2024/10/18 のログ
枢樹雨 > 己が知らぬ間に貴方を助けたと。話を聞けば、なるほどと瞬きひとつ。
だからこそひと睨みされたのだと納得もするが、それが少年への謝罪には繋がらない。
既に別へと矛先を変えたらしい少年の横顔を一瞥した後、じつにわかり易く己の狙いを言葉にしてくれる貴方へ、大きく頷いてみせ。

「まさに、その通り。お金、持っていないから。」

引け目がある様子もなく、変わらずしゃんと背筋を伸ばしたままに答える妖怪。
しかし貴方がお願いへの快諾を躊躇う様子を見つければ、好奇心が満たされぬ可能性に少し肩を落とす。
しゅん…と、効果音の付きそうな空気。
――と、貴方が不意に距離を縮めるなら、きっちりと着付けられた着物と帯とに抑えられた己の胸元に、
貴方のふくよかな胸元が近づき触れ合いそうになり。

「良いの?…じゃあ、どこか、…君が宿泊しているお宿があるならそこへ。
 もしくは適当な路地にでも入ろうか。」

落ちた肩が持ち上がる。
パッと、仄暗い蒼が華やぐ様が、前髪の隙間から貴方にも伺えるか。
そうして伸ばした左手。
華奢なそれが貴方の右手をそっとすくい上げれば、好奇心を隠しもしないでギルドの外へと誘おう。
「ごはんやお酒は触った後で良いよ」なんて、ちゃっかりご馳走してもらう心積もりも覗かせながら―――。

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