2024/01/01 のログ
■エレイ > やがて小さな公園の前に差し掛かれば、歩く足を止めて少し思案。
然る後、おもむろに公園の敷地内へと足を踏み入れる。
周囲には見える限りではやはりというか、誰の姿もなく。
フンス、と小さく鼻を鳴らしながら、公園の片隅にある東屋へと足を向け、
その屋根の下に入り込んでゆく。
そこには木製のテーブルと、それを挟むように同じく木製のベンチが設置されていて。
「──ふぃー。ここでちょいと一休みにしましょうかねぇ」
なんて独り言ちながら、傘を閉じつつベンチに腰掛け。
テーブルの上で頬杖ついて、雨に煙る周囲の景色を改めて目を細めて眺め。
「ふぅーむ……今日の雨はコレ、止まないヤツかな……別に雨は嫌いじゃねぇーんだが……ン?」
雨足はこれ以上強くなりそうではないが、止む気配もなさそうで。
フンス、と小さく鼻を鳴らせば、ふとパシャパシャとこちらへ近づいてくる足音らしきものが男の耳に届き、
ゆらりと顔をそちらに振り向かせてみて。
■エレイ > 男が見たのは、果たして誰だったのか──ともかく、雨はまだまだ降り続き……。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にテンドンさんが現れました。
■テンドン > 王都マグメールの平民地区にある茶屋。
そこの座敷上でちょっとしたイベントが開催中。
木目張りになっているその上に汚れても問題ない撥水性の在る襤褸絨毯が敷かれている。
そこに分厚くて長いパピルス紙、そして良く摺った墨汁とデカい筆。
此処でカキゾメとかいうイベントをやっているのだ、一年の最初の志を此処で書いて心に決めるのだ。
「ん~~~~~~~~~~~」
面白そうだからちょろっと書いてみようかなと思ったけれどもいざ書き出してみると何だか思い描いた通りのいい感じの文字が書けないような気がして書き損じを二回ぐらいやって紙や墨汁を交換してもらい結構な出費になったのでもうこれ以上失敗したくないから最初にイメージを入魂しておきたいという唸り声のん~~~~~~~~~を呻かせながら靴を脱いだ座敷上に上がって膝が痺れ掛けていることにも気づかない熱中正座で目の前に広げた大紙を前に、硯に乗っている墨汁に筆をつけた姿勢で睨み合っているという構図。
■テンドン > 「なんか違う」
「こうじゃない」
「最初の一筆目の途中までは凄い調子良かったのに」
「あそこからもういっぺん始められないかな」
「あ~~、墨汁が乾いちゃう」
「これって心の迷いが筆に出てるって事?」
「周囲の人達妙にスパスパ書いてない?迷い無さすぎ」
「いやいやこれってボクが拘りあるってだけから」
「ここまででお昼ご飯二回分ぐらいのお金出してるから一年の始まり!って奴を書き上げたい」
「最初の一歩目からコケるとか絶対嫌だしいやでもこれうーん」
「習字とかやっておくべきだったかな文字が綺麗ってアドバンテージだよね」
「そういえば御茶頼んでたけどもうすっかり冷めてるし!」
「あー決まらない、どうも良い感じのバランスが閃いて来ない」
「文字の神様!ボクに天啓を授けたまえ~~~」
みたいなことを懊悩に捩じり捻じって捻じりドーナツ状態でぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ呟き続けている。
~~~~Now Writing~~~~
■テンドン > 「よしっっ!!!」
墨でべたべたの顔になりながら顔を持ち上げる。
『一 日 一 走』
掲げた紙に燦然と書かれた一筆ににっこりと笑い。
「…ふうう、疲れた、入魂疲れって奴だね…今日は早めに御家帰って寝よ…」
そして貰った自分の一筆書きを携え我が家に帰っていくのでありました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からテンドンさんが去りました。