2024/08/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > 「くあ…………あっち……」

平民地区の公園
大きな樹木の下、日除けになるベンチに、軍服の前をはだけた少年が座ってる。 夏だというのに軍服は分厚くいかにも暑そう
実際、暑い。 多少は魔法で熱の阻害遮断ができるが、それはそれで体温が外にでなくなる。
自分の体温で蒸し焼きなど冗談ではない。 ないのだが、この軍服は防御面でも信頼のおける戦闘用だ。 そうそう暑いからといって別のものにするわけにもいかない

「あ"あ"あ"……暑ィし、ダルぃし……こういう時は日が傾くまで寝るのが一番だな。昼寝でもすっか」


寝転がった少年に向けて、「にゃあ」と鳴き声。
野良猫がにゃあ、にゃあと鳴きながらベンチに近寄って、少年の寝転がるベンチに飛び乗り、無遠慮に少年の足にのると、胸元にきて、ちょこんと座る

「……いや、退けよ。 重いし暑いだろうが」

野良猫はグルルルとご機嫌そうに喉を鳴らしてる辺り、友好的な様子
だが少年は睨むようにネコを見て、しっしっと追い返そうと
まあ、当然ネコにヒトの言葉なぞ通じるわけもない。 野良猫は前足をすこしふみふみしながら座り込んだままだ

「あー、だりィ……寝るの邪魔すんなよ」

ちからずく、というわけではないらしい。
諦めたように少年は野良猫を無視して、目を閉じる。目が合わないと野良猫は「にゃあ」と少年に鳴いてみせ

「んだよ、くいもんなんぞねえよ。 てかどけよ、重いんだよ」

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノイジーさんが現れました。
ノイジー > 「んにゃあん」

そんな少年の上に乗る野良猫に、またさらに別の野良猫が近寄ってくる。
その猫は先にいた野良猫と目が合うと、「にゃん」と互いに何度か鳴いて話し合っており。
しばらくすると、先に乗っていた猫が飛び降りると、別の野良猫が少年の胸元へと飛び込んでくる。

「にゃあにゃあ、んにぃ~」

そんな鳴き声と共に、少年からするとようやく退いたと思った猫がまた乗ってきたかと思うだろう。
しかしその猫のほうを見れば、些か猫というには風貌があまりにもカラフルだと気づける。
少々体に悪いというか目に悪いというか、蛍光する体の色は紫と白の斑模様。
その瞳は金色に輝いており、好奇心が旺盛なのか少年の顔を覗き込んでいる。

「んにゃっ!」

そうこうしていると、ぺしっ、と少年の頬を前足で軽く叩いてくる。
痛みはないが、この暑さの中では鬱陶しさは倍増しだろう。

グラスシエル > ぐるるるる
猫の方はご機嫌そうな喉の音を鳴らして少年の胸元に置いた前足でふみふみ
少年からしたら放り投げるかどうか少しだけ思案しつつも
新しい野良の声

――あー、お仲間か、さっさとどっかいけお前ら

と、少年は猫同士の会話?らしきそれを寝転がったまま無視する。
先住の野良猫はひょっと少年から飛び降りる。
これが重いしちょっといたいので嫌なのだ、という顔を少年はしつつも……

「あーお前も乗るな、重いし暑いんだからどっかいけ」

と手をひらひらと振る。 とはいってもちからずくで掴んだりはしない様子。ただ

「あ? お前誰かにいたずらでもされたか?」

視界に入る紫と白の斑
しかも蛍光色だ。 少なくとも一般的な動物の色ではない
人間のいたずらか、人間社会でいたずらをして変な薬品でもかぶったか、と覗き込む顔を睨むように見る。
手を伸ばして、身体を逆なでするように、体毛をちょっとかき分け地肌を見ようとして

「あーうっとおしい、ちょっと動くな。
なんか被ったとかかけられた、って風じゃねえな、自毛か
珍しいなお前。」

紫、というのもそうだがパステルカラーと言われる中間色や、蛍光色のようなショッキングな色は動物にはそうそうない
人間の髪の毛や体毛にもルールが有るように獣の毛の色にもルールがある
まあ、とはいえ自然にこうならこの猫も困ってはいないのだろう

「手を出すな、手を、うっとおしいからはよどっかいけ」

と、悪態はつくが、猫を無視するように寝転がるだけで、新たな猫を追い返すわけでもない。 胸の上にいるなら先ほどと同様、放置するかのように

ノイジー > 「んなぁ~」

自分のほうに手を伸ばされて、被毛がかき分けられれば。
毛根のほうからすでにこんな色であることに気づくだろう。
そうなれば、少年も納得したように見た後、また放置タイムに入るようで。

「んにゃっ!にゃにゃにゃ!」

抗議するように離れていく少年の手をつかんで、自身の体に持っていこうとさせる。
どういう意図があるのか分かりづらいが、どうやらもっと触ってほしいらしい。
先ほどの行為を、撫でられていたとでも勘違いしたのだろうか。
少々ぶっきらぼうだが、乱暴ではないとわかったのだろう。

「んにゃあ……もっとわたしちゃんを撫でるにゃ」

おもむろに、そんな高い声と共に猫の力とは思えない力で腕が引っ張られる。
成人男性ぐらいはある力で自らの体に少年の手を擦り付けさせて。
しかしそれでも少年の抵抗が見えるなら、いっそのこと……

「むー!んにゃっ!」

思い切り、少年のそのシャツの中へと入りこもうとする強引さを見せる。
この夏場において、この猫の体温は高い。であれば当然熱は籠ることになる。
ましてやこうして被毛があるということは、熱はさらに暑さを帯びているということ。
まぁ、少年が無理やり引っぺがそうとするならさすがにこの猫も抵抗はしないが。

グラスシエル > 興味がないわけでもない
ただ、自身の翼や風体を好奇心で見られるのがキライな以上、変わった見た目の獣に好奇心だけであれこれというのはなんとなく少年の中では違うとおもったのだ。
とりあえず触った感じ毛もサラサラであったし、自毛ならなんの問題ものないのだろう
手を引っ込めようとすると、猫によくある腕に抱きつくような格好でからみつく猫に、しかめっ面をして

「あーウゼえ、放り投げるぞ――って、なんだ?
――なんかこいつ喋らなかったか?
あ、服んなか入るな、暑ィっていってんだろコラ」

両手で猫の脇を掴み、仰向けに寝たまま持ち上げる。
きつく睨むように

「せめて大人しくしてろ、本当に放り投げちまうぞ」

本当に放り投げる事もなく、胸に猫を置き直す。
ベタ甘、というわけではないが、猫が嫌いでもない様子
ぽんぽん、と頭を二度三度撫でて、もう一度寝ようとして


「……いや、お前今さっき、なんか喋んなかった?」

ノイジー > 両手で脇を抱えられると、びよーんと胴体が伸びる。
ゴムのように胴体が細くなりながら不服そうに猫は少年を見つめて。
しかし、若干気遣いは感じるのであろうからそれ以上の反応は見せず。

「んぐぅ」

にらまれれば、別に怖がりはしないがそれ以上は本当にしなくなってされるがままに。
そうして胸に置きなおされれば、コタツの中にいるように自身の体を丸め始めた。
完全にこの少年の体をベッド代わりにするつもりらしい。
ただ……少年が何かに気が付くと同時に、猫の体が非常に軽くなって、猫が乗っている部分が冷たくなっていく。
それに気付くかどうかより、先に猫が口を開いた。

「ん?猫がしゃべっちゃダメなのかにゃ?」

寝るような姿勢なのは崩さずに、猫の口から人の言葉が走る。
何を当然のことを、というような微妙にムカつくような態度であった。

「それより少年はな~んでこんな暑い中で暑い服を着てるのにゃ。
 分厚くて寝心地が悪いにゃ。もっと薄着をしたほうが猫ちゃんとしてもありがたいんだがにゃあ」

などと、文句をつけてくる始末である。

グラスシエル > 上半身だけを持ち上げる格好、猫はよく伸びる
まあ、この柔らかさは嫌いではない。とはいえうっとおしいものはうっとおしいし、暑いものは暑いのだ
猫を胸元に降ろすと、自分の胸をベッド代わりにしだす猫
まあ、重さはあるもののこれは日常茶飯事、よくある事だ
猫からしたら、動かず触ろうとせず下敷き部分が動かず
ちょうどよい「隣人」なのだろう

「うお、ほんとに喋った」

少しだけ驚いたように目を見開く。軽口を叩く猫に

「いや、俺等ヒトがお前らの猫語をしゃべったらびっくりするだろ? 一緒だ一緒、猫も犬も普通はしゃべんねーんだよ」

少年の服は軍服で戦闘用
ソレ故非常に固い、なまくらな刃ではまっすぐに突いても穴すら開けられぬ代物だ。布、というには重く、固い

「知らん知らん、お前のために着てるわけじゃねえよ。
つか、下のシャツならやわらかいだろ、軍服の上に乗るんじゃねえよ」

軍服の前のボタンをさらに開け、胸元やお腹部分を開く。
中のシャツは上部ではあるが、それなり柔らかく、上等だ
文句を付けてベッドにする猫に怒るわけでも気を悪くするわけでもなく普通に対話する。

「爪立てたら秒で放り投げっからな」

逆に言えば、爪を立てなければ、好きにしろ、ということらしい

ノイジー > 驚く彼の目に、おかしそうに猫は笑みを浮かべてニンマリする。
どうやら予想以上にちゃんとした反応をしてくれて嬉しさを感じるようである。
それに、悪い人間ではない。それだけで猫にとっては十分であった。
もっとも正確に言うと、この人間は人間ではないのだが……まぁそこは置いておこう。

「喋る言語が同じならそれが猫語でも人間語でも問題はないにゃ。
 というかそういう括りで言うならお互いの話が通じるのがびっくりしなきゃいけないにゃ。
 ……あ、でも少年はびっくりしてたにゃ?」

くすくすと笑って、ぺしぺしと軍服を軽く叩く。

「そういうところは猫ちゃんのために着てるって言ったほうがモテるのににゃあ。
 お世辞でもそういうことは覚えたほうが世渡りにはいいにゃ?
 ま、そっちが開けてくれるならそれを受け取ってやらんでもないにゃ」

開かれたシャツの上に乗るが、猫の体重が軍服の上にいた時と比べて風船のように軽いと感じるだろう。
足の裏は暖かいと思ったが、意外にもひんやりとして今の暑さには少し助かる面もあるかも。
爪を立てるなと言われれば、その通りに丸めて、柔らかさを地肌で感じられるだろうか。

「ま、シャツを破ったりはしないから安心しろにゃ。
 猫ちゃんも心地はいいしにゃ」

そういいながら、ぺろり……と軽く少年の首元を舐める

グラスシエル > 「あーはいはい、つか俺にはヒトの言葉は喋るのに律儀に語尾に、ニャがつくほうがびっくりだよ。 まあ言葉が通じるならちょうどいい
俺は寝る、お前は俺の邪魔しない、オーケー?」

少年は少年でここらはいい加減だ、というより猫が喋れずとも目の前のこいつが喋れる事に違和感や嫌悪感はないし会話が通じるならそれはそれでむしろ都合がいい、邪魔をするなと直接言ってやれる

「うるせー、お前らのために寝てるわけでも服を着てるわけでもねえよ、そういうのは商店街や飲食のそばでやれ。
食い物までくれるおまけ付きだろうよ
てか、お前大丈夫なのか?」

毛色、ではない。
あまりにもひんやりしたその足や腹部についてだ
こちらにとっては都合がいいが、冷たい身体など大体は不調だったり怪我だったり、病気だ
心配してる表情ではないが、目をまっすぐ猫に向ける
手を伸ばし、猫の体温をもう一度確認しようとオデコや首を触ろうとして

ノイジー > 「少年もなかなか言うにゃあ。別にそういうことに文句を言ったって仕方なくないかにゃ?
ん-?寝られるのにゃ?」

単純に、こんなに暑い中でこんなに厚い服を着てて本当に寝られるのか?という意味だ。
少年のほうは寝よう寝ようとしているが、しっかりとした場所で寝ればいいのにと思う。
何か理由があるのはまぁ、わかるのだが。

「いやぁ、そういうところでもいいけど、寝るなら人の上が一番いいにゃ。
 なんというか…………見下せるし?」

最悪な理由であった。
これが本心かどうかはともかく、建前だったとしても最悪である。
そういう性根…なのはまぁ、動物ならありなのかもしれない。
畜生とはそういうものなのだろうか?

「ん?心配してくれるのかにゃ?少年は優しいにゃあ。
 でも大丈夫にゃ。冷たいのは今冷たくしてるだけだからにゃ。
 このほうが少年も寝やすいんじゃないかにゃ?」

デコや首を触れれば、そこも若干ひんやりはしている。
それでも冷たすぎはしない。気休めよりは効果はあるが、体温としてはまぁ心配されてもおかしくはない。
胴体も含め、全身が冷たくなり始めているようであるが、本人が自力でやっていることらしく。

「あ、猫ちゃんはノイジーにゃ。少年はなんていうのかにゃ?
 名乗らないならずっと少年って呼ぶにゃ」

グラスシエル > 「お前らはなんでヒトの上で寝ようとすんだよ。暑いだろ、夏なんだから」

全く持って不思議でしょうがないことだ
野良猫なのだからそれなりに警戒心もあるだろうにヒトが寝転んでるトコに乗り、じっと座ったまま見下ろしたり寝たりする

「あー、はいはい。 お前らにヒトの序列なんか求めてねえよ。
俺は俺の邪魔さえしなきゃなんでもいい」


最悪の本性にしろ、建前にしろ、悪辣な畜生の言葉に少年はしれっと答える。猫を見下すでもなく見下されても別に気にする性格でもないのだ。
ぺたぺたと猫の身体をさわる。 やはり予想以上にひんやりしてる。
はじめて少年が困ったような、心配するような顔になって身体を起こそうとして

「なんだ、体温変えれるのかよ……なんだっけ? モノノケ?ってやつ? なんだっけ幽霊じゃなくて……妖怪?」

まあ、それならば会話できても納得だ。
体調不良や不具合がないならそれでいい。

「へー、クソネコでいいや。 俺はグラスな、グラスシエル。
まあ、冷たいしちょうどいいから大人しくしてるなら腹でも胸でもいていいぞ。
お前はベッドがあってハッピー、俺は腹がひんやりしてハッピーだ
後で肉でも買ってきてやる」

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノイジーさんが現れました。
ノイジー > 「気持ちいいってのが一番大きいかにゃ」

うーん、と頭を捻って、理由としてはそんなところしかない。
警戒心が強いのになぜ人のところに来るのか。
実際、その理由は考えてもそれらしいもの思い付かない。
となれば、自分の気持ちとなるとそうなるのだ。

「邪魔するの楽しいんだけどにゃあ。そんなに嫌なら仕方ないにゃ」

張り合いがないというか、そのつもりも少年はないのだろう。
なら、こうして少年をからかう作戦は失敗に終わってしまったということ。
ならこれ以上同じ作戦は続けても意味はないとわかれば、そういうことはもう言うつもりはなく。
ペタペタとさわれば、心地良さそうに目を細めて。

「全部大体同じ意味…いや幽霊だけ違うにゃ。それだと猫ちゃん死んじゃってるにゃ」

ぺしり、と少年の顔を注意するように前足を乗せる。

「なんと失礼なやつだにゃ!言うに事欠いてこの猫ちゃんをクソネコとは!
 ま、失礼なお前の名前は覚えておいてやるにゃ。
 というわけでグラス。水をもってこいにゃ。
 その辺の川の水でもいいにゃ」

グラスシエル > 「わからん、お前らにとって俺等ってデカいし危険極まりないだろうに」

生き物にとってはそんなものだ
ヒトだってクマや猛獣、それこそずんぐりむっくりだろうと大きなイノシシですら恐怖する
人は虚弱ではあっても手足は長いしネコの体躯からしたら危険極まりない生き物だ
だから警戒するし、餌を貰う野良でもその警戒心が消えぬ猫のほうが多い。時には馬車にひかれる猫とているのだ
それなのに、こいつらは「気持ちいい」という理由だけで人に近づいてg腹の上で寝る

「わからん、不思議なもんだ」

失礼、不遜
とはいえそれはお互い様だ。だから少年もノイジーの言葉に目くじらたてたりはしない。

「まあ、冷えてるのが狙ってできるなら良いことだわ。
あ?水? ……ここらへんあったっけな……ちょいまってろ」

と、少年は面倒くさそうに立ち上がる。
猫の使いっ走りというのもらしくはないが、まあ猫相手にそんなにムキになってもしょうがない
くあ、とあくびをしつつ、タンッと足を蹴ると――ばさっ、と翼を大きく広げる。

「そこで待ってろ」



――
――――

「かー、あっつ……お前の頼みなんか聞くんじゃなかったわ、暑くてしにそ……」

少年は小さなひょうたんを持って戻って来る。
それと、われた小さな陶器。その陶器のかけらを地面において、地面にもこぼれるぐらいにぞんざいに、水をかける

「ほれ、まだあるからいくらでも飲め」

ノイジー > 「デカくて危ないだけじゃないってわかってるからかにゃあ」

どう足掻いても、人里に猫は必ず降りる。
山猫でない限り人と出会ってしまうのだから。
ならいっそ、慣れてしまえの精神があるのか。
とはいえ、このノイジーという猫が特殊なことには違いない。
たまに野良猫が寄ってきても、ここまで人懐っこく接してくる猫はこいつぐらいだろうり

「ま、猫ちゃんの中でもまちまちだからわからないのは仕方ないにゃ。
 猫の中でも私ちゃんが変わり者なのはわかってるしにゃ」

互いに互いをリスペクトしないのはどうだろうと思うが。
気安い関係といえばそうかもしれない。
そんな不思議な空気が作られ始めて。

「……にゃあ」

まさか聞き入れてくれるとは思わなかった。
ここまでしているのなら、むしろ行かずに放置されるものかと。
さらに、翼まで広がったのなら驚きで猫の開いた口が塞がらなくなってしまう。
アホ面をさらしながらしばらく待てば…


「にゃ、ありがとうにゃ。グラスは人がいいにゃ」

そういいながら注がれた陶器の水をペロペロと飲み始める。
冷たくはない。生ぬるいとすら言えるが、そこに文句をつけたりはしない。
わざわざ注文したものを、こうして容器まで加えて持ってきてくれたのだ。
なら、素直にそれを飲むのが礼儀だろうて。

「んー、グラスはどうしてそんなに親切にしてくれるにゃ?
 自分で言うのもあれだけどかなり猫ちゃんは少年をぞんざいに扱ってるのに」

グラスシエル > 「ふーん、ここの野良たちは変わってるんだな」

寝てれば勝手に近寄ってきて勝手にベッドにする
実はノイジーだけではない。どうにも少年は猫に懐かれる。
必要以上にべたべたしない関係がちょうどいいのかも知れない
少年からしたら、やたら近づいてくる猫の一匹だ

井戸から汲んだ水をついだ陶器のかけら
その側に、無造作に干し肉を置く

「ほれ」

トントン、と干し肉を指で叩いて、要は好きに食え、ということだ

「親切? 知らん
これが親切だとは思わんし、必要なら俺はお前を虎やオオカミの口にほうり投げるけぞ?」

まあ、そんな「必要」が起こるわけもない
それに――少年は、なんだかんだ言って、甘いのだ
殺し合いを常に行う戦闘員ではあるし、そこに情や心の葛藤はないが
それでも――目の前で困ってるものを見捨てることができない、甘さというべきか

ノイジー > 「それはあるかもしれないにゃ。
ここの猫ちゃんたちはみんなお気に入りの人がいるみたいだからにゃ」

実際何度か少年がベッドにされてるのは遠目に見ていた。
だからそんなにいいのかとあぁして猫と交渉して一度譲ってもらったのだ。
なぜだろう、と考えていると、少年の出した干し肉を見る。

「あぁ、こういうところが好まれるんだにゃあ」

納得したように何度か猫は頷く。
そうして促されるままに干し肉を口にし始めて。

「それが必要になる場面が思い付かないけどにゃあ。
でもありがとうにゃ。んー…せっかくだしなにか恩返しがしたいにゃ」

少年の性根が垣間見えて、このまま甘えたままでは忍びない。
そう思えるだけの価値観がこの猫にはあった。
ならば…

「グラスは童貞にゃ?」

などと、不躾であまりにもノンデリなことを聞く。

グラスシエル > 肉を食べる猫には興味が無さそうに、その間にかけらになった陶器の皿にかけるように水をつぐ
半分以上は地面にこぼれてるが、たかが水だ。 陶器にも十分満杯になってるので何も問題はない
はふー、とベンチに座りひょうたんから水を飲む。 ぬるくてまずい

「恩もへったくれもねえから黙って食ってろ
別にお前に恩義だとか感謝だとか感じてほしくてしてねえんだから
お互い不干渉で、ちょうどよい距離感、どうでも良い距離感、OK?」

ぶっきらぼうで、冷たくも聞こえる言葉
まあ本当に「どうでもいい」のなら水も干し肉もないわけだが
少年からしたらそれは恩義を感じることでもない。

「……あ?」

少年の視線が、猫に向く。
――今こいつ、なんつった?

「なんで俺は猫に俺が童貞かどうかを聞かれてるんですかね?
あーそうかそうか、シェンヤンの方には楽器の外装に猫の皮が使われてるらしいし、肉は喘息の薬になるんだってよ。

――冗談だよ、童貞ではねえよ。なんだ? 女でも紹介しようってか? いらんわ」

ノイジー > 「感じて欲しくないものを感じてしまう…つまりこれは猫虐待…?」

意味不明な理論を口にしつつ、冗談だと頭を降って。
親切にされたと自身が感じた。それが自身にとっての答えでしかない。
ならそれにはそれ相応になにかを返すべき、と。
それが少年にとってありがた迷惑だったとしても、だ。

「別に減るもんじゃないしいいじゃないかにゃ。
 ……にゃっ!?猫ちゃんをわざわざ解体業者に売り渡すのにゃ!?」

恐れ、驚き、人間のように自身の体を守るように両手で自身の体を隠す。
冗談だとしてもいささかたちが悪い。
まぁそれか「らしさ」だとしたら目はつぶってやろう。

「んー、女というかメス?私ちゃんが暇なら相手してやろうかにゃ?」

グラスシエル > 「猫が難しいこと考えるな、ほれ」

ノイジーの側に小さな干し肉をなげる
この猫がバケモノだろうがなんだろうが、まあ会話できる以上は相手はしてやる。というかこの王国や街や、この地には天使はいないし自分の存在が結構なバケモノだ

「しねえよ、少なくとも猫に童貞や女の心配される筋合いもねえよ
いいから黙って食え、そして水のんで寝ろ」

扱いはいつもどおりの猫相手のそれだ
あれば肉ぐらいならやるし、側に居ても互いに不干渉
そのぐらいがちょうどいいのだ

「良いことを教えてやろう
人間も天使も、ネコとセックスしようだなんて思わないんだ
まあ世の中広いからそういう奴もいるかもしれねーが俺はしねえよ」

こんなネコに女の心配をされるとは本当に厄日だ
とはいえ、猫相手に本気で怒るほどそこに困ってるわけでも気になってるわけでもなく

「俺はそういうのあんまし興味ねーの。あるなら人間も天使も年中発情期なんだからツガイ捜しにナンパしてるわ――多分だけど」

経験があるといっても娼婦とかでの行為ぐらいだ。
恋愛だ愛情だ肉欲に溺れるだは経験がないし、そんな暇がなかった
今はあるのかもしれないが――別に堕落した生活を送るつもりもない

「はいはい、猫ちゃんありがとね。ほら黙って肉を食って寝るんだよ」

からかうような口調、まあ少なくとも猫にも煽ったりする気がないのもわかるので、話半分に相手をしてやろう

ノイジー > 「んにゃあ、はぐはぐ」

投げられた干し肉に食いついてもぐもぐと食べる。
実際、天使という種族は滅多に見ることは出来ない。
こうして猫の身で天使の存在を拝めたのは幸運と言えるの…かも。

「そっかぁ。猫ちゃんじゃ相手出来ないかぁ」

どこか残念そうに、ちらちらと横目で。
そんな風に誘う仕草をして見たところで見た目はほぼ奇抜なだけの猫である。
まさか猫相手にするような性癖はその少年にはないだろう。

「ふーん。猫の見た目だから悪いのかにゃあ…。
というか鳥人じゃなくて本当に天使さんだったのにゃ。
私ちゃんもしかしてこれから天国に行けたりするのかにゃ?」

冗談めかしてそういって、けらけらと笑う。
自身が天国に行けるなどあり得ないから、つい笑う。

「へー、天使もそういうことするんだにゃ。少しばかり意外にゃ。
じゃ、少し試してみるかにゃ」

そういうと同時に、干し肉を食べ終わる。
そしてグラスシエルの顔を見上げて…ポン!と気が抜ける小気味がいい音が響く。
もわもわと猫から白い煙があがり、そこから人影が見えて…

「ででーん!」

まるで、マジックを披露したあとみたいな声と共にそこから白銀の髪をツインテールにまとめた女の子の姿。
女の子といっても、小柄な少年よりも背丈は大きい。
頭には猫耳が生えてぴょこぴょこと動いて本物だと見せて。
太ももを隠さない短いホットパンツに長いブーツ。
首には黒い首輪がされ、透明な青い瞳が少年へ真っ直ぐ向けられて。

「この姿ならまだ話になるかにゃ?」

その口から、あの猫と全く同じ声が響く。

グラスシエル > 「有翼種ではねえな、天使だよ。ほら教会とかに書かれてたり石膏像にあるアレ。
天国?あーやめとけやめとけ、天国なんてカミサマすらげんなりして部屋に引きこもってるぐらいだ、俺もカミサマ見たことねえぞ」

まあ、いるのかどうかすら知らない
というより、天界にだけでも神という大層なものが本当にいたなら
――それは自分という存在がいるわけがないのだ

「天国なんかよりこの公園のほうがよほどマシだぞ、天使がいうんだから間違いねえよ。あそこはロクなもんじゃねえ。」

天使としてはありえない台詞だ
とはいえ、猫からしたらそんな事より肉だろう、と少年はタカをくくってる。
正義だ悪魔だ善だ悪だ神だ邪神だなどの話なぞ犬も猫も食いはしない

干し肉を追加しようと軍服に手を突っ込み
ぽん
そんな音がしたならば、白い煙とともに人影一つ

「ほーん、化けれるのか……
ん? てかお前飼い猫なん? 首輪」

自身の首をトントンと指でノックして見せる。
少なくともメスとしては見てないような態度
内心では随分美人だなとか、背高いなとか、胸でかいなぐらいは思う
とはいえ、そういうのは本人には見せないのは最低限のヒトとしての礼儀だ

ノイジー > 「教会なんてとこに猫ちゃんみたいなやつがそうくると思うかにゃ?
……わーお、本場の天使さまが天国をそんな風に言うなんて。
じゃあみんな有り難がってるけど、そんなにいいもんじゃないんだにゃ」

柄が悪いとはいえ、まさかそんな風に言うとは。
いちおうは生まれ故郷のはずでは?と思うが。
あまり嘘をつくことはしなさそうな少年だ。なら少年からすると、そうなのだろう。

「へー、じゃあ天国にいるより公園なら、公園にいるより飯屋って感じかにゃ」

俗っぽいなぁ、と少年に抱いた感想をそのままに。
その理論で行くと飯屋酒場のほうが楽しそうだな、と。

「むぅー、反応が薄いにゃ。これでも体は本物なのに…。
ん?あぁ、そうだけど、もうご主人様となんてしばらく会ってないにゃ。
だからこの首輪も今じゃほぼファッションだにゃ」

驚いてくれない、というか反応が薄いことに若干不満げに唇を尖らせる。
投げ掛けられた質問には、受け答えこそするが視線は女に対するそれではないとわかって。

「グラスは枯れてるにゃあ。もう池にエサをやるお爺ちゃんみたいだにゃあ。
そんなに見た目が若いのに残念だにゃ…」

そう言いながらとなりに座って。
体はとても魅力的だが、猫の姿で話しすぎたのだろうか。
もっとも彼がそこまでがっついていないのが一番の理由だろうが。

「いちおう聞いておくけど女体に興味がないわけじゃないにゃ?」

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノイジーさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノイジーさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノイジーさんが現れました。
グラスシエル > 「教会に行ってお腹すいたよおって鳴けばあいつらくいもんくれるんじゃねえの?知らねーけど。
天国なんてのはな、翼の白いジジイどもが自分たちの権力のためにあれこれ喧嘩してるとこだ、まーじーで、ロクなとこじゃねえぞ
俺も、そいつらに造られたからな、ホムンクルスだとかゴーレムみたいなもんだ、カミサマもドンビキだろこんなん」

しれっと言いつつ、思い出したのか露骨に機嫌の悪そうな顔をする
少年は猫の返事にうなずきながら

「そうだぞ、天国じゃ腹は満たせないが食堂なら腹を満たせる
ありがたい教えよりパン1個ありゃ人間の飢え一人救えるんだ
食い物のほうがありがたいだろ」

と、不満げに口を尖らせる猫? に苦笑しつつ

「お前さ、猫が突然美少女になりました、でいきなり欲情したらそいつはそいつでやべーだろ……いきなりうおおおお可愛いいいい好きだあああとかなったらやばくねえか?」

ベンチに座るノイジーの隣で、懐から取り出す干し肉をかじる。
ノイジーを見る目は今までと同じように、まるで睨みつけるかのよう
とはいえ、睨んでるつもりはない。ナチュラルに目つきがわるいのだ

「俺は男だし、女にそういうのがないわけじゃねえよ。
ただ、俺は戦闘用なんだわ。なんつーか、こう――んー」

こまったように、頭を掻く。説明というのは難しいものだ

「魔族や悪魔にも女もいるじゃん? そんな女にあれこれ思ってたらこっちが死ぬじゃん? だからそういうのは意識しないようにしてるからなあ。
だからお前のソレが美人なのはわかるしスタイルがいいだとかそういうのはわかるぞ? 」

ノイジー > 「ふぅーん、天使に作られた天使かぁ。
神様が天使を作って人間を作ったみたいだにゃ。
自分達が神様になろうとでもしてるのかにゃあ」

想像の域は出ないし、そこに答えはないのだろう。
天国に行くことなどないのだから、そこから考えても仕方ないと考えを捨てて。

「うわぁ、人間の世にすっかり染まってるにゃ。
でもそう言うぐらいのほうが付き合いやすいから私ちゃんとしては助かるかも?
まぁ……神の教えより目前のパンの方が喜ばれるのはわかるにゃ。
結局それがないと生きては行けないしにゃ」

教えはなくても生きていけるが、パンはなくては生きていけない。
まぁ、そういうことなのだと納得して。

「やばいにゃ。でも人気者になれるとなんとなく気持ちがいいから気にしないにゃ。
でも…うーん。確かにグラスがそうなったら…うん。
ドン引きだからこっちの方がイメージにあうにゃ」

うんうんと腕を組んで頷く。
説明が難しそうにする彼の言葉がまとまるのを待って。
その間に水を全部飲み干してしまおう。

「戦いの世界に身をおいてるにゃあ。
グラスって今いくつにゃ?そこそこその分だと生きてそうだけど…。
あぁ、でもそうだにゃ」

にやり、となにかを思い付いたように笑う

「そう言うのがわかるなら話が早いにゃ。
一緒にお風呂入ればきっと問題はないにゃ!
裸んぼで男と女が出会えばきっとうまくいくにゃ!」

理論が飛躍していく。しかしノイジーはそれになんのおかしさをかんじていない。
そう思ったらこの猫の行動は早い。

「ほら、一緒に銭湯いくにゃ!善は急げだにゃ!」

グラスシエル > 「いやあ、もっとタチが悪いぞ。 なにせ俺は戦闘能力目当てに造られた兵器だからな。 ゴーレムとかスパルトイみたいなもんだ。 まあ全部失敗したけどな」

失敗
ならば少年はなんだというのか

「やめとけやめとけ、天国なんざいくより食堂の裏でごはんくださいって鳴いてるほうが絶対幸せになれるぞ」

随分と軽い、軽薄でいい加減そうな物言いだ。肉をかじる少年の目つきは鋭い。腕も細い。虚弱、ではなく無駄が一切無い。
肉食獣の足のような雰囲気だ
戦闘用、という言葉は勿論、嘘ではない

「難しい事よりパンとうまい肉、これだけで大体はハッピーだろ。俺がいうのもなんだけど。
それは人気なんじゃなくただの性欲だろ……あーでも猫からしたらそっちが普通なのか……
俺? さあ、人間みたいにかぞえないんだよな……人間の概念とかでいうと1000年越えてるけど、どっちかっていうと見た目そのままだぞ、俺等」


そういって自分の胸元をトントンと叩いて見せる

「天使ってのは精神の影響も肉体に出るからな
だから俺は見た目通りのイケメンだし心も若いしエネルギッシュってな。
……そんな顔すんなよ、要はジジイじゃなくガキってことだよ、どっちかっていうと、だけどな」

「風呂だぁ? ……って腕を引っ張るな。 てか力強っ!?
おい離せええええ!!なんだその怪力はああああああああ!!」


ズルズルズルズルと腕を引っ張られ、銭湯へと拉致される

ノイジー > 【次回継続】
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からノイジーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグラスシエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヘレナさんが現れました。
ヘレナ > 食事は必要である以上、こんな格好だろうと買い出しに出る必要がある。
街へ出る前になるべく射精を済ませペニスアーマーの先端は水風船のようにどっぷりと膨らんでいるが、勃起は収まった。
これでもすぐに精液が貯まって勝手に勃起してしまうのだが、射精欲求を我慢しながら歩き回るよりはマシである。
精液で膨らんだペニスアーマーをぶらぶらと揺らしながら、食料店の前に来た。
こんな姿で外食などしたくないので部屋に篭って食べる用である。

「あの……。これ、ください……」

パンを中心とした主食と、生の果物をいくつか。
それらを量重視で買い込み、手提げ袋へとしまっていく。
背負いカバンは呪いの影響で使えないのでこうして手に持てる分の荷物しか運べないが、無駄にある筋力のお陰で何とかなっていた。
元々知らない人と話すのは苦手な方だったが、この格好では恥ずかしすぎて相手の顔を見るのも難しい。
とにかく早く宿へ帰りたいので手際よく買い物を済ませたが、たっぷり吐き出した精液は吸収が終わっていて淫紋も下半分が輝きを取り戻していた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にネクラリスさんが現れました。
ネクラリス > 「――なんあれ…」

通りの向こう側から思わず声が出た。
俯きがちな視界をたまには持ち上げてみたらお買い物中のストリーキング。
何かの罰ゲームだろうか、あるいは順当に考えれば奴隷ちゃん。
通常一般人には話しかけ辛くてしょうがないであろうシチュエーションは、コミュ障にとってのナイトメアモード。
いかにお話してみてぇと思っても眺めている事しか出来ないところ、奴隷かもと思えばこちとらギルド職員様である。
しかししかし、ホントに奴隷だろうか。
こんなのはだいたいおっかないご主人様がどこかで見ていて、
下手に声をかけたり触れようもんなら美人局ムーブかましてくるに決まってる。
どうする どうする とモジモジしている間にも、そりゃあ急いでいるらしく進んでしまうお買い物。

「……ぉ、おおおお前ら、お前らアレをどう思うちょっとヤバイけどあそこまで振り切れてたら逆にアリかなって…
 い、行っちゃう? 行っちゃうか? あそっか買い物… そっかうんおかしくないもんな…!」

ぞるり と影から湧いて周囲を取り巻く見えるヒトには見える取り巻き霊にご相談。
コメントに後押しされれば直進できない進路で遠巻きに遠巻きにその食料品店へ。

「……。」

店先の特売品を形だけ手に取りながら チラチラチラチラチラチラチラチラ。
いっそ凝視した方が目立たないんじゃないかって視線移動で隠さない方がマシな隠し方をしている裸身を舐め回し。
店主の言葉責めなんかを盗み聞きできたらいいなってところだけど、この街の商人はオトナの対応だろうか。

ヘレナ > 「だ、だいじょうぶ、です……。自分で持てますから……」

一応人目があるせいかこういうところだと意外と直接的なセクハラは少ない。
ちょっとしたスキに体に触れようとしたり、卑猥な言葉を投げかけられる事はままあるが今のところその程度だ。
今もさりげなく腕や胸に触ろうとしたのに気付いたので、さっと身を引いて拒絶した。
人目はなるべく避けたいが、危ないのはそういうところなので背に腹は代えられない。
それはそれとして、好奇好色侮蔑その他諸々の視線は常に感じる訳だが。
今日は特に、嫌な視線と気配を感じる気がする。
そういった勘は鈍いという自覚があるので始めは気のせいかと思ったのだが、前髪の下から視線を巡らせているとどうにも視界の端に何度も映る人影が。
嫌だなあ早く帰りたいなあと思うものの、こういうのは弱気な態度を見せると調子に乗るというのは前職の経験でも知っているのでなるべく気づかないフリ。

「え? おっきいって……? ええ、まあ……。いろいろと、はい……」

そうして買い物を済ませながら、やや迂遠なセクハラ発言に驚きつつも何とか聞き流し。
振り返り、さて帰ろうかという時に不審な視線の発生源をしっかりと視認した。
一瞬見間違いか勘違いかと思ったが、女性のようであった。
とはいえ、ふたなり化した体であるし女性でも覗き見とかが好きな人は居てもおかしくはないと納得する。
極力けどられないように、しかし気にしすぎてギクシャクとぎこちない歩き方になりながら、その女性の前を通過していった。