2025/03/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 娼館通り」にグライドさんが現れました。
■グライド > ―――ギルドを介さない依頼を受けたのは久しぶりか。
娼館が多く立ち並ぶ通りを、もう、かれこれ幾度目かの往復
片手に酒瓶を持ち、飲んだくれつつ女漁りをしている――様に見せながら
道行く人々の中に、怪しい所作の人間が居ないかを観察する。
依頼主は、3つの娼館だ。
此処数週の間に、娼婦や街の女が襲われる事案が、立て続けに起こっているらしく
如何にかして犯人を捕まえ、例え其れが適わなくとも
用心棒として見回ってくれと言う、割合、真面目な依頼であり。
「………やれやれ、春先は出やがるねぇ…。」
大体この時期になると、変な奴が湧くものだ、と。
独り言ちて零しながら、再び通りの端から折り返す。
勿論、警邏の兵にも状況は伝わって居る筈だが、其れでも己に依頼が来たと言う事は
少なくとも、捜査は芳しくないと言う所なのだろう。
――一応、憲兵たちの肩を持つならば、今回の輩は。
如何にも、麻痺薬やら媚薬やらの類を使うらしく
目撃情報に乏しいのが、捜査を難航させて居る原因、と推測位は出来る。
手管が其れなりに陰湿なのか、手練れなのか、被害者の中には駆け出しの冒険者が居たりもする
そも、広い街中だ。 隅っこにまで目を光らせる事なぞ難しい。
だからこそ、己の様な、勘だけが頼りの用心棒が必要とされる、何て事も在ろう。
――とは言え、平和なら其れが一番良い訳だが。
■グライド > 娼館の窓から、娼婦達が花を投げる。
其れを拾い上げた男が、花を目印に窓辺の女を指名に行くと言う遣り方は
画としては浪漫があって、良い光景と思えなくも無いか。
生憎ながら仕事中の己は、其処に混じる心算は今の所ない
別段、何時から始まって何時に終わる、と明確に決まって居る依頼ではない為
今日は諦め、と畳めば其れで仕舞いでは在るのだが
何せ、娼館にとってかき入れ時となるこの時間帯、人込みに紛れて犯人が動くやも知れぬ
――精々、口元に酒を運ぶ事が出来るくらいで今は良しとして。
「―――――……、……うん……?」
そんな、折。 ふと、何気なく向けた視線の先、一人の男が目に入った。
別段、其の姿自体に怪しさを感じる要素は無かった。
一般的な布服を着込み、買い物で在ろう麻袋を提げつつ
通りの端を歩いて行く、何の変哲もない様子。
――ただ、其の姿が妙に引っかかったのは。
其の顔を、己が此処で見張りを始めてから、何度か見た覚えが在るから、だ。
同じ麻袋を提げ、同じ姿で。 ――決して市場では無い、娼館通りで在る、この場所を。
。0(…………娼婦口説きに連敗中…てぇ、感じじゃあ無さそうだな…。)
双眸細め、其の姿を目で追う。
男の視界に入らぬ様にしつつ、少し離れて其の後を追いかけては
暫くして、男が不意に、誰かを追いかけて、路地裏へ入って行くのが見えた
追われて居るのが誰かまでは判らなかった、が。 ――きな臭さを感じたのは、確かだ。
「……こいつは、当たりを引いたかも知れねぇなぁ…。」
■グライド > 少し遅れて路地裏に行く。
これで、悲鳴の一つでも上がってくれたなら分かり易いのだが
そんな事が在れば、もう犯人もお縄になって居るだろう
――人質に取られて居なければ良いんだが、なぞと思いつつ
気取られぬように、されど、見失う事無きよう急ぎながら
下手人たる男の確保へと向かうのだ
制裁、までは行わぬ。 其れは、法の下に行われれば良い。
後は、この娼館通りの連中が如何するか、次第だろう――
ご案内:「王都マグメール 平民地区 娼館通り」からグライドさんが去りました。