑い。
少女の瞳に涙が浮かべば、指先でもそっと拭ってあげる事だろう。
「うんうん……それでも無差別に襲ったりしなかったんだから、とっても偉いよ。
よく一人で頑張ったねえ」
ぐすぐすと泣いてしまう少女を、優しく慰めるように褒めながら。
「助けてあげられるかは、その、約束はできないけど……。
うん、少しだけ楽にはしてあげられるかな」
そう言いながら、そっと少女の頬に手を当てて顔を上げさせると、額に優しくキスを落とす。
「……あー、でも、ここだとほら、流石に背中痛くなっちゃいそうだし。
あなたが良かったら、わたしの家に招待するけど、どうかな?」
そう、少女の目を見て、穏やかな声で問いかけた。
■リコッタ > 「そ、そうなん……ですね……お姉さんでも……。
…………そっか、私だけじゃ……ないんだ……」
涙を拭ってもらいながら、どこか安心したようにポツリと呟く。
親意外、誰にも相談できなかったこと。
これまでの我慢を肯定してもらえたのが、嬉しくて。
「本当、ですか……!? お、お願いしますっ」
一時の救いで構わない。一瞬でもこの狂おしい獣欲から解放されるなら。
そんな風に気色ばんで希望に満ちた視線を向けたが。
続く言葉に、その表情が曇る。既に理性は限界を超え、無意識に腰をあなたに擦り寄せている。
ここでまたお預けなんて……と抗議の視線を向けかけたが。
「………………ぁ…………」
額に触れた柔らかな感触に、ぽふ、と頬をより濃い朱に染めた。
その瞳をうっとりと見つめ返し、こくこくと頷いて。
「が、頑張って……耐える、ので……ちゃんと、ご褒美、ください……」
■サテラ >
「……安心した?」
ぽふぽふ、と少女の愛らしい耳を撫でながら微笑みかけて。
「うん、もちろん。
こんなに頑張ってる女の子を放っておいたりしないから、大丈夫」
押し付けられる腰を、むしろ女の方から抱き寄せて、よりしっかりと抱きしめつつ。
キスで染まった可愛らしい表情に、ついつい、もう一度、色付いた頬にキスをしてしまう。
「んもぅ、そんな可愛い事言われたら、ますます大事にしてあげたくなっちゃうなぁ~!
えーと、座標と、距離がこれだから……うん、こんなものかな」
ぶつぶつと女が呟くと、抱き合った二人の周囲に多数の魔法陣が浮かび上がる。
少女にはわからないかもしれないが、非常に高度な転送魔術だった。
「……あ、そうだ。
私はサテラ。
可愛いあなたのお名前、教えてくれる?」
そう、転送魔術が準備を整えていく中で、腕の中の少女に訊ねた。
■リコッタ > 「はい……とっても」
撫でられれば心地良さそうに「もっと撫でて」と自ら頭を擦り付ける。
再びのキスに、おそらく本来の少女のものであろう、はにかんだ笑みを浮かべては、あなたを抱きしめ返した。
……相変わらず、少女にあるまじきナニかは、あなたの腹にぐりぐり当たっていたけれど。
「わ、これは……魔法、ですか……?」
何の術かはわからなかったが、それが魔法であることは理解できた。
実は、彼女はすごい人なのではないか? という疑念も過ったが、今更後戻りできない。
「……ぁ……そ、そう、でした……私、リコッタ、っていいます……。
その……不束者ですが、よろしくお願いします……サテラさん」
息は荒く、いまだにその瞳には淫欲に揺れているけれど。
少女は健気にも、そんな風に名乗って見せるのだった。
■サテラ >
「あ、ふふ!
とっても可愛い顔!」
はにかんだ少女に、無邪気に喜んで見せるサテラ。
抱きしめ返してくれつつも、無意識にか押し付けられているモノにも恐れたりせず、大丈夫と示すように腰をぽんぽん、と撫で。
「うん、長距離転送魔法。
私の家、ここからだと結構遠いところにあるから。
あ、でも安心してね、落ち着いたらちゃんとお家まで送り届けてあげるから」
そう言っている間にも魔術は完成し。
「リコッタ、うん、リコッタね。
とっても可愛い名前!
それじゃあ、行こっか、リコッタちゃん」
息が荒くなるほどの欲望に耐えながらも健気に名乗るリコッタに、サテラはますます助けてあげたいという気持ちが強くなり。
魔術はそんな二人を包んで、マグメールから離れた遠い地へと運んでいく事だろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からサテラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からリコッタさんが去りました。