2025/03/22 のログ
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ご案内:「王都マグメール 平民地区」にレンさんが現れました。
レン > 休日の昼下がり。

雑貨店の軒先に置かれた木箱に腰を下ろして、レンは道行く人たちを眺めていた。
平民地区は人も多く活気もあって、王都内では一二を争うレンのお気に入りスポットである。
故郷よりも人も家も桁違いに多いこの場所で人々の営みを眺めるのが、最近の休日の楽しみでもあった。

「それに、此処さ居ると冒険者様方も通られるはんげなあ……」

いつかは自分も冒険者に。
そんな夢を見ながら、暖かな日差しの下で今日も未来に思いを馳せる。
冒険者になる前に、まずは魔術を十全に扱えるようになるという目標は、いったん脇に置いておいて。

レン > 「は~……あんな立派な格好で、どんだけの冒険をしたんべかなあ……」

レンの前を冒険者のパーティーがギルドへと向かって歩いていく。
それを目で追いながら、しみじみと呟いた。
いつかは自分もあんな風に冒険者になれるだろうか。
果てしなく遠い道程に思えて、少し気分が下向き加減に。

「……でも、勉強さ続けてけば、きっとオラだって……」

実際のところ、魔術を諦めれば新米冒険者として活動出来るだけの膂力は持ち合わせているのだが。
一応、魔術師として大成するという志の下、王都へと来ているためそう易々と諦めることも出来ない。
今自分に出来ることは、どうにか芽吹いた魔術の才を枯らさず腐らさず育てるだけなのだ。

「はぁ~……」

それが分かっているからこそ、レンは空を見上げ溜息を吐いた。

レン > 不意に、店の裏手からレンへと声が掛かった。
顔馴染みの店主が、どうやら配達を頼みたいらしい。

「ほわ、りょ、了解したべ。 すぐ向かうだよ~!」

慌てて木箱から飛び降りると、パタパタと店の裏へ回るレン。
数分後、配達する荷物を抱えて平民地区を危うげない足取りで進んでいくのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からレンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にテンドンさんが現れました。
テンドン > 平民地区、カフェの片隅。
そこに座しているボク。
目の前のテーブルには溢れんばかりの資料の山、山、山!

「ど~~、しよ~~かな~~………」

腕を組み合わせて悩める眉毛。
話、話を考えなけれならないのだ、面白い話を。
その為にあっちこっちに取材に回り、図書館から他国の風土や他職の資料回りもかき集めて来た。
それらを材料にして捻出しなければならない。心躍るような冒険譚を!

テンドン > 「甘い作りをしてると滅茶苦茶突っ込まれちゃうからな…」

本職から、ガチの冒険者達から。
怒涛に繰り出されるこれは違う!リアリティが無い!の駄目だしの嵐!

「いいじゃん…フィクションなんだから多少誇張しても。泥臭いのにより華々しいストーリーを展開したいじゃん…」

ずるずると腰掛けているソファーの上からお尻が下向きに流れてずれる。
背もたれに首を寝かせるようにして仰ぎ見る天井。
降りてこない、アイデアの天啓は中々…!

「でもボク一人が楽しくても独りよがりだもんね。皆が楽しくやれるような一時を演出したい…難しいぜ…」

滝れてもらった紅茶のカップは既に湯気すらも立っておらず冷めきってしまっている。
提供して貰ったケーキは周囲の乾燥に水気を奪われてかぴかぴだ。
支払う代金が殆ど場所代に転化してしまっていた。

テンドン > 「悪しきドラゴンが出て来て精霊に選ばれし勇者が聖剣でずばーっ、みたいなのは手垢がつく程やっちゃったし……」

王道というのは多くの人達が手をつけやすく共有しやすいのだ。
すんごいゴテゴテしく作ってあるドラゴンフィギュアは手元に何個も在る。
レッド。ブルー。ブラック。ホワイト。色々やり過ぎて全カラーを網羅しつつある。

「あたかもボクは竜王、なんちって」

おちかけた体を支え、両手をソファーの上に着いて腕を突っ張り身を起こす。
そのまま散らかり占拠しているテーブルの上に前のめりダイブ。
うつ伏せになった天板部分にぐんにゃりおっぱいが潰れる。
うーんうーん…懊悩苦悩、飲み込んでいる顔……。

テンドン > 「悪い人達なら幾らでもモデルがあるけれども、あんまり生々しいのは多分ヒいちゃうよね」

噂でちょっと巷で聞くだけれども灰色を通り越してどす黒い人達の話があるわあるわ。
ちょいと指先で目の前に転がっている冒険者のフィギュアを摘まみ上げる。
スライド移動の行く手には豪奢な装いでやたら肥満体の恰好、我悪い貴族で御座いというスタイルの別フィギュア。

「か弱き乙女を手籠めにしている悪徳貴族よ成敗っ」

けりっ、と、冒険者フィギュアを揺すってその頭を蹴りつけさせる。
あえなくもバランスの悪い貴族フィギュアは横倒れに転がった。

「そういうのも、それはそれで面白いかな…?人外魔境の魔王とか怪物よりもある意味身近に感じそう」

一考の余地あり…?ペンでかりかり手元のメモに走り書きっておく。
アイデアメモだ。

テンドン > 「うーーーーーーん」

ざかざか集める資料群を鞄の中に突っ込む。
手を全くつけていなかったお茶を一息に呷り。
そしてケーキの1ピースを丸々大口に頬張った。
ハムスターみたいに頬を突っ張らせてもぐもぐ、ごくん!
殆どかまずに飲み込んだ後にぱしんと手を合わせる、ご馳走様でした。

「よしっ、後は家でやろ!」

テーブル上を軽く拭いたその後に立ち上がる。
家の外を目指して小走りに走り出す、退店だー!

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からテンドンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルイーザさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からルイーザさんが去りました。