2023/12/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルクスさんが現れました。
ルクス > ばしゃり、と桶に溜まれている水で顔を洗う青年が一人。
安い宿。天井と壁はあるが、ベッドはなく部屋の大きさも最低限。
そんなところに泊っている青年は立ち上りかける暗い朝日の前にいた。
黒い髪の毛を軽くその冷たい水で洗い、薄汚れた布で顔を拭く。
井戸の水をたくさん汲んで、宿へと運んで店主の頼まれ事を満たしていた。

「よし、と。これがいっぱいになるぐらいでいいのかいおっさん」

”上出来だぁ、その調子で頼むぅ”と朗らかな声で応えた店主の言葉に頷き、テーブルへと座る。
宿の隣に設置されている、これまた薄汚れた大きな銭湯でその桶の水を運ぶ。
これを何度も繰り返し、浴槽を満たす。これを早いうちからやるために青年は起きていた。
老夫婦がやっているこの銭湯。水を運ぶためのカラクリが今は壊れてしまったため、青年が主導でやっていた。
こうすることで宿代を減らしてくれるという約束だったのだ。

「ひぃ、あと何時間かかるかね」

そうぼやきながら、汗を流しつつ井戸と宿を行き来するのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からルクスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 「おォ?」

思わず声が零れたのは、ギルドから外に出た瞬間。
夜中というわけでもないのに空はもう暗く、酷く冷える。
季節を感じる寒風に息を吐きだしたころ、はらりと落ちる雪。

「はー……冬だなァおい。」

ぼそりと呟いて大きな手を伸ばす。指に雪が振れて消えた。
冷たさに、ふ、と笑う。――が、次の瞬間には次々と降り始める、雪。
ヤバイと思った瞬間にはどんどんと降り注いできたもんだから、あわてて走り出して。

「う、お…ッ、やばい、やばい…っ。」

しかして降り積もる雪の強さはどんどんと激しくなってきて。
なんとか適当な店の軒下に逃げ込む始末。ああ、やれやれと、呻いてを空を見上げた。