2024/07/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 「もー、ひと声。いやァ、おっさん、こりゃ高ェよ。なあ。」
休日の広場、賑わう人の中で、ひときわデカくて目立つ男が難癖付けていた。
正確には値段交渉――、なんでもありのがらくた市で、これを売れ、アレを値切れと言いまわって、笑っていた。
こっちの迫力に気おされたのか、高いと店主も思っていたのか、しぶしぶの値下げでよくわからない陶器を買う。
別に金が惜しいわけじゃあない、やり取りが楽しい。
「おう、ウン、掘り出しモン、掘り出しモン。よくわかんねェけども。
――さァて、これどうすッかね。」
小脇に紙袋を抱えて、中身をどうしたもんかと思案する。
どうせがらくた市の品物だ、いっそどっかに売り払ってもいい。値段相応の値が付くかは知らないが。
ついでに小腹でもすいてきた気がする。美味いメシ、なんかないか、――面白いものでもいい。
何かないだろうかと、視線をぐるりと回してみる。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロシェルさんが現れました。
■ロシェル > 受けた依頼の完了報告を終え、ギルドを出て広場へと向かう足。
休日ともなれば、いつも以上に人の往来は多く、王都での拠点として借りている宿屋に戻るのも一苦労だ。
ぶつからぬ様、人を避け、人を避け、いつの間にか反対方向へと流されていく。
まずい、と思って人の流れから這い出て――何かにぶつかった。
「わぶ――――す、すみません!」
鼻先を撫でながら、拍子に閉じた目を開けば慌てて謝罪の言葉を紡ぐ。
視界には、相手の背中ばかり。
辿り上がっていけば、鍛えられた長躯の先に、焔のような赤髪が見えた。
■イグナス > どん。軽い感触に瞬きをひとつ。大きすぎる身体ゆえに、そういうのもよくあることだった。
衝撃のほうを見下ろして、おお、とわらう。背中から太陽、大きな影が出来上がっていた。
「気にすンな。おれがでかいのが、悪い。」
すうと、それこそ焔めいた瞳を細める。笑んで、のちにふいと首を傾けた。
「冒険者……いや、尼さんか?なんだ、怪我はねェか。」
この人ごみの中だと、動くのすら大変だろう。
それも己にぶつかるほどだ、急いでいたか、流されていたか。
概ねそんなところだろうとあたりをつけて、じ、と相手の姿を観察する視線。
■ロシェル > 振り向く顔を見れば、そこにも焔が見える。
揃いの赤に目を奪われていたのも束の間、相手の言葉に頭を左右に揺らし。
「いえ、周りをよく見ずに飛び出してしまいました。申し訳ございません。」
人の流れから抜け出るのに集中してしまって、その先を全く確認していなかった。
申し訳なさそうに眉尻を垂らし、頭を下げたのも束の間のこと。
「お気遣い頂きありがとうございます。これでも頑丈なので――何か?」
擦っていた手を離して宣うも、受ける視線に不思議そうに頭を傾げ。
■イグナス > 謝罪する姿に、構わんよともうひとこと。
丁寧な女性だ、…やはり聖職者かなにかだろうか。つい、姿をじろじろと確認してしまった。
不思議そうな問いかけに、ああいや、と笑って手を振り。
「悪い、悪い、美人がいりゃあ、つい眺めたくもなンだろ。」
歯の浮くような台詞を冗句めいて笑って
後にふいと思考を巡らせて、ふむ、もう一度首を傾げた。
「そりゃそれとして、アンタ急ぎか?突っ立ってたおれも悪い。
メシでもどうかと思うンだが。」
もちろん口実、中身としては、時間つぶしに付き合ってくれないかってことなのだけど。
■ロシェル > 本来、聖職者が身に纏う正装としての修道服ではないものの、自身の身分を知らせる為の戦闘服ではある。
分かりやすい黒と白に、シンボルマークの装飾は、相手の推察を裏付ける要因になるのだろう。
それから、瞬きを数度。じわ、と頬に朱を昇らせ。
「ふふ、……口がお上手ですねぇ。」
誉め言葉と素直に受け取れば、当然のよにはにかみに笑みが崩れてしまう。
世辞だとしても、嬉しいものは嬉しい。
傾いでいた頭を戻し、
「いえ、急いではいませんが―――ご一緒しても良いんですか?」
丁度、これから宿に戻って食事をとろうとしていた所だ。
一人で寂しく食べるより、誰かと一緒の方が楽しい。なんて、額面通り、呑気な応え。