2024/05/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
 とある貴族からの依頼。学園経由で入った依頼だった。
 最近噂になっている奴隷のフリーマーケット。それ関連で人攫い等も横行しているらしい。それ故に勉強会をしてほしいという事だった。
 そういう訳でとある会場で人を前に説明している。参加費は無料。貴族からすれば名前売りの現場というだけの話だ。しかし現役の教員、しかも数々の戦場で武勲を立てた傭兵の授業を無料で受けられるという事でかなり人数は集まっているらしい。
 護身術とそれ用の道具の説明。たしかに色々と勉強にはなる会だったかもしれない。しかしその最後に。

「まぁ、色々説明してきたが……相手がプロなら素人が努力しても無駄だ。付け焼刃の護身術なんて無駄だし道具は当たらないし通用しない。仮に俺が攫うなら今説明した道具なんて全部ある前提で動くからな。だから最大限の自衛はまず攫われるような場所に近寄るなって事。それと出されたものを飲んだり食ったりするな、飯や飲んでる最中にその場を離れるな。そもそも知り合いじゃない奴についていくな。アンケートとかセールとか言われるが無視しろ。最低限この4つだ」

 今までの授業の内容を投げ捨てるような一言だった。
 実際はプロならこれをされたとしても実行する。バレた所でそれを揉み消す方法を知っているからだが、それに関してはもはや対策どうのじゃない。生まれ持った地位とかまで必要になってくる。

「とりあえず講義自体は終わり。さっきは無駄だっていったが相手も素人なら十分道具や護身術は意味がある事はわすれんなよ。さて、希望する奴は護身術や道具の実技に入るから紙を俺に出してくれ。教員が待ってる別室に移動してもらうから」

 とか説明してもらった紙を捌く。しかしここの教員ではないスタッフに耳打ちをされる。
 顔をしかめて。

「報酬、増やしてもらうからな」

 予想以上に人数が多いから実技の教員も担当してほしいという依頼だった。
 もしこれ以上人数が増えた場合はだが。
 勿論追加で貴族の私兵などに追加の発注をかけてはいるが、それが到着するまでに希望者が出た場合は彼が担当する事になった訳である。

クレイ >  
 とはいえ、そんなに爆発的に増える事はない。
 今の所まだ自分が動く必要は無さそうではある。とはいえどんどん紙は増えていく。
 本格的に自分が動く必要があるかもなと思い。

「おい、これ用意しとけ」

 さっき耳打ちしてきた人に紙を渡す。思わずその人は目を見開く。
 それもそのはず、紙に書いてあるのはガチの人攫いで使うような道具の数々だった。

「練習、なんだろ?」

 ならプロの手口でやってやるよと伝えて用意に走らせる。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレイさんが去りました。