2025/05/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──夜更けでも人通りの絶えない表通りを、悠然と大股で歩く金髪の男が一人。
その足でやがて中央広場までたどり着けば、適当に周囲を見渡した後片隅のベンチにどっこいせ、とか
言いながら腰を下ろし、脚を組みつつ背もたれにぐでりと身を預け。

「──ふーぅ……さて、と……今夜の宿どうしょうかねぇ」

中空を眺めながら、眉を下げた表情でぽつりとそんな事を呟く。
普段利用している宿が今夜は満室ということで、男は現在宿無しの状態だった。

宿など選ばなければどこかしら見つかるだろうが、それではなんか面白くない、などというしょうもない理由で
男は今夜の宿を決めあぐねているのだ。

「ンン……誰か親切な人が今夜の宿を提供してくれたり……とかそういうのがあると
エエんだが……」

なんて詮無い願望を口にしながら、そんな親切そうな誰かが都合よくいたりしないものかと
眉下げた困り顔のまま改めて周囲を眺め回してみて。

エレイ > しかして流石にそう都合よくはいかなさそうで。
フンス、と鼻を鳴らしながらゆっくりと立ち上がると、その場を離れてまた雑踏の中へと紛れ──

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者酒場」にヨヒラさんが現れました。
ヨヒラ > 「はい、確かに確認いたしました。お疲れ様です。こちらが報酬になります。」

冒険者酒場に併設されているクエストの受付にて依頼達成の報酬の清算を行った直後とは思えないほど、少女の表情は浮かないものであった。

「報酬…これだけ…。」

何の実績も持たず年端のいかない、それでいて特筆すべき戦闘能力を持つわけでもない新米女冒険者が受注できるクエストなどせいぜい良くて小型の魔物の討伐依頼。
あとは薬草などの素材集めの依頼くらいのものであり、簡単なクエストゆえに報酬も小遣い程度。
飯を食らい宿泊費を支払えば、手元に残る物は何もない。
その日暮らしの生活がしばらく続き、少女は思わずため息を零す。

「刀の手入れもしないとだから、今日は野宿でご飯抜き…。はぁ、これじゃあいつまで経っても立身出世なんて夢のまた夢…。」

ヨヒラ > 願わくば大型の魔物を単独撃破して名を挙げる…。少女の目論む最短の立身出世のプランであったがさすがに考えが甘すぎたと自覚する。
まずはその日暮らしの底辺冒険者から抜け出さなければ…。少女は考える。
自分よりも格上のパーティーに参加するか、あるいは装備を整え寝床を確保するためにクエスト受注以外の稼ぎ口を探すか…。

「…どちらにしても、私にできる、かな…。」

故郷を経ち、遠路を旅してこの国にたどり着いたときには自信に満ち溢れていた少女もすっかり自信を失っており、不安そうにつぶやきながら掲示板に貼られているパーティー募集の張り紙を流し見する。
しかし身の丈に合ったパーティーの募集は僅かで、しかも今の苦しい生活を抜け出すには心もとないレベルの募集に限られる。
となってくると冒険者として以外の稼ぐ宛てを探さなければいけないが、剣を振る以外に取り柄のない少女には、その宛すらも思いつかない。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者酒場」にネイハムさんが現れました。
ネイハム > 久しぶりに足を運んだ冒険者ギルドの賑わいを見ては笑みを浮かべ。
真面目に依頼を探すのもいい、気まぐれに誰かの手伝いもいい、いかにも新人という相手を揶揄うもいい。
どれにしようかと考えながら、先ずは依頼でも探すかと依頼を探しに向かいかけるが。
その途中で何やら気落ちをしている様子の人影を見つけ興味が湧き。

興味本位で近づいてみるとこの辺りでは見ない服装、そして何より好みといえる容姿に声をかけるかと決め。

「あら、どうしたの?依頼の失敗でもした?」

そんな風に声をかけていけばその相手の視線の先にパーティー募集の張り紙。
仲間を探しているのか募集をするのか、それとも見ているだけかは判断はつかないがそこは話していればわかるだろう。
そう考えて近づいていく。

ヨヒラ > 「はっ、はいっ!、あっ、いえ…。依頼は簡単なものばかりなので失敗したわけではないのですが…その…。」

唐突に声をかけられて思わずびっくりしてしまい、変な声が出た。
振り向くとそこには同年代くらいの少女の姿。
同郷ではないことは見てわかるも、同じ黒髪に親近感がわき、人のよさそうな微笑みを浮かべながら近づく彼女に、洗いざらい浮かない表情の訳を話す。

「…とまあこういう状況で…。ちょうどいいパーティーの宛か、剣しか取り柄のない私でも出来そうな良い仕事、ないものですかね…?」

だいぶん切羽詰まっているのだろう。
初対面の彼女に赤裸々に語って見せた少女は憔悴しきった顔で彼女の答えを待つ。

ネイハム > 「簡単なのばかりってことは……新人ね」

急に声をかけたことでお土居多声を上げる相手。
その声と振り返った相手をよく見れば同年代とはっきりとわかり。
これはいい子に目を付けたと嗤いそうになるのを耐えて人の好さそうな笑みを浮かべたまま。
そしてその事情を聞くと新人にはよくあること、しかも他所から来たならば最初は生活も困るのはわかると頷き。

「そういうことなのね。でも本当の初心者のパーティーだと組めても宿代も厳しいと思わよ。どんな仕事でもやれるならなくはないけど」

憔悴しきった少女の言葉に、確かに少女が入れるパーティーはあるだろうが根本的解決は難しく。
一番簡単に稼ぐなら体を売るだが、それを直接には言わずに何でもできるか、それを問いかけて。

ヨヒラ > 「…お恥ずかしながら。まさかここまで苦労するなんて思いもよらなくて…。」

事情を聴き、頷きながら共感する彼女にすっかり心を許した少女。
彼女が本心で何を考えているかなど気づく様子もなく、彼女こそ少女の現状を変えてくれる頼れる先輩冒険者なのだと信じて疑わない。

「うっ…。やっぱりそう、ですよね。…どんな仕事でも…。やるしか、ない状況です。」

彼女の問いかけにはよほど切羽詰まっているのだろう。具体的な内容には想像も及んでいないようだが、甘い話ではないということは薄々感じ取りながらも、それでもやるしかないだろうと腹を括ったようで、少しだけ躊躇うように考え込んだ後に、静かにこくっと頷いて見せる。

ネイハム > 「普通は苦労するものよ。いきなり大成功なんてよほど運がないと無理よ」

話しているとこの少女にはまだ剣が有るだけいいが、それもない新人よりは余程に恵まれている。
ただその剣を生かす依頼は新人はほぼ受けることができないのが問題なだけで。
そして同時にそこに付け込む隙があるのだから。

「賞金首みたいなので一攫千金もできなくはないけど…土地勘もないでしょ?
そう?だったら紹介してあげるわ。たくさん稼ぎたい?」

内容を確認せずに躊躇しながらも頷くのを見れば横に並ぶほどに距離を詰め。
沢山稼げると小さく告げながら少女のお尻に手を伸ばしては軽く撫で、そういう仕事だというように暗に伝えて。

ヨヒラ > 「あうっ…考えが、甘すぎました…。」

彼女の言葉に自身の見立ての甘さを再び思い知らされて思わずしゅんとしてしまう。
しかし落ち込んでいる間もなく彼女が距離を詰めながらお尻を撫で、紹介しようとしている仕事の内容を暗示すると、色恋沙汰に疎い少女もさすがに感づきびくっと体をこわばらせた。

「あのっ、もしかして、だけど、その…春を売るという…。私なんかが、本当に稼げるものなのでしょうか…?」

今まで剣の腕を磨くことにすべてを賭け、恋愛ごっこのような色恋すら経験のない少女にとって彼女が紹介しようとする仕事には不安しかない。
だがそれと同時に、体を売ることのリスクや忌避感にも疎いようで、その身を強張らせた理由も自分なんかが本当に稼ぐことができる仕事なのだろうかという自信のなさからくる不安がほとんどであるようだ。
しかし彼女の問いかけを受けるとこの国に来て困窮している現状が相当堪えたのだろう。金銭に対する執着が芽生えた少女は目を泳がせながらも、こくりと頷いてしまった。

「その、いっぱい…稼ぎたい、です。久しぶりに、美味しいものを食べて、ふかふかのお布団で眠りたいから。その、私のこと、いっぱい稼げるようにしてくださいっ。」

ネイハム > 「王都生まれなら家があるから困らないと思うけど…。他所だとある程度はお金を持ってないときついわよ」

それこそ宿代を稼げないのであれば野営か路地裏生活になりかねない。
王都に実家があれば別ではあるが…。
そして少女のお尻を撫でれば体を強張らせる様子に、何の仕事かというのがわかったようで。

「そういうことね。十分稼げるわよ、だって可愛いし」

不安そうに稼げるのかという少女に、大丈夫と笑みと共に太鼓判を押し。
この様子では全くの経験はなし、つまり初めてだろうと見当をつけると当たりを引いたと思い。
ここでもし逃げるなら別に追うつもりはなく、違う仕事を求めるなら普通に知り合いの酒場を紹介も考えたが、頷く姿に満足そうにし。

「いいわよ。稼げるように教えてあげる。最初は私が買ってあげるわ。そうね……これぐらい出してもいいけど、何日買われる?」

少女の言葉に勿論と笑っては最初は自分がと告げて金額を、それこそ贅沢をしなければ一週間は暮らせる金額を告げて、少女にどうすると問い。
その話がつけば宿へと連れて行こうとするだろう。

ヨヒラ > 「ほ、本当に?本当に稼げるんですか?私なんかが…えっ?私、可愛いんですか…?」

彼女に太鼓判を押されて可愛いとすら評価されると少女の自己肯定感が上がっていく。
そういえば家族からは蝶よ花よと育てられていたな。とか一蹴していたけれどよく故郷の男衆から言い寄られていたな、など自らの過去に結び付け、彼女の言葉を良いように解釈して裏付けしていく。
少し考えれば酒場の給仕や肉体仕事など真っ当な仕事で稼ぐことなどすぐ思いつきそうなものだが冷静さを欠いた少女にその発想はないようで楽して稼ぎたいという子供ならではの世間知らずな浅はかさが彼女にも伝わるかもしれない。

「へっ!?こっ…こんなにっ…!?あぅ、こんなに、稼げるんですか…?相場が、わからないのでっ…何日売るかは、お任せします…」

彼女が最初の客になろうと提示した金額はこの国を訪れて今まで彼女が稼いだ金額を全て足してと同等かそれ以上で、思わず上ずった声を上げてしまう。
それと同時に、彼女の中で何か価値観が壊れてしまった気もしてしまう。
彼女にしっかりと稼ぐノウハウを教わろう。同じ女の子だし、優しいし。きっと悪いようにはならないはず。
金額の大きさに浮かれ、放心状態で生返事をすると、彼女に誘われるまま宿へと向かうだろう。

ヨヒラ > ※移動します
ネイハム > 【移動します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者酒場」からネイハムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者酒場」からヨヒラさんが去りました。