2025/04/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にナナシさんが現れました。
■ナナシ >
「ふ~~~む……」
平民地区大通り。雑貨、服飾、装備、諸々雑多にごちゃごちゃ露天が立ち並んだ通りの出店の一つ。
膝を丸めて背を丸めて尚小さな子供より大きな輪郭が商品の一つを手にとってしげしげと眺めていた。
「……牡丹の花の香水とな……」
身体も大きければ手も大きいから指で摘まれているアトマイザーもひどく小さく見えるそれを鼻先……
といっても、ローブの向こうに隠れた向こうにある顔には鼻らしいものがないのだがともかく鼻先へと近付け。
爽やかに鼻に抜ける甘い香りを、すん、と嗅ぐような息遣いとともに吸い込んで、一つ、二つ、頷いている。
「珍しいね。何か付け足したような味、もとい、匂いもない、生花の牡丹だ……」
味? と胡乱げな顔をする店主にゆらゆらともう片方の手を振ってから、
「一つ貰おうか。幾らだい? 成る程。少しオマケしてくれないか。昨日競馬で負けちゃってさ……」
値段交渉開始。
■ナナシ >
あーでもないこーでもない、それならこれを付けて、もう一声、あれやこれやと店主とやり取りしあって暫く。
「感謝! 私は顔が広い、飲み友達がいっぱい居るから皆にここの事を教えておくよ!」
戦利品を片手に満足げな声で立ち上がれば、手袋をしているように見えたが実は素手の右手でサムズアップ。
……飲み友達もこんな値下げで粘りまくるような奴らじゃないといいが……
という店主のげんなりとした顔色と声音にガハハと豪快な笑い声を上げて回れ右。
「うむ。さて。プレゼントにするか自分で使うかは悩みどころだが……」
ゆらーりゆらーり、アトマイザーを目前でぶら下げながら人混みを歩くデカ女。
機嫌良さそうに軽快な足取りは誰かにぶつかりそうでぶつからない。見ててやや危なっかしいけれど。
■ナナシ >
「閃いた……! ペアルック、ならぬペア……スメル! これはデートのふんいきもアダルティーでは……!?」
問題はデートのお相手が居ないことだがそれはさて置き電流走る閃きに、拳を握る。
独り言までやたらめったらでかく響き渡らせながら次のお買い物へ向かうのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からナナシさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ >