2023/09/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にキアラさんが現れました。
キアラ > 「それでは、私はこちらの方を確認して参りますね。」

夜も盛りとばかり、人で賑わう大通り。
その脇で、先輩騎士へと赤髪を揺らしながら告げる少女。
今は夜間の警邏中なのだろう事は、二人の会話や身に纏う騎士服で、傍から見ても明らかだろう。
巡回路の別れ道に来たのか、五指を揃えた指を、ピシ、と額近くに添えながら紡げば、大通りから逸れて明かりの少ない路地裏へと進み行く。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にリックさんが現れました。
リック > 普段は冒険者として真面目に過ごしているが依頼が無ければ悪事にも手を染める。
その日は運悪く依頼にありつけず、日銭を稼ぐためと何度かスリを行い路地裏へ。

「ま、これなら何日か食えるか」

そうして財布からゴルドを取り出しその金額にそう口にして。
空になった財布を捨て何食わぬ顔で路地裏を出ようとしたが、その前に誰か入ってきたので慌てて身を隠し。

偶然か、それともスリを見られて追ってきたのか判断が付かずに動向を伺うようにして。

キアラ > 下層の地区からは離れた区域とは言え、大通りから外れてしまえば治安の良し悪しに大きな差はない。
そもそも、大通りですら毎日何かしら問題が起こっているのだから、さもありなん、だ。
その証拠に、今日も警邏隊の駐屯所には、誰ぞが暴れているだとか財布を盗まれただとか、そんな話が山程寄せられている。

路地裏へと足を踏み入れたその刹那、薄暗い路地で何かが動いたような気がした。
腰へと提げた愛用の武器へと手を伸ばしながら、注意深く周囲へと視線を巡らせ。

リック > この金で酒場にでも行こうと思っていた予定は見事にご破算。
隠れてやり過ごせればと思っていたが、隠れるのが遅かったか感が良いのか。
隠れて窺えば腰に手を伸ばすのが見え息を殺し。

持っている武器は角度的に見えないが、おそらくは剣だろうと辺りを付け。
もし自分が隠れている場所に近づくか、警戒を解き背を見せれば飛び掛かって抑え込む。
そうして金銭的なものを奪う事が出来ればと欲をかき。
もし性別にすら気が付けばそれ以上をという事も考えては相手の動きを観察して。

キアラ > 新米と言えど、一人での巡回を任される程度には実力も付いた頃合いの身だ。
覚えた違和感を気の所為とは流さず、手に取った得物を本来の姿へと戻して構え直す。

「――――……どなたか、いらっしゃいますか。」

誰かが潜んでいるのか、それとも野良の動物か。
声を掛けるのは確認でもあり、警告でもある。
安易に近付く事はせず、誰がいるとも分からぬ場所からの反応を待ち。

リック > 様子を窺うが路地裏の奥へと入ってくる様子はなく。
剣だと思っていた獲物は槍、先ほどまではなかった物に魔法の品かと驚き。
そしてかけられた言葉にバレてるとはっきりと判れば不意を打とうと考えたのは断念して。

「いるよ。急に誰か入って来て驚いて隠れたんだよ」

いかにも仕方ないというような笑みを浮かべて物陰から姿を見せ。
隠れた理由をそれっぽく告げては何も持ってないというように片手を揺らし、もう片手はポケットに入れたまま。
いかにも無害という様子を見せては完全に物陰から抜け出して。

キアラ > 返ってきたのは、野良犬や野良猫の泣き声ではなく、若い男性の声。
潜んでいたのは動物の類ではなく、相手だったらしい。
物陰から身を表す相手の容貌を確認するよう、上から下へと視線を滑らせ。

「なるほど。 治安が良い場所、とは言えませんからね。」

納得したような台詞を柔らかな声音で紡ぐも、相変わらず槍は構えたまま。
それも当然だろう。
彼の片手は、相変わらず隠されているし、そもそも、『誰が来るとも分からない場所に先にいたのに、誰かがやってきたから隠れる』なんて言うのは、反射だったとしても、何もしていない人間には起こり行動だ。
とは言え、彼が何かをした、と言う明確な証拠を目視した訳でも、誰ぞの訴えを聞いた訳でもない今、己の目の前にいるのは、少々不審な青年でしかない。
如何するか――目を離さぬまま、思考を巡らせ。

リック > 姿を現せば視線が動くのは当然、上から下と動く視線を気にしていないというように笑みを浮かべたまま。
逆に自分も相手がどんな姿か、声で女性と判っているが容姿を確認するように動かして。

「貧民地区に比べればマシだけどさ。それでも物騒は物騒だしね」

彼女の言葉は取りあえずの説明に納得はしたようだが、向けられたままの槍に視線を向け。
多分騎士だろうなとその姿を見て思えば、職務に真面目なのか警戒心が強いのかとつい何度も見てしまい。

「その物騒な物下ろして貰えると嬉しいかな?そんなのを向けられて良い気もしないしね」

そう言ってはもう一度無害だというように片手を揺らしてみせ。
もし槍が突き出されれば避けれる距離を維持するためにあと半歩前に出て。
その時にこちらを見ているが何か考えているように見えればチャンス、そう思ってはポケットに入れていた手を抜き。
握っていた痺れ薬入りの小袋を顔目掛けて投げつける。

キアラ > つぶさに観察する青年からは、矢張り、言葉で聞いたような『驚き』は感じられない。
無論、掛けた声が女の物だったから安心しただとか、舐めている、と言うのもありえなくはないが。
取り敢えずは相手に同行なり、所持品の確認なりをさせてもらうか、と算段を付けた折の彼の言葉に双眸を瞬かせ。

「……それでは、もう片方の手も――――」

告げるが早いか、投げ付けられる何か。
薄暗い路地ではそれが何とは分からず、反射的に握る槍を回転させ、穂先で切っていた。

「わぷ……っ?! 何を――――ぅ、 え、」

想定していたよりも軽い感触と、風に煽られ顔面へと運ばれてきた粉末。
それを払いのけるよりも先に、繰り返す呼吸が酸素ごと細かな粉末を吸い込み――がく、と、膝下から力が抜ける。
手足の先から感覚が鈍り始め、一度座り込んでしまえば体を支えるのもやっと、と言う状態。
相手に何かをされたのは明らかだ。
混乱と困惑。それから、怒りの滲む表情が相手を睨み据え。

リック > これが窮屈な同性だったり、いかにも面相そうでなければそう警戒することもなく。
それなりに数場を踏んでいるなら一人の時に相手を前にして考えるのは愚策。
もう片手を聞こえたがその前に手を抜き投げつけた痺れ薬。

それを直ぐ様に槍で切り払う腕前は直接的な方法を使わなくてよかったと安堵する光景。
しかし小袋を切った事で広がる粉末は風の流れで彼女の方へ。
即効性が売りの痺れ薬を吸い込み、力が抜けたように座りこめば念のために口元を袖口で抑えて近づき。

「何って判ってるだろ?」

怒りの滲む表情の彼女を見下ろせば先に危険な槍を奪い取り。
そして、一名様ご案内、と楽しそうに口にすれば彼女に一見すれば肩を貸すようにして路地裏の奥へと連れ去ってしまって。

キアラ > 奪われた槍はみるみる内に唯の棒状の物へと形を変える。
定められた使用者が使わなければ、真価を発揮する事のない、何の変哲もない鉄の棒。
それを奪い返す事も出来ず、伸ばした腕は逆に取られてしまった。
碌に力の入らぬ体では相手から逃げ出すも出来ず、路地裏の奥へと引き連れられて行く――。

リック > 【移動します】
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