2024/08/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイズミさんが現れました。
■イズミ > 平民地区に現れる、ごくごく普通の平民娘
天気も普通、街もいつもと変りない。
簡素なシャツとスカート。飾らない部屋着姿のままに通りを歩く。
特に用事があるでもなく、何か目当てがあるでもない。
退屈な日常に飽き飽きとしている…ほどでもないけど、非日常を夢見がちな年頃なのは否定できない。
「そういえば。冒険者じゃないけど冒険者ギルドとか覗いてみたらどうなるんでしょう??」
そんなことを考えながらの散歩道。
■イズミ > 冒険者と聞けば、普通の平民にとっては「乱暴者」「ごろつき」「よそ者」のイメージもある。だからあえて近寄らない。
でも遠くから覗くだけなら、程よい市民の娯楽…つまり興味とゴシップの対象になる。
「皆に持てはやされる象徴的な存在(アイドル)」になりたいとの個人的な夢を持つ少女には、普通じゃない生き方をしている冒険者はある意味で「同志」みたいな立ち位置ではあるけど、住む世界が違うのでお近づきになったことはなかった。
平民娘としての狭い世界を突き破ったのは、野外オナニーをしてる時くらいのもの。
もしかしたらこの夏こそ、殻を破る時期なのではないか!
平民地区から解き放たれて、自由に自分の可能性を広げる、そんな大人な年齢になったのではないか!
平民娘(15)はそんな事を真剣に考えていた。
「…よし、行っちゃうか!」
■イズミ > 冒険者ギルトの方向に進むにつれ、いかにもな人の姿が増えてくる。
イズミの住む世界は結構狭い。
両親からもらった一人住まいの持ち家以外で寝泊まりしたことが無いレベルで狭い。
ちなみに父と母はともに別々に蒸発しており、おばあちゃんの話ではそれぞれが冒険者と恋に落ちてそのまま帰ってこなかったらしい……。
そういえば、冒険者達から見たら「平民」ってどうなんだろうか
「守るべき市民」みたいな感じなのか
「虚弱なパンピー」みたいな感じなのか
「食い物の種」なのか
そんな事を考えながら、冒険者ギルド前にたどり着き、ひょいと中をのぞく。
「流石に邪険にされるとかはないでしょ」
■イズミ > 中をのぞけば、そこにいたのは一般人とはちょっと違う空気感の者たち。
体つきとかは全体的に大柄だったり強そうな人が多いけど、一般平民とそこまでは違わない。
皆職探しや何かの手続き、そして情報交換にいそしんでいる様子だ。
「平民の娘が来た」みたいな視線が集まることもなく、
「ここはお前みたいなのが来るところじゃない。帰んな」みたいな警告を受けることもない。
とりあえず中に入り、多くの冒険者質がそうしてるように、受付カウンターをのぞき込んだり、掲示をみたりして馴染んでみる。
■イズミ > 自分にできそうな依頼がないかと掲示を読んでみたけれど、そこはやはり特殊技能が無ければどうにもならないような仕事ばかりだった。
「やっぱり…『モデル募集』みたいなのは無いのね…」
しかもここは仕事の斡旋所に過ぎず、冒険者として仕事を引き受けるには、冒険者であることを証明するような何か手続きが必要らしい。
冒険者を自称して、今日から冒険者デビュー!っていう世界ではなさそうだった。
そういえば友達が冒険者になったとか、そういった話も聞かない。
そこのところを他人に聞いてみたいけど、どうも話しかけられる雰囲気ではなかった。
とりあえず椅子に座って、来る人を観察する人間ウォッチングを開始する。
■イズミ > 元々暇に任せて冒険者ギルド見学(冷やかしではない)に来た身。
ぼーっと座っていること自体はそこまで苦ではないものの、完全に空気な扱いで退屈ではあった。
時折目が合う人が居るし、その目の動きに「なんだ冒険者じゃないのか」的な感情を読み取るものの
壁の花とも思われていない空気のような扱いというか……「見なかったことにしておこう」的な、腫れ物に触るような扱いを受けている気がしなくもない。
きっとそれは冒険者たちなりに平民に気を使ってのことで、彼ら彼女の良識が見て取れる。
「住む世界が違いますよー…って感じ?」
やはりここは依頼者として来るべき場所で、非日常感を期待して訪れるような処ではなさそうだった。
■イズミ > 暇を持て余しているとはいえ、一日中ここにいるわけにもいかず。
立ち上がってもう一度掲示を除き、新たに貼られた幾つかの仕事に目を通しつつ、出口に向かう。
「なんだったんだあの娘…」的な視線を2つ3つ受けて振り返り
「とりあえずまた夜にでも来まーす」
と、誰に返したわけでもないセリフを口にする。
冒険者ギルドを出れば、あとはいつもの散歩道を戻り、両親が残してくれた家に帰るのみ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイズミさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイズミさんが現れました。
■イズミ > そろそろ日付も変わろうかと言う一日の終わり。
家を出て、戸締りをして、市街に出かけるド平民。
平穏な日常の中で育ち、非日常に憧れ。
平凡な人生に疑問を持ち、なりたい自分になる!そんな朧げな夢を抱えて夜道を歩く。
「やっぱりもう一度冒険者ギルドをのぞくべきか、それとも…もっっとヤバそうな所に行っちゃうか」
背徳感にドキドキしつつ、星空を見上げる。昼間の暑さが和らいでいて、気持ちいい。
■イズミ > ここからどんな人生を歩めば、なりたい自分、皆に持てはやされる象徴的な存在(アイドル)になれるのか。考えながらスタスタと足任せに歩く。
「結局のところ、王様とか、貴族のお姫様とか、凄腕の剣士とか、大司教とか。象徴的な存在って平民じゃないのよねー」
持たざる者には手の届かない領域。有名になるってだけでもどうやったらなれるのかわからない。そんな意味では冒険者って人たちは例えばドラゴンを倒すとかすれば名が売れるわけで、運と実力が備われば、アイドルへの道は既に開いている。そんな意味で彼らはスタート地点に立っている者たちなんでしょう。
「じゃあ、私は何をすればいいのかな…」
■イズミ > 自分はただの町娘であり。
今年の春に両親はそれぞれ蒸発して消えて、残された家に一人住まい。
コレといって特技もなく、美人だ何だと持てはやされたこともない。
何も武器が無い。
でも、なりたい。アイドルに。
「そのための努力の方法さえ分ければ、それに私の全てを捧げるのにぃ…」
はーっとため息をつきながら、その足はやっぱり冒険者ギルドへと向かう。
ピンチの陰にチャンスあり。そんな言葉を信じるなら、なんか怪しげな場所にこそ光明が見いだせるはず。
それは平民地区で言うなら冒険者ギルドだし
平民地区の外なら貧民地区が候補となるでしょう。
■イズミ > そんなこんなで、昼間にも訪れた冒険者ギルドにやってくる。
平民なら寝る時間、でもそこは流石に冒険者達で、昼間よりも盛況。
スタスタと中に入り、空いてるテーブルを見つけ、その席に着く。
勿論冒険者になりに来たわけじゃない。昨日まで平和に暮らしていた自分にはそんなのは無理。
自分の日常の範囲の外にいる人達を見れば、何か閃くものがあるのでは?と思っての行動。
と言っても、昼間は盛大に空振りで、ここに座っているだけなら状況は変わらないに違いない。
「何か私からアクションを起こさないと…」
そうは思っているけど、肝心のアクションが一つも浮かばない。