2024/02/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区:冒険者ギルド」にケストレルさんが現れました。
■ケストレル > 日も沈み、寒さも一段と増してきた冬の冒険者ギルド
併設された酒場では屋外の寒さもどこ吹く風で今日も賑わいを見せていた
今後の冒険の予定や市井の噂、様々な話題が酒も入った事で盛り上がっているのもいつもの事
そしてケストレルがそれを眺めながら、のんびりと食事を楽しんでいるのもまた、いつもの事だった
「そうだなぁ……俺としちゃあやっぱり尻より胸派だなあ」
横のテーブルで白熱する議論の流れ弾に、へらへらと薄っぺらな笑みを浮かべながら返答しつつジョッキを傾ける
そもそも女性の冒険者も同席する場で何の議論をしてるのかと思わなくも無いが、話の発端がその女冒険者の一言だったし、何なら一番熱が入ってるのがそいつまである
何てことはない、平凡な夜の一幕にケストレルはそれなりに満足感を覚えていた
(――こうして飯食って酒飲んで馬鹿話をして、また明日からの気力を養ってくんだなあ)
少なくとも自分の属する騎士団の夕餉時よりは、ずっと居心地が良かった
■ケストレル > ヒートアップしていく隣のテーブルから意識を外し、他のテーブルへと目を向ける
盛り上がるのは良いが度が過ぎて乱闘に発展するなど、問題が起こることも少なくない
いざという時は止められる様に、あるいは事前に回避できる様に目を光らせておく必要がある
(けどま、今日は大丈夫……そう、だな)
店内の様子をそれとなく探りながら、麦酒をぐびぐびと飲んでいたが
ふと、隣のテーブルが静かになっている事に気付き視線を戻す
さっきまで周りの目も憚らず議論していた胸派の女冒険者と尻派の男冒険者が、仲良く酔い潰れていた
二人の間に挟まってオロオロしていた後衛職の冒険者が、二人同時に潰れてしまった事で輪をかけてオロオロしてしまっている
まだ結成して日の浅いパーティーであればしばしば見られる光景にケストレルは微かに目を細めた
■ケストレル > 「水でも飲ませてほっときゃいーんだよ」
狼狽える冒険者に声を掛け、ついでに水を自分の分も含めて給仕へと注文し
お前さんも苦労人だねえ、と愉快そうに笑いながら隣のテーブルの三人組を眺める
初々しいなあ、と感慨深く思ったところで水が届き自分の分を確保した上で二つを酔い潰れた二人の傍にそれぞれ置いてやり
「まだ飲み食いする気があるわけじゃないなら、先に宿帰っときな
こいつらはどっちかが起きたらもう片方担がせて帰らせるからよ」
どこか居心地悪そうにしている冒険者へ、そんな事を言って帰路につかせる
潰れたままの二人を心配そうに時折振り返りながら酒場を後にする背に手を振りながら、さてどうしたもんかとテーブルに突っ伏した男女に目を向けて
「……まっ、この辺りは治安が悪い訳じゃないから俺も帰って良いけどもー
袖振り合うも何とやらって言うらしいしな……どっちか起きるまでは面倒見ちゃるか」
頬杖ついてそんな独り言を溢し、水を呷ると次の麦酒を注文して
先に帰った冒険者に告げた通り、どちらかが目覚めるまでは隣で飲み、
先に目覚めた方にもう片方を背負わせて帰らせた後は自身も酒場を後にしたのだった
ご案内:「王都マグメール 平民地区:冒険者ギルド」からケストレルさんが去りました。