2024/02/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリタさんが現れました。
■リタ > 冒険者ギルドの一角。
今依頼を終えカウンターで報酬を受け取ればそのまま次の依頼を受けようと掲示板へ。
そこに向かい最中、自分に気が付いた一部は逃げるように道を開ける同業もいて。
その理由は片腕は肘から、もう片腕は肩口から魔動機械の義手をつけているからもあり。
ただ避けられた当人はもう慣れたというように気にすることなく。
むしろ人の中をかき分ける必要がないとさえ思い。
そうして依頼の掲示板の前にまでたどり着けば、良い依頼はないかと眺めて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にケストレルさんが現れました。
■ケストレル > 「――へぇ、本当に魔導義肢を着けてるんだな」
ギルドに入ると、ちょうど一人の女冒険者の周囲から人が離れる場面と出くわしたケストレル
女の両腕についてちょっとした噂話程度には耳にしており、物珍しさからいずれお目に掛かれないかと微かな期待をしていたのだが
「君――リタちゃん、って言うんだろ?
……何か良い依頼あった?」
周囲が避けてるのを良い事に、真っ直ぐ掲示板へと向かい少女と呼んで差し支え無さそうな女冒険者の隣に立つ
こちらは相手の名前くらいは知ってるが、相手がこちらを知っているかは知らないし、知った事では無いけれど気楽な調子で声を掛けた
■リタ > 自分が得意とするような依頼はほとんどなく。
あっても討伐などがメインであり、嘗ては兎も角今は一人では厳しいものが多い。
しかもこの腕では本当に親しいといえる者以外PTを組むのも難しく、採取系で妥協するかと思ったところに声を掛けられ。
「そうだけど……知り合いだったっけ?
そこそこ稼げそうなのがいくつかはあるよ。
だけど…この辺りがあたり目じゃない?」
その声の主、隣に立った彼に視線を向け、こちらの名前を知っているから知り合いだったかとみるが記憶になく。
もしかしたら忘れているだけなら後で謝ろうと決め、気楽な調子で良い依頼と聞かれると少数の討伐のわりに報酬額がいい物を義手で示して。
■ケストレル > 「いんや、初対面だと思う
もしかしたら……どっかの酒場でべろべろに酔っ払ってる時に口説いたかもしれないけど、それなら俺が名前覚えてんのはおかしいしな
実のところ、魔導機械を義腕にしてる女の子がいる、って噂話を耳にしてね」
彼女については名前と、その腕の事くらいしか知らない
だからこうして実際に会っての為人を確認しようと思い立ったのだが、少々不躾が過ぎたかと珍しく反省しつつ
「ほう? 魔物討伐……
じゃない?って勧めるって事は、リタちゃん自身は討伐系あんまり好きじゃなかったり?」
依頼の内容にざっと目を通してから、横目で隣の冒険者を見る
彼女の抱える義腕は戦闘向きではないのだろうか、とどこか興味を隠さない視線を向けて問いかけた
■リタ > 「そうよね。うん、忘れてたじゃなくてよかった。
酒場で酔った時にナンパされてたなら忘れてたかもだけど、それならお互いに判らないよね?
……そういうことね。珍しいでしょ」
彼の言葉によかったと笑みを見せ、続いた言葉には笑いそうになるのを耐える。
そして自分を知っている理由を聞けば納得でき。
両腕が義手なら目立つし、直ぐに解るかと彼に片腕の義手を見せるようにして。
「討伐は対象が弱くてもそれなりに報酬は出るしね。
好きじゃないっていうか…もし壊れたら大変でしょ?
だから一人の時は今は受けれないかな」
頑丈といえる魔導機械の義手、荒事には扱えるが万が一になれば困る。
もちろん戦闘に扱うに問題はないが用心をしているとその理由もついでに告げて。
■ケストレル > 「なるほどな、確かに替えの利くもんじゃなさそうだ
厳つそうに見えて結構繊細な代物なんだねぇ」
彼女の答えに納得した様子で、大きく首肯し
通常の義肢であってもおいそれと買い換えられるような代物ではない
それが魔導で動くとあれば尚のこと
彼女がどういった経緯で今の義肢を手に入れたのかは知らないが、いずれにせよ大切な四肢に違いないのだろう
「一人の時は……てぇことは、カバーできる相棒が居れば問題無かったり?
だったらこれも何かの縁、一緒に行ってみる? こう見えて護りと付与魔術には自信があるんさ」
逆を言えば攻撃とかはてんでダメなのだが、それは黙して秘す
初対面で依頼同行を申し出るのも馴れ馴れしいと思われるだろうか、と思いつつも首を傾げて彼女の答えを待ち
■リタ > 「部品を探すだけで一苦労だから。
魔導機械だけど一部は安い鉄になってるの」
この辺りとかと指先や手首のパーツを片方の義手で軽く叩き。
強度も本来よりは脆く、何より修理するにも部品の入手が困難であると。
そしてこれが壊れると不便な義手になってしまうのでできれば壊しらくないのが信条。
「そういう事になるかな……?
お互いほとんど知らないけどいいの?護りと付与魔術って事は攻撃は?」
彼の物言いにそれ以外はと確認というように問いかけ。
初対面で誘われると警戒と良いのかとみてしまうが、強引な誘いと言う訳ではないので下心はないと判断し。
問題なさそうならその申し出を受けるように頷いて。
■ケストレル > 「ふぅん、両手を喪っただけでも大変そうだってのに、義腕の維持で更に大変なんだねえ」
あまりジロジロと見るのは不快にさせやしないかと明け透けな視線を送るのは避けていたためか、
材質の違いなどには気付くことが出来なかった己を恥じ入る
「まあ、俺は元々特定のパーティを組むよりかはソロ活動や新人たちにアドバイザーとして同行するのが主だから大抵初対面になりがちなんだよな
攻撃?……ああ、うん 炎とか雷とか、そういう魔法攻撃なら出来るかな」
あとは罠に嵌めたり、ショベルで殴打したりが主な攻撃手段
後者は攻撃なのかと問われそうな気もするが、実際それで魔物討伐を成功させた実績があってしまったりするのだから仕方が無い
こちらの申し出に頷く義腕の冒険者に笑みを返すと、掲示板から依頼を剥いで
「よっしゃ、それじゃあ決まりね
……出発はいつにしようか、準備も要りそうだし……二日後とかはどうだろう
その前にパーッと景気付けに酒盛りでもどうだい?」
■リタ > 大変と言われれば、その時の治療費と義手の購入費で貯蓄は吹っ飛んだと笑い飛ばし。
大抵は義手か自分をじろじろと見るものだが、それがない彼を多少はいいように見ていて。
「私も一人か斥候で決まった人としか組まないからそうなるのよ。
新人のアドバイザーなんて偉いじゃない」
彼の行いは立派だと大真面目な顔で何度も頷き。
そして攻撃手段を問えば、魔法と罠、そしてシャベルと聞けば渋い武器を使っていると感心し。
後衛として頼りになり、自営もできるというように見て。
「えぇ、決まりね。
二日もあれば十分準備もできるしそれでいいわよ。
んー…少しだけならね?あ、そうそう、私の名前はもう知ってるみたいだけどそっちの名前は?」
彼の言葉にそれで良いと頷き。
酒盛りに誘われ、少しならと付き合うことを告げ、そこでふと名前を知らないことを思い出して。
■ケストレル > 貯蓄を医療費と義腕の購入費で飛ばしたと笑う彼女に、豪胆なのか自棄なだけかと内心苦笑を漏らし
魔導機械という珍しい義腕に興味があって声を掛けたのだが、少しばかり興味は義腕の主たる彼女自身へと向きつつあった
「だったらお互い初対面慣れしてるし、さしたる問題は無さそうだな
はっは、趣味が高じて始めた事なんだけどな
……いつの間にかギルドからそういう役割の依頼が来るようになったし」
新人冒険者の善き先輩であろうとした結果今に至る
経験も実力もそれなりに備えた冒険者でこそあるものの、騎士との二足の草鞋の所為か今一つランクの方は伸び悩み気味
ショベルに関心を抱いてくれたのは意外だったが、ショベルを武器として扱えたことは自分自身が一番意外に思っている事だった
……実際使えてしまったんだから仕方ないじゃないか、とは本人談
「じゃ、二日後にこのギルドの前で落ち合おうか
そうと決まれば今日はじゃんじゃん飲んで鋭気を養っとかないとな!
……あ、そういや名乗ってなかったっけ?
ケストレル、長いし呼びづらいだろうから、ケストでもトリーでも呼びやすいように縮めて呼んで」
ひらひらと依頼の張り紙をはためかせながらギルドの受付へと歩き出し
その後どうしても遠巻きに注目を集めがちな彼女を気遣ってか、酒場の席は端の方を選ばせて貰って酒盛りを始めたのだった