2023/10/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にバーンハルド・ストルムさんが現れました。
バーンハルド・ストルム > とある酒場の一角。この街には珍しくもない喧嘩が、やや珍しい形で発生していた。
〝やや珍しい〟というのは、喧嘩を行っている人物と、平民地区という場所の釣り合いだ。
一方の勢力は──絢爛豪華な貴族装束の青年と、取り巻きであろう若者達。ごろつき風の薄汚い男から、下級貴族らしきカール髭、兵士崩れのやさぐれた男等など種類はさまざま、10人ばかり。
もう一方の勢力は、これも貴族であろう男……一人だ。家名を喧伝するが如き紋章入りのサーコートは、華美ではないが勇壮である。
そして。
この両勢力の内、たった今、自分の足で立っているのは、サーコートの男だけだ。

「ふんっ。……仰々しい呼び出しに応じてみれば、欠伸を噛み殺す間すら保たぬわ」

床に伏す彼らを傲岸に見下し、男──バーンハルドは鼻を鳴らす。
腰に帯びた長剣は、まだ鞘から抜かれてもいなかった。
……が。

「貴様らはもう良い、失せろ。……愉しみの邪魔となりそうだ。
 無能の貴様らだが、一つ良い判断をしたらしい。何処の傭兵だ?」

その長剣を、しゃら……と鞘擦れの音を立てて引き抜くや、酒場の入り口の方へと振り向いた。
背に、気配を感じたが為だ。
おそらくは──床に倒れているどこぞのボンボンが金を積んだ、喧嘩の用心棒というところか。
荒事を愉しむ性質の男は、不遜な笑みを浮かべて、来訪者を出迎える──。

バーンハルド・ストルム > ──現れたるは、傭兵であろう。
戦場相当の武装で全身を固め、油断無く戦いに挑むその姿。
金の他に取り柄の無いボンボン達に比べれば、余程の良敵である、

「興が乗ったわ。……身構えるがいい、俺と戦う栄誉を授けよう」

何処までも傲慢に、見下しながら──剣と剣の火花を散らす。
そして程なく、この酒場は。
……壁の半ばほどを失う、大災害に見舞われるのであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からバーンハルド・ストルムさんが去りました。