2024/11/21 のログ
ニュア > もむもむと口に入れた肉片は中々噛み切れてくれないし飲み込むのも億劫。
なんなら咀嚼の余力も怪しい。そもそも帰着前に誘惑に負けて腰を落ち着けたのが大間違い。
いまだ幾らか肉の刺さった串が、片手からだんだんに危うく傾いていく。

眠い。つまり既に眠くて眠くて仕方が無かった。

「……………」

フード頭が、うつらうつらと舟を漕ぐたび、癖の欠片も無い黒絹髪がさやりと覗き。
肉片で片頬を膨らませたまま、目蓋が下がっては半眼まで持ちあがりを繰り返す。
少年と判ずるには繊細で、長い睫毛が伏せられて、そして。
がくんっ。 首が盛大に縦揺れて、そこで漸く頭を起こし。

「─────… あッぶな… 意識トンだよね今。 って、…ウワ。」

あわやのところで意識のフェードアウトは免れたものの、気付けば指に挟み持った肉串は消えていた。
当然何処にいったかといえば地面であり。はぁぁぁぁ、嘆息。

ニュア > 落ちた肉串を拾い、荷を背負い直してふらふらと場を後に――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からニュアさんが去りました。