2024/03/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジェイクさんが現れました。
ジェイク > 王都マグメールの平民地区。
富裕層でも、貧民層でもない、名前の通りに平民の多くが生活する地区は、
王都の中でも最も面積が広くて、人口も多い賑やかな場所である。

老若男女、種族も貧富の差もなく大勢の人々が往来する繁華街は
一見すれば貧民街より治安が良く、富裕区よりも便利で、住みやすさを感じさせる事だろう。
衛兵の詰め所も存在する此の地区では、必然的に街中を警邏する兵士の数も多くなり、
行き交う人々の不審な行動には絶えず彼等が目を光らせている。
だが、その瞳が必ずしも治安維持のためだけに輝いているとは限らないのがマグメールの所以でもあり。

「おい、――――そこのお前。少しだけ、良いか?」

なめし革の軽胸甲を身に纏い、腰に剣を佩いた警邏中の兵士風の男が
繁華街の大通りを歩いている女の後ろ姿へと声を掛ける。
ちらりと覗いた横顔が好みであったのか、或いは、顔見知りだったのか。
口端に滲んだ嗤みは、この後、彼女に降り掛かる災厄を象徴しているようであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にゼオンさんが現れました。
ゼオン > 「なぁーんか、面白いことねえかなぁ」

昨日は一晩、先達の冒険者が抱く被虐をたっぷりと味わってご満悦。
だが、それでも一夜明けて別れ、飯を食い、街をぶらつけば飢えて来る。

明日は別に学院に行かずとも良いだろうと思いながら、
かといってギルドの依頼を受けるのも一人では面白くない。

いっそ、明日からの実地研修の方に出向く方が面白いだろうかとも思いつつ。

「……どぉっちにいこうかなぁっと。」

大通りと、路地裏。暇潰しの相手、面白い相手。
何でもいい。ハメ潰すのもいいし、ただ酒飲んで駄弁るのもいい。

ほんとうにどうしたものかと思案顔でぶらついて。

ゼオン > 「なぁんも、ねえか」

独り言ちて、路地裏に消えていく

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からゼオンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にオウルさんが現れました。
オウル > ――平民地区、露店立ち並ぶ通り。

今夜はお小遣い稼ぎをする為にこんな時間でも露店並ぶ通りを少年は一人で歩いている。

狙い目はお尻が肥えて重そうな金持ち、あるいはお忍びで平民地区に遊びに来た貴族で……はなくて、お店が出している露店ではなく、道端に布をしくだけの簡素なつくりの個人商店。

冒険者が売れ残った戦利品を。
一般人が少し足を延ばして採取した薬草を。
見習いが作り上げた装飾品を。
と、質が良くない事が多々あるような露店である。

特に狙い目なのは鑑定技術が未熟そうな店主の店。
ほぼ未鑑定の天然石を一山幾らで売ってたら最高である。
――…まあ?余程の物があれば?店主に還元しない事もない。

「自分で掘るなり川に行くなりで、採取すりゃいいんだろうけど、それは正直言って面倒だからなー……あと大体その手の場所は危険な場所だし?」

基本的によく知られている場所は枯れている。
穴場は穴場である理由があってか危険な場所が多い。
極まれにどちらでもない場所を知っている者もいるが、それこそ稀である。

今宵も春の装いで。
左目は替えが見つからないので相変わらず包帯で。
ラジエル学院の制服姿ではなく、私服姿で通りを歩く。
教師に見つかっても帰れと言われる程度だろうし、口の中の飴が全部溶けたら、帰ろうと。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクロエさんが現れました。
クロエ > 輝く金色の髪はまとめず、さらりと垂らし
しなやかな指先は、赤青黄緑白の五色に染めて
張りの良い肌は小麦色
今日も元気に少女は、ステップを踏むように歩く

「ろってんー、ろってんー」

色々な店を見て、色々物色して。
結局のところ、今の気分に会ったものは見つからなかったので気分転換も含めて露店に向かってみた。
なにか興味を引くようなものがあればよし、なくても暇つぶしにはなる

「んー……お、おにーさん、それ幾ら?
 え、マジ?その値段でいいの?ラッキー」

なんとなく気になった手作りの装飾品を購入。
できは少し悪いかもしれないけれど、これはこれで味がある。
いい買い物ができたなー、なんてホクホク顔。
まだ少し見てみようかなー……と思ってみたら、どこかで見た姿が見える

「あ、おーい、オッくーん!」

外で師匠、と呼ぶのも悪いかな、という世間体くらいは考慮した。
考慮したが、全力であだ名で呼ぶのもいかがなものだったろうか。

オウル > 特殊な光を与えると反応する石。
割らないとただの汚らしい石にしか見えない石。
磨くとそれなりの価格で売れる石。
と鑑定技術がないとただの少し綺麗な天然石にしか見えない物が多々ある――…まあ正式に鑑定すると鑑定料だけで、売り上げと変わらない結果になる事が多いので、その辺が狙い目なのだ。

今夜は『ギルド』絡みでは稼がない。
なので自分の知識と眼を信用して歩き回っている。
口の中に広がる濃密な甘さは脳に糖分を回すためのモノだ。

その最中に1件の露店が目に入る。
地べたに厚手の布か革かをしき、幾つがザルを設置し、そこに文字通り玉石混交の石が積まれていて、そのザル毎に買い上げるタイプで売っているようだ。

そう!これが狙い目のお店で、足を止めて品定め……と、思ったところで聞き覚えのある声がして、ねらい目のお店を過ぎてしまってから、くるりと振り返るのだった。

「おっ?クロエさん?どうもー?」

あまりに有り触れて面白くない返答しかできなかった。
表情こそ、顔見知りよりは友人に向ける柔らかな笑みを浮かべ、しゃべる時だけは歯で棒付き飴の棒を抑えて器用に言葉を口にして、声をかけてくれた顔見知りの方に歩く方向を変更して近づいていく。

流石に街中で先生呼びもなかろうと。
なので呼び捨てにしてしまったが……。

クロエ > 勢いで声を上げてから、実は人違いでした―とかだったらどうしよう、とか一瞬だけ思っていた。
クロエさん、と返事があったので、どうやらその線はなかったようで一安心。
パタパタと走って件の人物に近寄る。

「はぁい、オッくん!元気してた?
 してたか。してなきゃ露店とかいないよね。
 んでんで、なになに?今日はなんかお買い物?いいものあった?
 あたしはねー、これ、これ。これ買ったの。マジ可愛くない?」

相手の返事も待たず矢継ぎ早に話す。
ついでに、買って早速つけてみたペンダントを見せびらかす。
おそらく見習いが作ったであろう、と見て取れる感じの代物である。

「あ、そうだそうだ。この間の飴、ありがとね!
 なんかちょっとピリッていうのかな?そんな感じがしてさー。
 でも別に辛かったわけじゃないのに、おもしろって思った。
 あれって、何?刺激系?とかいうやつ?
 でも、マジほんと美味しかったよ!」

手を取ればブンブン振り回しそうな勢いで話し続けた。
あいも変わらずのテンションである。

オウル > 互いに近づこうとすれば縮まる距離、すぐにも互いの顔が視認できる距離へと――…行き交う人々は多くなく、合流完了。
パタパタ走ってくる様子と態度はクロエさんらしいと思うのだった。

「程々に元気だよクロエさんの方は聞くまでもなさそうな。
 うーん、今日は小遣い稼ぎに掘り出し物を探してるけども、今一かな?」

ご挨拶も程々に両肩を軽くすくめて苦笑い。
今しがた見つけた天然石を一山幾らで売る露店以外に、掘り出し物がありそうな露店はゼロなので、っと……見せびらかしてくるクロエさんのペンダントに言われて包帯で隠している左目も右目も落として、じーっと見つめる。

角度と位置的にマズい気がしないこともないが、問われて目を逸らすのも失礼になるし、実際に視線の先に見習い職人が作りました!と言わんばかりのペンダントのデザインはそこそこ悪くなくて、うんうん、と頷く。

「クロエさんに似合ってていいんじゃない?可愛い可愛い。
 と、飴の感想ありがとうね?ピリっと、刺激系、と……。
 また幾つかあるから口寂しいときにあげるね?」

相変わらずのテンションは悪くないし嫌いじゃない。
逆に自分はあまりテンションを高くできないタイプなので、思わずにっこりとつられて笑ってしまうくらいは好き。

で、飴の感想を頭の中にメモしつつ。
これならもう少し成分を強くしてもいいと進言すべきかな?とこれは口に出さないでおくとして、軽く小首を傾げながら、今度は自分がクロエさんに問う。

「……食べた後何か変化なかった?とか言うと怪しげな飴だった感があるんだけど、そうではなくてー…ハーブキャンディ?って奴だったらしくて。」

効果があったのか、無かったのか、それ次第で効果の増幅を加えて『ギルド』に進言するつもりで、ペンダントからクロエさんの 緑色の瞳に視線を移してジーっと瞳をのぞき込む。

クロエ > 相手のオッくんは前と同じローテンションめ。
自分と逆なタイプの感じはあるけれど、迷惑そうでなければいいかな、と反応を見ながら考える。
博愛主義者なところのあるクロエは、だいたいウェルカムであるが相手がそうとは限らないのが難しい。

「お小遣い稼ぎ?でも、売る方じゃないっぽいよね。
 んー、なんか良さそうなモノを買って売る感じ?」

そういう商売のやり方があるのは知っている。実家が貴族ながら商売にも多少関わっているからだ。
ちょっとズルいと思わなくもないが、経済というものがそうして回っている面があるのもわかっている。
なにより、素人がやろうとしても目利きができなければ火傷するだけ。
鑑定力がある少年だからこそ出来るやり方であり、それは才能を使っているだけ、ともいえる。

「へっへへー、いいっしょ?オッくん師匠にもお墨付きもらっちったね。
 あたしは鑑定ー、とかはできないけどさ。可愛いもの目利きなら自信アリ、かな。

 え?うー……なんかまたおねだりしたみたいになっちゃったなあ……
 なんか奢ろっか?」

ペンダントを褒められれば、ニッコニコになる。
買い物だけではなく、自分も褒められた気分になり実に気持ちがいい。
けれど、飴についてはやっぱりちょっと申し訳なく思う。
親しき仲にも礼儀あり、だっけ?こう、貰うばかりはよくないと思うのだ。

「変化?あー、そっか。あれハーブだったんだ!
 そっかー。あのピリって感じとかもそうだったのかな、じゃあ。
 んー……なんかポカポカした感じにはなったかなあ?
 あたし、薬の効きとか微悪(びわる)で、参考にならないかも」

やや怪しげな聞き方にも特に気にすることなく、少し真面目に考えてごめん、とばかりに手を合わせる。
少し申し訳無さそうに応えた。

オウル > テンションを高く維持できるタイプの人間ではない。
かと言ってテンションの高い人間が苦手という事もない。
どちらかと言うなら楽しそうな人を見るのは嫌いじゃなくて、反応を伺う視線があれば、口元に笑みを浮かべながら首を傾げるだろう、どうしたの?と。

「そうそう、まっ、何かを作って売れない事もないけど。
 クロエさん正解、今日は良さそう物を探して、後で売るためにーっと思ってたんだけど。」

思っていたんだけど、結果として『お小遣い』になりそうな物はなく、最悪安い薬草とかその辺りを購入して煎じて簡単な薬くらいは作って売ろうかな?と構想はあったが、間違いなくそれは時間かかるし、と口元には苦いものがほんのりと。

「いいね、クロエさんの胸元を飾るにはピッタリだよ。
 鑑定ーは技術的なものもあるから、クロエさんのそういう感覚的なものは大事にしたほうがいいし、感覚的なものは中々身に着けられないからねー……。」

苦みを浮かべた口元は笑みへと戻して何度かうんうんと頷く。
言葉通り感覚的に物を覚える事こそ難しく、クロエさんの可愛いモノに対しての目利きこそ凄いと思うのだが、もしかしたらその可愛いにも技術的なものがあると思えば、ふむ、とまた頷くしかなかった。

カリッ、と今日は喉を潤すのと糖分を入れるための飴を奥歯で噛みしめて、かみ砕いて、飲み込んで、飴がなくなった棒は…指先で取って、ポケットにしまう。
――…しゃべる事に集中したいからね。

「女の子におねだりされて嬉しくなるのは男の性分ですから?もし、何か奢ってくれるーと言うなら、今度一緒に出掛けない?染料になりそうな草花集めでも、近場の川で石拾いでも、水遊場でデートでもいいよ?」

さらりとナンパっぽい事を言うくらいには異性慣れしてる。
寧ろなれないと『ギルド』の仕事はできないので、言葉選びには苦労しない、ちゃんと断られてもいいように、最初にハードルの低いお誘いをして……おっと、言葉の後半は聞き捨てならない、いい事を聞いたのだ。

薬が効きにくい

その一言は思わず口元がにんまりしてしまう。
何故って――…そういう相手にこそ効果を確かめたいのだ。
効かないなら、効かないで構わないし、そういう相手にこそ効けば、意味が出てくるなので、そこを嫌うこともなく申し訳なさそうなクロエさんに手を伸ばして、合わさるその手を包むように両手を添えて。

「じゃあ効くまで……じゃなくて、その方が助かるから!
 ポカポカかー……そっかー………。」ちょっと頬が緩むのだ、だってそれならそれで改良が……ってね。

クロエ > 「ありゃ、ソレは残念だ。オッくん師匠ならなんか作って売ることもできるんだろうけど。
 それはそれで手間だろうし。お小遣い稼ぎも大変だね」

一応、それなりに潤ってはいるので基本稼ぐようなことはあまりしていない。
ただ、社会勉強半分で仕事をしたりすることはある。
というわけで、真面目に働く大変さは一応知っている。

「んー……まあ、そうかもしんないけどね。
 真面目に勉強して手に入れた知識ってやっぱリスペクトってやつ?
 だって、それに時間かけてるわけだしね。マジすごいって思う。」

どうにもムラっ気があるというか、あちこちに好奇心が伸びて一つに集中できないタイプ。
それがクロエであるので、やはり専門的に学習できるのは尊敬に値するのだ。

「ん、そお?おっけー、お出かけくらい全然いいよ。
 そもそも、オッくん師匠には色々習わないといけないしね!」

ハードルも何もなく、あっさりと飛び越えて要求を飲み込む。
ナンパっぽいとか意識すらしてないのではないか……?

「ん?どしたの、嬉しそうに。」

手を包んで添えられて。別に嫌がりもせずそのままにして。
ただにんまりとするオウルに不思議そうな顔を返す。

オウル > 何せ自作できるのは媚薬から染料まで幅広く。
薬師には敵わないが、小遣いを稼ぐ程度の質の物は出来る。
その時間を勉学に費やすべきなのかもしれないが、小遣いがないと食費もままらないので、その辺りは匙加減ひとつ。

「凄い事は否定しないけど、勉強すればするほどに感覚的に強い人ってやっぱり凄いんだなって思うよーほんとに。」

覚えられるものは覚えたい、だからこそ覚えようとしても覚えられないものを習得している人間はクロエさんの言葉で言うならリスペクトの対象なのだ。

妬みとか嫉妬がないわけでもないけどもね。

「まあ俺もクロエさんには色々と教わるのはあるけど。
 ちょっと無防備過ぎない?あれだよ?ほら、前にもクロエさんが言ってたけど、俺もオトコノコって奴だよ?」

願ったり、叶ったり、なのだが思いのほかドストレートに要求が受け入れられると、不審がるのとは違うけど、少しいろいろと心配になる――デートと言えば聞こえいいが、外に出たら人目がないわけで、そりゃオオカミになってバクリ、とするつもりはなくもないが、なくもないんだが……。

「えっと、嬉しそうになるのは、そりゃ、その効果が出難い体質であった方が、万が一に成分調整を失敗していた場合に、効果が出にくくて助かるかなーと、いや毒を飲ませるつもりとかないよ?」

でも媚薬とか興奮剤とか、試験型の飴をあげて、その場で効果がばつぐんだ!ってなるよりは、効きが悪いほうがいいかなっていうのが有るので、若しかしたらちゃんと協力を願うこともあるかもしれないので、正直に言葉にする。

毒は飲ませるつもりはないし、危険なものは当然試してもらうことはない、けども、わかってて摂取した場合とそうでない場合とか……と色々と言葉が過るけど、すべてを言葉にすることはない。

あと、慌ててクロエさんの手を包むように添えた両手はパッと離してから、短い後ろ髪を掻くようにして、何となく何となく、何かごまかすような態度をとってしまうのだった。

手をつなぎたくないとか、触れたいとか、そういうのではない、はずである。