2024/03/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジェイクさんが現れました。
ジェイク > 王都マグメールの平民地区。
富裕層でも、貧民層でもない、名前の通りに平民の多くが生活する地区は、
王都の中でも最も面積が広くて、人口も多い賑やかな場所である。

老若男女、種族も貧富の差もなく大勢の人々が往来する繁華街は
一見すれば貧民街より治安が良く、富裕区よりも便利で、住みやすさを感じさせる事だろう。
衛兵の詰め所も存在する此の地区では、必然的に街中を警邏する兵士の数も多くなり、
行き交う人々の不審な行動には絶えず彼等が目を光らせている。
だが、その瞳が必ずしも治安維持のためだけに輝いているとは限らないのがマグメールの所以でもあり。

「おい、――――そこのお前。少しだけ、良いか?」

なめし革の軽胸甲を身に纏い、腰に剣を佩いた警邏中の兵士風の男が
繁華街の大通りを歩いている女の後ろ姿へと声を掛ける。
ちらりと覗いた横顔が好みであったのか、或いは、顔見知りだったのか。
口端に滲んだ嗤みは、この後、彼女に降り掛かる災厄を象徴しているようであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 歓楽通り」にアキアスさんが現れました。
アキアス > 飲み屋やら娼館やらが立ち並ぶ通り。
平民地区のそこは、貧民地区のものよりいくらか煌びやかで。
それでいて富裕地区のように貧乏人を見下していないのがよい。

いや、中にはそういう手合いもいるが、貴族相手の娼婦たちは金以外も求めたりする。
それはそれでそっちの勝手、とは思うが、貧民出身の冒険者など露骨に下に見られもして。

そういう相手を組み敷くのも一興なのだけれど。

「つっても高けぇし、なぁ。俺にはあんたらくらいが丁度言い訳よ」

そんなふうに客引きしている娼婦に粉掛けながら。
男の調子はいつもこんなものなのだろう。娼婦の方もはいはい、と笑って流している。

その日は馴染みの娼館で普段の用心棒が流行病で寝込んでいるとかで。
ギルド通して代替え用心棒の依頼を請けての、ぼちぼち交代でお役御免、というところ。

このまま娼婦を買ってもいいし、適当な女を口説いて宿なり塒なりにしけ込んでもいい。
そんなふうに考えながら、最後まで面倒が無ければいいがと欠伸を洩らして。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 歓楽通り」にクルルさんが現れました。
クルル > (そんな歓楽通りの酒場から、
 若干ツカツカと苛立った足取りで出てくる少女が一人。
 その少女を追いかけるように、
 ゴロツキじみた男が「おい待てよ!!!」とその腕をつかんで引き留める)

「なんだよ、誰も一晩相手するなんて言ってねぇだろ。」

(うっすら頬を桃色に染めて、
 しこたま飲んだ後だということはわかるだろう。
 どうやら奢らせた分付き合ってやるという言葉を真に受けた男がごねている…ようだ。
 男は苛立った様子で「なんだと!?さんざん奢らせておいてそりゃねぇだろ!!」と声を荒げていた)

「いい加減にしろよ、俺だって此処を血まみれにはしたくねぇんだぞ。」

(周りには人も集まってきた。
 面倒くさそうに少女は腕を払うと、
 すぐ近くにいるであろうアキアスの隣を通っていこうとする)

アキアス > 娼婦と軽口を投げ合っていれば、交代の相手も到着しており。
あとは勤め上げた証のサインを娼館の主から貰って上がり、というところ。
娼館併設の酒場から聞こえ来る喧騒に面倒そうに首を巡らせ、瞳細めて騒ぎを眺めて。

「ぁー? ……もう仕舞いだってんのになぁ」

仕事を上がれるところでの騒動に瞳細めながら。
脇を通り通りを出ていこうとする少女の腕を掴み、腕の内に捕えてしまおうとしながら。

「おう、こっちで解らせとくよ。そっちの払いは俺にツケといていいぞ!」

一応は用心棒の仕事らしいこともしようと、騒ぎになる前に事を治めようとする。
少女へはこちらから、歓楽街の流儀も理解させる、とし。
奢らされた男への補填としては、払いをチャラにできるという点で埋め合わせとして。

相応の料金がかかっていたのだろう、男は渋々ながらも引き下がり、けれど浮いた支払い分でこの後は娼館なりでお楽しみ、というところだろう。
既に目敏い娼婦が彼に耳打ちし、場を治めるついで今夜の稼ぎとして見込んでいる。

集まりだした人も騒ぎは収まりそうかと疎らに散っていって。

クルル > 「なっ…!?」

(横を通り過ぎようとした男の腕が、
 少女の細い腕をつかみそのまま逞しい腕の中に閉じ込められる。
 とっさに腰のホルスターに手を伸ばしたものの、
 がっちりと身じろぎもできないほどに抱きすくめられれば、
 少女は少し苦し気にうめき声を漏らし…)

「おいっ、勝手なことすんじゃねぇよ!!!
 俺は金額分は付き合ってやったんだから…!!!」

(男は上玉と言える少女を手放すことに暫く苦い顔を晒したものの、
 「後でちゃんと土産話聞かせろよ!!!」と、
 この後に少女がたっぷりと『解らされる』ことに期待したのか、
 少女の顔を舐めまわすように見た後に夜の街へ消えていった)

「くそ、離せ!!!」

(じたばたと身じろぐ少女。
 疎らに散る人々の中、少女がこれからどんな目に遭うのか、
 それを見るおこぼれにでもあずかれないかとチラチラ視線をやる男たちもいたようだが)

アキアス > 【お部屋移動いたします】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 歓楽通り」からアキアスさんが去りました。
クルル > 【お部屋移動します。】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 歓楽通り」からクルルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──~♪」

雨がしとしとと降り注ぎ、普段に輪をかけて人気のない閑静な外れの住宅街の路地を、
下手くそな口笛を奏でながら、傘布の部分に赤いラインが入っている以外は全てが銀色の蛇の目傘という
奇妙な物体を担いでのんびり歩く、金髪の男が一人。
そんな奇っ怪な傘を差している代わり、普段羽織っているジャケットの姿はなく。

食事を終えた後、暇つぶしを求めてブラブラと大通り、路地裏と歩いてきたが、特に何か特筆するものと遭遇するでもなく、
気がつけばこの場所まで辿り着いていた。

先の二箇所に比べると、余計に事件性の少なさそうなロケーションではあるが──

「……まああ人生ドコでナニが起こるか判らんもんだからな」

なんて、眉下げて笑いながら独りごち。
適当に視線を彷徨わせて住宅街の景色を眺めがてら、なにか面白いモノでも出現しないか、などと
雑な期待をしながら、ぱしゃ、ぱしゃとマイペースに歩を進め続け。

エレイ > やがて小さな公園の前に差し掛かれば、歩く足を止めて少し思案。
然る後、おもむろに公園の敷地内へと足を踏み入れる。

周囲には見える限りではやはりというか、誰の姿もなく。
フンス、と小さく鼻を鳴らしながら、公園の片隅にある東屋へと足を向け、
その屋根の下に入り込んでゆく。
そこには木製のテーブルと、それを挟むように同じく木製のベンチが設置されていて。

「──ふぃー。ここでちょいと一休みにしましょうかねぇ」

なんて独り言ちながら、傘を閉じつつベンチに腰掛け。
テーブルの上で頬杖ついて、雨に煙る周囲の景色を改めて目を細めて眺め。

「ふぅーむ……今日の雨はコレ、止まないヤツかな……別に雨は嫌いじゃねぇーんだが……ン?」

雨足はこれ以上強くなりそうではないが、止む気配もなさそうで。
フンス、と小さく鼻を鳴らせば、ふとこちらへ近づいてくる足音らしきものが男の耳に届き、
顔をそちらに振り向かせてみて。

エレイ > 男の視界には、何が映ったのか……その後も雨は降り続き──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。