2024/02/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」にニュアさんが現れました。
■ニュア > 自分はこの王都に、決まった棲処があるわけじゃない。大抵幾つかの馴染みの安宿を逗留先に見繕い、暫くの滞在を決め込むのである。
さて、此処はそんな数日間の逗留先、その一階。安く賑やかな喧噪に包まれた安酒場の───片隅。
カウンター席の一番隅、誰と馴染むでも無くぼっちの小柄は、頬杖しながらに干し肉を囓り
「んーーーー…………」
数杯目の果実酒をちびちびとやりながら、地図と睨めっこしていた。
細指が、王都より延びる街道を辿り、
「王都から馬車で、─……まぁ、3日間。降りた宿場で馬を借りて、───…… 」
頭を捻る。多分更に3日くらい、だとする。
目的地の採取地の麓に、確か記憶では、村があった筈。多分。
そこを拠点としようと目論んだところまではよかった。が。
ふと、細面の、繊細な眉根が寄り。
「あれ? ンン?? 村、 あった?……無くなった??? ン?」
首を捻る。あれ?ウン十年前、魔物の襲撃で滅びた村だったのだっけ。
どうにも記憶が怪しくて、誤魔化すように、酒を一口呷った。
■ニュア > 長い睫毛が煙り、眠たげにも見える双眸が、面倒そうに地図を見遣る。
俯き加減の面差しは一見すると繊細そうな少年──それとも儚げな少女か。
酒気にほんわりと彩を刻んだ頬にあてた掌の指先が、トントンと頬を叩く。
「行って村がないとか、……最悪なんだけど。」
そうなると、材料採取の道程も変わってくるわけで。
半眼の儘、───溜息。
「…………………………………」
ぐでん。カウンターに拡げた地図の上に突っ伏し、だれた。
酔い潰れに非ず、ただ、暫し思考放棄しているだけである。
頬杖は頬枕へと変じ、せわしなく幾つもの杯を逞しく纏め持って動き回る給仕の娘を眺め。
うっかり目があったところで「もう一杯」と 強請るのである。
■ニュア > 運ばれてきた果実酒をまた、ちびちびと傾けながら。
暫くはまだ、片隅に陣取って───。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」からニュアさんが去りました。