2024/01/07 のログ
バカラ > 出されたのは東から流れてきた陶器で作られた徳利。
同じく小ぶりな猪口を左手の中に納めるように軽く握り、徳利の首を指で挟み、
猪口の中に透明な酒を注いでいく。

猪口からは湯気と共にふわりとした穏やかな甘い香りが広がる。
「あっちっち…」

等と呟きながら猪口を持ち上げ唇をつけ、傾け酒を流し込んでいく。
舌の上を転がる僅かに甘みを感じさせるそれを楽しみながら飲み込めば冷えた体を内側から甚割と温めていく。

次いで、深めの皿に盛られた煮つけ。
フォークでぷすりと野菜を刺し口の中へ。
はふはふと湯気を吐き出しながら野菜のうまみが染み込んだ芋を咀嚼して控えめな芋の味に目を細めていく。

バカラ > 「はぁ~、こういう素朴な食事もいいよねぇ 胃の中から甚割と温まってくる感じ。」

等と幸せそうな笑みを浮かべながら冬用の保存食としても作られた塩たっぷりのソーセージ、
スープの中に浮かぶ其れを今度はスプーンでスープごと掬い口の中へ。
噛めばパリッと皮が弾け、強い塩見と肉汁が溢れ柔らかいスープの味の中に新たな刺激となっていく。
むぐむぐ、目を閉じながら咀嚼を続けてから飲み込めば、やや強くのこっと味を流し整えるのに熱燗の酒をくいっと一口。

強い味の後に柔らかな酒の甘みにうんうんと頷き、ゆっくりペースで時間をかけて食べ飲み進めていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からバカラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にプリシアさんが現れました。
プリシア > 学院が休みである日は、様々な場所へと散歩をする機会が多い。
お友達と一緒に遊ぶのも楽しいけれど、新しい場所を自分の足で見付ける事も好きだから。

そんな幼女が訪れたのは、大通りから少しばかり外れた路地の裏。
人気の疎らな裏地ではあるも、そうした場所だからこそ店を開いていたりする人も居る。
其処に設置された広場や公園も在れば、誰かが近道に使ったりしていたりもするのだろう。
其の路地は放置をされている訳でもなく、全く手付かずな路地ではなくて。

表通りと比べたらちょっと薄暗い路地を、物珍しそうに見回し乍に歩いている幼女。
時々何かしらの発見が在る度に、其れに近付いて興味深げに眺めたりしていた。
そうした新たな発見とかは楽しくもあって、機嫌良さそうに小さな翼や尻尾を揺らしている。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアイオンさんが現れました。
アイオン > 学院が休みなので、お気に入りのフード付きのローブを身に纏い、楽しい事を探しに寮を出て。
平民地区で屋台などを冷かして、次の通りに向かう為に路地へ入る。
ふと前を見れば、学院内で遠目で見た事のある少女が目に入る。
相手が此方を知っているかはわからないけど、縁ができるかなっと近づいて。

「ねぇねぇ、其処の竜のお嬢さん?
学院の生徒さんだよね、ボクもそうなんだけど、何か楽しい事あった?」

立ち止まり、次に動こうとする所で声を掛ける。
振りむけば、白いフードに茶色の髪を仕舞い、金の瞳を楽しそうに輝かせ。
笑顔の少年にも少女にも見える此方が少女を覗き込んで。

プリシア > 新しい発見、そして次の発見を求める為に其処から離れ様と…
其のタイミングで掛かる声に、クルリと其方へと振り返る。
声の掛かった場所、其処に居たのは1人の…少年らしき姿。

「うん、プリシア、学院の生徒さんなの。
えっと…おにーちゃんも、なの?
えっとね、プリシア、新しいものを探しているの。
新しいもの、見付かるとね、楽しいんだよ?」

彼の言葉に何の警戒心も感じさせない、素直な答え。
其れを、身振り手振りを加えて伝えるのだ。

因みに男性と受け取ったのは、見た目の判断は難しいが『ボク』との一人称を聞いたから。
そんな単純な理由である。

アイオン > 「そっか、確かに新しい何かが見つかると嬉しいね。
ボクは今、プリシアちゃんの名前っていう新しい事を知って嬉しいよ。
あっと、ボクはアイオンっていうんだ…ボクも学院の生徒だからよろしくねっ。
ボクは楽しい事ないかなって寮からきてたんだ」

一人称を聞いて、そういう名前なんだと嬉しそうに微笑んで。
そうしてからフードを外しながら、自分の名前を名乗って。

「それで、ここまで何か新しいものは見つかったのかな?
ボクは此処までの途中で、新しい細工飴の屋台とか見つけたけど」

軽く腰を落として、少女と視線を合わせて問いかけ。
自分が楽しい事探しで来ていて見つけた屋台の事を話題に挙げて。

プリシア > 「うん、そうなの。
プリシアの名前、知って、嬉しいの?
…あ、うん、分かったの、アイオンおにーちゃん。
楽しい事…えっとね、楽しい事、あると良いね」

同意する言葉にコクコクと頷いて応え乍。
フードを外し、ちゃんと見える様に為った顔をジッと見上げる。
彼は楽しい事を探しているという、そんな言葉にニコッと小さく笑顔を浮かべ、そう伝えて。

「あのね、知らないお店とか、ちっちゃな公園とか、色々あったの。
さいくあめ?…は、プリシア、見てないかな…?
後ね、まだ、あっちの方は見てないから、もっと色々とあるのかなって、思うの」

彼とは此処迄に通った道が違ったのだろう。
見覚えのない…尤も、見ていても細工飴が良く解らない様な、そんな感じではあるのだが。
説明して理解しても実際に見ていなかったので、其の事がはっきりとするだろうか。

アイオン > 「ボクとしては、プリシアちゃんと話すことも楽しい事の一個だから、一個増えたよ」

そう言って、金の瞳をふにゃりと緩めて、楽しそうな笑みを浮かべて。
ジッと見上げてくる少女の空と海のようなオッドアイを見つめ返し。

「そっか、ボクとプリシアちゃんじゃ来た方向が違うのかもね。
良かったら細工飴の屋台行ってみる?
色々な動物とか、花の形したのとか、作ってほしいのを言うと作ってくれるんだよ」

笑顔を浮かべた少女の言葉に、ふむふむと頷いて。
自分が見た細工飴の屋台を案内しようかと問いかける。
少しだけ好奇心を刺激するような言葉を添えて。

プリシア > 「…? プリシアと、お話するのも、楽しいの?
それなら、良かったの。
プリシアも、お話するの、楽しいの」

笑顔を浮かべた侭、此方も彼の金色の瞳を見詰めていて。
彼と同じ様に自分も楽しいのだと、そんな主張をしてみせる。

彼の見たものと自分の見たものが違うなら、確かに来た方向が違うのだと。
彼の言葉に少しばかり小首を傾げて考える様な仕草をしているのだが。
細工飴の事を聞けば、興味を持ったのか再び彼へと視線を向ける。

「えっとね、その、さいくあめ?面白そうなの。
プリシア、行ってみたいの、アイオンおにーちゃん」

ギュッと両手を胸元で握り乍、御願いする様な仕草で彼を見詰めた侭に。
彼からの提案なのだから了承が得られるのは当然の事なのだろうが。
其れを聞けば嬉しそうにパッと顔を輝かせる事だろう。

アイオン > 「誰かとお話ししたりとかは、好きだよ。
そっか、それじゃ二人とも楽しくてよかった」

少女の主張の、こくこくと頷いて。

少し悩んで小首をかしげる仕草をする少女をゆっくりと待ちつつ。
其の後で視線と共に向けられた言葉に。

「うん、それじゃ一緒に行ってみよっか。
迷わないと思い受けど、はい、良かったら手つなごっか」

少女よりは大きい手を差し出しながら、案内を請け負う。
嬉しそうな笑顔を見て、此方もほほ笑んで。
とことこと二人で、細工飴の屋台へと歩く。

屋台には数人の子供と親と思わしき大人。
店主が何種類かの飴を組み合わせたり切ったりしながら細工飴を作っている。

プリシア > どちらも楽しい為らば良い。
其れを聞けて安心した様な表情で、もう一度コクンと頷く。

「うん、わかったの。
それじゃあ、アイオンおにーちゃん、お願いします、なの」

そして其の場所へと向かう事、其処迄の案内を含める様な申し出と、差し出される大きな手。
ペコリと小さくお辞儀をすると、差し出された手に自分の小さな手を伸ばす。
触れれば子供独特の温かさを其の手に伝え乍、キュッと握ってみせ。
彼の案内で細工飴の屋台へと向かうのだ。

そうして案内されている間も、通ってない道だったのか周りをキョロキョロと見回したりしていて。
屋台に到着したのなら、其の店主が作り出す細工飴に早速と興味深げな眼を向けるのだった。

アイオン > 小さな手をきゅっと握って。
その手の温かさを感じ、ほうっとした感覚を受けて。
飴細工の屋台までの道のりも、少女が気になる場所に視線が向けば。
後で来てみよっかと言いつつ、ゆっくりと歩いて。

「あそこで作ってるのが細工飴だね。
色んな色の飴組み合わせて、動物とか花とか作ってくれるんだよ。
見てるだけでも楽しいから…よかったら、抱き上げてあげよっか?」

宣伝用に置かれている飴だけでも。
子犬や猫、ひまわりや薔薇などパッと見ても可愛いや綺麗と言える飴の数々が飾られている。
屋台を遠くから見る分には少女の身長でも問題ないだろう。
逆に近づいてみるとなれば、店主が細工する場面を見るのは一寸つらいかもと言う高さ。
だからこそ、きちんとみてみたければと、抱き上げるか問いかける。

プリシア > 彼の手を握った侭、行く先々で気に為る場所が幾つも在るが。
其れを気にしてくれてか、後で来ようと云ってくれると、其れに頷き応えてゆく。
此れからの、後からの事を楽しみにしているのか、無意識に小さな翼と尻尾がパタパタと揺れていた。

「わあ…かわいいの、いっぱいなの。
もっといっぱい、作れるの?
…あ、えっと…うん、お願いするの」

宣伝用のものでさえ、其の色とりどりに飾られる細工飴に目を輝かせる幼女。
屋台に迄近付いてみれば解るが、屋台の台が少しばかり高い様で、作業する処を見るにはちょっと背丈が足りない。
背伸びをして見ようとしている処に彼からの声が掛かれば、少しだけ考えて…
小さく頷き彼へとお願いし乍、彼の方へと向き直って両手を広げてみせるのだ。

アイオン > 少女の感情を示すような羽と尻尾の揺れを見て、嬉しそうだなぁと見つつ。

「そうなんだよね、ボクもお祭りでとかは見たけど。
こういう風に普段もしてるってのは知らなかったんだ。

うん、それじゃ…よいしょっと…これでみえる?」

屈んでから、両手を広げる少女を受け止めて。
すくりと立ち上がると、少女が見やすいよう体を少し横に向ける。
そうすると少女が横を向けば、店主が見えるだろう。

「よかったら、何か頼んでみる?
ボクも一個頼むから、一緒にさ…ちなみに、ボクはネコさんにしようかな、って」

プリシア > 「これが、さいくあめ、なの?
うん、なんだが凄いの。
わっ…あ、うん、ありがとうなの、アイオンおにーちゃん」

屈んでくれれば両手を広げた侭、身体を預ける様に抱き付いて。
其の侭に彼が立ち上がれば、高さが合ってちゃんと見える様に為るのだろう。
店主の手元で形を変えてゆく飴、其れが色んなものへと姿を変えてゆく様子は面白いらしくて。
ギュッと彼に抱き付き乍、ユラユラと翼や尻尾を揺らし続ける。

そうして眺めていれば、彼が作って貰おうとの提案を出してきて。
自分も何か頼んで良いのだと云ってくれたのなら、嬉しそうな表情を浮かべてみせる。

「プリシアも、いいの?
えっと、それなら…えっとね、アイオンおにーちゃんが、ネコさんなら。
プリシア、イヌさんがいいの」

でも、考え始めると中々に決まらないみたいで。
あれこれと少しの間考えてから、彼に合わせた形にして貰うと決めた様だ。

アイオン > 「凄いよねー、見てるだけで結構時間たっちゃうし。
いえいえ、プリシアちゃんならボクでも抱っこできるし」

此方もそこまで力がある訳ではないが、それでも少女なら抱っこくらいはできる。
身長的に言えば、屋台の作業場高さも見える高さに持ち上げられる。
少女が作業を見ている間、抱き着いた少女の体温を感じ、ほわっとした心持ちで。

「いいよ、これくらいならボクが奢っちゃうよ。
プリシアちゃんと知りあった記念でね。
ん、それじゃイヌさんとネコちゃん、と…お願いしますね」

少女に代金は任せてとと頷き。
イヌとネコの飴細工を店主へ注文して、代金を置いて。
先の注文を仕上げ、自分たちの飴を作り始める店主をみて、嬉しそうに、少女へ語り掛ける。

「あ、あれがボクたちが頼んだのだね。
自分達が頼んだの作ってくれるのは、なんかワクワクするねぇ」

プリシア > 彼の云う通り、其の作業をする様子を見ているだけでも時間が忘れられそうで。
店主の手元で形を変えてゆく細工飴を、飽きる事無く幼女は眺める。
そうした作業を見られる様にしてくれる、抱き上げてくれている彼に対しては。
ちょっとでも負担を減らそうと考えているのか、自分からもキュッと抱き付いてみたりもしてみるのだ。
其れが本当に意味があるか如何かは別として。

「うん、その、ありがとうなの。
アイオンおにーちゃんと、お友達になった記念、なの」

自分のお小遣いも一応は持っているのだが、支払いをちょっと考えたけれども彼に任せる事にした。
今回は記念に奢ってくれるから、次は何か自分からの事を考え様と思い乍。
そんな事を考えているのだが、其の途中で彼からの言葉が向けられれば。
自分達の分が作られ始めたのに気付いて、店主の手元へと改めて目を向ける。

其の手元で少しずつ2人が注文した猫や犬へと姿を変えてゆく細工飴。
そんな作業の流れをジッと見詰め、彼の言葉に大きく頷いてみせた。

アイオン > 簡単そうに柔らかな飴を細工していくのだが。
実際には飴の熱さと形を整える加減などかなり難しいらしい。
そんな様子を見せずに、次々と細工飴を仕上げていく店主は熟練なのだろう。
少女も此方に抱き着いてくれれば、体重のバランスもとりやすく。
また、その体の柔らかさも感じられ、役得だなぁと内心笑みを浮かべ。

「どういたしましてー。
出来上がったら、さっき気になってたところ行こっか。
あ、プリシアちゃんが両方受け取ってくれる?」

誘ったのは此方なのもあるし、細工飴程度であれば懐も痛まない。
互いの注文した犬と猫の形が飴で作り出されていく。
完成した飴に、棒を指して渡してくるのを受け取ってくれるよう頼む。
片手で少女を長時間支えられるほどには体力はないので、両手でしっかりと抱えつつ。

「食べるのがもったいなくなるほど、可愛くできるんだよねぇ。
特に自分で頼むと、しばらく見てたくなるし」

プリシア > 細工飴の作業は、まるで粘土細工の様に見えてしまうもの。
其の内にやってみたいな、とは思っているのだけれども、其の時に作業の難しさを知るのだろう。
尤も、幼女の粘土細工自体もそんなに上手な訳ではないのだが。

「うん、わかったの。
…あ、えっと、それじゃあ、プリシアが受け取るの」

そう時間も掛からずに猫と犬の細工飴は出来上がる。
作業中も見ていて飽きないが、出来上がった細工飴を眺めているのも楽しいもので。
彼に抱えて貰い乍、両手で2本の細工飴を受け取っておく。

「ネコさんにイヌさん、本当に、かわいいの。
食べるの、もったいないけど…うぅん…」

ネコさんにイヌさん、と伝える言葉に合わせて彼に細工飴を向けて示す。
綺麗な色と可愛らしい形、確かに其れを見ているだけでも矢張り飽きそうもなく。
其れでも、飴は飴なので食べるものなのだけれども、と彼を前にして頭を悩ませてしまう。

取り敢えずは最初の目的は達したのだから、後は彼が云った様に気に為った所に向かえば良いか。
此の路地の奥にはまだまだ色んな場所が在る。
彼の案内と好奇心に導かれる様に、何処迄も付いて行くのだろう。
先ずは、最初の場所が何処なんだろうと、期待を胸に抱かせ乍。

アイオン > 「うん、ありがとうね。
ボクが力持ちならプリシアちゃんを片手で持てたんだけどねぇ」

自分と同年代であっても力の有る子はいる。
身体能力的には比較的普通の此方だと、片手では短時間が限界。
受け取ってくれたのを見て、微笑んで。

「そうだね、どっちも凄く可愛い。
んー、飴だから暫くの間は持つから、持ち帰る?
魔法使いとか錬金術師の人とかに知り合いがいれば、其れ保存してもらえるかもだけど」

少女の手にある、イヌさんとネコさんの細工飴。
確かにいい出来で食べるのは勿体なく感じる程。
だから少女に提案してみる、個人でいなくても学院の講師などにはいそうだという考えもあったりもする。

そう言い乍ら、先ほど通ってきた通りへ歩いていく。
路地の奥にある建物の間の空間。
四方を建物に囲まれた本当に小さなその空間は、芝生が生えており、時間によっては日差しが差し込む、そんな場所。
ある意味で秘密基地などを作れそうな、そんな場所へ少女を案内して。

プリシア > 「ううん、大丈夫なの。
力持ちじゃなくても、ちゃんとプリシア、持ち上げてくれたの。
だからね、えっと…大丈夫だよ?」

最初の言葉は、受け取ったお礼へと返される言葉。
そして後の言葉は、続く彼が伝える自身の身体能力的なものに対して慰めようと思う気持ち。
そんな力が無くったって大丈夫なのだと、そう伝え様としているのだけれども。
良い言葉が浮かばないからか、拙い言葉に為ってしまっているのだ。
そうした言葉を伝え乍、返す様にニッコリと微笑んでみせた。

「えっとね、あのね、それなら、おかーさんが出来るかもしれないの。
おかーさん、魔法が上手だから」

彼の言葉に少しばかり考えた後に、此れなら如何だろうとの提案をしてみせる。
只、言葉其の侭を受け取る為らば、幼女の母親が魔法使いか何かであるのだと思うのだが。
其の侭で受け取ってしまうのは、合っているし、間違っているのだが…其れは又別の話に。
其の提案を受けて頼むも、他の手を選ぶも2人で考えれば良いだろう。

そうした遣り取りを行い乍、彼の案内で彼が通って来た道を歩いている。
路地の奥へと進んで行けば、殆ど人気は感じられなくなってゆくのだけれども、其れは気にする事でもなく。
彼に連れられて進む小さな空間に、其の周りを興味深げに見渡し踏み込んで行くのだ。

アイオン > 「そっか、大丈夫なら良かった。
プリシアちゃんが軽いっていうのもあるけどねぇ」
ん、そうだね、ありがとうね」

伝えようとしている事をなんとなく感じて、微笑みながら頷いて。
拙いながらも心遣いできる様子に、嬉しそうにして。

「そっか、それじゃおかーさんに頼んでみると良いかもね。
良かったら、ネコさんももっていく?」

少しか考えた後での言葉に、頷き。
と言う事は魔法使いなのかなと、考え乍ら。
一応魔法は使える物の、自分はこういう物を保存などには向いていない魔法だしと内心苦笑して。

案内した、建物に囲まれた本当に小さい空間。
其処に面したか壁に窓などは無く、建物から其処を見る事も出来なさそうな場所。

「ここはねー、周りの建物からも見えないんだよね。
入るのはさっき来た方の路地から、何でできたかわからないけど、季節次第では過ごしやすい所だよ。
流石に今の時期は、長くいるには寒いかもだけど」

案内した場所の説明を軽くし乍ら、空間の真ん中には偶に入る日差しを受けて咲いているのか、数輪の花が揺れている。

プリシア > 彼の言葉から、云いたい事が伝わったのだと判断をしたのか。
此方も此方で嬉しそうに微笑み乍、ギュッと抱き付いてみせる。

「それじゃあね、おかーさんが出来るよ、っていってくれたらね。
アイオンおにーちゃんのネコさんも、やってもらっておくの。
後から、ちゃんとネコさん、わたすから」

出来れば其れで良いし、出来なくても後でちゃんと返すのだと。
手にした2本の細工飴を確りと握り乍、そう伝えておいて。
そうしていれば彼の案内の通りに、着いたのは建物に囲まれた小さな空間。
何も無くて、だからなのか誰も来る様な様子も無い。

「うん、本当なの。
…あ、きれいなお花もさいてるの」

場所の説明を聞いて良く見てみれば、確かに窓も見えない、隙間も無いで中を見られる感じはしない。
然し、そうして見渡して気付いたのか、其処に咲いている数輪の花が目に留まれば。
パタパタと其れに駆け寄って、見易く屈み込んで花を物珍しそうに眺め始める。

アイオン > ぎゅっと抱き着いてくれれば、嬉しそうに笑みを浮かべ。

「判った、それじゃお願いしちゃうね。
して貰えたら、記念として長く残せるねー。
うんうん。学院ででも渡してくれると良いかな、ボクは混合クラスに在籍してるし、寮生だから」

自分の分もと言ってくれる少女に、微笑みながら頷いて。
出来なくても渡してくれるなら、と自分のクラスか、寮できけば大丈夫と伝え。
それこそ、廃材などを持ち込めば、秘密基地なども出来そうな場所ともいえる。
時期的に底冷えはするが、風はほぼ入らないので、大きな通り等よりは寒くは無く。

「うん、綺麗な花だよね。
花の名前とか詳しくないから、なんていう花かわからないけど」

屈みこむ少女の隣に屈みこみ。
ローブのベルトを外し、広げると少女を寒さから少しだけ守りつつ。
花を眺める少女に自分の体をそっとくっつけて。

プリシア > 自分の申し出を受けてくれる彼に、コクンと頷く。
もし出来たの為らば、記念の細工飴がずっと残せるのだから…
其れは安易に叶う願い、ではあるが、今はまだ其れは分からない。


「うん、わかったの。
えっと…それじゃあ、学院で渡すね、アイオンおにーちゃん」

そう約束を交わし乍、足元に咲いた花を飽きずに眺める。
時期としては寒いものではあろうが、高い体温か、種族としての耐性か、其れなりに平気そうだ。
秘密基地、そうした考えが幼女に浮かんでいるのか如何かは、今の処は分からない。
彼女の性格から、良い場所なら皆に知って貰いたい、等との考え方も在るのかもしれないのだから。

「えっとね、プリシアも、お花の名前、わからないの。
でも、綺麗だから…良いかな、って思うの」

でも機会が在ったら調べてみよう、とは思っている訳で。
そうした考え方を浮かべ乍、隣に座り込む少年、彼から身体を触れさせる様に寄り添えられれば。
温かな感触に、自分からも身を寄せ合う様にするのだった。

アイオン > 少女と約束を交わし、そのまま花を眺める。
綺麗ならそれでいいかなと言う少女に、こくりと頷き。

「そっか、確かに綺麗だから見てて楽しいよね。
でも、今度図書館で調べてみても面白いかもね、名前が分かるともっと面白いかもだし。
花の本を探す所から、探検みたいにできそうだし」

調べるなら学院の図書館だろうか。
図書館も様々な本が収められた本棚の迷宮。
そう言った場所で、花の名前を知るための本を探すのも一苦労だろう。
なお、その場合は私書さんに聞かないものとする、と言う条件付きだが。

少女の身を寄せてくれば、温かな体温で互いが温まる。
そっと手を伸ばし少女の肩を抱いて、体をもう少しくっつけて。

「プリシアちゃんは、他に気になる場所とかある?」

すぐそばの少女の耳へ。囁くように訪ねる。

プリシア > 花を見る事も好きな幼女には、こうした人も来ない様な場所でも花が咲いていれば楽しめる。
彼の言葉に、自分が思っていた事と同じ事を考えていた事を知れば、ニコッと笑い。

「そうなの、見てて楽しいの。
それにね、お花の名前も、分かると良いなって思ってて…
えっと、だからね、プリシアも、そのお花の名前探し、してみたいの」

笑顔の侭に彼の顔を覗き込む様に上目遣いに見上げて。
彼の提案に賛同をしているし、自分も手伝いたいのだと、そうした申し出を伝える。
どの様に探すのか、彼の中でどんな条件を付けられているのかも知らないが。
そうした事は、全て彼に任せる事と為るのだろう。

2人で身を寄せ合えば、此処の寒さもそうは気に為らないものだろうか。
肩を抱かれて、撚り確りと彼に身体を密着させれば。
耳元へと囁かれる事で感じる彼の吐息、言葉に、擽ったそうにピクンと小さく身を震わせる。

「……あのね、こっちには、プリシアの知らないの、いっぱいなの。
だから、その…アイオンおにーちゃんに、お任せするの」

彼に伝えた様に、彼が来た側の此方の通りは知らない事ばかりだ。
どんな建物があって、どんな人が居て、どんな場所があるのか。
知らない事ばかりだから、其れを知りたい、行ってみたいと、彼に全てを任せる形に為るのは構わずで。

アイオン > 「それじゃ今度、学院の図書館で探してみよう。
まずは自分達だけで…広い図書館から図鑑を探すのも面白そうだし。
そこからこのお花の特徴とか調べてって、いっぱい楽しめそうだと思う」

少女も名前を調べてみたいと聞いて、嬉しそうに頷き。
好奇心が強いのであろう少女に、最初はと探す時の手順を軽く提案する。
花の特徴については、自分が着た方にいた似顔絵描きの人に、書くものを少し分けて貰おうと考えて。

風除けのローブと、寄せあった体同士が触れ合った事で暖かさを感じられて。
此方のささやきにくすぐったそうに体を震わせる様子に、くすりと微笑んで。

「そっか…このお花の特徴きちんと書くための道具借りられる所あったから。
そこにいこっか…似顔絵描きのおねーさんがいる所があったんだ。
プリシアちゃんが時間あるなら、二人で書いて貰うのも良いかもね」

少女の手を取って立ち上がる。
ローブは少女に着てていいよと貸してあげると、こっちといって空間から出て、自分が着た方の路地へ。
近くの住人が趣味で出しているのか、上手だけど値段はそれほどでもない似顔絵描きを描いている人の元へ、肩からは手を離したが体はくっつけた感じで手をつなぎながら歩く。
此方も無意識なのか、記念にできそうな店を思い出すのは、どこか浮かれているからなのか。
似顔絵を描いて貰ってから、紙と書くものを少し分けて貰っても良いかなと、内心で思いつつ、とことこと。

プリシア > 探す事は決まっていた、探す場所も消去法を使う迄も無く図書館と為るだろう。
其処からの条件付けを彼から聞けば、少しだけ考える様な間を空けて。

「プリシアも、それで良いの。
それじゃあ、アイオンおにーちゃんと、プリシアで、頑張って探すの」

人に聞けば簡単に分かるだろう。
でも、彼は其れへと至る工程も楽しみたいのだと、そうした意見を出していて。
其れを聞けば、自分も其れが楽しそうなのだと思ったのだろう、コクンと小さく頷き答えた。

「えっと、お花のとくちょうを、きちんと書く…うん、わかったの。
…? にがおえかきのおねーさん?
プリシア、まだ時間あるから、大丈夫なの」

抱き寄せれば、すっぽりと収まる程に小さな身体。
彼のローブの中で御互いに身を寄せ合う様にしてい乍も、此れから何をするのか、如何するのか。
そんな相談を彼から受ければ、分かったと答え、彼に手を取られ一緒に立ち上がる。
小さな自分にはちょっとブカブカだけど、キュッと確りと小さな手で掴んでおけば、繋いだ手を引かれて歩き始めた。

今日は沢山の発見が在った。
今からも、まだまだ新しい事が見付けられそうで。
そうした事が楽しい、嬉しいと語るのは、揺れ続けている彼女の小さな翼と尻尾。
其の侭彼と共に色んな場所を巡り続け、とても満足な時間を過ごす事だろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からプリシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアイオンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にバカラさんが現れました。
バカラ > ふらりと訪れた冒険者ギルド。
明日辺りは何か会仕事でも受けようかと、依頼票が張り付けられているあたりを眺めている。
寒くて大変な割に安い依頼ばかりである。
あとは、採取系の依頼を眺めつつ、依頼を受注しないでも、物のついでに探せるものとの組み合わせを考えつつぼんやりと視線を滑らせている。

「んぅ…いまいちだねぇ…」

ぽつんっと呟き、緩やかに首を振りため息一つ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からバカラさんが去りました。