2023/11/27 のログ
チーリン >  
「さてさて。
 日も暮れますし、そろそろ帰りましょうか」

そう言って、しばらくするとのんびりとした調子で、広場を後にしたでしょう。
 

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からチーリンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にチーリンさんが現れました。
チーリン >  
平民地区の通りで、白い道士服の少年が、道行く人に声をかけてうろうろと。

「すみません、ちょっとよろしいですか……」

少年とも少女ともつかない中性的さの少年が声を掛けると、多くの人はなんとなく避けるように道を急いで行ってしまいます。
きっと、珍しい衣服……シェンヤン風の衣服が問題なのでしょうけれど。

「……いやあ、なかなかお話し聞いてくれませんねえ」

本人は然程こまっているようすもなく、ほう、と息をついたりしながら曇り空を見上げていたり。
また近くを歩く人が居れば、再び声をかけたり。
そんな時間を、ゆるりゆるりと過ごしているのですが……。
 

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にショーン・ロードさんが現れました。
ショーン・ロード > 背景、兄上様
今日は凄い格好の人を見ました。
本で見た、シェンヤン風の衣装の人です。
見た目は僕と同じくらいの年でしょうか。

なんだか声を掛けたい様子ですが、他の人達は忙しいのか去って行っちゃうようです。
ドキドキしますが、僕は声を掛けることにしました。

「あの、どうかされましたか。」

チーリン >  
「おやおや。
 声を掛けて頂けるとはおもいませんでした。
 ありがとうございます」

そういうと少年は軽く頭を下げました。

「どう、というほどではないのですが。
 どうやら道に迷ってしまいまして。
 美味しい食事処があると聞いたのですが、なかなかたどり着けず」

そういう少年の手元には地図があるようですが。
不思議な事に上下がさかさまですねえ。
 

ショーン・ロード > 「いえいえ、困った時はお互い様ですので。」

僕も頭を下げ返します。
珍しい格好の方は話しやすい人でした。
思わず笑みが浮かびます。

「え、そうなんですか。
それは困りましたね。」

飲食店…僕もそれほど詳しくありません。
一瞬たじろいだのですが、よく見ると手にしている地図が上下逆のようでした。
書かれている文字でわかります。

「あの、手にされている地図が逆のようですよ。」

こういうのって堂々と指摘していいのでしょうか。
僕は困惑気味に伝えます。

チーリン >  
「おやおや」

指摘されると、地図の上下を直しました。

「いやはや。
 どうにも地図というものが上手く読めないのです。
 いぜんもこれで迷ってしまいまして、お恥ずかしい」

困ってしまいますねえ、と。
まるで少しも困っていないような様子でのんびりと言います。

「お恥ずかしいついでなのですが。
 あなたは、ここが今どの場所かわかりますか?」

 そう言いながらあなたに広げて見せた地図には、少年が宿泊しているのだろう宿から、目的の店までの道が赤い線で記されていますね。
 これでどうやって迷うのだろう、と言うような丁寧なものです。
 そしていわずもがな、赤線のルートからは随分と違った場所にいる事がお分かりになるでしょう。
 

ショーン・ロード > 「わかります。
たまに分かる人しかわからないような地図とかありますよね。」

僕は首を縦に振ります。
地図のわかりやすさは本当にばらばらです。
この方の場合、ちょっと違う気もしますが。
なんだか不思議な空気の方です。

「えっと、ここはだいぶ離れてますね。
路地で言うと3つ程ずれてますよ。」

地図にはご丁寧に赤い線が書かれていました。
凄く分かりやすい気がします。
ただ、今いる場所は線の上ではありませんでした。
口で説明してもなんとですが、また迷ってしまう気がします。

「あの、良ければお店までお送りしましょうか。」

チーリン >  
「それはなんと。
 ああでも、正反対でないだけ運がよかったかもしれませんねえ」

あまり動かない表情筋で、ゆったりとした口調で、やはり困っているようには見えない様子で言います。

「おやおや。
 そこまで親切にしてくださるのですか?
 僕としましては、非常にありがたいのですが。
 あなたのご都合はよろしいのでしょうか」

そこで初めて眉根がほんのり動いて、心配そうにあなたをみます。
 

ショーン・ロード > 「そうですね。」

驚いてるのか、そうでないのか。
本当に不思議な方です。

「僕は大丈夫ですよ。
困ってる時はお互い様ですし。
予定もありませんのでお気になさらず。」

僕は笑みを浮かべると、シェンヤン風の方を案内するでしょう。
地図が幸いにも分かりやすく書かれているので、赤い線の場所までは直ぐに行けるはずです。
後は地図に従えば目的のお店が見えてくると思います。

チーリン >  
「これはどうもありがとうございます。
 でしたら、お店に着きましたら、お好きな物をご馳走させてください。
 ご厚意にお礼もなしでは、伴侶に叱られてしまいます」

そういいながら、再び軽く頭を下げるでしょう。
そして当然なのですが、とても分かりやすい地図をたどれば、拍子抜けするほど簡単に目的のお店まで到着します。
そこは、軽食が摂れるいわゆるカフェのような場所です。

「おやおや。
 なるほど、あちらがお店ですか。
 人気と聞いたのですが、人はまばらなようですねえ」

不思議そうに言いますが、ティータイムも逃した時間では、当然の状態でしょう。
店の中は混雑しておらず、ほとんど自由な席に座れるような状況です。
 

ショーン・ロード > 「え、いいのですか?
ありがとうございます。」

僕もまた頭を下げます。
目的のお店にはすぐに辿り着いたのですが、少し驚くことが。
伴侶、と口にされてた気がします。
同い年くらいだと思ってたのですが実は違うのでしょうか?
それとも偉い人なので幼い時から決まってるでしょうか。

「多分、時間的にピークを過ぎてるのだと。
つまり僕たちは幸運ということですね。」

窓際は寒いので、奥の席に座らせてもらいましょう。
店員の方がすぐさまメニューを持ってきました。

「お名前、聴いてもいいですか?
僕はショーンといいます。」

奢って頂くのですから、自己紹介位はしてもいいでしょう。

チーリン >  
「なるほどなるほど。
 確かにもう、お茶の時間も過ぎている頃合いですからねえ」

そんな事をのんびり言いながら、奥の席で向かい合うように座るでしょう。

「ショーンさんですか。
 僕はチーリンと申します。
 おかげで大変、たすかりました」

そう言って深く頭を下げてお礼を伝えます。

「さてさて。
 早く頼まなければ、夕食に差し支えてしまいますねえ。
 僕は、紅茶とケーキ、サンドウィッチと言うのを頼みましょうか。
 ショーンさんもどうぞ、遠慮なくお好きな物を頼んでください」

メニュー表をさっと一瞥すると、それだけで注文を決めてあなたの方へメニュー表を渡すでしょう。
 

ショーン・ロード > 「そんなに何度も頭を下げなくて大丈夫ですよ。」

この方はチーリンさんと言うそうです。
なんだかのんびりとされていて余裕を感じます。

「では僕も同じのを。」

初めてのお店ですし、メニューを見ても決め斬らなくなりそうでした。
なのでチーリンさんと同じものを頼みます。
店員の方が離れたタイミングで口を開きました。

「チーリンさんは多分偉い人ですよね。
護衛とか今日はいないのですか?」

チーリン >  
「さてはて」

偉いかと言われてしまうと、不思議そうに首を傾げます。

「僕はただの旅人ですよ。
 護衛なんて連れて歩けるような身分ではありません」

そうゆったりと静かに答えます。

「いやはや。
 なぜそう思われたのでしょうか。
 何か妙なふるまいでもしてしまいましたか?」

背もたれにゆったりと凭れつつ、自分の顔をさわったりしてみています。
 

ショーン・ロード > 「えっと…。」

どうやら僕の予想は外れました。
まだまだ分からないことが多いようです。

「そう思った理由なんですけど…。
まず、シェンヤンは遠方なので来られるのはそれなりの方と思ったのと。
僕と同じくらいの年なのにもう伴侶がいるってのが…。
許嫁とかそういうのじゃないんですか?」

旅人にしては身なりがいいです。
僕は不思議なチーリンさんを見て、目が丸くなりました。

チーリン >  
「なるほどなるほど」

あなたの話を聞くと、概ね納得したようでゆっくりと頷きます。

「僕の場合、そうですねえ。
 長距離の旅が苦ではありませんから。
 本当にただの旅人でしかありませんよ」

そう答えますと、少し考えまして。

「伴侶については、そうですねえ。
 僕の外見が実年齢より幼いのもありますが、もともと共に生きてくださる方を探しての旅ですから。
 とはいえ、今のところは婚約の状態に近いでしょうか」

そうゆっくりと答えていますと、紅茶が運ばれてきます。
話していて口が乾いたのか、軽く含む程度に紅茶に口を着けました。

「これはこれは。
 確かに良い香りのお茶ですね」

期待に沿ったのか、嬉しそうにほんのりと目を細めました。
 

ショーン・ロード > 「魔法か何かを使うのですか?
普通の人は長距離の旅となると大変そうですが。
おまけにこの街の外は物騒ですし。」

気になったことは色々と口にさせてもらいましょう。
チーリンさんが教えて頂けるかは別ですが。

「なるほど…。
僕よりも本当は年上なんですね。
大人なのでしょうか。」

シェンヤンの人が特別と言うより、チーリンさんが特別なのでしょうね。
僕が納得している間に食べ物が運ばれてきました。

「ありがとうございます、頂きます。
…おいしいですね!」

サンドイッチを手にし、一口。
野菜とお肉があわさってとってもおいしいです。
はしたないですが、僕はあっと言う間に食べてしまいました。

チーリン >  
「いえいえ。
 僕は単純に体力に恵まれているだけですよ。
 物騒な方は、そうですねえ。
 運がいいのか、あまり僕には近づかないようです」

そうすんなりと答えるでしょう。
特に何かを隠す様子があるでもありません。

「大人、といえば大人なのでしょうか。
 一般的な定義でいいますと、子供ではないのでしょうねえ」

などとこれまた一風変わった答え方をします。

「ふむふむ。
 新鮮な野菜を使っているのですねえ。
 食感もよいですし、お肉の味付けもソースも丁度良く。
 確かにこれは美味しいと言われますねえ」

こちらも同様に一口食べれば、しみじみと感想を口にします。
一息に食べてしまったあなたとは対照的に、ゆっくりゆっくりと小さな一口ずつ食べています。
 

ショーン・ロード > 「体力ですか?」

僕は首を傾げます。
チーリンさん、見た目僕と変わらない気がします。
あの小柄な体でとんでもない力があるのでしょうか。

「難しい事を言われますね。
ひょっとして、僕らと種族が違うのでしょうか。」

聴いて良いか悩みますが、聴いてしまいました。
さっきの答えにあう理由がこれしか思いつきません。

「感想が凄く具体的ですね。
あっと言う間に食べてしまったのが恥ずかしいです。」

今度はケーキを頂きます。
チーリンさんの感想は作った人が聞けば喜びそうですし、
食べてない人が聞けば食べたくなりそうな良い内容でした。

チーリン >  
「何事も体力が肝要ですから」

さらりと答えて、サンドイッチを味わい終えます。

「種族ですか。
 確かに一般的な方からすれば、僕は長命種族になるのでしょうねえ」

特に隠すつもりがあるわけでもなさそうに。
というよりは、これといって拘りがなさそうに答えます。

「いえいえ。
 食べ方は人それぞれ。
 食事をどう楽しむのかは、それぞれ自由であってよいのですよ」

そう言いながらようやくケーキにフォークを入れて、一口食べます。
満足そうに瞳を閉じて、ゆっくりと深く頷いています。
 

ショーン・ロード > 「やっぱり、そうだったんですね。」

僕は両手を合わせて喜びます。
疑問が解けたこともそうですが、そんな方が目の前にいるというのも驚きです。
チーリンさんは今の姿のまま長くいるという事でしょうか。

「奢って貰っているのにすいません。
でも、凄くおいしいですよね。
このケーキも最高です。」

王都内でこうやって誰かと食事と言うのは珍しいです。
僕はどうしてもはしゃいでしまいます。
チーリンさんを見習い、食べるペースは落としましたが。

チーリン >  
「おやおや。
 差別は世の常、特に長命種となれば疎まれるものと思っていましたが。
 快く思っていただけるのなら幸いですねえ」

ケーキを食べながら、あなたの様子に眼尻を緩めます。

「いやはや。
 こうして無事に食事を楽しめたのも、ショーンさんのお陰ですから。
 どうぞご遠慮なく、自由に振舞ってください」

そう言いながら、少年はのんびりとマイペースに食事を続け。
最後にゆっくりとぬるくなった紅茶を飲み終えると、カップを静かに置きます。

「さてさて。
 あまり長居をしてしまうと、今度は人が増えてしまいそうですね。
 そろそろお暇するとしましょうか」

そう言って、ゆっくりと席を立ちあがると、さっと店員を相手に会計を済ませてしまいます。

「それでは。
 ショーンさん、今日はとても助かりました。
 あなたの往く道に、幸多き事をお祈りしております」

そう言いながら、少年はゆったりと店を後にするでしょう。
楽しかった食事に満足しながら、のんびりと散歩でもするように。
 

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からチーリンさんが去りました。
ショーン・ロード > 「差別なんてとんでもない。
種族の違いなんて大した違いじゃないと思いますよ。」

ケーキを口にしながら、思わず語気を強めてしまいました。

「ありがとうございます。
チーリンさんもお元気で。」

先に去っていくチーリンにお礼を述べ、再びケーキと紅茶を楽しみます。
お腹いっぱいになった所で僕もお店を出ました。
今日の晩御飯はあまり食べられなかったことでしょう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からショーン・ロードさんが去りました。