2024/07/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > いつもの定食屋兼出会い宿に入る男。
店に入ってメニューを見る。今、俺はお腹がペコペコなんだ。
今ならどんな大盛りでも食ってしまいそうだ。

日替わり定食は、もう、いい。
いつも迷うとつい選んでしまう辛い物も除外だ。
左から見始めて、目についたものを頼んでいるから今日は逆だ。
右から見始めて、今まで頼んだことがないメニューを頼んでみよう。

ハンバーグ、カレーライス、親子丼……。
親子丼か、何かいい響きだ。一石二鳥的なお得感があって。

「すいません、親子丼一つ」

声を張って注文をする。俺は注文を聞き間違えられるのが嫌なんだ。
そして、常連らしく、水をセルフで取りに行く。
持ってきてもらうのを待っているのもいいが、この方が早い。

席について、時計をちらりと見る。
23時を過ぎている。夜はこれからだ。

グスタフ > 間もなく、目の前にドンブリが一つ、おかれる。

「いただきます」

手を合わせて、スプーンを手に取る。
蓋をあけると、湯気が目の前の視界を塞いだ。
出汁と卵の良いにおいがする。腹が減っているときに、効く。

まずは落ち着いて、ひと掬い。半熟の卵がトロリとして生唾モノだ。
ごくりと飲み込む音が周りに聞かれないかとヒヤヒヤする。

ゆっくりと口を開けて一口。

「あぁ……うまい卵だ。卵らしい卵で、肉に絡んでいる」

思わず唸りながら口の中で味わい、鼻を膨らませる。
息が幸せだ。熱さに、はふ、はふと口を躍らせる。
あっという間に、完食した。

「ごちそうさまでした」

グスタフ > 「女将さん、この店飯はうまいんだけどな」

食後に珈琲を啜りながら口を開く。

「女っ気が圧倒的に少ないのよ」

ズズッと黒い液体を啜り話を続けていく。

「……やっぱりメニューがよろしくないよな。
 いや、俺みたいな働くおっさんとか、
 腹いっぱいにしたい男子学生にはサイコーのメニューだと思うぜ」

親子丼、カレー、ハンバーグ、からあげ……。
糖質・脂質のお祭りである。

「やっぱり若い娘相手のメニューがいると思うわけだ。
 ほら、腐っても出会い宿なわけだし」

グスタフ > 「……怒るなよ。腐ってないって。それで、いやメニューの話」

文句をつけに来たわけではないのだ。
前向きな改善要求なわけである。

「最近の若い娘が好きそうなメニューでできそうなやつをさ、こう試しに」

なにがいいだろうか、などと流行りのわからない男が頭を捻る。

「最近暑いしな……かき氷は、あるか。かき氷をオシャレにして」

かき氷に、冷ました珈琲をかけて練乳なんてどうだろう。

「……なんか、古い喫茶店にありそうなレトロ感が。
 いや、こんなのが逆にウケるんだって!」

グスタフ > ひとしきり揉めた後、商品開発はまた今度となった。
そんな簡単に新メニューが開発出来たら苦労はしないのだ。

「ふぅ……」

苦い珈琲を啜る。苦い味がする。どれくらい苦いだろう。
安全通貨に投資をしていたはずが、国立銀行の上限廃止でロスカットくらうくらい苦いだろうか。