2023/08/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にサウロさんが現れました。
■サウロ > (ぐぅぅぅぅぅ────。
盛大にお腹の虫が鳴いている。
普段は青年であるがとある事情で少女の姿になることもあるサウロは、
この姿では教会の手伝いも出来ないということで、余暇となっていた。
少し流れのはやい風を感じながら、熱い日差しに手で傘を作りつつ平民地区を歩いている。
今はその昼時。
お腹が空いて仕方がない状態だった。)
「…………お腹すいた」
(そうつぶやく声に応えるようにクゥゥゥと虫が鳴く。
わかってる、わかってるから落ち着いてとお腹を押さえて歩いていく。
どこか空いている、治安のよさそうな飲食店はないかと、平民地区のそのあたりをうろうろしていた。
少女の時は食べられる量も少ないけれど、相変わらず食べることは好きなのだ。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエイプリルさんが現れました。
■エイプリル > 昨日の夜も一仕事。だいたい昼前くらいまでは寝ていて、九頭竜の水浴び場で体を清めてからまた街歩き。
その後でまた客を探す、という1日を繰り返している娼婦の女。
今日も体を清めた後で、どうしようかとフラフラしていた所。
途中で屋台で買った果実水を片手に飲み飲み歩いていたが、その時耳に届いたなかなか豪快な腹の虫。
「…………?」
どこからの音かと気になってしばし視線を巡らせていれば、どうやら発生源と思われる少女を発見。つい、じーっと視線を向けてしまっていて。
見ず知らずの少女ゆえ、どう声をかけたものか、というのもあるし、スルーするのも何か違うと思ったが故の変な行動だった。
■サウロ > 「暑いし、さっぱりしたものがいいかな……冷たい料理とか?」
(いっそ汗を掻くぐらい熱い料理でもいいのかも、なんて考えながら店を覗いていく。
はやく飯を食わせろと訴える腹の虫を両腕で押さえて少しでも音が漏れないようにする。
お店で食べなくても、屋台で食べればいいかな、なんて。)
「……?」
(不意に視線を感じれば、飲み物を手にこちらをじっと見る女性がいた。
今のサウロからすれば高い背丈に、目につくのは肌色が露出した、豊満な胸元。
女性の肉感的なボディラインを強調するような服装に、艶やかな長い髪。
綺麗な女性だった。だからこそあまり見てしまうのは申し訳なく思い、視線を慌てて反らしてしまう。
その白い頬や眦にほんのり赤みがさしているのは、あまりに過激的な服装だったからだ。
元は男であるがサウロにとって、白昼堂々とみるには少々刺激が強すぎたようだ。)
■エイプリル > お互いに目が合った。そして、逸らされた。
少し目を瞬かせてから、自分の服装を確認するようにみやる。
人によっては目の毒になる程に露出が高い服だが、エイプリル本人にとっては普通のこと。
どこかポロリでもしているか、と確認したが、そういった部分は特にない。
今は風も吹いていないので、スリット部分から前後が持ち上がって、下着をつけていない部分が見えてしまった、ということもない。
そうすると、どうやら自分の服装が原因ではなくて、別の原因で目を逸らされた様子。
ならばおそらく客にはならないか、客になるにせよ、奥手な子、ということになる。
そこまでほぼ一瞬で考えてから、果実水のストローを加えたまま、サウロの方へと一歩近づいた。
いつもなら、そういうこともあるか、とスルーしてどこかにいくのだが、今日は理由なく興味を惹かれた、と言った所で。
「だいぶ豪快にご飯が欲しい、ってお腹が言っているけど。
お金が足りない?それとも場所が決まらない?」
何の気なしに向けた問いかけ。
年齢的にもそこまで小さいわけではないが、見た目以上に幼い子なんていうのもこの町ではよくある話。
服装の仕立てからすれば、多分違うだろうな、と思うお金不足も、いつもの癖で最初に出てくる始末。
それでも、当人は特に気にした風もない。
どうしたの?と聞いた質問と同じつもりで、問いかけが変。
変な格好の変な女に絡まれた、内気な少女といった図式が繰り広げられている。
■サウロ > (女性の肌を褥以外でそうじろじろと見るのは失礼だ、というこの国ではまともな倫理観の下育てられてきた。
その人格基礎が形成されてから、性欲を明け透けにするのは恥であるという認識でいる。
故に彼女がまだ娼婦であるとは知れない。娼婦であっても熱視線を注ぐわけでもないが。
恰好からすれば娼婦に思えるけれど、娼婦のような恰好をした女性というのは存外いるもので。
────といった感じのことをぐるぐる考えている内に近づいてくる気配がして顔を上げれば、
目の前にドンッ、と揺れる胸がきて、「おっき……」と思わずつぶやいてしまった。)
「んん゛っ……えっと、その、何を食べようかなって、考えてまして……!」
(咳払いを一つしてから、視線をぐ~~~↑っと上のほうに向け、彼女の葡萄酒の瞳を碧い目が見つめ返す。
お金がないわけでもないし、どちらかと言えば場所が決まらない、という方。
まだぐぅぅぅぅ、とお腹が空気を読まずに鳴く。
それを間近で聞かれてしまうのは、やっぱりさすがに少し恥ずかしいので、カァ、と頬が熱くなる。)
「まだ、何が食べたいか、気分が決まってなくてですね……」
■エイプリル > 問いかけには普通に返ってきた返事。ということは、奥手な子、か。
そんなことを考えつつに、思わずの呟きは当然に耳に届いていて。
さりとて返答から、そこはあえて掘るところではない、と。
「なるほど。それはだいぶ難儀するわね。
結構いい時間も過ぎてきてるから、お昼の店も閉まり始めているし。」
一度重ねた視線が外れる。周囲を見渡すようにしていれば、
昼食営業を終えて夜に向けて一時閉店、な店がちらほらと。
こうなってくると次の選択肢は……
「いっそ、屋台村に行くのは?
一食しっかりという訳にはいかないけれど、とにかく色々食べられるし。
気分が決まらないなら、そういうてもありかなって。」
空気を読まずに鳴く少女の腹の虫。
エイプリル自身は全く気にしていないし、周囲の人も会話をしていることで多少は多めに見てくれる環境。
これから女二人でどこに行こうか相談しているようにも見えるから。
実施は、今あったばかりの二人なのだが。
■サウロ > (からかわれるでもなく言及されるわけでもなければ、サウロが落ち着きを取り戻すのはすぐのこと。
数度息を吸って吐いてをすれば、状況にも慣れる。暑いから薄着なのだろうという思考に落ち着いたらしい。
となると今度は自由騎士として、あまり薄着でいるのも危険だと忠告したくなるが──。
この姿のサウロが言っても違和感しかないだろうし、平民地区ならまだ安全かと判断した。
そして、どうやら迷ってる間に時間が経ってしまっていたらしい。
困ったように苦笑を零しながら、それでもまだ何が食べたいかも決まっておらず。
いいから適当な店に入るべきだったかなと思いつつ、彼女が提案してくれたことに腕を組む。)
「屋台村は確かにそうですね……匂いで食欲が湧くかもしれないですし。
そうしてみます。ありがとう、お姉さん。お姉さんが飲んでいるのも、美味しそうですね」
(お腹はすくのにアレが食べたい、これが食べたい、という欲がないのだが、
食べるのは好きだし、何か食べたくなるはず、という希望的観測。
彼女の言う通り、屋台村の方へ行ってみようと思い、ぴしっと姿勢を正して、礼をする。)
■エイプリル > 自分の提案に乗ってきた様子の相手にうなづいて。
「そうね。何を食べたいかわからない時は、何でもあるところに行ってみて、
ちょっとでもいいなと思ったものをちょっとずつ食べるの。
それはそれで贅沢な話だし、しっかり一食食べるより満足感は大きかったりするわ。」
経験則だけどね、と付け加えた言葉。
きちっとした礼には口元笑み浮かべてひらり手を振る。
と、そうしていれば、向けられた言葉。果実水への興味。
まだ半分くらい残っているし、と。ストローから口を離してサウロの前に差し出して。
「飲んでみる?果実水。ライチがダメじゃないなら、どうぞ。」
■サウロ > 「ふふ、僕も普段は屋台村も食べ歩きとかよくするんです。
誰かとシェアして少しずつ食べるのも、美味しかったりしますよね」
(食事の話になればぱっと笑顔を見せながら頷いて見せる。
誰かと一緒に取る食事はいつもより美味しい。
そう思うあたりもしかしたら自分は存外寂しがりなのかもしれない、とそんな風に思いつつ。
そんな中で不意に差し出された果実水に目を瞬かせる。
まるで強請ってしまったみたいだと恥ずかしそうにはにかみながら、
それじゃあお言葉に甘えて、と差し出されたソレに軽く口をつけて啜り。)
「……ん、……ん! ライチの爽やかな酸味と、すっきりした甘みがよく出てて美味しいです」
(一口だけ飲ませて貰い、口の中に広がるすっきりとした甘みと共に酸味が広がって、碧い目が輝く。
今の時期にちょうどいい飲み物だと思いながら、これもあとで買おう、と決めた。)
■エイプリル > 「それは確かに。誰かと一緒が美味しく感じるのには、きちんと意味があるとか言ってる人もいたなぁ。」
誰だっけ、と口に出して考えるものの、大した答えも出てこない。
そして、差し出した果実水を飲んだサウロの反応を見て、口元笑みが深まって。
「まぁ、間接キスだけど、同性だからいいわよね?」
奥手な子、と認識しているがための悪戯トラップ。
そこにハマった哀れな少女に向けて、さらに紡ぐ言葉。
「一緒に食べ物の話してたら、私も何か食べたくなってきちゃった。
一緒にいきましょ?すぐそこだし。」
屋台村で買ってきた果実酒を飲んでいただけだったが、食べ物の話をしていたら戻りたくなっただけの話。
果実水もシェアしたし、友人だとの謎理論。
距離感近過ぎのエイプリルにしては普通のことなのだけれど。
■サウロ > 「美味しいが増幅するからですかね?」
(少なくとも、自分はそう感じた。
自分ではない誰かと一緒に、これが美味しい、アレが美味い、と言いあいながら食べるのが好きだ。
ライチの果実水を飲ませて貰って腹の虫も多少は収まったけれど、まだクゥゥゥ、と鳴いている。
そこに間接キス、と言われて一瞬「??」といった顔になる。あまり気にしていないようだ。
というよりは任務で普通に男女関係なく飲み物を回し飲みすることもあるので、間接キスに慌てふためく初心さはないというガバガバ具合である。
それより同性、という点が、だましているようでなんだか申し訳なくなる。)
「いいですね、一緒に食べると美味しいですから!
申し遅れました、僕はサウロと言います。お姉さんは?」
(飲み物もシェアしたし、名も名乗れば友好関係になれるものである。
彼女の名を聞いたなら嬉しそうに横に並び、彼女が歩いてきた方向、
屋台村があるエリアへと向かって、一緒に歩き出そうか。)
■エイプリル > 「あまりよく覚えてないけど、きっとそうなのかも。」
サウロの言葉にそういうことにしておこうと決めた様子。
そして、間接キスの下では、反応が少し予想と違っていた。
だからこそ、さらに興味が引かれるわけで。
一緒に食べに行くことが同意されればやった、と笑顔で反応し、
名乗りを受けての問いかけに。
「サウロ、ね。私はエイプリル。よろしく。」
そう言葉を向けて、歩き出しながら右手を差し出す。握手、というように。
それが叶うにせよ叶わぬにせよ、到着までの間気になることは問いかけていく。
「サウロってさ、私の服装はおっぱいには反応してたじゃない?
でも間接キスは別に気にならないんだ?」
オブラートに包むということなど全くせずに、どストレートに質問を。
回りくどいのは好きではないので。
■サウロ > (彼女、エイプリルから差し出された手に応じるように握手をする。
彼女の上背からすれば、一回り程小さな少女の手だ。
同行の許可に対して笑顔を見せれば、綺麗だけど可愛い人だなあと思う。
────それから一緒に並んで歩く間、不意に問いかけられたことには、
あまりものストレートなことにぶはっと噴き出した。)
「へっ、いや、あの、……えっ!?」
(どういう質問!?と驚きながらも、明け透けな言い方には戸惑いつつ、ええと、としどろもどろに。
胸部を強調した服装は確かに反応したと言えばしたのだが。
今だってすれ違う人は男性女性関係なく彼女の豊満な胸元に視線が行っているだろう。
平均以上に大きい胸というのはそれだけで人目を引くものである。
咳払いをしてから落ち着きを取り戻しつつ、息を吐いて。)
「その……間接キス? については、特に思うことはないです。
直接唇が触れ合ってるとか、そういうのではないですし……慣れてますから。
エイプリルさんの、その、……き、胸部に関しましては、
薄着でいらっしゃるので、あまり地肌を見ないように、と思いまして」
(何を言わされているんだろう、と思いつつ、失礼にならない程度にそう答えて。
そうしている間に、香ばしい匂いがしてくるだろうか。
色んな軽食を販売している屋台村へと到着すれば、匂いに刺激されて虫が騒ぎ出す。)
■エイプリル > 握手を交わして、そして、ストレートな質問には反応するサウロ。
これには反応するんだ、と考えながら、しどろもどろになる様子に可愛いなぁと。
だが、同時に会話にだんだん違和感も感じていた。
少女としての反応にしては、という違和感。
「ふむふむ、直接キスしなければどうってことないわけね、サウロは。
で、私のおっぱいについては……あぁ、なるほど、ね。
サウロって、まるで男の子みたいな反応するのね、可愛い。」
違和感から、男の娘の可能性を考えたけれど、どう見ても女の子だ。
TSについては意識の外。可能性まで知らないわけではないが、気が回っていない様子。
なので、男の子みたいな反応をする女の子、ということにした。
「さて、と。到着したけど、何を食べようかしら。
流石に仕事前だから、臭いの強い肉類と歯か難しいかしらねぇ。」
そうしているうちに到着した屋台村。
では何を食べようか、とお互い物色することになるだろう。
■サウロ > 「うっ……、……お、男です、って言ったら、信じますか?」
(可愛いという部分にはそんなことないと思いつつも、
男の子みたいな、と言われれば、事実精神的には常に性自認は男である。
雰囲気からして彼女はサウロより年上に見える。女性であるので年齢まで尋ねたりはしないが。
落ち着いた雰囲気や妖艶な印象が、そうさせているのかもしれない。
なので年下であるサウロとしては、少女扱いされるよりはまだ少年扱いの方がマシかもしれないと。
外見だけで言えば少女だが、言動や所作は物腰の柔らかい少年っぽさが見えるだろうか。
そんな問いかけをしながらたどり着いた屋台村で色々屋台を覗くことになるだろうか。)
「この時間ですから、あっさり系? 鶏肉ならあまりくさみもなさそうですけど。
あ、僕は先に果実水買ってきますね」
(どれも香ばしい匂いを掻き立てる屋台が多い。
先に果実水の屋台でライチの果実水を購入すれば、彼女の下へと戻っていく。
焼いた鶏の胸肉を細かくスライスしてレタスやトマトと一緒に生地で包み、甘辛ソースをかけたトルティーヤとか。
ほかにも中にいろんなフルーツやクリームの甘味、またはキュウリやツナ、ソーセージにレタスなどと言った軽食を包んだクレープとか。
肉串焼きや骨付き肉、白身魚を細かく削ぎ切りスープにしたものも売っている。
いい匂いが立ち並んで、思わずじゅるりと涎が出そうになった。)
■エイプリル > そんな矢先に突然の告白。一瞬何を聞いたのか理解できなかったが、だんだんと言葉の意味が入ってくる。
「あー、うん。なるほど?」
今一度、まじまじとサウロを全身舐めるように見つめてみるが、どう見ても女の子。
そこで、性転換、それも呪いか魔術の類に思い至る。
「だとすると、難儀よねぇ。ずっと女の子なの?それとも時々変わる方?」
性転換が意識に戻ってくれば、しっくりくる答えがそれになる。
故にそんな声をかけてから、とりあえず食事、と食べ物を物色。
しばし見て歩いた後で、一旦購入したのはサラダクレープと野菜スープのミニ麺。
パッと見た感じ少なめにも見えるかもしれないけれど。
サウロも好きなものを買ってきたら屋台村の中、座って食べられるテーブルを一つ占拠して食事を始めつつの会話になるか。
「ちなみに、サウロくんが今夜のお仕事相手になってくれる、っていうなら臭いもの食べても大丈夫かもしれないけどね。」
そんな言葉は軽口めいた、冗句めいたそれのつもり。ただ、その言葉の意味からして、エイプリルが娼婦である事は流石に知れるだろうか。
■サウロ > (どうやら性転換に関する知識はあるようで、そんなメジャーな呪いなんだろうかと首を傾げる。
一応サウロも呪いを解く方法は探しているものの、中々そういう物は見つからないもので。
あっさりと信じてくれた様子に驚きながらも、安堵の息を吐く。)
「……時々、ですね。本来は男です。まだ戻れるだけ、マシなのかもしれません」
(一般的な性転換の呪いであれば外見の要素だけでなく能力などを引き継ぐが。
特殊な異能いよるもので今のサウロはただの非力な少女レベルでしかない。
そんな話はさておき、食事をとるならとサウロもトルティーヤの屋台で一つ注文する。
それからソーセージやベーコンを焼いて一口サイズにして半熟卵を乗せたものも。
それらをもってテーブルへとやってくれば、腰を下ろして一息つく。)
「お仕事……? エイプリルさんのお仕事は、その……花売りか何かですか?」
(女性にこう尋ねるのは失礼なのかもしれないと思いつつ、自分相手にならいいとなるなら別の仕事かも、と。
どちらにしても今のサウロは少女だ。彼女の相手にはならないだろうと思っている。
体力もない、普通の女性同士のやり方も知らない、ましてやこの体はまだ処女だ。
そういう点から、自分では無理ですと言うように苦笑を零す。)
「うちの隊長とかならエイプリルさんほど綺麗な女性は真っ先に口説きにいくと思うんですけど」
■エイプリル > 「時々、ならまだダメージは少なめかもね。永劫のパターンだと、変わった体に引っ張られて本当に女の子になっちゃった子もいるし。」
食事を進めながら、そんな言葉を返していく。
そういう呪いで娼婦になった子なんていうのもいないわけではない。
そういう意味では一般人よりはその呪いには近しいのかもしれず。
「ええ、私の仕事は花売りよ。買ってくれるなら別に男性にも女性にも売るわ。
貪りたい人にも、貪られたい人にも売るし、初めてを、なんて買いに来る人もいるけれど。」
向けられた質問に対しては全然気にした風もなく、あっけらかんと答えを返す。
さらには、男だろうが女だろうが、攻め受けも自在であることすらさらりと答えて。
「あはは、そういう人でも払うもの払ってくれるなら別に売るけどね。
男の子の時のサウロくんなら、なってくれるかしらね?」
どこまで本気でどこまでジョークか。
言葉遊びにも見えるし、買うと言えば買えそうな気もする。
でも、無理と言ったらそれはそれで笑ってくれそうな気もする。
そんなふわふわした会話をエイプリルは心の底から楽しんでいて。
■サウロ > 「そ、れは、……」
(ダメージは少なめ、なのだろうか。
少なくとも自分はもう普通の男として、女性を抱くだけでは満足しきれないところがある。
永劫女性になったほうがマシだとも思えないが、本当に女の子になったという存在というのは、
どういう気持ちあのだろうかと考えるように顎に手を当てて。
軽く食前の祈りを捧げてから、食事に手をつける。
ベーコンにフォークをさして咀嚼しながら、娼婦としての彼女の生きざまを見て。)
「……いろんな方がいらっしゃるんですね」
(男女関係なく売ることに自信がある人なのだろうか。
サウロが見てきた娼婦の女性は彼女のような自信家の美しい人もいたが、
どちらかと言えば泣く泣く身を売るしかなくなって退廃的に諦観している女性が多かった。
彼女は前者なのだろう。よほどの技術を持っているのだろうと思えば、興味はあれど、
やはりそういった話を白昼堂々するのはためらいがあって、頬が赤くなる。)
「ん、ん……それは、まぁ、そのうち……検討させていただければ、と」
(結局無理とも買うとも即答できないのは、往来でそういう話をすることに羞恥心が沸き立つ性格故。
果実水を飲んで火照りを冷ましつつ、あぐ、とトルティーヤを頬張って小さな頬いっぱいに咀嚼する。
すきすぎた胃袋にようやく入ってくる固形物が本当に美味しい。
空腹は最高の調味料と言うが、口に入れた瞬間のソースが絡み合う柔らかな鶏肉と、
シャキシャキとした野菜の触感が口の中に広がって、きらきらと目が輝く。)
「んん~~~……っ、美味しい…!」
■エイプリル > 「もちろん、女の子になりたいと思っているなら、男の子に戻る方がダメージが大きいかもだけど、サウロくんは違うでしょ?
……そ。色んな人がいるし、どうやって折り合いをつけていくかも大事ってこと。
まぁ、折り合いをつけずに解決する方法もあるかもだけど、どれにしても、自分をしっかり持って動くしかないってことね。」
そんな言葉を向けていれば、顔が赤くなるサウロの様子につい笑いがこぼれてしまって。
「流石にサウロくんも困ってるからこの辺にしとこうかしら。」
そして、エイプリルからは矛を収める。
スープ麺を軽く啜ってから、こちらも笑み深めて
「うん、ここは大体何を食べても美味しいわ。
深夜までやっててくれるのもありがたいし。」
サウロはサウロでとても美味しいものを食べているのはその表情を見ればわかるほど。
だから自分も自分が食べているものが美味しいことをしっかりと伝えていくように。
実際はどうあれ、タイプの違う、二人の女性が美味しい美味しいと口にしながら食べていれば、屋台村にもいい宣伝になる。
少し小腹が空いた連中が足を止めては買い物を始めるのを楽しげに。
■サウロ > (今のサウロの心情としては、男に戻れるが一番ベストな状態だ。
少女の姿は何かと不安が付きまとう。心まで少女に、女になりたいわけではない。
美しい女性を見れば惹かれるし、同性に胸がときめくこともない。
とは言え、戻れないのであれば彼女の言う通り折り合いをつけていくしかない。
その折り合いも、TS体質になってふた月ほど経つ自分の中ではつけれているとは思っているけれど。
助言をくれる彼女から見ればそうは見えていないのかもしれない。
何にせよ、この話はこれまでと、軽く首を振って。)
「……屋台のご飯のメリットは食べたいものが食べられるとこですね」
(こういう所で飲み食いするのも楽しいと思う。難点は、腰を据えられる場所が限られてることか。
なんにせよ、向かいでスープ麺を啜る彼女と一緒に少し遅めの昼食を堪能する。
周囲の目線も十分に引くことだろう。片や露出の多い美人と、片や清純そうな少女の組み合わせ。
姉妹にしても似ていないが、和気藹々と美味しいご飯を食べる様子はいい宣伝効果になった筈。
サウロも少女の時は胃袋が小さいのか、いつもの半分もいかないぐらいで満足してしまう。
常に腹八分目ぐらいをベースにしているので、お腹の虫も鳴りやんでくれたようだ。
爽やかな甘味のあるライチの果実水を飲み干して、はぁ、と幸せそうな表情で息を吐く。)
「ごちそうさまでした。
……と、そろそろ行きますね。エイプリルさんも、この後はお気をつけて」
(この後は暗くなる前に屯所へと戻る予定だが、逆算して行ける所に立ち寄ろうと思っている。
その時間も限られているので、彼女に礼を言って席を立とう。
何もなければ、手を振って別れることになるだろうか。)
■エイプリル > これでおしまい、となればそこにさらに踏み込んではいかない。
ここから先はサウロの問題であって、外野がどうこう言える問題でもないのだから。
「そうね。食べたいものがいろいろある時には特にいいわ。
店に入ると食べられるものがどうしても固定化するからね。
あと、何より美味しいものが多いことも挙げられると思う。
店を構えていないからこそ、より味で引かなきゃならないもの。」
それは娼館娼婦と流しの娼婦でも同じなのだけれど、そこも膨らませるつもりはない。
程なく注文したものが食べ切れれば、エイプリルもまたひとごこちついた、という様子。
そうしていれば、お互いにちょうど良い時間か。
サウロから辞去の言葉を耳にすれば、笑顔のままでうなづいて。
「ええ、私もそろそろ今夜のお相手を探しにいかなくちゃ。
サウロくんも気をつけて。
今のあなたはこわーいオオカミさんにとって美味しそうなんだから、ね。」
最後もジョークまじりの警句を口にして。
そしてお互いに立ち上がり、片付けを終えれば、手を振って各々の方向へと別れて行ったのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエイプリルさんが去りました。
■サウロ > (立ち上がる彼女からの冗談めかすような忠告も受けた。
さすがにサウロ自身にもそこの自覚はあるのか「気をつけます」、と笑みを浮かべて。
そのまま立ち上がる彼女と手を振って、その場で別れを告げる。
踵を返し、腹も膨れて気分よく、平民地区の商店通りを目指して歩いていった──。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からサウロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 「……あづー……。」
うめき声。肩で軽く息を吐きながら。
果たして涼しくなるのはいつのことなんだろうか、夜もまだまだ、ひどくあつい。
夕暮れ時――噴水広場の、ちょうど噴水を背中にどすんと押し当てて、巨躯の男が座り込んでいた。
ぜはーって呼吸と、結構な量の汗。だいぶ激しい運動をしてたのが見て取れる。
「くそう、どこいきやがった。」
もう一度呻く。己の夕食のパンを奪った下手人――灰色猫の姿を探して左右に視線を向ける。
もちろん、いようはずもないが。
諦めてまたなんか買いに行くべきなのか。ぐぅう、ってひどく大きな腹の音。