2024/06/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区「冒険者ギルド」」からアークさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/或る教会」にセットさんが現れました。
■セット > 教会の中。
外の雨から逃れてきた人々と共に、男は長椅子に座る。
目的地寸前で急な雨に降られ、着ていたマントはぐちょぐちょになってしまった。
幸い、中の『商品』は無事だったため、手持ちの鞄の中へ避難させてマントを畳む。
「ノーシス主教……ねえ」
入口にあった小さな経典を眺める。
彼に信心というものはない。ここに来たのも仕事の為。その為、教会や信仰というものからは縁遠く、ましてや集会や経典等を見るのは初めての事であった。
相手側は取引の現場にここを指定したが、中を見渡しても来ている様子はない。
「待つか……」
周りに座った信者たちの真似をしながら、男は待ち人を待つ。
■セット > 先程までの酷い雨脚程ではないが、依然として雨が窓を打ち付けている。
シスター達や神父が雨に濡れて寒がる住民へ配っている白湯を頂く。
暖かい。冷えた末端がゆっくりほぐされていくようだ。
■セット > 雨は止み、教会の中の人がまばらになったころ。
丁度眠気がゆったり襲ってきた時に声がかかった。
「やれやれ」
鞄とマントを掴み、礼拝堂の隅にある、誰も気にしなさそうな扉の中へと足を踏み入れる。
背後で、扉が閉じる小さな音が聞こえた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/或る教会」からセットさんが去りました。