2024/02/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からトゥーラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からエルヴァトルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にテイラーさんが現れました。
テイラー > 朝方を過ぎて正午に差し掛かる合間。
広場の人入りはそれなり。
散歩に、日光浴、物売り、大道芸人、等、等、に、混じって、
広場のステージを一つ借り受けてライブパフォーマンスの準備をしていた。

――ひと雨きそうだ。
と空模様を確認すると据え置いた楽器達の濡れ防止にタープも張る。

演目は夕方に差し掛かる時間から行われるが準備は早めに。
何ならちょっと設営が遅いぐらいだが、何十人も何百人も客が来る訳でない、というか。
チケット売りさばくようなものじゃなく練習と足止めた観客のオヒネリ目的のゲリラだ。
気合も準備ものんびりと構えていた。

様子を見に来た、或いは手伝いに来た一緒に演奏する者たちとも軽く雑談しつつの正午に差し掛かる前にはあらかた作業を終えて一先ず解散してからの。女引っ掛けにいく、云々言って去っていく者には、お前これでまた遅れたらギターフルスイングぞ? とか笑いながら見送った後。お昼ご飯に用意してきたサンドイッチのバスケットを開いてステージ眺めながらもぐりもぐりと食べ始め。

「良い奴らなんだけどちょっと女癖悪いんだよなー」

酒場で意気投合して暫く一緒に活動しているが。気の良い奴らなのだが。ちょっとクセがある。まあ。自分が言えた話ではないし自分の本来の仲間たちを思えば尚言えた話ではない。
独り言を零しながらに昼食ぱくつきつつ時計を見やれば予定時間はまだまだまだまだ先。
さて、どうするかな。と、一思案。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からテイラーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル > 「――どー…しよう……」

 そこは平民地区にある賑わう繁華街の外れたブロック。当然人気も少なく、これといった店もなく遠くの喧噪がじんわりと響くばかりで比較的落ち着いていた。
 店舗よりも家屋が多く、空き家もいくつか混ざっていて。
 そんな空き家の 屋 根 の 上 で茫然と呟く女と、その真下で吠えている野良犬――

 大の苦手とする犬に追い掛けられて、無我夢中で走り回り気が付いたら平屋建ての空き家の屋根にまで上っていた。
 一体どうやって上ったのか必死過ぎてまったく思い出せない。
 我に返るとそんなところに突っ立っていた。
 犬も到底上れやしないだろうが、まだしつこく真下でワンワン吠えていて。
 屋根の上、腰を屈めて蹲るような体勢でそれを見下ろして、顔を全力でしかめ。

「……ちょっとー……あんたどうしてくれるのよぅ……。
 降りられないじゃないよー……」

 吠えられるとちょっと怖くてびくびくするが、ここは絶対に奴の手の届かない距離。
 情けなく力ない声音でぼそぼそと文句を投げ落とした。

ティアフェル >  そのまましばらく、恐々屋根から見下ろす女とぎゃんぎゃんと聴いているだけで嫌になるような吠え声が響くばかりであったが、いつまで経っても降りてくる気配のない様子に、犬の方がさすがに根負けしたらしく、最後に忌々しそうに大きく吠えて背を向けて行った。

「~~はあぁ~~……やぁっと行った……」

 半時以上はそうしていたか。やれやれと肩を落として深々と息を吐き出し、これでようやく屋根から降りられる……と下を覗き込んだが。

「………あれ……? 一体これ、わたしどうやって昇ったの……?」

 屋根の上までどうやって昇っていたのかまったく記憶にない。よくよく見れば足場になりそうなものなどない。火事場の馬鹿力でも発揮してしまったのだろうか。
 そもそも基本的に昇るより降りる方が危険なものだ。

「う、う~ん……ジャンプで行ける、かな……? いや……厳しいか……」

 しかし、いつまでも一人で空き家の屋根の上にいればその内不審人物として認知されてしまいそうだ。この事態から速やかな脱却を図らねば……頭を悩ませながら足場を探し、

「よい……しょ、と……ととっ……」

 華麗に跳躍、なんて無謀な真似はできず、屋根の縁に手をかけて足を壁面にかけて降りようと試みるが。

「――っ、うわ……!?」

ご案内:「王都マグメール 平民地区」に天ノ宮亜柚楽媛さんが現れました。
天ノ宮亜柚楽媛 >  
「――――んむ? なんぞ珍妙なおなごがおるのう」

乙女の危機一髪を前に、実にのんびりとした声が掛けられた。
今にも墜落しかねん娘にそちらを振り仰ぐ余地があれば、お前にだけは
" 珍妙なおなご " とか言われたくない、という格好の珍妙な小娘が。

黒髪、金眼、エルフ耳、更にはGカップも誇らしげな双丘とここまでは
実に眼福な美少女なのだがその服装がよろしくない。
最近暖かくなってきたかなと油断した矢先『あ、まだ冬だったわ』と
ばかりいきなり寒くなった今日この日、ヘソ丸出しどころかパンモロな
エロ巫女装束。これを珍妙と言わずしてなんと言おうか。

「おい、そなた。そこで何をやっておる。今の王都ではそーゆーのが
 流行っておるのか? ナウいのか?」

とうに滅びた古語も用いた問いかけが、スカートから露出してぷるぷる
している美脚をじっくり堪能する。お、ぱんつ見えそうではないか!
もちろん、彼女が墜落しようものなら女神ぱぅわで救いの手を差し
伸べるにやぶさかではない。というかこの機に恩とか売りたい!

ティアフェル >  べき、と足を掛けた壁面が劣化していたのか容易く割れてしまい、ぶらーん、と屋根の縁に手をかけたまま宙ぶらりん状態。

「ぅぅわあぁ~……こーれは考えてなかった……」

 這い上がるのも難しく、そのまま降りようにも下には割れた窓ガラスの破片が散っていたり、古釘の刺さった材木が散乱していたりと、どうにも状態が悪い。

 ぶらーん、ぶらーん、と時折左右に揺れるミノムシ状態で途方に暮れる哀しいひと時。

「………情けない……」

 その一言に尽きた。
 我ながらとてつもなく……なっさけな。

 そんな己の情けなさ度を噛みしめている真っ最中――

「……んぇ?」

 壁に向かってぶら下がっている状態では背後に当たる位置から声が響いた。

「―――!?」

 真冬に露出狂!

 首だけその声――背後へ向けられるだけ巡らせてみると、薄ら寒い……いやガンゴリさっむそうな女の子。
 あれかな。ひょっとしてどこかで剥かれてきなさった? いや、そんな感じでもない。
 ともかく思いもよらぬ相手の素肌…いや姿に驚愕の瞠目。

天ノ宮亜柚楽媛 >  
「ははぁんなるほど。妾、聞いたことがあるぞ。それはあれじゃろ。
 ぶら下がりけんこーほーとかいうヤツじゃな? 見た所は健康その
 もの。そんでも乙女は色々気になるトコとかあるからの。うむ。」

見上げ続けるにも首が痛くなりそうな高みから、失敬な目(具体的に
言うと痴女を見る目)でガン見された女神は、彼女の危地からも、
その脳裏に過る驚愕からも大いにズレた憶測を立て『妾は全てお見通し
じゃ!』なんてドヤ感溢れる顔でうんうんと理解を示した。

そうして彼女の間近に更に寄り、足元に散乱する危険物を繊手の一振り
でまとめて吹き飛ばし、その余波で大いになびくスカートの中身を
さりげチェックした後

「どれ妾も」

ぴょいん。
軽業師めいて天晴な跳躍で彼女の隣、屋根の縁にぶら下がった。
ただでさえ人目を引くだろう赤髪美少女のぶら下がりに、珍妙な小娘
というオプションまで付いてもうなんだこの状況。
案の定人が寄ってくる。さっきまで犬がワンワンしてた時には出て
来なかった人々が、どこから湧いたかぞろぞろ出てきて『なんだあれ?』
『最近暖かくなってきたからな…』『あぁ、そういう…』とぶら下がり
美少女x2を前に好き勝手な感想を。

ティアフェル >  相手の言葉の半分も耳に入って来ない。
 盛大に勘違いしているようだけど、まあ見た目通りのど天然な素材なのだろう。
 
「あなたどうしたの…!? なにごと……!?」

 いやそれお前が云うのかよ、的な。
 どっちが云っても間違っているような科白が目を見開いた19歳ヒーラー女子の口から飛び出す。
 とりあえずまったく会話が成り立ってない二人、それぞれ違った意味で珍妙なおなごたち。

 さらにぶら下がり健康法…だとかよく分からない自論で納得した上で、彼女は。

「ぎゃっ…ぎゃーっ! なにー!?」

 突然足元の危険物が吹き飛ばされてスカートがめくれる。淡いミントグリーンの薄布がちらっとスカートの中から見られたかも知れない。

 足元が安全になったかと思えば隣にひと飛びして同じ姿勢でぶら下がって来る……間違いなく変な子。
 そして集まって来るギャラリー。
 巻き添えて変人になってしまった…と嘆けない。巻き添えどころかむしろわたしは主犯だよ!

「もう今何が起こっているか分からないのだけど……ッ!?
 とにかくこれなに!? とにかく寒そうだねあなた! ちょっと周りにサービスし過ぎなんじゃないの!?
 とてつもなくかわいいんだから行動と言動と服装にはもうちょーっと気を配ることをお勧めした――っきゃ、きゃあぁぁ!!」

 呑気に隣に突如現れた謎の高露出美少女へ向けて混乱の余り思わず謎の説教カマしかけたが――ぶら下がっていることを一瞬忘れて熱弁したせいか腕の力が緩み――屋根の縁から真っ逆さま。

天ノ宮亜柚楽媛 >  
類は友を呼ぶ。

この状況を表現するにこれほど的確な言葉あるだろうか? いやない!
あ、ツッコミ不在って言葉も中々的確だと思います。

「娘よ。実に見事な花萌葱(ミントグリーン)であったぞ。春一番の
 心地であった。うむ天晴」

パンモロ女神とは対象的な実に上品なチラリズムへの称賛を告げたのは、
二人仲良くぶら下がってから。たもとも見事な振り袖を肩口までずり
下げて、真白な細腕をぷるぷるさせながらである。

「ははっ、寒そう? 妾がか? はっは、この妾に寒さなど……ん?
 あえ? これか! これが寒さというやつであったか! こちらに
 来てからずっと纏わりついておったこの不快感が……!」

言葉の意味こそ理解していても、経験するのが初めてという天上人。
周りにサービスし過ぎとか、とてつもなくかわいいとか、反応したく
なる言葉は他にも多々あれど、元女神はついに理解した " 寒さ "
という概念に感動し――――

「――――ぅむっ!?」

落ちた。
ぶら下がり仲間の落下を目端に捕らえた駄女神は逆上がりでもするかの
如くぎゅるんと小躯を丸め、跳ぶ。
上下逆さま、屋根の軒を蹴っての下方への跳躍は重力に捕らえられた
ばかりの少女を獲物に飛びかかる猛禽の勢いで掻っ攫って再び
ぎゅるんっ。1秒足らずの間に行われるとんでもない早業だ。

普通に落下した方がよっぽどマシだったろう急激な視界の変転の後、
花萌葱の娘は見事、駄女神のGカップに顔を寄せるお姫様だっこで
地面に降りていた。
『おおおー!』頭のおかしい残念美少女x2を遠巻きに見ていた観衆も
これには思わず満場の拍手である。

ティアフェル >  一番類友認定されてはいけない相手から類友認定されてしまった気がする。
 え、わたしそんな…!? と自分を俯瞰視しきれていないヒーラーはショッキングな心境になるだろうが。
 誰も明確にそれを言語化していない現状なので知る由もない。知らぬが仏。

「……は? え…? ぁっ…!! 人のパンツの色を公表しないでくれる…!? 訴訟事案だよ!?」

 一瞬なんのことか分からずきょとんと眼を瞬いたが、ややあって何事かを認識すると訴訟すると息巻いた。
 非常に大げさである。そんなことでセクハラ裁判開廷してくれるほどこの国の風紀は整っちゃいない。
 
「あんた皮膚感覚どうなってんのよ……!?
 死ぬよ!? そんな鈍さで生きていけるほどこの世は甘かないよ!?」

 これが寒いってやつか、って感じで今さら寒さを感覚として理解した様子には――こっちがもう理解が追い付かない。
 天然という科白では表現しきれない秀逸な素材にもうどう突っ込んでいいのか解らない。
 
 だけど、そんなこと云ってる内に――つかまっていた屋根の縁から手が滑って地上へと叩きつけられるかと思いきや――

「っひ……?! ぎゃ、う、っぷっ……!?」

 っひ、の辺りで落下の最中同じくぶら下がっていた筈の彼女が華麗にバネと弾力のある身体を丸め。
 ぎゃ、の辺りで鷹のような鋭く直線的で正確無比な狙いで横からかっさらわれて。
 っぷっ、の頃にはもっちもちの乳に顔面が埋まってその華奢な両腕に抱えあげられていた。

「~~~っ、っく、っぷ、っは……、っはー……っはー。っは……っびっくり……したぁ………
 ていうか湧くなッ、湧くなこの野次馬! 見世物じゃないんだからねッ、散れ散れ!散!」

 巨乳の間で窒息しそうになって、ぷはっと顔を引き離すようにしては乱れた呼吸を整え…冷や汗をかいていれば聞こえる拍手と何故か我らを見守っていた奴らに気づいて。
 いつの間にか湧いていた物見高い連中から乾いた寒空をにぎわすクラッピングを浴びて、喜べる訳もなく迷惑そうに眉をしかめ、手をばたばた大きく振って散れ散れ!と追い払って。

「ぇ、えと……とりあえず……すみません……? あ、ありが、とう……?
 あ、あの、降りま~す……」

 野次馬が散会したところで、馬車から降りるような声で、その細腕には荷が重かろうと思われる抱きかかえられ方に非常に恐縮そうに覗い見て。