2023/12/12 のログ
シェーネス >
 値段を聞いて頬を引きつらせる様子にはくすくすと悪戯っぽく笑う。
 実際値を吊り上げるのは酒の席のお約束事。
 一日200ゴルドもあれば一般的に十分とあればその四日分の値段を一晩で使うのは躊躇われるのもまぁまぁわかるのだ。
 とは言え、高級娼婦なんて4桁5桁の世界。それに比べれば3桁で収まってるのは十分良心的なものだと思ってもらいたいところである。
 酒の席で金銭感覚がおかしくなって金額を上乗せに上乗せしていくので、宵越しの金を持たなくなる者もいると、冒険者である男なら良く聞く話のはずだ。

「そうねぇ。それじゃあ今日はアキアスのとこに行こうかしら。
 割高になっちゃうし、朝ごはんのおまけもするわね♡」

 一晩ゆっくり楽しんで、それから手作りの朝食のサービスもつけようというところ。
 ついでに部屋の掃除もしてあげようか? なんて笑いながら、軽く上着を羽織ってから鍛えられた逞しい腕に細腕を絡ませて、すりすりと男の腕を撫でて上目遣いに見上げた。
 貰うものは貰うけれど、アフターサービスも忘れない。
 まだ客のついてない子も「アキアス~次はあたしと遊んでね~」なんてお誘いの声もあったかも。
 「さ、行こ?」と笑みを浮かべて、彼の塒まで共に向かう為店を後にして──。

アキアス >  
彼女はまだ良心的なほうだ。先に一晩の値段を告げてくれてくれるのだから。
中には酔って気が大きくなった冒険者が稼ぎの話をしていれば、
それを狙って値段を吊り上げる者もいるのだから。
もっとも、冒険者の方もほとんどはそうやって散在するのが常だから、巧く回っているのだけれど。

「お? そりゃ、ゆっくりできていいこったな」

自分の所、と言われれば意外そうに。
娼婦の多くは宿とも通じていて、便宜を図り合っているはずだから。
ともあれ彼女がいいなら否やなどない。
上着をはおり、腕を絡めてくる相手に機嫌よく立ち上がり、他の娼婦たちにも愛想笑いを返して。
彼女の促すままに店を後にしていって――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアキアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシェーネスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に夏虎さんが現れました。
夏虎 > 平民地区大通り。夕暮れどき。
時節に見合わぬ暖かさも少しずつ鳴りを潜めて風も冷たくなってくる。
夕焼けが立ち並ぶ建物たちも往来する人たちも染めている。
その一角で軒を立てる『夏天的药店』(なつさんのおくすりやさん)はそろそろ店仕舞い。

日中で在庫はあらかた捌けるし常連さんの多くも夜には来ないから。

「えーとこいつは……こうでー……?」

薬類は、薬箱や薬棚に、果実類は、クーラーボックスに。
商品の片付けもほぼ終わって幟も店名だけ残して収納済。
後は番台を畳んでから椅子をしまって屋台を引っ張り倉庫へ行くのみ。だが……
もしかしたら? あるいは? 誰かが来た試しないけど誰かが来るかもしれない。
日が完全に落ちるまでは撤収はしない。
この間とても暇なので桃髪店主、がらんとした番台にクロスワードパズル並べて暇潰し中。

「ぬ。いかん。これだとここが……ううん、なるほど、ハマる人いるのもわかるなぁ」

独り言ちながらまた一つ空白を埋めて満足げにうんうんと頷く。
時折、机から目を離しては誰も来ていないのを確認してまた視線を机に戻すの繰り返し。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」から夏虎さんが去りました。