2024/02/24 のログ
天ノ宮亜柚楽媛 >  
羽のように広がり立っていたたもとがふんわりと降りる。
艶絹の黒髪もまたサラサラと元のポジションへと戻しつつ、高みに
位置した黄金の双眸を下ろし問う。

「怪我などなかろうな?」

エプロンめいて身体の前面のみを覆う前掛けの爆乳。
最初に浮かぶ感想はすべすべふわふわ。しかし、拉げ埋まった小顔が
次に味わうのはやたら癖になる弾力と、甘く爽やかないい匂い。
密着する肌に伝わる人肌の体温もまた心地よく―――とか考えてる
視界にサブイボなんかも見つかるやも。
ちな、訴訟云々へのツッコミが皆無なのは争ったら敗訴間違い無し
なので、記憶にも鮮やかな花萌葱は心のメモリーに大事にしまって
おく事にしたがため。

『うわっ』『やばいキレた』『逃げろ』
姫抱きされた少女の剣幕に、モブは慌てて解散する。
まあ、いくら可愛くてもひとんちの軒先でぶら下がり健康法してる
キチ◯イとは関わりたくないよね、という風評被害。

「うむ。中々気遣いの出来る娘じゃの。妾、そろそろ限界じゃった。
 ぬし重いのう」

王子様みたいなキラキラ演出しときながら実に残念な事に、ぷるっ
ぷるの細腕はジッサイ限界近かった。
それを汲み取り品よく降りた少女とは真逆、年頃の乙女としては絶対
言われたくなかろう禁句をぺろっと漏らす駄女神様。
まあ、貧弱女神アーム的には重くとも、一般的にはかなり軽い。
下心満載の男達なら羽の様に軽いとか言って、一刻でも二刻でも
ムキになって姫抱きを続けるかも知れない軽さだ。

「―――して娘。 妾、命の恩人じゃの?」

改めて並び立ち、若干の身長差を見上げつつの第一声。
上目遣いの金眼には下心しかない!

ティアフェル >  黙ってもう少し露出度の低い装束を纏って月光の下に佇めば誰もが見惚れたかも知れないが。
 そんな容色を総て台無しにして粉々に砕いているのは多分本人だと思う。
 いろいろあった今、黒髪の乙女を眺めて抱く感想は『なんて勿体ない…』が最たるものだ。

「っふ、っは……お陰様で……大丈夫、へーき……窒息しかけた気がしないでもないが……」

 見事に柔らかく素晴らしい芳香の乳に埋もれて死ぬとかエロおやじとかだと腹上死と並んで二大本望な末路だろうが。
 感触や弾力を心地よいとウットリ堪能するにはちょっと状況がシュールだったし、『結構な乳前で…』なんて下世話を口にするほど19歳女子、変態にはなり切れない。
 頭に浮かびはしたが。
 
「っち」

 散っていく野次馬たちの背中に舌打ちカマして親指を下げていたが。
 
「……ぬあ!?
 あんたそれ最悪コメ過ぎるんだけど!」

 いや。そりゃ体格を見れば重いと思うよ、そりゃ。分かる分かり味が過ぎるが。
 云っちゃいけないことってあると思うんだ。
 だからむきっ!と恩人?と主張する少女へとその腕から降りたからにはこっちのもんだと即ギレ。
 思えば地面の感触がちょっとばかりお久し振りだ……これこれこの安定感……大事。
 どっしりと地を踏みしめて腕組みしてアホ毛逆立ててぷんぷんし。

「……は? 知らん。」

 デブ呼ばわりに心の扉は完全にシャットアウト。
 恩を着せられる前に堂々とシラを切った。

天ノ宮亜柚楽媛 >  
「――――っひ」

思わずビビる女神様。
この子むっちゃガラ悪い……。
乙女の勘気は竜の逆鱗同様、軽々しく触れて良いものでは無いという
事か。
そんなやり取りの直後であったのが悪かった。
すけべ心(えっちな奴ではない)しかない上目遣いの問いかけへの
返答は、何とも素っ気ない。

「え……っ!? い、いや、ごめんて違うのじゃ。さ、さっきのは
ほれ、じ、実際にはそんな言う程重い訳でもなくてじゃな、あー……
こ、ことばのあや? そうっ、そーゆーアレじゃ! わかるじゃろ?」

薄茶の一房を触覚めいてぴょこぴょこさせつつ、完全にヘソを曲げて
そっぽ向いてしまった娘に対し、慌てて謝罪―――というか見苦しい
言い訳を並べ奉る元女神。

先の検問所で親切な衛士長からもらった小銭では、あんまり美味しそう
に見えない串焼き一本、もしくはクッソ硬そうな黒パン一つしか買え
そうもなく、受肉して初のご飯という一大イベントをそんな雑に終える
のは、その前にもらった干し肉かじるのと同じ位にもったいない。
ここでしっかり恩に着せ、おいしいごはんを奢ってもらおうという
不退転の意志で花萌葱の乙女の袖を摘んで食い下がる。

ティアフェル >  禁句も禁句。
 下着の重さすらも気にするような繊細にて神経質な領域には触れてはいけなかった。
 デブ扱いされるくらいならキャッチしてもらわない方がなんぼもマシ。
 それさえ云わなければ「ぜひお礼を」の流れになっていなくもなかったかも知れないが。

 ちょっとかわいくてスタイルがいいからって人のことをブタとか(脳内変換悪化中)。
 と、頭の中ではすっかり印象が。もう。

「わかんないもん。どーせ重いもん。肥ってるもん。悪かったわね。腕が折れたんじゃないの? お詫びにヒールしなくちゃいけないかなぁ?ほんと、マジ謝罪。すみませんでしたぁぁあっ」

 微塵も申し訳なさの醸せていない空気で口先だけの謝罪。
 回復魔法ならば使えるのでおざなりに傷めたであろう細腕を治療して済まそうくらいには思っていた。
 
「………」

 けれど、なんだか妙に食い下がって袖まで引っ張ってくるので。はぁ、と小さく息を吐き出しては。結局年下(に見える)女の子には少々弱い性質のこちらは。

「……まあいいわ。取り敢えず毒素は吐き出した……
 それで……恩はともかく、あなた何か困ってるの? ともかくそのかっこじゃ風邪ひくっしょ。ちょっと待って……」

 魔法で見た目よりも大分容量を増やしてあるウエストバッグをごそごそと探って、大判で薄若葉色のストールを取り出すとその肩を包むようにかけようとしながら、軽く腰を屈して金瞳を覗き込み。

「恩着せがましいのは好きじゃないけど、お礼をするのは礼儀だし……少なくともこの辺りの人じゃなさそうだし……。何かあるなら聞くよ」

天ノ宮亜柚楽媛 >  
全てを見通す全能の女神アイとて、よもや彼女が先の失言をとんでも
被害妄想でぶくぶくと膨らませていようとまでは見抜けずにいた。

「やややっ、そ、そのようなことはないぞ! うむっ! なんなら妾
 1刻2刻くらいなら平気でそなたの事姫抱きにできそーなくらい
 軽かったし! 羽の如しとはまさにそなたのためにある形容よな!」

軽薄そのものな手の平返しで必死に乙女の機嫌を取る元女神。
だってお腹空いてるから! もうぺっこぺっこだからっ!!!

「おおっ、おおっ! 聞いてくれるか! そうなのじゃ、実は妾
 こっちにおっこち……ほわぁぁあ……♡ なんじゃこの心地よさは。
 さっきお主を抱っこした時も重……い、いや、驚きの軽さとは別に
 感じておったがこれは良い物じゃのう……♡」

剥き出しの肩を包み込む柔らかな布地の暖かさに、ずっと冬の寒さに
凍えていた華奢な身体がほわわぁ…っとなる。普段彼女が身につけて
いるからか、匂いまでもが花畑めいて感じられた。

「あ、そうじゃった。そなたの言うた通り、妾、王都に来たは初めて
 というか、そもそも受肉したの初めてでの。この辺りの地勢もまるで
 知らんし、金もない」

くゅうぅぅうぅぅうう~~~……。

へにょりと下げたエルフ耳の何とも哀れを誘う風情に合わせて響く、
物悲しげな音色は剥き出しのヘソ辺りから漏れた空腹の訴え。
勘の良い者でなくとも、ピンと来るだろうその予測を補強するかの
様にちろりと持ち上げた金眼の上目遣いは非常にあざとく

「―――――飯、おごってたもれ?」

きょとんと傾げた小首で黒艶髪を揺らしつつのおねだりは破壊力抜群。
そっちの気がなかろうともずぎゅんとハートを射ち抜かれる事間違い
なしじゃ!

ティアフェル > 「うーわー……いっそ清々しいまでにわざとらしい……。
 すごいね。必死だね。もう、どした?」

 心配になる。
 そこまで急激に意見を翻してなんなら無理に誉めちぎって来る嘘くささにはちょっとばかりヒく。
 心にもないお世辞とは分かったが、そこまで一生懸命にならなければならない何かがあるとすれば同情を禁じ得ない。
 ともかくデブ訴訟(今一歩で訴訟だった)に関しては不問に付すことにして。

「そんなに高くないし……ただの毛織だけど……そんなに気に入ったなら貸……いや、良かったら……あげ、るよ?……ちょっと惜しいが……マジで風邪どころじゃ済まなそ気だし……目のやり場に困ってたところでもある」

 露わすぎる彼女の肌をウールのストールで包んだが。各所から『要らんことを…!!』と苦情が殺到しかねない。
 せっかく惜しげもなく見せてくれてる素肌を覆うとは欲望の都にあるまじき行為ではあるが。
 なんせ寒いから、寒風に鳥肌の立つ白肌を見てられない。
 一部余計なことを云いかけたようだが、喜んでいる様子は素直にかわいらしいと感じるもので。
 良ければ、と腰まで覆う大判のストールを差し上げようと。

「ふんふん、やっぱり。おのぼりさんな空気は出て……じゅにく?」

 しかも無一文らしい。なんだかよく分からない娘であることは間違いないし。
 己の常識の範疇に存在する超越した存在ではあるらしいのだが……なんだろう。失敬ながら神々しさは今のところ感じれてないので、ただただ風変わりな亜人種という認識がいいところで。
 小首を傾げながら彼女の語りに相槌を打ち。

「…………それな。」

 むしろ今、捨てられた子犬――は苦手だから、仔猫を観たような気分だ。
 むしろそんな目線よりもぺっちゃんこのお腹からの鳴き声の方が心配になって。
 もともとお節介な姉ゴリラなもので腹を減らした年下の女の子には滅法弱い。

「分かったよ……あなた名前は? わたしはティアフェルだよ。
 ちなみに見た目に反してびっくりするような大食いとかじゃない? それだったらお腹いっぱいまで奢るのとかこっちもきついし、うちでなんか作るとかにさせてもらいたいけど……」
 
 見た目は細くて華奢でも非常識な量を収納するようなタイプもまま見かけるので安易に奢るとは云い切らずにともかく先に確認。ぽすん、とその艶めいた黒髪の頭頂部へ掌を載せるように置こうと伸ばしつつ問い。

天ノ宮亜柚楽媛 >  
「え、マ? そなた良いやつじゃのう! 妾、このほわほわ気に入った
 ぞ!」

デフォルトの半裸に比べれば雲泥の差ではあったが所詮はストール。
ヘソはちらちら、一部パンモロは変わらずという、チラリズム要素が付帯
されたおかげで余計にエッチになったとも言えなくは無い格好。
ついでに言うとAIイラスト様が都合よくストール絵とか恵んで
くれるか怪しい所なので、堂々たる痴女スタイルは今後も継続しそう
だが。
ともあれ、花萌葱の美少女からの予想外のプレゼント―――無論、
プレゼントもこれがはじめt……じゃなかった、干し肉とかお小遣い
とか色々もらってたわ―――にテンションが上がる。

「ぃやったぁああ! うむっ、妾は天ノ宮亜柚楽媛。舌噛みそうじゃし
 アユラで良いぞ。 呵呵、安心せい! 妾は見ての通り少食よ。多分な。
 じゃけど……え、迷うの。初めてのご飯じゃし、絶対おいしいの食べ
 たいけど、ティアフェルの手料理もむっちゃ食いたいし、主のお部屋も
 見てみたいし……うぬぬぬ……っ」

Gカップをぱゆんぱゆん弾ませての大喜びから、ガイナ立ち(胸元で
腕を組んでの仁王立ち)の自己紹介、からの細眉を懊悩に歪めての
ガチ迷い。表情豊かな女神様。
あ、やめて。美少女からの撫で撫では速攻撫でポしちゃうからっ!
チョロイとか思われとうないからっ!!

「よし決めた! ティアフェル。そなたの手料理を振る舞うが良いぞ!」

これで紫色のマグマとか出てきたら目も当てられない。
女神様、生きるか死ぬかの大勝負である。
そっちに天秤が傾いたのは、無自覚ジゴロ娘のナデポが原因である。

ティアフェル > 「汝かわいいな! ほわほわ気に入ったんならあげるよ! なんだか景気よくそう云いたくなる気分!」

 なんか若干つられて汝とか出た。
 目のやり場には引き続き困らないでもない露出にとどまっていたので世の眼福は取り上げていなかろう。
 まだまだ世間は存分に視姦の自由を得ている。知らんけど。
 無邪気にストールを喜んでくれるなら、どうぞ持って行ってくれ、と寛容な気持ちになる。
 金が有り余っていれば凍えてもおかしくないような有様の少女にもっとあったかくってふかふかの毛皮の一枚も差し上げるだろうが。そんなお貴族様ではないのでストールがいいところ。

「……あ、あまゆめらめrxxlkas……ッ、舌噛んだ……! え? なに? なんだって? それ。名前?
 アユ、アユラね、うん、それだったら発音できる……。良かった。
 多分小食……返答が危ういな。
 初めてのごはん……? 赤ん坊には見えないなぁ。じゅにくってなんなんだろうか。
 あ、下宿の一階が食堂とキッチンになっててね。わたしの部屋は三階でね? つまりごはんは作るけど。部屋には入れないよ? だってお腹いっぱいになったらそのまま寝ちゃわない? わたしの部屋で朝チュンしかねなくない?お姉ちゃんそのくらいの推測はできるよ?」

 この無邪気な女の子はお腹いっぱいになった日にはくかーと大の字になってわたしのベッドで寝かねない。
 そこまで容易く想像がついて。
 頭に手を乗っけて撫で心地の良い頭をよしよししながらも甘いのか冷たいのか解んない女。

「一応家族以外にも作るし、味は普通だと思うけど、ゲテモノ趣味だったらそれなりに尽力しないでもないよ。自分では絶対味見しないし残したら一晩説教だけど。
 すぐ食べたいだろうし簡単なもので良かったら作るよ。好き嫌いとかない?」

 この寒空でいつまでも空腹のまま立ち話じゃ辛かろう。話は決まったなら早速行こう、と手を差し伸べて。
 これで相手がおっちゃんだったらそう易々と連れて帰ったりはしない……と思うがかわいい女の子には甘い。おっちゃんほど害もなさそうだし。盗みを働くような悪い子にも思えない。
 だから割と無警戒に手を差し伸べて下宿の方までお連れしよう。
 手軽にさっと作れるパスタ辺りでいいかなと考えながら小さくてかわいいが非常に風変わりなお客様をお迎えするちょっと変わった夜の話。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からティアフェルさんが去りました。
天ノ宮亜柚楽媛 >  
柔らかな毛織生地に若干のピンクを滲ませた白頬ですりすり。
頬ずりのために持ち上げた生地が裾からパンツをコンニチワさせるも
そういうの気にしない系女神はへいちゃらである。
太っ腹な(太ってるとか言ってない)申し出をありがたく受け取って、
せっせとプロフに新項目とか作りながら所持品化。

「ぶふっ。そなたあばんぎゃるどな舌噛みするのう。むふふ、気に
 なる? 気になるかえ? いいじゃろ、その辺りもそなたの屋敷で
 こってり教えてや……ええ~~。女の子同士じゃし、別に朝チュン
 しても構わんではないかぁ。なあなあティアフェル、共に朝チュン
 しようぞ~~?」

" 受肉 " については無駄に勿体ぶる女神様も、わくわくお宅訪問を
あっさり断られてしまってエルフ耳へにょん。
握った袖をぐいぐい引いてなおもしつこくお泊り要求。
あっ、あっ、撫でるのらめぇぇえ♡
まあ、彼女の危惧は全く持って正鵠を射ており、部屋なんぞに入れよう
物ならこの駄女神は間違いなくベッドにダイブし一晩丸っと居座るは
確定である。

「い、いやいやいやいや。何が悲しぅて最初にゲテモノ料理なんぞ
 選ぶか。変な趣味に目覚めてしもうたらお主に責任取らせるぞ!」

髪飾りしゃらしゃら黒髪ぶんぶか小顔を振って、まともな手料理を
所望する巫女もどき。Gカップも相応に荒ぶる。
好き嫌いに関しても判断材料皆無なので「ピーマンとかゴーヤとか
苦いから注意するといいよってノルンの奴が言うておったが、苦い
というのはどういう感じじゃろう?」などと道中の会話のネタにして。

繋いだ手には「妾、ティアフェルより重いもん持った事ないぞ!」と
言わんばかりの繊細な柔らかさと仄かな体温を返しつつ、ぶら下がり
仲間と共に夜闇の向こうへと―――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」から天ノ宮亜柚楽媛さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクフィナさんが現れました。
クフィナ > 平民地区の食堂や酒場、宿などが並ぶ通りをぶらりと歩く。
今日組んだ冒険者たちとの打ち上げであったが、思いのほか早く解散になってしまう。
そのせいもあり満足いくまで飲んだとはいえず微妙な気分。
その気分を解消すべく繰り出した訳だが。

「どこの店にしましょうかね。できれば可愛い店員がいるか…可愛い子を捕まえれれば」

そのどちらかなら楽しい酒が飲め、そのまま持ち帰って美味しく頂ければ二度おいしい。
そんな邪な気持ちを持ったまま歩けば、案外そのどちらにも行き当らず。
妥協をするという考えが過るも、それはそれで勿体ないと思ってしまい。

なのであと少し、もう少しと通りを歩いてしまって。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクフィナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にテイラーさんが現れました。
テイラー > 平民地区。幾つもある酒場のうち一つ。
格安ではないが割高というわけでもなく、
特別不味いわけではないが殊更美味い酒や料理が出るでもない、無難なところ、が、
ちょいと一味違うのは小さなステージがあって有志が楽器を奏でたり歌を披露していたりするところだろう。
売れない演者が下手な演奏を披露することもあれば、
何でここで歌ってんだ? 等と嘯かれる有名人が美声を響かせる。

今宵は、嗄れた声のくせ活気と騒音の中でもよく通る歌声と激しい曲とを同時に轟かせていた。

「おつかれぇ~!」

何曲か歌った後に、熱が随分入ったおかげで汗を滴らせながらに拍手に応えたり一緒に組んでくれた有志と手を合わせて適当な椅子に腰掛ける。
よーく冷えたエールは店主からのサービスらしく笑顔で受け取り一気に煽る。
ごくり、ごくり、ごくり、ごくり、ごくり、一気に煽って一気に飲み干して、

「ぷはー!」

盛大に一息。大きく酒気含んだ吐息零しては、次の演者がステージに上っていくのを見やりながらのひと休憩。
次はどうするか。あすこ、交じるか、ちょっと待つか。何て一思案しながら次はきちんと金を払ってもう一杯エールを注文。