2023/12/04 のログ
タマモ > 王都マグメール、平民地区。
この王都内で言えば、中間とも言える場所だ。
貧民地区より安全と言えるし、富裕地区よりは安全ではない。
…もっとも、あくまでも、そう言われているだけだ。
状況が変われば、そんな場所であれ、色んな意味で危険な場所へと早代わり、となる訳なのだから。

そんな、この平民地区の一角。
この時間であれど、人の賑わいが残る、大通り。
そんな場所で、誰であろうか、感じるのは微妙な違和感。
確かに、自分が居ると思われているから、通りの人は自分を避ける。
だが、そのはずなのに、不思議と自分を見るような、そんな視線が感じられない。
まるで、自然の河川の流れのように、一瞥もくれず避けて過ぎ行くのだ。

まぁ、答えを言ってしまえば、少女の悪戯。
ふと目に付いた、そんな誰かに掛けられたのは、その認識を非常に希薄にしてしまう力。
その誰かが、それに気付くか気付かないか、それは別として。
そうして、大通りの中での悪戯、それを行う為の準備である。

それが掛かった事を確かめる、それを行った後。
その姿は、その誰かの元へと、近付いて行くのだろう。

タマモ > そんな少女が居るのは、いつも通りと言えようか、適当な建物の屋根の上。
案外、この場所は目立たない、気付かれない、そんな感じで役に立つ。
…まぁ、勘の鋭い相手には、気付かれるかもしれないが。

そんな訳で、後は、そこから確認次第、下りて…との流れだ。
少しの間、じっと見詰めてはいるが。
その確認が終わったのだろう、ゆらり、と少女の体が揺れ。
そして、消える。

その姿は、きっと、目を付けた相手の傍に…
それを確かめる術は、他の者達には、ないものなのだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタマモさんが去りました。