2023/09/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 王都の昼下がり、平民地区にある公園。
数代前の国王が臣民のために下賜したとか、大火事で更地になった所を整備したとか。
平民地区にありながら、相応に広々とした緑に溢れた空間。
ざっくりと区画数個分を飲み込める規模なのは、平民地区には勿体ないぐらい。
それでも憩いの場として機能していることに疑いの余地はなく。
そこかしこでお子様の黄色い声が聞こえる。
分別の付く学生が街中に溢れるのはもう少し遅い時間だし、さもありなんといった具合か。
芝生の広場を望む位置に置かれた木製のベンチに、ちっこいシルエットがちょこんと腰を掛けている。
特に用事らしい用事もなさそうで、只管に脱力している風情。
「時には休養をした方が諸々の効率が上がるというのは理解できるにしても、無為に呆けておるのは如何なのじゃろうな。
どうにも思慮の速さが元に戻るまで、ちぃと時間を要するようになってしまう気がするのじゃが…」
王国内外を飛び回っている人外に、ぽてんっと降りかかってきた時間の空白。
常ならこなす用事の順を前後させて埋め合わせをするのだけれど、たまたま今日は差配できるものが無かったらしい。
だから、次の商談まで何をするでもなし。
少し前に比べれば、多少過ごしやすくなったように思えなくもなかったりするかもしれないと思い込むようにしている外で日向ぼっこ。
……いや、暑い。
まだ十二分に暑い。
夏用の服装をしているけれど、汗が浮かばない訳が無い。
それでも夏の終わりも近いかという暦の雰囲気に乗っかって、涼しい顔をしている、もしくはしようとしている。
突き詰めて言うなら季節の見切り発車をし、ものの見事に屋外の環境を読み違え、しかも意地で問題なしと強情を張っている。
不合理の極みなのだが、商い以外ではちょこちょこ顔を出す一面だ。
視線を巡らせる。
額に汗で貼りつく黒髪を掻き分けながら。
何ぞ涼の取れる出店でも転がっていないのかと。
■ホウセン > そも、誰に対して張っているかも分からぬ意地が、陽光に溶解するのは程なくのこと。
帯から扇子を引き抜き、何もないよりはマシだろうとゆるりと扇ぎながらベンチから立ち上がって。
木陰を探すなり、冷たい飲み物でも探すなりするべくその場を去った。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からホウセンさんが去りました。