2024/09/23 のログ
■イズミ > 私を助けてくれた5,6歳年下の目のキレイな子と
格闘技の練習にかこつけて仲良くしたいというスケベ心…じゃなくて乙女心
寝技?とかいう名前からしてなんかやらしいアレコレの練習もあるとか…
そのための下準備として始めた格闘技の練習だったのだけど
そのフォームがどれだけ理から外れているのかも理解しないまま
ただ手足を振り回したところで
それを何百回行おうが、ただ疲れるだけでなんの実感も得られない
「そうだ…!」
指導員も練習相手もいないなら
何か…そう、木とか相手に打ち込みをすればいいんだ!と思い立つ
適当な大きさの木の前に立ち、見よう見まねで構える
スゥーと息を吸って…
「やーっ!!」
殴るのは流石に手が死ぬと思って、渾身のスイングからのビンタをその幹に見舞う
鈍い音と共に…手の平に、手首に激痛!そして肘と肩には鈍痛
はらり…と数枚の葉っぱが落ちた
「いったあっ…!!!」
見れば手の平は真っ赤にはれ上がり
手首はなんか動かすだけで痛い
「ううう~!!」
どんどん痛みが増していく腕をかばいつつ
泣きながらお家に帰っていきました…
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイズミさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にズラトさんが現れました。
■ズラト > 雲と雲の切れ目から覗く半月も傾き始める深夜帯。
宴も酣、歓楽街からも明かりが消え始めて酔っ払いが街路に転がっている。
そんな大通りの、端の端。
集合住宅に両隣を挟まれて狭苦しそうに立つ小さな酒場。
木目の扉の真横には、
【Bar『Pšeničné klasy(小麦の稲穂)』】の置き看板が設置されている。
木目の扉のあちこちに、
営業中の札やら本日のおすすめメニューの黒板やらがぶら下がっている。
「ふーーー……」
外観通り中身もまた狭い店内に、人気は無し。
よく来てくれている常連さんも偶々来てくれた一見さんもお帰りになり、
店主はといえば店前に設置してあるベンチに腰掛けて足を組んで一服中。
店内禁煙。
というわけではなくて。
月でも眺めながらひと休憩しようと思っただけ。
「明日ぁ天気どないやろね。
今日はまー降ったり止んだり……かなわんわ」
人差し指と中指で、煙草の吸口を挟み、紅の載った唇からもくりと紫煙を愚痴と一緒にこぼす。
隣に置いた灰皿に時折灰を落として、口元に運んで、吸って、吐いて、吸って、灰を落として。
今日はもう時間も遅いし、締めて明日の準備にでも取り掛かろうか?
と、一思案。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にあやめさんが現れました。
■あやめ > 「……」
女は、置き看板の前に立って、そこに書かれた文字を目で追う。
BARという文字以外は読めなかったが、それだけわかれば十分である。
種族柄──なのかは議論の余地が分かれるところだが、酒を好むたちである。
ただ、大衆酒場の喧噪の中で飲むのは、落ち着かないので苦手だった。
あまりこの国を訪れて時が経っているわけでもなく、
腰を落ち着けて酒を飲める場所を知らなかったので丁度いい。
が、しかし。
店員、あるいは店主とおぼしき女性が、店の前のベンチに腰かけている。
時間を考えれば当然だが、なかなか解釈に悩むところだ。
開店中の休憩なのか、閉店後の休憩なのか。
見た目に反して物怖じしない女は、看板の前からベンチに向かって、声をかける。
「もし。この酒場のかたでしょうか。 もう店は閉めたのですか?」
そう、落ち着いた声音で問うのだった。
■ズラト >
『Bar』から先はこの国の言葉とは形式が違う。
一応翻訳が小さく記されてあるが夜間は少々見難いか。
それを、じっと見詰める女性にしては長身の……
いやそれより上背がある店主が『背ぇ高ぁ』等と、
思うのはおかしな話なのだがとかく長身の女性。
お客さんかな? 見ているだけかな?
と、失礼ではない程度に視線を遣っていれば、
掛けられる声に煙草を灰皿に押し付け立ち上がる。
「あぃあぃ、こん酒場ん店長でぇす。
いらっしゃー……い、でよろしい?」
空いとりますと訛った口調に低めの声で頷いた。
よろしければ、早速店内へとご案内だ。
木目の扉を開ければ、ちりん、ちりん、と、
取って付けられた呼び鈴が軽やかな音色を上げる。
カウンター席が7席ほど入口から奥へと伸びていき、
突き当りを右に反れると複数人用のボックス席が1席。
カウンターの向こう側には調理用のスペース。
王国から北方からさらにどこかの舶来品まで様々な種類がずらりと並ぶ、酒、酒、酒。
カウンターの向こう側へと入ってき棚を一つ開ければ、あたたかいおしぼり。
それを一つ取り出しては彼女に差し出しながら、首を傾げる。
「どーーーぞ、お好きん席へ。ほれ、見ての通り貸し切りやけんね、んはははは。
なん飲まれます?」
■あやめ > 「店長さんでしたか」
これは話が早い、と微笑みを浮かべる。
「遅い時間ですが、一杯もらいますね」
旅人の日銭の稼ぎと言えば、冒険者たちの組合から仕事を斡旋してもらったりというのがオーソドックスである。
勿論それは自分の技能次第でもあるが──
斡旋してもらった仕事、以来の内容次第では、街に戻るのがほとんど朝になることも珍しくない。
そういう時は、寝酒をたしなみたくなる。今夜のように。
涼し気な鈴の音は、まだまだ熱気の残る夜にちょうどいい塩梅だ。
「団体のかたがたが来たら移りますので」
と、一声かけてから歩を進めてボックス席へ向かう。
一人で広々と席を使いたい、という発想ではない。
宿に寄る前に立ち寄ったため荷物が多いのだ。カウンター席なら三席は占領してしまうことになる。
なので、ボックス席へ。お愛想でもなくお好きな席へ、と言われていなければ、勿論カウンターに向かって荷物は床に置いただろう。
そうして席に腰を落ち着けると、
「では、そうですね…… ──を一杯、ストレートで結構です」
こちらの大陸の酒で、名が知れていて、それなりに等級の高い酒を注文する。いわゆるウイスキーと呼ばれるものだ。
まだまだ年若いが酒飲みの作法は心得ていて、ボックス席を使わせてもらう代わりに、チップを含めた値段の酒を頼むのだ。
■ズラト >
「そそ。店長。兼、料理人、兼、給仕、兼、てな。
ちんまい店やもんで人雇うと狭ぁて狭ぁて……
かといって雇わんとこの有様やねんて~」
趣味的な深夜歩きと一人飲みか。遅帰りの冒険者さんか。見た感じは……
詮索したくなるところではあったが其れを嫌う人もいるのでぐっと堪えて、
「ええよええよ、もうあとはお嬢さんだけちゃうかな? お客さんは。
ゆっくりしてって~~~」
ボックス席へと向かっていく彼女に軽快な口ぶりに手もひらひらと見送る。
お向かいに荷物を置いてもらっても勿論構わないところも伝えつつの、
早速注文されたお酒をちょいと背を伸ばして酒棚の上段から一瓶取る。
それからストレートグラスに半分ほど、深い深い蜂蜜みたくも深い琥珀色のウィスキーを注いで彼女のところへと持ち運び、ことり、前のテーブルへと差し置いた。……やや注ぐ量が多いのと、ついでに、クルミやドライフルーツなどを盛り合わせたお皿も一緒に置いて。
「さーびすー。ええもん頼んでくれたお礼~」
頼んでない、と言われる前に。
悪戯っ気を含んだように見える八重歯をちょいと覗かせた笑みと一緒にウィンク一つ。
お酒が強くってお酒好き、なのもそうだろうけれど、ボックス席を一人で、という事で、
気を遣ってくれたのが伝わってくるからつい機嫌も良くなってこんな返礼をする。
■あやめ > 「それは助かります。賑やかなのは嫌いではありませんが」
言い方によっては、話かけられることを遠回しに嫌がっていると捉えられるので、
別段そういうわけではないことを言葉に出しておく。
ただ、大衆向け酒場で飲むなら、そういう気分の日がいい。
言われた通り、ゆっくりしていくことにする。客の回転率にさほど気を使わなくていいのがバーの利点のひとつだ。
と、重たそうなグラスと一緒に置かれたつまみに、目礼をひとつ。
「どうもありがとう」
感謝はすれど、へんに遠慮しないのもマナーのひとつだ。
バーでは、年長者からの振る舞いを遠慮で断るのは無粋という不文律がある。もちろん理由があって遠慮するのは、別の話として。
慣れた調子でウインクを送ってくる彼女に、軽くグラスを掲げて見せる。
クイ、という擬音では事足りない量を、音もなく喉に流し込む。舌で、鼻腔で酒を堪能して、ゆっくりと一息……
ナッツ類を口に運び、小さく口を動かして器用に音をたてずに咀嚼して口の中を空にしてから、
「いいお店ですね。見たところまだお若いのに、本格的というか……渋味があります」
一瞥して、少々若々しさにかける誉め言葉を送る。
■ズラト >
「あるある、お酒好きやいうてもお酒をどー楽しむんは気分による」
一人でゆっくりお酒を相手に語らいたいという類のお客さんなら、
次の注文や調理の為にカウンター向こうに静かに引っ込むけれど。
嫌ではないと伝えてくれるものだから遠慮なしに話し掛けている。
「どーいたしましてぇ」
席の選び方といいお礼の仕方といい若く見えるけれど随分と手慣れている彼女。
感心と、それと、一息と一口で結構な量を流し込んでいく様子に目を少し丸くした。
「え~飲みっぷりやん! そーゆーんは見てて気持ち良えなぁ。
おっしゃお姉さんもうちょいサービスしたろかぃ」
それから、ぱちぱち、と軽く手を叩いて拍手しながら可笑しそうに肩も喉も揺らして笑い、
踵を返したと思えば今しがた注文してもらったものを今度は瓶ごと持ってきて机に置いた。
『うちも飲ませて貰うけどな~』と自分用のストレートグラスに一杯注ぎ彼女のグラスが空けば、注ぐ。
彼女の飲みっぷりには負けるものの度数はかなり高いそれを傾けて。
「うん。ははぁ。あんがと。見た目通りお若いんやで~? 25!
ツテやらコネやらあって暫くここで店長やらせてもらってん」
艷やか、過ぎるぐらいに滑らかな金の髪やら張りのある小麦肌を人差し指でなぞっては最後に胸元を指差す。
この王都ときたら見た目と実年齢が合っていない者がかなり居る。
その類かと疑われているとも取れる発言にも、けたけた、楽しそうに笑いながら首を横に二度三度と振り。
「ズラトお姉さんと呼んだってや。あ、お嬢さんは? お名前教えてぇ~」
■あやめ > 「たまに言われます」
良い飲みっぷり、という言葉に二口めでグラスを干した。
具体的には吸い込むように飲む、と言われることがしばしばある。一応、誉め言葉と認識している。
酒を提供する側としては、注いだ酒を何時までも放っておいて欲しくないという話を聞いたこともあった。それはわかる。カクテルほど顕著ではないが、放っておけば提供した側の想定した味から変じてしまうからだ。
「ツテでもコネでも一城の主を任されるということは、信頼を得ているんですね。バーのあるじにしては、確かにお若い」
目の前に置いた自分のグラスが再び酒で満ちていくのを見て、目礼しながら言った。
世辞を言ったつもりはない。任された店の様子を見れば、任された理由がわかるというもの。
誰でもいいからという理由で任されたのなら、見ればわかる。
と、改めて店主の女性を見やる。
背が高く、スタイルがいい。アルコールのせいもあろうが、二つの性別を併せもって生まれた身の、男性の部分が高揚を覚えるほどの魅力。
とはいえ、生物なら当然のことでもあり、それを表に出さない理性は持ち合わせている。
「あまり見た目では齢が計り知れない土地ですが、確かに私から見ればお姉さんですね。私はあやめといいます。一応、半分女性という体質でして」
見た目では本当の性別がわかりにくいのこの国だが、大体言わんとすることは通じるだろうという言い方で返した。
また来よう、と思わせる店だったからこそ、早々に言った。当人としては隠すようなことでもないという意識もあった。
■ズラト >
二口。酒豪と言って差し支えない飲みっぷりに『えーねー』と頻り褒める。
蒸留酒とはいえ常温(ストレート)とはいえ蓋を開けて口を付けていると、
余り放っておくとやはり口当たりも風味も喉越しの少しずつ変わっていく。
そういう意味では彼女の飲み方は常人にはあまりお勧めできない飲み方とはいえ、お酒の美味しい飲み方の正解の一つだろう。
「何や何や。気持ち良うしてくれるやん? んはははは」
店といい己といいに向けられる言葉に笑い上戸なのもあるが笑みが引っ込まない。
笑う、度、度、彼女の半分にとっては些か毒になるかもしれない胸元が弾む。
身体の輪郭がやや浮きがちになる絞ったような格好をしているせいもあるが……
にしても鞠のようにも真ん丸によく実っているくせよく整っている胸の肉に尻の肉が、たゆん、と。
うん?
と名乗りと一緒に申し出られた半分が云々というあたりに首を傾げるがそれも束の間。
「そそ、お姉さん呼ばれたらちょろいもんでよう喜ぶから頼むわ、あやめちゃん」
男性であり女性でありと行き着けば、珍しい話でもなければ差別主義者でもないから、頷き一つ。
「ようさん通ったってな? 潰れ……はせんけどさ、お客さん来ん時ゃ暇でしゃーないねん。
お姉さんとの約束やでー指切りしよ、指切りー」
グラスを持った左手をちょくちょくとその口に運んでウィスキーを流し込みながらに、右手を上げる。
小指だけを立てると彼女に向けて、応えてくれれば小指を絡めて、『ゆーびきーりげーんまーん』云々。
勿論それを破ったとてどうこう言わない、只の絡み酒である。
■あやめ > 「そう言ってくれると、安心します。どうも、思ったことをそのまま口に出してしまう悪癖があるようで」
軽やかに笑う相手に、酒を音もなく呷り、言った。
相手が彼女のような人間だから和やかに時が流れていくが、例えば著しく悪党であれば思ったことをそのまま言うと、そのまま剣呑な雰囲気に突入してしまうこともある。
無駄ないさかいは好まないたちであり、もっと歯に衣着せた言い方という奴を体得したいとは思っているのだが……
特にアルコールは、ある一定以上摂取すると、その特徴が顕著になる。
酒に強いからこそ、ハードルが自分でもいまいち把握し辛い。
もともと酒好きということもあるが、酒が進む雰囲気に乗ってペースが上がっているためだろう、普段は制御できる視線が、どうも彼女の自己主張の激しい胸元にいってしまう。
まあ、余計な言葉や手が出たりするわけでもなし、酔漢と呼ぶにはおとなしいものだが。
「ズラト……お姉さん。これは、少し照れますね」
自分にとっては馴れ馴れしすぎる呼び方だ。とりあえずズラトさんとしておこう。と胸中でうなずく。
特に忌避する理由もないため、素直に指切りして、
「雰囲気も、出てくるお酒やおつまみも気に入りました。と、言うと偉そうでしょうか。今後バーで飲みたい時はここに来ます」
酒や乾きものの質について深く語れるほど達人というわけではないが、自分にとっては上等な代物だ。率直に言い、特に絡まれているという意識もなく、酒をまた無音で呷り。
■ズラト >
「ええんちゃう? あやめちゃん悪い子やないみたいやし悪い事言わんやろ」
先程お店の前で顔合わせしたばっかりで今しがた名前を教え合ったばっかりだが……
酒の飲み方は豪快なれど上品さも伺えるし礼儀も良いし一杯褒めてくれるからって、
『あやめちゃんは良え子!』とそれはもう訳知り顔でうんうんと何度も首肯する。
「それで腹ぁ立てるやつ居ったらそりゃ腹立たせる事言われるやつがあかんねん。
まあ。何かあったらーと思うけど。あやめちゃん、そーとー使うんちゃう? 平気平気。」
使う、とは。出来る、手練れとかそういう意味合い。
言われたら驚くかもしれない。
言われても驚くことでもないかもしれないが。
武の心得があるなら、この金髪、スタイルが生来から良いだけじゃあ済まない身体付きではあると解るだろうから。
時折、ちらり、ちらり、と彼女の目線がその身体の一点に刺さっているのは分かっているが、
行き成り手を伸ばしてくるでもないのだから気にした風もなく。いや。気にしてはいないが偶に可笑しそうに噴き出している。
「何度も何度も呼んでくれるとええで? 慣れる慣れる!」
推す、お姉さん呼び。
「ズラトお姉ちゃんでも良えで!?」
推しまくる、お姉さんあるいはお姉ちゃん呼び。
呼ばなかったら? それはそれでまた笑って済ます。
指切りに答えてくれたら上下に幾度か振って、離す。
「いやいや、えらそうなんてことぜんっぜんない。うれしーわー。ぜひ頼んますぅ~。
あ、ランチとかもやっとるさかいお昼とかでもええしな。
おつまみとかは他には、ああ、せや。今日はかしわまだ余っとるで。えーと。鶏肉。焼きでも蒸しでもええけど。食べる?」
店について気に入ってくれたのなら幸いと裏表なく言葉通りに嬉しそうに笑う。
つまみといえば、そういえば、今朝仕入れたはいいが今晩まで何のかんの余っているものがあったのを思い出して首を傾げる。
乾き物も、干し肉やらもあればナッツ類でも他のものがあるし、なんてメニューをちょくちょくと口頭だったが並べ立てて。
■あやめ > 【後日継続】
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からあやめさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からズラトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 奴隷市場」にゼルエルさんが現れました。
■ゼルエル > 本日は晴天、日差しはほどほど、風は……涼しく心地よい。
時間は昼を過ぎて夕方に差し掛かるような時間帯である。
とても過ごしやすい日なので足取りも軽くなるだろう。
今日も賑やかなる平民地区にある奴隷市場。
相も変わらず悲喜交々、奴隷と堕ちた者の嘆きとそれを金に換える商人達の威勢のいい声が響き渡る。
「毎日の日課みてぇなもんだな。
そっちはどうよ?ミレー族が見つかった何て話は聞いたかい?」
その奴隷市場にて奴隷を品定めしながら歩く趣味の悪い服装の恰幅の良い中年男がいる。
名前をゼルエル。
奴隷商人であり悪徳高利貸しと名高い男である。
今日は昨今特に良く売れるミレー族の奴隷を仕入れに着たのだが、売れるだけあって今日も市場には並んでいない。
近くにいる同業者に声をかけて聞いてみるが一様に首を横に振る。
辺りを見渡せば同族を探しているのか、肉親や縁者を探しているのか、はたまた仕事できているか、ミレー族がチラホラと視界に入るが、流石に何も傷のない奴らを捕まえて、は御法度だろう。
もうひとつの商売がボチボチなんで、奴隷の仕入れが進まなくても問題がないと言えば全く財貨に問題はないのだが、儲けられるときに流れを見失うのは商人として非常に痛手だ。
今日は奴隷が仕入れられなきゃ、奴隷の紋用の特殊インクの材料でも買って帰ろうか。
■ゼルエル > 時間は金、金は時間。
目的のミレー族の奴隷が手に入らず情報も得られず。
フム、とひとつ不満げにため息を吐き、眉間にしわを寄せたまま奴隷商人の男は奴隷市場を後にするのだった。
後々に冒険者ギルドに依頼をだそう。
もしくは非合法な組織にでも仕入れを頼もうか……。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 奴隷市場」からゼルエルさんが去りました。