2023/12/29 のログ
■クローネ >
「ちょっとマスター。上の部屋出禁ってどーゆーコトよ」
さて、昼間から若干酒の入った女が店主に向かってくだを巻いている。
そんなマグメールの酒場の光景。
「だから前汚したのアタシじゃねーって言ってんじゃん!…あー、もういいわ面倒くさい。お酒ちょーだい、いつもの!」
ちょっとした文句があったのだが、さっぱり取り合わない姿勢に痺れを切らした女は店主を一睨みしてから酒を注文。
そのまま適当に空いているテーブルの席へどっかと腰掛けながら不機嫌をうに頬杖をついていた。
無性にイライラする。てきとーな男でも捕まえて発散するか…といった風情だったが。
生憎冒険者ギルドと併設されている酒場な関係で女の面はある程度割れている…。
悪名もそれなりに広がっているあたり、ほいほいついてくるのは新米か変わり者かのどちらかになりがちである。
■クローネ >
テーブルに置かれた馬乳酒を淑やかさの欠片もなく呷っていると、普段目にしない少年が目につく。
年の頃は…15か、16になったくらいだろうか…。
如何にも新米、駆け出しの冒険者といった風情…。
ふぅん…。とその少年を見据えていたクローネはゆっくりと立ち上がる。
簡単な依頼を斡旋してもらったのか、ギルドをを後にする少年を追いかけるようにして、酒場を出ていく
『ツケで』
という魔法の呪文を店主へと言い残して、本日見定めた標的の背中を追うのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクローネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 「おォ?」
思わず声が零れたのは、ギルドから外に出た瞬間。
夜中というわけでもないのに空はもう暗く、酷く冷える。
季節を感じる寒風に息を吐きだしたころ、はらりと落ちる雪。
「はー……冬だなァおい。」
ぼそりと呟いて大きな手を伸ばす。指に雪が振れて消えた。
冷たさに、ふ、と笑う。――が、次の瞬間には次々と降り始める、雪。
ヤバイと思った瞬間にはどんどんと降り注いできたもんだから、あわてて走り出して。
「う、お…ッ、やばい、やばい…っ。」
しかして降り積もる雪の強さはどんどんと激しくなってきて。
なんとか適当な店の軒下に逃げ込む始末。ああ、やれやれと、呻いてを空を見上げた。