2023/12/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」にシャーニィさんが現れました。
シャーニィ >  
見た目は、少女……に、見えるかもしれない。
それは金髪かもしれない。それは銀髪やもしれない。
それは――見るものによって印象が異なる、異様な個であった。

……の、だが。
まだ復活してより間がないゆえに、それは今の世に慣れきってなかった。
生き方すらも見失っていたのだから、やむを得ないとも言えるが……
それゆえに、まだまだあれこれと迷走する日々を過ごしていた。

それは、今も――

「さて……カネとミセというやつは、とりあえず理解したが……
 理にかなっているといえばそうだが、なかなかに面倒だなあ、これは……」

きょろきょろと辺りを見回して、ため息を1つ。
そう、確かショウテンガイ、とかいうところだったか。
あれやこれやとミセはあるのだが、色々ありすぎてなにをどうしたものかわからない。

「物で直接やり取りしたほうがわかりやすいのだが……
 むう」

勿論、応じてくれるところもあろうが、そもそも価値がわかっていない。
なにが同程度で扱えるかもわからなければやりようもないのだ。

「……まあ、よい。
 まずは何があるかだけでもみておくとしよう」

日和った。
そんなわけで、ぶらぶらと道を歩くのであった……が

「ん、ぉ……シロナ?」

わずかだけしかいない、貴重な顔見知りを発見し思わず声に出る。
これこそ救いの女神だろうか。
……邪神の思うことではないが

シロナ > 商店を離れて、林檎を齧ろうかな、と、振り向いたところだった。
 自分の名前をを呼ぶ声がして、深紅の竜眼をきょろり、とそちらの方に向けてみた。
 其処には、友人と呼べる可愛らしい人が、邪神の一部なのか、封印されている邪神なのか。
 そんな彼女が、立っていた。
 そんな彼女は、何処か、何か、困っているように思えた。

 縋るような眼に見えた、と言うのはまあ、シロナの思い込みの産物なのかもしれない。
 とは言え、とは言え、だ。
 彼女は、シロナの認識で言えば、友人だった。

「やっほ、シャーニィ。
 奇遇だね?なんか買い物でも?」

 軽く手を上げながら、桜色の唇を、にぃ、と笑みの形に釣り上げて、八重歯を見せながら近づいて行く。
 彼女の思惑などは、良く判らないけれど。
 何かあるなら手伝う位はする。

 まずは、お話なのだ、それに尽きる。

「それとも、アタシと、お茶とか、デートとか、しちゃうー?」

 何時ものシロナ節を炸裂させるのは、忘れない。

シャーニィ >  
思わずこぼれた声を、竜の娘は拾った。
それで、こちらに気づいたのか手を上げて声をかけてくる。
それならば答えねばなるまい、と考える。

「あ、あー……や、やっほ……?
 うむ、奇遇だなシロナ。」

とはいったものの、今どきの人の言葉など知るわけもなく。
おそらく、挨拶なのだろうと空気を読んでぎこちなく真似をしながら手を上げて見せる。
一応、笑顔……はなんとか浮かべられる。

「あー、うん。カイモノ、といえばカイモノ、なのだが……
 いや、そも世を学ぶ、というか、だな」

ちょっと助けてほしい、というのは邪神としてはあるまじきかもしれないが……
なんの、あれは我が友人である、と思い直す。
それになにより、自分の事情をよく知っている相手だ。

「ようやっとカネとカイモノ、というものは理解したしカネも手に入れたが。
 はて、どう使ったものかとなってな……ゆえに、とりあえずミセを見ていたのだ」

なにしろ、邪神。
別に人のものを食べずとも、人の宿に泊まらずとも。
生きるだけならなばなんとでもなるのだ。
なんなら、衣服とかもそれっぽく取り繕えたりもする。
絶対にほしい、というものがない。

「オチャ?デェト?
 なんだかわからぬが、そういう使い方もあるのか……?」

まだまだ人の世の言葉に離れない邪神であった。
割とマジメに考え込む。

シロナ > 人竜の感覚器官は、人と似ているように見えて非なるモノだ。
 五感は人のそれを上回るし、匂いだって敏感に感じ取る、其れこそ、生体センサーのような物だ。
 彼女の臭いも、音も、魔力の波長も見て覚えている、それだけして間違うのは、相当のモノだというべきだろう。
 ぎこちない挨拶、彼女自身、余り人の世にうまく溶け込めていないのだろう事が判る。

 シロナのあいさつなどは、まあ、人の世でも、かなり軽いものに含まれてしまうがそれを知るのは何時だろう。
 そして、知った時の彼女の反応が楽しみと思うのは小悪魔だろうか。
 笑顔がほころんで、ニマニマしてしまう。

「なーるなる。
 初めてのお買い物ってところだね。
 うんうん、シャーニィはお金ってのは、欲しいという欲望の、代替品。
 それを、店番に渡して、欲しいものを貰う、迄は認識してると。」

 お金を手に入れて、それを使うやり方は知っている。
 ただ、それを使うための動機がない、と言うのが理解できた。
 欲しいものが無ければ、お金なんて、只の殴打武器の材料(おもいもの)でしかない。
 とは言え、だ、何かしら、使ってみないと、感覚としては判らないだろう。

「そうだねぇ、お茶、デート。
 これは、簡単に言えば。
 お茶ってのは、食事や飲み物を提供するバルやレストランで、二人以上で、お金を払って飲食を嗜む事を指すんだよ。
 で、デート、と言うのは、行為を持つ異性や同性と、同じ時間を過ごして、親密になる事を云うんだ。
 デートの積りで行くならば、お茶は、デートにもなるってことだね。

 因みに、デートの最終地点は、交尾も含まれます。」

 褐色の人差し指をピンと立てて空を指さし。
 桜色の唇で、しっかりと、説明して見せる。
 彼女なら、この説明で理解してもらえるだろうし、理解が及ばないなら質問してくれる、と信じている。
 

シャーニィ >  
シャーニィは邪神である。それは紛うことなき事実である。
ただし、残滓にすぎないので本来の性能は出し切れていない。
自我にしても……基礎は元々持っていたものであるはず、なのだが。
本来あるべき泰然自若とした、もしくは傍若無人な性質はでてこない。

「うむ、そういうことだ。
 ああ、そうだな。仕組みは理解した。
 カネも、まあ……この間の冒険やら他のもので手に入れはした。
 ほれ、このとおりだ」

往来で、何の気なしに所持金を見せる。
何度か依頼を受ければ、それくらいにはなるか、といった量。
ただし、一銭も使っていなければ、というおまけがついてくる。

「なるほど、飲食を、か。
 わざわざ他の者といく、という手間をかける意味は……まあ、そうか。
 それがヒトらしさ、というものか。」

真面目に解説されるお茶の意味について、なるほど、と頷く。
一々より集まる辺りも、人間の性質、と考えれば理解もできる。
……今や、その一員とも言える状態になっているので尚更、だ。

「……なるほど、デートは……んむ?交尾?
 むむ……いや、そうか……番になれば、そうもなろうか……
 いや、しかしヒトは番になるのに手間を掛けるのだな。
 ……いや、それもまたヒトらしさ、か。」

邪神に婚姻などそもそも必要はなく。
では自分の下にいた者たちはといえば……まあ大体略奪だったり力を見せつけたりソレ以外のなにか己の価値を示したり、と。
至極単純だった気がする。

力だけが全てではない、というのはやはりヒトの世らしい。

シロナ > 以前も言っていた、人の世を理解しきれていないという彼女。
 それでも、手探りでも知ろうとするその姿勢は、こう、貴族にでも教えてみたいぐらいの健気さ。
 好感が持てるからこそ口説きもするし、手をだしもするし。
 手助けだってしたくなるんだよなーと、にっこり笑って見せる。

「シャーニィ、ダメダメ。
 いくら頓着してないとしても、お金はみだりに見せちゃだめだよ。
 人の中には、他人から奪ってしまおうっていう魔に近い思考のモノだっているんだから。」

 革袋、それ自体がもうブラックジャックと言う殴打武器のような状態になっている。
 普通の冒険者で考えるならば、この半分か三分の一になっているだろう、武器の手入れとか、回復薬とか。
 必要な物を買えば、目減りするはずだし。
 それの無い、パンパンの財布、きらりとしている金貨。
 もう、ダメダメ、と、指をちちち、と横に振って窘める。

「そう、人間は、食事によって栄養を取って、生きるから。
 大事なことに含まれるのよ、そして、それを思いを寄せる相手と行くの。
 少しでも、仲良くなって、自分をよく見て貰いたいって、ね。」

 人らしさと言う物に値するだろうか、と考えながらも、多分なるだろうね、と考える。
 魔に属している二人なのに、真面目に人間の生態を講義して、講義を受ける。
 凄く、凄く、珍しい状況が生まれていた。
 当人たちはそれを気にして居る訳でもなく、教えて、教わって。

「ヒトは、弱いから。
 力だけで言うなら、人を凌駕するのはごろごろいるし。
 だから群れて、国を作って、身を護る。
 そうすると、力では、物毎が解決しづらくなる。
 だから、代案として、国で、通用する力―――お金を作ったの。
 お金があれば、モノが手に入り、豊かに暮らせる。

 デートは、その番に成るために、お金がいっぱいあるのをアピールする場でもあるよ。
 他にも、お互いの事を話して知り合って、好意、好感を持ってもらう、とかね。」

 力と言う絶対的な指針が無いのが、人の世だ。
 腕力も、力の中の一部でしかない、金も力になりえる。
 だから、お金を使い、弱いものが繁殖する、それが人間、と。
 正しいのかわからない説明を。

「如何する、アタシと一緒に、何か買ったり、しちゃう?」

 それとも、お茶とか、デートとか、口説かせてくれるのかなー?とするり、とシャーニィの近くに近づいて。
 ジィ、と彼女の目を覗き込む。

シャーニィ >  
「……む。ああ、そうか。これは、そうか。奪うだけの価値はある。
 なるほど、ヒトであっても悪はある……当然であったな。
 それに、今や吾もその悪に狙われうる……か。」

指摘をされて気がつく。
シャーニィにとって悪とは身近にあるのであって、外からさらされるものではなかった。
しかし、今となってはその対象になりうる、という思考に欠けていた。

「ふむ……大事なこと、か。確かに、魔力やらがなければ吾らとて生きてはいけぬ.
と、考えれば。それを己を喧伝する方法として使うは、理にはかなっているのか。
 段々と分かってきたぞ。それに、そうだな。相手によく思われたい、という感覚も理解できる。
 友誼を結ぶ、というのはそういうところもあろう。」

偉そうに言っているが、誰かと友誼を結ぶ、などということをしたのは初めてだったりする邪神。
ただ、他者によく思われるからこそ、友誼なり番なりの関係を結ぶ、というのはなんだか腑に落ちるのだ。

「はは。ヒトについて吾が考えるというのは些か滑稽だが……まあ、やむをえぬか。
 厳密にはそうでないにしても、そちらに寄ってしまったわけだしな。」

ヒトではない同士が真面目に顔を突き合わせてヒトについて語る。
実にバカバカしいといえばバカバカしいが、その中で生きるには必要なことだろう。
なんとも厄介だが……面白くもある、とシャーニィは思った。

「そうだな。吾一人では、おそらく無為に終わるだろうからシロナに力を貸してもらえるなら、ありがたい。
 そのついでに、オチャとやらもよいのではないか?」

顔を寄せてくる少女に、実に真面目くさって応えるシャーニィ。
どこかいたずらっぽさもあるシロナとはある意味対照的であった。

「……まだ、好意だとかそういったものはよくわからぬが。
 まあ、互いをよく思うようになるのは、悪いことでもあるまい。」

邪神と言うにはあまりにも真面目であったが、それが今の自我が出した答え、であった。
 

シロナ > (goid)、に関しては、ドラゴンが認める価値、でもあるし。
 人は色々あるよ、ほら、悪の手先になる人だっているし、ね。
 絶対的な力が無ければ、ね。
 寧ろ、頭の悪い人は、力の差など気にせず、襲い掛かってくるし。」

 それに、彼女は今、現状人と同じ程度でしかない筈だ、確かに、人に比べれば魔力は膨大。
 それでも、ヒトに無双して行ける程かと言えば、そうではないと思う。
 人の中でも、強い方、程度でしかないと思うから、襲われる可能性もある。
 あと、お金を奪うだけなら兎も角、それ以外に、も、だ。

「そうそう、一人では生きていけないから群れる。
 群れるなら、相手に良く思われたい。
 その為の友誼に、番に、お金、なんですよ。」

 矢張り、彼女は理解が早い、恐らく邪神と言うだけではなく、その器の存在の地頭も、良かったのだろう。
 判ってくれて、話が早くて、本当に助かるぅ、と、嬉しそうに、少女は伝えて。

「何をどう言おうとも、今現状が、全て、ですもんね。
 今、現状を脱出できないのであれば、人として、振る舞うしかない、とも。

 と言う事で、同意も得られましたし。
 お茶をしながら、色々しましょう。」

 彼女がお茶をしてくれるというなら、まずは、と周囲を見回す。
 近くに有るのは酒場、冒険者の宿、食堂か。
 此処なら、まずは酒場が良いと思う。

 飲み物が酒も含めてあるし、軽い食事もしやすい。
 何より、わいわいがやがやしてるので、自分たちの話が紛れやすいし。

「好意、なら、もう持ってると思うよ?
 アタシと友誼を結ぶ、それだって、好ましいと思うから、でしょ。
 利用できるにしろ、一緒に居ても良いと思うのもまた、だし。」

 アタシとしての感覚だけど、とウインク一つしながら。
 そこの酒場で、お茶しながら、もう少し、おしゃべりしよっか、と。
 彼女の手を取って、移動を提案

シャーニィ >  
「確かに、龍は宝石の類を好んでいたか。金もその内と言われれば、そうだな。
 やれやれ、吾の感覚もまだ直さねばならぬことが多そうだ。
 まさか、ヒトの決め事や生き方を学ぶことになろうとはな」

1つ、ため息をつく。
本来であれば、それらすべてを踏みつけ、踏み荒らし、蹂躙していたであろうに。
……その気すら、わかなくなっている自分を改めて自覚する。

「そうだな、今が全て、であるな。
 それなら、それに従うよりあるまい……
 で、オチャとやらは……」

というが早いか、既に相手は行く先まで決め始めた。
なんとも決断の早いことである。
これは好ましく思うべきなのか、どうなのか。

「む……そう、か。これも好意、か。
 まあ確かに、そうだな。誰かに頼む、などということも初めてではあるし……」

何もかも自分でやれてきていたモノとして、命令という形ではなく頼る経験はおそらく初めてである。
それが好意からくるものである、と言われればそうなのかもしれない。
未だ、対等なる誰かとの関係は掴みづらい。

「お、わ……う、うむ。
 吾はミセもわからぬし、シロナの選ぶところでよいが……」

移動を提案をされれば、素直に従うことだろう。
なにしろ、自身には選択肢がないのだ。

シロナ > 「だから、アタシ達は、モノの価値と言う物が、凄く判るの、見れば大体どのくらいの価値か、ってね。
 シャーニィの感覚は、ほんと、上位者のそれ、だからねー。
 それもまた、経験だよ、理解すれば、何かに使えるだろうし。」

 溜息をついている様子に、まあまぁ、と、宥める様にして見せる。
 彼女の感覚は理解しきれないが、今現状溜息を吐き出した感覚は理解できる。
 悪い事では無いと思うし、今の彼女なら、経験を糧にしていけるだろうし、無駄にはなるまいとの思考。

「お茶は、そうだね、其処のバルでしようかなって思ってるよ。
 あそこは騒がしいから、アタシ達の声が紛れてしまうから、誰かに聞かれないだろうし。
 酔っぱらいが多いから、聞かれても、覚えてないだろうし。
 もう一つ言うなら、魔法で記憶を改ざんしやすくなるし、酔ってる相手なら。」

 そんな風に言いながら、彼女の手を引いて歩き始めるも。
 一度足を止めて、振り返る。

「何か、気に成るところとか、要望は有るのかな?
 アタシの一存で決める積りも無いし、有るなら、教えて欲しいな。
 ただ、経験は宝だと思うよ。

 ほら、今から行く酒場が、気に入らなかったら次は使わないという選択も出来るし。」


 言いながら、ではあるけど。
 良い淀む彼女の言いたいことは聞く。
 お茶よりも先に何か何処かで、買い物したいのかもしれないし。
 彼女の言葉自体に興味があるから。

 ちゃんと聞かせて♡、と甘く耳元で、誘う様にねっとり囁く。

シャーニィ >  
「価値がわかる、か。便利といえば便利だな。
 ……ふむ。モノ以外の価値もわかったりするのだろうか?」

最後は半分独り言のような感想であった。
もし、感想通りであるなら。
たとえば、シャーニィの価値、というものも判るものなのだろうか。
そんなことが脳裏をよぎったりする。

「ふむ、なるほど。それは確かによい。
 まさか、厄介者だからといって消すわけにもいくまいしな。」

魔法で記憶改ざんするだけで済むのであれば、だいぶ安い。
……消すにしても、記憶改ざんにしてもだいぶ碌でも無い行為であるが、そこは気にもとめていなかった。

「ん、ああいや。
 ずいぶんとシロナの決断が早かったので、驚いただけだ。
 手慣れているかのような……いや、実際慣れているのか?
 吾よりよほど多くの相手と知り合っているだろうしな。」

正直に言えば、怒涛の勢い、というか展開の速さに面食らっただけ、である。
邪神の残滓としては、ちょっとプライドが色々とアレがあれするが、そこは素直に白状した。
それ以上の他意もないことは伝わるだろうか。

「だから酒場で異存はない。
 うん、そうだ。吾にはそもそも選択肢もない。
 むしろ、色々教えてもらえれば助かる。」

まあ今のところ、選択肢を得てもボッチで行くしかないだろうが。
そうでなければ、目の前の相手と行くくらいだ。

甘い囁きに、真面目に答えてしまう。

シロナ > 「ふふふ、便利でしょ、だから、かーさんは、商人としてやってるんだ。
 竜の嗅覚は、基本財宝だから……魔道具とか、魔法の武器とか含む、ね。
 それ以外の価値は、判らないよ?
 ただ、アタシ的に、大事かどうか、と言う程度。」

 耳が良い、五感が強い、と言うのも善し悪しか。
 今は、彼女の独り言さえも聞いてしまい、それに返答してしまう。
 悪気があるわけでは無い。
 ただ、シャーニィの価値に関しては、今言ったとおりだ。
 友達として、彼女候補として、大事に思ってる、その程度。

「うん、本当に密談したいなら、個室のあるお店なんだろうけれど。
 其処迄大事な話はしない積り、だしね。」

 流石に、デート兼用の、お店周りとお金の使い方講座。
 それなら、バル程度でも良いだろうし、聞かれて困るなら、記憶改ざんすればいい程度。
 それに、単なる軟派などなら、殴り飛ばす、も含まれる。

「慣れてるよ、女の子口説いたり、こういう風に連れ込んだり、ね。
 シャーニィは、まだ、何もわからないし、今から覚える、って言うなら。
 アタシがエスコートしてあげる必要があるかなって。」

 判らない相手に、何処が良いと聞いても判らないとしか言いようがない。
 だから、知っている、慣れているシロナが案内する。
 素直な白状に、ありがとう、と言いながら、解説して見せて。
 淫魔らしく、色々してる、と言うのも、これでわかるのだろう、多分。

「じゃあ、取りあえず、まずは一番最初に。
 酒場で、食事、其処からお支払い、その後に、普通のお店での練習、かな。」

 そんなルートで良いかな?と、にっこり笑って問いかけて。

シャーニィ >  
「種族的特徴だな。吾は魔力と知識くらいしか持ってこれなかったからな。
 ……いや、元の特質をもってきても碌なことはなかったから、これはこれでよいか。」

少し考えると、自分のこの面倒な性質そのものが基の影響ではなかろうか、とも思う。
これ以上面倒な厄介事の種が増えても困る。

「そうか、話す内容でもミセは変わるのか……
 思ったより、その、なんだ。難易度が高いな?」

そんな大層なことではないはずなのだが、邪神は戦慄するのであった。
無知とは罪である。

「そうやってじっくり教えてもらうのはとても助かる。
 やれやれ、本当に吾ながら手のかかることだ」

色々考えて相手がエスコートをしてくれていることはよく伝わる。
そこに感謝とともに、自分の情けなさを痛感したりもする。
ところで

「それは、いいんだが……
 いや、前も思ったし言ったがなシロナ。そこまであけすけに言ってよいのか?
 吾が警戒する、とは思わぬのか?なんなら、ここでやめる、といい出すとか」

相手の言い振りをきちんと受け取れば。
前の宣言も含めて、シャーニィ自身にも色々する、と想像されてもおかしくない。
なんなら、それが理由で拒否される可能性だってあるはずだ。
それがわからない相手ではないと思うのだが……

「まあ、ついては行くのだが……
 うむ、どうせ何処に行くという当てもないのだし。
 シロナの思う流れに任せる。」

言うには言ったが、相手の思惑はどうあれ、ついていくのは決めたことだ。
それを曲げるつもりはない。
そもそも、これは友誼を深める目的……だという認識でもある。
そのうえで。なにかあれば……まあそれはその時のこと、である。

素直についていくことを相手に伝え。
行こうと導かれれば、そのとおりについていくだろう。

シロナ > 「ええ、真贋を見極められるし、偽物なんて取り扱わないから。
 シャーニィとアタシでは、いろいろ違うじゃない。
 アタシは、この国に生まれただけだし、シャーニィは……ね?」

 いろいろぼかさないといけないところがあるのは大変だと思う。
 それを言葉にしたら、きっといろいろな所から面倒が舞い込むので、仕方がない。

「最初はなんだってそんなものだと思うよ。
 使ってやって、慣れればいいの、難易度は、最初だけ。
 どんどん低くなって、シャーニィが鼻歌交じりにお店を行き来するのが見える。」

 最初だけ最初だけ、と、戦慄する邪神に、手をパタパタ振って笑って見せて。
 どんどん、その無知を削っていくよ、と。

「良いじゃない、頼られるのも友情の内だし。
 その内アタシも頼る事になると思うしね、その際はお願いします、ってかんじ。」

 情けないことはない、それこそ、先ほど言った無知があるのだ。
 初心者は、上級者に学ぶ、学ばなかったとき、学べなかったときに、凹めばいいのだ、と。
 それに、これを失敗して、死ぬとか無いので気楽でもいいからね?ウインク一つ送って伝える。

「良いのよ、だって、アタシは貴女の事をそう言う目でも、見ているから。
 この国は、そう言う人が多いし、警戒心を覚えてもらうのも、学習だし。
 やめて、引き返すのだって、ありでしょう?」

 どちらにしろ、シャーニィの経験値になる。
 だからいいと思うし、淫魔らしく、好意は隠すことはなく、ストレートにぶつけるものだ。
 おためごかしで隠して、そんなつもりないからと引き込んで、騙して犯す。
 そう言うのだっているし、それはシロナの趣味じゃない。

 嫌だというなら止める。
 ただ、好意を盛った相手に好意を向ける事を秘する積りは無いのだ。

「それじゃ、行きましょう。シャーニィ。」

 手を引いて、二人は、お茶と、買い物デートを楽しんだという。
 何処までも健全な、デートと言うには、遊んだという方が正しい時間だったという―――

ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」からシロナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 商店街」からシャーニィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルクスさんが現れました。
ルクス > 「さて、帰ったら風呂にするとして……」

現在住んでいる宿の手伝いで汗を流し、井戸で軽く汗を流した後に服を着替えて。
頬に十字傷がある青年が平民地区を歩く。
目的は今日の昼食。なにかいいものがないかと露店を探しているところだった。

「今日の気分は魚だな。……フィッシュアンドチップスでいいか……?」

しかし、なんとなく酒も煽りたい気分。
持ち合わせがあまりない以上、そう言う事はするべきではないのだが。
はてさて。魚と決めたが具体的にどういうのにするかは青年は決めあぐねて露店を眺めている。
魚の串焼きも汗を流した後によくキくだろう。それと一緒にビールを煽ればもうたまらない。
だがここはあえてさっぱりした野菜と一緒に食べるのもアリ。

「悩むなぁ……」

うーんうーんと両手を組んで、適当にぶらつき。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクロエさんが現れました。
クロエ > 輝くような黄金の髪を頭の後ろで1つに結って。
あふれる活力は小麦色の肌の下にいっぱいに詰まって。
しなやかな手指の先は、五色に彩られ。
彼女は元気に闊歩する。

「おじさーん、今日の魚はどんな感じ?いいやつある?
 いやいやいや、も~知ってるよー。おじさんのトコの魚は全部いいやつだってさー。
 あたしの言ってるのは、お、す、す、め!あるでしょ、そういうの。
 えー、串と揚げどっちもー?おじさん商売うまいなー。
 しょうがないなー。どっちもちょうだい!」

露天の1つに顔を出した彼女は、気難しそうな店主に臆することなくにぎやかに会話する。
結局、言葉通り大量に魚の料理を買い込んで両手いっぱいにして道に戻ってくる。

「ひゃー、買いすぎちゃったかなー。ま、いっかー。
 ……ん。」

そんな彼女の目に映ったのは、漆黒の髪の青年。
なにやら悩ましげにぶつぶつとしゃべっているのだけはわかった。

「おにーさん、どったの? 探しもの?
 財布でもなくしたとか?一緒に探そっか?」

少女は、迷うことなく青年に近づきそんなように声をかけた。

ルクス > 自分の姿が目立つのか、ふと気が付けば声をかけてくる少女の姿があった。
顎に手を当て、悩んでいた青年は声をかけて来た金髪の少女へと色彩を向ける。
バイタリティ溢れる声と肌。健康的で年齢相応の張りのある肌に、今の店主のように声をかけて話せる心持ち。
気軽に、あるいは気さくなその様子を思い出してから口を開く。

「いやぁ、財布はあるけど…いや、若い奴にこんな話するのもアレだしやめとく。
 まぁ探し物と言えばそうだな。昼飯をどうしようか悩んでたところさ。
 お嬢ちゃんも同じクチかい?」

ちらりと両手いっぱいに持っている料理に視線をやってから、また少女の瞳へと視線を戻す。
緑色の快活そうな瞳から感じられる、こちらへの興味。
声からしてはきはきとして、裏表などはないと考えてから。

「にしてもたくさんもらったなぁ。夕飯にも困らなそうだし、よかったな?
 この辺に詳しいなら、おすすめのところでも教えてくれないか?
 代わりに…ん-、アイスでも1本買ってあげっからさ」

こちらもそれに負けじとニカッと笑いかける。
傷のある顔だが、強面というわけでもない、ほどほどな笑顔。
その顔がほんのわずかに眉が下がっているのはどこか引け目を感じているからかもしれない。

クロエ > 改めて見れば、漆黒の髪に合わせたような吸い込まれるような黒い瞳。
肌は黄色く、その肉はよく鍛えられていた。
おそらくは何らかの心得のある冒険者や何かだろうか。
そういえば、頬に十字傷が走っている。
過去の経歴がそこに刻まれている、といったところか。

「あらら、あたしの早とちり?
 まあ、不幸よりは幸福のほうがいいからいいよね!
 そっか、お昼の方のお悩みねー。そうだねー、この辺美味しいものいっぱいあるしさー。
 目移りしちゃうよねー」

1言われれば10返す、ではないが矢継ぎ早に言葉を紡いでいく少女。
外観や様子から伝わる元気さがそのまま言葉にも現れているようにも思える。

「ああ、これ? いやー、おじさんが商売上手でさー。
 ちょっと買いすぎちゃったわけ。夕飯……そうだなー、夕飯に残すのもいいけどさー。
 やっぱ冷めちゃうじゃん?冷めちゃったら勿体ないって思うわけ。
 だから食べるなら今のうちがいいと思うんだよねー」

両手いっぱいの荷物を指摘されれば、元気に笑いながら解説をする。
どうせ食べようと思えば食べられないわけでもない、と半ば勢いとノリも込みで言われるままに買ってしまったのだ。

「で、そっか。お店だっけ……んー。何食べたい?
 今買ってきたおじさんの店とかオススメだけど……
 あ、そっか。そうだちょうどいいや。おにーさん、一緒にこれ食べない?」

そういって見せたのは当然、両手いっぱいの食べ物であった。