2025/05/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ──夜更けでも人通りの絶えない表通りを、悠然と大股で歩く金髪の男が一人。
その足でやがて中央広場までたどり着けば、適当に周囲を見渡した後片隅のベンチにどっこいせ、とか
言いながら腰を下ろし、脚を組みつつ背もたれにぐでりと身を預け。
「──ふーぅ……さて、と……今夜の宿どうしょうかねぇ」
中空を眺めながら、眉を下げた表情でぽつりとそんな事を呟く。
普段利用している宿が今夜は満室ということで、男は現在宿無しの状態だった。
宿など選ばなければどこかしら見つかるだろうが、それではなんか面白くない、などというしょうもない理由で
男は今夜の宿を決めあぐねているのだ。
「ンン……誰か親切な人が今夜の宿を提供してくれたり……とかそういうのがあると
エエんだが……」
なんて詮無い願望を口にしながら、そんな親切そうな誰かが都合よくいたりしないものかと
眉下げた困り顔のまま改めて周囲を眺め回してみて。
■エレイ > しかして流石にそう都合の良い展開は今宵はなさそうで。
フンス、と鼻を鳴らしながらゆっくりと立ち上がると、その場を離れてまた雑踏の中へと紛れ──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「平民地区・露店、屋台の並ぶ夜の街路」にシャルティアさんが現れました。
■シャルティア > 平民地区の屋台通り
いくつか木箱を並べテーブルのようにしてる店
大きな数人で作業する折りたたみのキャンプに使いそうな木のテーブルなどが並んでる店もある
果物、串焼き、揚げ物、ピザまで小さな釜で焼いてる露店すらある
そんな露店街の木のテーブル、木の椅子にちょこんと座り、もぐもぐとサラダやら串焼きを頬張る小さな少年
幼い子で一見少女のようにも見える顔立ち、人懐っこそうな顔で美味しそうに串焼きにかじりついてる
「おいしー♪」
目を細めてもぐもぐ、喉がつまりそうになると んぐ、んぐ、とジュースで流し込む。
大人達はお酒をのんでいるが少年にはまだアルコールははやいよう。 それでも賑やかで騒がしく、人がいっぱいいるのを眺めてると楽しい気分になる
■シャルティア > おなかもいっぱいになって
椅子から飛び降りる、食べたものの皿をかき集めて屋台の隣の水を張ったタルにぽいぽい
「ごちそーさま♪」
と屋台のおじさんに挨拶をして手をぶんぶん
元気よく宿へとかけていく
ご案内:「平民地区・露店、屋台の並ぶ夜の街路」からシャルティアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にカロンさんが現れました。
■カロン > ――夕刻、冒険者ギルドに並列する酒場兼宿屋にて。
今日も一仕事終えギルドへ帰ってきた少女は、手間取りながらも手続きを済ませ、ようやっと隣の酒場へとやって来た。
まだ夕方と言うこともあって、本格的な混雑には遠い客数だが、それもじき日が沈めばすぐに変わるだろう。
そうなる前に食事を済ませようと空いていた隅っこのテーブル席へと腰を下ろす。
「今日も一日、お疲れ様です。 ――……私」
ぽつん。ぼっちで独り言を呟く背中は哀愁が漂うか。
少女は胸に手を当て、自分に労いの言葉をかけてからメニューを手に取る。
今日は何を食べよう? 久しぶりに肉か魚……できれば、白身魚のムニエルが食べられると良いのだけど。
そう思いながら真剣な面持ちでメニューを見つめた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヴェスタさんが現れました。
■ヴェスタ > その日、部屋を取ってあった宿屋へと、編み籠を二つ抱えた黒豹の獣人が入ってくる。
酒場も兼ねているその空間へ、大柄ゆえに天井から下がった蝋燭灯りの燭台を斜めに避けるようにしながらずんずんとカウンターの方へ歩いていけば、どん、と籠二つをその上に置き。
「おぉい、これ、調理を頼めんかね。 ちと捕りすぎてな……白身の魚の小さいのからでかいのまで色々いるぞ。
俺がそのまま食おうとするとただの焼き魚になっちまう。川で獲ってきたばかりのやつだぞ」
どうやら、川で釣りでもしてきたのか、それにしては妙に大漁、と言った様子だが。
カウンターに置かれた籠からは魚の尾らしきものが覗いており、まだ時折跳ねるように動いているものもあるようで。
「こんな量は食い切れんしな、そのへんの客に振る舞うのでもなんでも好きに使ってくれ。
俺のぶんはまぁただ焼いただけにならなきゃ……なんだっけな、ムニムニ?とかそんな名前の調理法がなかったか?」
沢山捕れた事に気分を良くしているのか、機嫌よく少々騒がしい。
素焼きぐらいしか出来ない男に小難しい調理名は思い浮かばないのか、確かそんなのがあったような、と言うようなあやふやな様子と共に手を広げてムニムニと握りつつ。
わはは、と笑いながら見渡す所で、隅の方の席に座った、金色の髪の少女に目が行って、すまん、とばかりに片手を挙げる。
「……お、すまんな、騒がしくしてしまった」
■カロン > 冒険者になってまだ日は浅く、基本は失いもの探しや、街の清掃、害獣駆除など、街の中での依頼を中心にこなしてきた。
街の外となると薬草採取が主で、まだ魔物を討伐したことは一度も無い。
冒険に憧れて冒険者になったと言うのに、一向に冒険に出られないとは。
お父様やお兄様方がおっしゃる通り、冒険者の世界は厳しいようです。
実績のない駆け出しの魔法使いは、単独で依頼を受けようとしても門前払いをされるし、だからと言ってパーティーに誘われるのを待っていても壁の花になるばかり。
小さなことからコツコツと。経験値を積み上げて行くしかないのですよね……。
とりあず、当面の目標は受付のお姉さんに名前を覚えてもらうこと!
そう指針を決め、深く頷いて。
「あ、あの……すみませっ」
通りかかったウェイトレスを呼び止めようとした時だった。
のっそりと現れた艶やかな黒い毛並みに一瞬目を奪われ声が止まる。
二足歩行の立派な服を着た黒豹。初めて見る獣人の姿に丸い目を更に丸めて、凝視してしまった。
――陽が沈み切るより一足早く、夜が姿を持って酒場に現れたのかと思った。
「あっ、えっと! い、いいえっ、そんな……」
こちらを気遣う声に、急いで立ち上がり、大きく首を横に振る。
が、言いかけの言葉もそこそこに
「…むにむに。えっと、それはムニエルのこと、でしょうか?」
むにむに握って説明する姿が妙に可愛らしく見えて、ふふっと小さく笑いが零れた。
■ヴェスタ > 多少やかましい獣人男の声になんだなんだと現れた料理人、男を見、籠の魚を見……
ほう、くれるってのならいくらでも調理ぐらいはしてやるぞ、と快く引き受けたようで。
しかし、ムニムニとはなんぞや、と。料理人であれば本来ならすぐ思いつきそうなものだったが、男の妙な手つきにつられて発想が飛んだらしくすぐに思い浮かばず。
なんの料理だ?と首を傾げ始めた料理人をよそに、わざわざ立ち上がってくれた少女の方へ少し気恥ずかしそうに笑ってみせる黒い顔。
「いつもはもうちょっと静かにしてるんだがな。 魚捕りで珍しく気合が入ってなぁ……
――お? ムニエル? ……それか?それだな!」
ムニエルのこと、と言われれば。おお、と料理人と目を合わせ、それだ!と互いに指を指し合っている。
多少の下準備は要るが、それならまぁ普通に待ってれば作ってやれるよ、と言う話になり。
よしよし助かる、毎度ただ焼いただけ、では流石に味気なくてなぁ、などと笑っていて。
「……そうだ、お嬢ちゃん。もし飯がまだで、これから何か食おうか決まってないようなら、ムニエルってやつをどうかね。
魚の出どころはこの謎の猫のおじさんだが、同じものを俺も喰うんだ、怪しい魚じゃあない。もちろん、調理代を請求されても俺が出すしな」
長身真っ黒で、しかも獣人となればそれだけで嫌な顔をする者もそれなりに多いのだが。
なんだか笑ってくれながら普通に話してくれるものだから、こういう良い子には飯ぐらい奢ってやりたい、となるもののようで。
■カロン > 跳ねる魚を前にコックと相談する姿は絵本にでも出てきそうで。
本来は怖がるべき大きな豹が、今や可愛らしい大きなマスコット的なものに見えて仕方ない。
先ほどのやり取りから彼がこれだけ大量の魚を独りで捕ってきたのを想像すると、上機嫌に笑う姿が狩りを成功した猫のようで、頬が緩んで勝手に和んだりして。
「いいえ、酒場は賑やかなものです。特にこれからもっと混む時間になりますので、お気になさらずに。
――当たりですか? ああ、良かったぁ」
コックと意気投合で指さし合うのを眺めながら、お役に立てて何よりです、と嬉しそうに少女もポンっと手を叩き笑みを深めた。
「まぁっ! それはとても素敵なお誘いです。猫のおじ様が捕ってきてくださった魚でムニエルが食べられるなんて……っ!」
謎とか、怪しくないとか自分から言ってしまう愉快な誘いに心が躍る。
胸の前で手を組み、感激に肩を震わせて、隅っこの席からパタパタとそっちへ急いで駆け寄って。
「こんな機会は滅多にありません……よね?
私も丁度今から夕食を取ろうと思っていたところなのです。是非、ご一緒させてくださいっ」
冒険者をしていてもきっと珍しいだろう出来事にわくわくしながら尋ねるのだった。
見ず知らずの方に食事を奢ってもらうのは少し気が引けるのだけど、相手の申し出を断るのもまた失礼と飲み込んで。――実際財布が痩せ細っているのもあって、誘いに乗らせていただこう。
■ヴェスタ > 楽しそうによく笑う子だ、と改めて眺めていると思う。
宵闇のように装いの黒い自分の所へ、晴れ間の雲を思い出すような可愛らしい服の、揺れる綺麗な金色が嬉しそうに駆け寄ってくるものだから、本当なら厳つい筈の顔がつい綻び緩みきってしまう。
おお、可愛いねぇ、とぽつり漏らすのも、普段ならからかうように言っている所だろうが、ただ微笑ましくそう思っただけのよう。
「よしよし、遠慮せず好きなだけ食うといいぞ。そもそも捕りすぎたからな、みんなで食わねば勿体ない。
……最初は普通に数匹釣るつもりだったんだがな、あまりに釣れんものだからつい――直接こう、手でバシバシっとやり始めてしまってなぁ」
猫族だから、と言うわけではないのだが。獣人らしく、実の所普通に釣りをするより直に獲った方が早いし確実なのである。釣り、の方はあくまで暇つぶしやら瞑想やらも兼ねているのだが、この日は偶々しびれを切らして魚の群れと直談判してきたようであった。
よく考えればじっとそれでも我慢して釣ってくればよい筈なのだが、思いの外喜んでくれるものだから、直接獲ってこれるのは凄いだろう、とでも言うように腕組みして自慢げに言っていた。
「お嬢ちゃんがムニエルと思いつかなければ別のものになっていたかもしれんし、な。
色々と偶然が重なってこう、賑やかに食事ができると言うのは確かに滅多にないかもしれん。おじさんも近頃少々、話し相手に飢えていたしな」
おっと、立ちっぱなしもなんだ、と。元々少女が座っていた席の方を軽く指先で促して。
同席しても構わんかね、とそこはきちんとお伺いを立ててから。