2023/11/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区-広場」に夏虎さんが現れました。
■夏虎 > 平民地区、広場――
中央には噴水が据えられ周りには花壇や樹木とベンチが設えられた夜はとかく昼間の王国民の憩いの場。
時節は冬に向かっているはずだが連日の夏日が続くせいだろう。
噴水周りに人は多めで出店もメニューから引っ込めつつあった果実氷の類がまたよく売れているようだ。
その一角、ベンチの一つに腰掛けて、旬の苺をたっぷり使ってミルクと氷でシェイクしてからホイップクリーム盛った……女の子が好きそうな、ジュースなんだかデザートなんだかといった代物片手に賑わいぼんやり眺めている桃髪。ちらりと時計台のほうへと目を向けて時間を確認して、
「来ねぇ」
ぼやく。友人と遊びに出かける約束で待ち合わせだったのだが。
まあおそらく好みの女の人でも見付けて引っ掛けてるか何かだ。
「ったくもぉ~。今度会ったら百叩きだ。にしても……どうするか……」
フラペチーノというらしい飲むデザート? に刺さったストロー咥えて一啜り。
苺の甘酸っぱさがミルクと生クリームでまろやかに広がりつつかき氷で後味さっぱり。
美味いな此れ……と目線を一度手元に下ろしたが改めて周りに目を向けつつの、
ぽっかりと空いてしまった予定を鑑みては背もたれに背を預けて足を組む。
「……ナンパかぁ……したことないな……」
ご案内:「王都マグメール 平民地区-広場」にギンジョウさんが現れました。
■ギンジョウ > しずしずと、周囲から変わった召し物のために(それだけじゃないが)視線を集めつつ歩いてくる。
出店を眺めてはふーむ、と頷きつつ、ウロウロ…とあたりをうろついている。
その姿は少々危なっかしいようにも見えるだろうか。
「…ううん、メニューが多すぎて悩みますね…。」
どうやら昼時の暑さをしのぐために何か飲もうと思っているようだが、
あちこちから客引きの声が聞こえてくるばっかりにどこにするか決めかねている様子。
■夏虎 > 昼間っから飲んだくれた酔っ払い。
井戸端会議中の奥方立ち。
軽食や飲み物を売る露天商たちの天幕、より――
この辺りではあまり見掛けない格好の女人は周囲から視線を集めるし己もつい視線を吸い寄せられた。
「あれは……」
生国よりもっとずうっと向こうの国にある民族衣装だったか? 北で商いをしている時極稀に見掛けたが王国で見掛けるとは驚いた。
まじまじと見すぎても失礼なので目線を逸らそうとしたのだが……どうにもお困りの様子。
ナンパ。じゃなくてこれ人助け……!
そう自分に言い聞かせながらベンチから尻を持ち上げて、
コツコツと小気味よい足音を鳴らして彼女の方へ向かい。
「ぁー。失礼ー? お困りで? 良ければ相談に乗る、ぁー……もうなんかすごいナンパ男の第一声だ、いや違くって本当にこう。ちょっと見かねてね?」
派手な髪して派手なアクセ着けた男がお若い女性に気軽に声掛ける、とか。
もう傍目から見てもナンパのそれなので眉がきゅっと困り眉になりつつも、
片手はドリンクで塞がっているので片手を弁明に緩く振りつつ声を掛けた。
■ギンジョウ > うーん、と前かがみになってメニューを覗き込んだりしつつ、
それを見て鼻の下を伸ばす店主たちの視線には気づかないまま。
こてん、こてん、と小首をかしげている。
正直メニューを見て、どれも美味しそうと思う反面、
メニューの名前だけではどんなものか窺い知れない様子。
まぁ、そこで悩むのも楽しみの一つではあるだろうが…。
「ひゃ!?」
派手な髪色に派手なアクセサリを身に着けた青年に目を丸くした。
けれども、青年の言葉の続きを聞けば悪意を持っている人じゃないことは悟り…。
「…あ、ありがとうございます。
ここの食べ物や飲み物って色々種類がありすぎてちょっと困っていたところだったんです。」
そう言って豊満な胸をなでおろす。
自分も中々に高身長だけれども、それを上回る青年の顔を上目遣いで見上げつつ、
すぐに警戒を解いてふにゃりと微笑みを浮かべた。
■夏虎 > 男共の視線が、彼女の艷やかな黒髪よりも下のほうへと向かっているのは仕方ないと思うところはあるのであえて黙っておくが。男共の視線が、折角の目の保養を奪わんとする桃髪に向けてキツいものを投げてくるのもこれまた無視しておいて……
フラペチーノだの、ヤムチャだの、ルートビアだのケバブだの、なるほど、
それが何か予め知っていないと名前で知るのは難しそうな代物並ぶ露天前。
人通りの邪魔にならないよう少し横にそれてから声を掛けてみれば、
やはり驚かせてしまったようで親指を折りたたんで手を立て異国式だが謝罪を一つ。
「ごめんね、いきなり」
困り眉のまま仕草でも言葉でも謝ってから、
訳を話されてみれば商品たちに一瞥。
「ああ。なるほど。わからんのが多いよね、うん俺もこの国に来たときは苦労した。
何をお求めで? 網羅してる訳じゃあないけど多少なら解るから」
つい。視線が、撫で下ろされる手とその向こうにある胸元に行ったが、直ぐに顎を持ち上げて目線を正す。
女人にしては上の位置に合わせてから。悲鳴あげられても困るにしろ無邪気そうな笑みに口元つい綻ばせつつ、鮮やかな赤色と雪みたいに真っ白なクリームが綺麗にマーブル模様を描いている片手のドリンクなんか持ち上げてみせて、案内を申し出る。
■ギンジョウ > 艶やかな黒髪を揺らしながら小首をかしげているのを、
じっくりじっくりと眺めている男共の視線を一身に受けつつ、
それに話しかけてきた青年にもその視線が注がれる。
ふらぺちーの、やむちゃ、るーとぴあ、けばぶ。
ほとんどの単語が馴染みのないものばかりで、ううん、と小さく声を漏らしながら佇まいを直す。
そんなところで青年から声を掛けられ、思わず驚いた声を上げてしまって、慌てて自分の手で口をふさぐ。
「い、いえ、私もちょっと気を緩ませすぎていましたから。」
へにょりと眉尻を下げつつ、こちらも謝罪。
「そうなんですよ、いろんな国の言葉が書いてあって一瞥しただけでは内容がわからなくて…。
えっ?よ、よろしいんですか?わぁ、ありがとうございます!!!」
案内を申し出てくれる青年に思わず、その空いている手を握ってぴょん、と小さく身体を跳ねさせる。
そうすれば、たゆん、とたわわに実った乳房がまた揺れて、
周囲からはジロジロとセクハラじみた視線が注がれるのだが…。
今は案内役を買って出てくれた青年への感謝のあまりその辺の視線に気づいていない様子で。
■夏虎 > 身形は物珍しく仕草は可愛らしくて器量ときたら髪一つ取ってもいくらでも褒められそうな上に魅力的な身体付き。
店主達は無遠慮な視線を投げちゃいるが下世話な話をしないだけまだこの国では紳士的な方だろう。紳士? 達及び。下世話な話もちかけようと腰を持ち上げはじめた男共のあれやこれやの視線からは目を背け。彼女への視線も気を付けなければいけないので少し眼筋が忙しい。
「食べ物が豊かなのは有り難いけれど。豊かすぎたらすぎたで今度はちょっと困るんだよねぇ……。
よろしいですとも。ど、ういたしましてぇ?」
今の彼女の苦労は一年ぐらい前の自分の苦労であるのでしみじみと頷いていた。
……キモノとやらは下着を着けないと聞くが……まさか……!?
何て疑念が浮かぶぐらい柔らかく弾んだ乳房に視線が落ち。視線戻して。やっぱり眼筋忙しく、ちょっとばかり動揺して言葉も途切れたが何事もなく続けている。
にしてもやはり可愛らしい女性だ。
困り眉もほどけて笑みに垂れ下がりつつ、
「何をご案内しようか? 甘いのお好きならこいつもお勧め。飲み物……てよりほぼほぼデザートみたいな感じだけれど」
まずは、飲み物からだろうか。
と、首を傾げて一思案しつつ、丁度片手に持ってるフラペチーノを揺らし。
■ギンジョウ > ニヤニヤとした視線を浴びていてもそれはいつものことでもあり。
店主たちは男の影を感じてか、うちのも美味いよ。と声をかける程度でとどまっている。
子供の中にも多感そうな時期の子供はチラチラと女を見つめたりしている中、
当の女は青年の言葉にこくんと頷いていた。
「そうなんですよねぇ、たくさんありすぎて迷います。
?あ、私はギンジョウ、しがない冒険者をしております。よろしくお願いしますね。」
ニコリと微笑みを浮かべながら男性の手を胸元まで引き寄せる。
僅かにでも手が触れればまた乳房がぷよんと揺れる。
青年の疑念を裏付けるかのように、わずかに柔らかい感触が手に伝わるかもしれない。
「んっと、そうですね、冷たい飲み物を…と思っていたんですが、お兄さんの飲んでいるそれ、とても美味しそうです!!!」
そう言って目を輝かせた。
■夏虎 > あの子供さきほどからここらを何往復かしている様な……?
こら、と叱るべきか、ぐっと飲み込むべきかを迷ったが。
「ああ。そういえば。名乗ってなかった。よろしく、ギンジョウさん?
夏虎といいます。呼び難ければ適当に略して頂いて。
露天で薬屋をやっておりまし、てぇ!?」
子供の事を気にしている余裕も言葉を何とか整える体裁も纏めて吹っ飛んでしまった。
握手といった具合で手を取ってくれたので手を握ろうと指先を窄めたら引き寄せられ、
ぷよん。ふにゅん。
この柔らかさはもちろん膨らみ方も上向き具合も全部天然物ですと裏付ける感触が……。
ごほんっ。
と、わざとらしい咳払い一つ。
「い、いや、失礼しました……。
これね? フラペチーノ。何フラペチーノだったか。何か長ったらしい名前付いてたが、あ、こちらです」
まさかのサービスに動揺したけれど何とか気を取り直し。ちょうど手を取って貰っている事だしそのまま手を引いて、人混み気を付けて、とか気遣い入れながら女の人が殊多く集まっている露天へとご案内することにした。フラペチーノ、の前にも呪文のようにあれやこれやの横文字が並んでいるので、これと同じのってカップを見せれば同じものが出てくる故それを受け取り……
代金を自分の財布から出してから、隣の彼女へそのまま、はいどうぞと手渡す。
■ギンジョウ > 中には不自然に前かがみになっている子供もいたりして。
こんな広場で何を考えているのやらと思われそうだが…。
「ええ、よろしくお願いします、夏さん。
お薬屋さんなんですね、でしたらまたいずれ、お店の方にも……てぇ?」
こてん、と小首をかしげた。
嬉しさから思わず引き寄せてしまった手が胸に触れていたことに気付けば、
失礼しました、と手を離すものの、青年の声が裏返った様子に目を丸くした。
着物越しの柔らかい感触に青年が戸惑っているなら、あわあわ、とした様子ですみません、と頭を下げる。
「いいえ、こちらこそ…。
ふらぺちーの…、さっき覗いた出店の出し物でしたかね…。は、はい。」
戸惑っている青年に周囲の男たちが恨めし気な視線を向ける中、
そのまま手を引かれて女性がたくさんいる露店に連れてきてもらう。
女性の多い場所は少し不慣れで、きゅ、と、青年の手を握る手に力がこもりつつ。
「えっ!?い、いや、お金は私が…、助けていただいた上にお金まで出していただくわけには…!!!」
はい、と差し出されたフラペチーノを空いている手で受け取りつつも、
いつの間にか青年の手によって会計が済まされているのを見れば慌てふためいた様子で。
■夏虎 > 初等部のカップルか何かかお前等ァ!? とは、胸に触れたの何ので二人して慌てる様に飛んだ野次であった。うるさいよ!? なんて八つ当たり気味に返しつつも彼女を連れて歩いた先。男性が集まる場所ならとかく女性が集まる場所に落ち着かなさそうな様子に、はて? 首を傾げたものだが、安心させる様にも握られた手を握る手指はほんの少し強め。
二つ折りの革を革紐で留めている財布を出しては、
片手で器用に解いて開けて代金を支払ってから……。
「ぅん? ぅふふ、ああ。いやいや、ご遠慮なくどうぞ~?
男ってのは可愛い人の前だと格好付けたがるものなので。
ここは俺の顔を立てると思って。ね?」
見るだけならまだしも触れまでしてしまったお詫びも兼ねてだ。
受け取ってからちょっと間を置いて慌てる様に喉を笑気で鳴らしては、
人差し指を立てると唇に添えてどこか悪戯っ気に八重歯を覗かせ笑って見せる。
「いやほんと可愛いね、ギンジョウさんったら~。
もうナンパでいいや。お友達に立候補させて?」
ご案内だけしてお別れするにはちょっと勿体なくってついそんなことを嘯いて。
……放っておくとちょっと危なっかしい、という心配もあるにはあるが本音は凡そ前半。
■ギンジョウ > わひゃ、と、周りのヤジに、そんなんじゃないですっ!!っと慌てて否定をしつつ。
女性がいる場所のほうが落ち着かないという奇妙な状況で、青年に手を引かれて、
その手を握る指先の力がほんの少し強まれば、ふにゃり、と安心したように笑みを浮かべた。
「んむ、ん-……でも…。
…それじゃあ、何かお礼させてくださいね。
私にできることならば何でもやらせていただきますから!!!」
ぎゅ、と握りしめた手の力を強めつつ、なんでも!?と、反応する周囲の男性たちをよそにそんなことをのたまう。
悪戯っ気に八重歯をのぞかせる様子に、むうん、と小さくうめき声を漏らしつつも、コクコクと頷いて。
「そんな、私なんてそんなじゃないですよ…。
んっ、そ、それは私の方からお願いしたいくらいです、よろしくお願いします!!!」
セックスするだけのお相手ならいくらでもいるものの、
お友達、という存在はほとんどいない。
耳慣れない言葉にうっすら頬を染めながら、力強く頷いた。
■夏虎 > 女人なら同性がいる環境のほうが安心というのも偏見だったか? 何て、内心でも首は捻られているが、詮索するよりも安心した笑みを浮かべてくれる事のほうが重要だった。笑みに一つ頷いて、商品の受け取りと代金の支払いが終わったあとには、後ろの客の邪魔にもなるし女性で満杯といった具合のそこからまたちょっと外れてから、
「お礼なんていいのに。とは、いえ、お断りし続けるのも野暮か……。
ふふ、何でもっていうなら早速お願いします。美味しく頂いちゃって? かんぱーい」
そのおっぱいに顔埋めさせて! とか。
そのぷりっとしたお尻触らせて! とか。
“何でも”発言に周囲どよめく中で桃髪が求めるのはそういう欲望でなく健全な、“気兼ねなく飲んでくれる事”だった。
悪戯っ気な笑みはそのまま、肩まで楽しそうに揺らし、紙で出来たコップ同士をこんっと小さな音立てて合わせて、
自分の分のそれを口元に持っていきストロー咥えて一口。
「またまたまた~。そんなこと言って~。可愛らしいよ? とーっても。
はい。こちらこそ宜しくお願いします」
……お友だち少ないのだろうか? いや自分も人の事言えないが。
顔の色といい、声音の力強さといい、彼女ったら色々と気合が入ってしまっているのがまた可笑しくって笑気に声震わせた。
「この後のご予定は? この後も夏さん暇だし色々お付き合いさせて貰うよ。せっかく出来た友達とも遊びたいし~?
ぁ。帰るときは途中までだけど見送らせてもらうね」
自分、友人に遊ぶ予定すっぽかされて一日フリー。
何て人差し指を己に向けては予定打ち明けてから、肩を竦めて。
■ギンジョウ > しかし、この女に限っては女性が多い状況に慣れていなかった。
むしろ、カップルとかがいる場所だと女性から嫌悪の視線を向けられることすら多い。
今も、女によそ見をする彼氏にキャンキャンとかみつく女性がちらほら見受けられるくらいだ。
「ダメなのです、お礼はしっかりしたいですから。
……んんん、それは結局お礼になるのか…か、乾杯です~。」
その二つのお願いでも素直に聞いたことだろうが…。
青年が求めたのはとても健全なお願い。
周りがもったいねぇー!!!とざわめく中、女もほんの少し意表を突かれた様子で目を丸くする。
こつん、と小さくコップ同士を合わせて、乾杯のほかにも完敗だと思いつつストローに口をつける。
「んっ……美味しい。
私、お友達はあんまりいないのです。
だから…その、嬉しいです、ありがとうございます。」
そう言って深々と頭を下げる。
ぷるん、と揺れる胸と、ぷりん、と突き出されるお尻。
そのお尻にパンティラインが浮かばないのを見れば、着物の下に何も身に着けていないのはわかるだろう。
そんな邪な気持ちを青年が抱くかどうかはわからないけれども。
「わ、私も暇人さんです。
それじゃあ…ぜひご一緒に……。」
こちらも仕事を終えて暇人。
にっこりと微笑みながら相手の言葉にうなずいた。
■夏虎 > 後から事情を聞くことがあれば成程然りと頷くしかない事であった。見目の問題は女性同士のほうが根深い。
余所見された彼女と余所見してしまった彼氏の痴話喧嘩が目に入ると、あーあーあー、と呆れた声を漏らし、
「十分お礼になるけれど? 可愛い子が可愛いもの飲んでるところって癒やされるよね~」
周囲、遂に視線や物言いたげな仕草どころか、声を大にして、もったいねぇー!! ときた。くはっ! と、思わず、口に含んだばっかりの苺ソースやら生クリームやらかき氷やら噴き出しかけて慌てて口元を抑える。……彼女も彼女で、色事以外を求められるのは意外とばかりの顔してるものだからさっさと口の中のもの喉仏をごくんっと動かし飲み込んでから改めて笑って。
「いやいやそれもこちらこそだよ。
俺もあんまり居なくってさぁ~。
声掛けてほんと良かった。ありがとね? ぁ。いい、いい、頭上げて!? ギンジョウさん!? お尻が危な、ぁーごめん!」
深々と下がってしまった頭に恐縮するし。高々と持ち上がる乳房にだって負けていない形のいいお尻に慌てるし。
“そういう欲望”がまったく無い訳でも無い。
視線はどうしてもそちらに向いて下着の輪郭がないのも見留めてうっかり言葉にしてしまってこれまた慌てるし。
掌を向けては左右に慌ただしく振って。
「良かった。じゃ、一日遊べるね、どこ行こっか? どこか行ってみたい場所とかはある?」
頭を上げて貰ったら一息。大きく一息零して、また手で謝罪を示してから。
手指でちょっと歪みがちな顔を揉んでは彼女の微笑みに何とか形を正した微笑み返しながらに、周りに目を向け。
■ギンジョウ > なんというか、そんな状況になりうる体質ゆえに、女性で気心知れた相手というのはできにくい。
特に相手の女性からしてみれば、いつ彼を寝取られるかの不安との闘いになるわけで…。
あわわわ…、と、間に入ろうかと思ったものの、それをやったらさらに墓穴を掘りそうなのでやめておいた。
ごめんなさい、道行くカップルさん。
「いや、私はそんな可愛らしい方とは違いますから…。
ちゅううう……、と、ピンク色の唇でストローを吸いながら眉尻を下げる。
周りから聞こえてくるヤジの言葉にはもはや慣れたもので。
相手の笑顔を見れば、少しの間焦ったような表情を浮かべた後、こちらもつられたように笑みを浮かべ。
「ん、そうなんですか?夏さんはお友達多そうな気がします。
いえいえ、こちらこそありがとうございまs…ふぇ?お尻?」
ぷりん、としたお尻を自分で触ってみる。
もしかして着物が破けている!?と少し慌てたものの、
触ってみる限りではその様子もなく安堵の表情。
「ん、はい、それじゃあどこか一緒に遊べるところに行ってみたいですね……。」
頭を上げて、はぐれないようにと…青年の腕に自分の腕を絡めようとする。
それは女にとっては手をつなぐの延長線上のようなものだったが、果たして青年にとってはどうだったか…。
■夏虎 >
彼女に目を引かれるのはよーくわかる。自分も目を引かれっぱなし。
……随分と集中しすぎるきらいがあるような気もするのだが……
深い事は気にしないようにしておく。がんばれ、道行くカップル。
「何でそんな自己評価低いの。
自信持っていい器量だと思うけどなー……」
ちゅううう。彼女と同じぐらいは言い過ぎにしても桃色づいた唇がストローを吸う。
声を大にした後はもう遠慮も何もなくなってきた物言いがまだ周囲から聞こえるが、
彼女が気にするなら兎角慣れたものといった具合に自分も目も耳も外して。
「商売やってる都合こう顔を知ってる人は多いけど友達ではないからねぇ。
あ、いや、ごめん、余計なこと言った……お尻がその……形が……ん゛ん゛、いやほんとごめん」
下着もなく着物もさして厚手ではないから腰を上げたり触れたりするだけで形がそれはもうくっきりと……。
本当に余計なこと口走ってしまって気恥ずかしく目元を少しばかり赤らめた。
頭を一振りして、きにしないで、何てまた手を緩々と左右に振って。
「遊べるところね、了解。そんじゃ、そうだな、あすこら……あと、疲れたら足湯でも行く? 今日は暑い、し……
ん? ふふっ。はい、どうぞ」
ビリヤードやらダーツやら。遊べる内容と場所を思い浮かべて、次いでに気温も高いし少し遊んだら休めるところ……九頭龍の温泉旅籠には足湯もあった様な、俺と二人なら大丈夫だろ。云々考えていれば、絡まる腕に、肘を曲げて腕を差し出した。
……距離感が随分近くって照れる。照れ隠しとわかりそうな具合で髪を手櫛で直したりもするが拒否もしない。
■ギンジョウ > 目を引かれるのはこの肉体に宿った魔力のせい。
つまりは身体だけに目を引かれているのだとわかっている。
だからこそ自己評価も低くなってしまっているのだろう。
「……んん、後ほどお話しますね…。
とにもかくにも、私は可愛らしい方とは違うんですよ。」
へへへ、と苦笑を浮かべつつ、ストローを吸っていく。
時折色づいた唇を舐めたりと、煽情的な動きを見せる唇。
目も耳も外してしまえば、今は青年のおかげでナンパな男も近づいてこない。
「そうなんですか…、でも夏さんのことをお友達と思っている人は多い気がします。
うん……、あ…、もしかして透けてます…か?…いや、濡れるようなことはしてないんですが…。」
形、と言われれば、くるりとその場で回って見せる。
青年の言葉を聞いて少し戸惑った様子で、周りの男性から見れば眼福そうな動きを。
「足湯!!!足湯いいですね、温泉好きなんです、私!!!」
ぴこん、ととても嬉しそうに小さくはねる。
冷たいものを飲んだ後は少し暖かさに触れたくなるもの。
そのままぎゅっと青年の腕に自分の腕を絡めれば、ふにゅり、と柔らかい感触が青年の腕に伝わるだろうが、
今のところ女の方は温泉温泉と嬉しそうにしていてそちらに気が行っていない様子で。
■夏虎 > 「ん成程? 分かった後で聞かせて貰おっか?
そのうえでギンジョウさんの事可愛いって言ってみせるさ。そん時は、可愛いって言葉受け取ってな?」
唇を舐める舌の動き。唇が濡れて一層艶めく色の怪しさ。体躯を一つ揺すれば胸尻の肉が弾んで伝わる柔らかさ。
目線がまたあちらにこちらにと吸い寄せられるが“訳有り”だと思って見ると見当も付いてくるが正解は後にして、
根拠はないのだが……裏付もないが……
眉も目元も口元も勝ち気にぐいっと持ち上げては親指で無駄に鋭く自分指差し、自信満々! 等といった具合で嘯いた。
「そうかな? そうだといいけど……そしたら友達もっと増えるかなぁ……。
あ、いや、大丈夫、大丈夫。ほら、転ばないように気を付けてねー?」
そろそろ散れ! と、彼女の肢体にそれはもうがっつり魅了された男共にしっしと手払いしてから。
足湯に大変興味惹かれた様子に、おっ? 何て感じに眉が上がり。
「いいよね、温泉。俺も好き~。なら、そっち先行こっか? こっちでーすよー」
大喜び! それを顔から仕草からで目一杯表現してくれる様子にすっかり和む。
右手と右腕は彼女と組み、そこから伝わる今迄以上の感触に、左手がこっそり自分の尻を抓りつつ。
大半が嫉妬だが極僅かに同情の視線も感じるその場から改め、連れ立って歩き出そうか。
■ギンジョウ > 「……う、それは…。
…わかり、ました…、その時は…。」
ぺろり、と唇を舐めながら、少し困ったような微笑みを浮かべる。
ぎゅ、と腕を絡めた状態で、少しだけ相手の言葉に安心したように身体を預けて。
自信満々に告げられる言葉に、ん、と小さく頷きを返す。
そうであってくれればいいな、という気持ちを込めて。
「そうですよ、夏さん優しい人だし、楽しいし。
……ん?はい、わかりました、でも大丈夫ですよ、夏さんがいますもの。」
ジロジロとこちらを見ていた男たちが手払いで追い払われれば、
すみません、とまた小さく眉尻を下げた。
「全身浸かるのもいいですよね、……今日も、場合によってはそれもよいですね。」
うっすらと目元を染めて、お誘いとも取れそうな言葉を紡ぐ。
そしてぎゅっと青年の腕を抱きしめながら歩き出す。
温泉か、いいな、と口々に言う男たちの声を背中に受けつつ温泉へと…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区-広場」から夏虎さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区-広場」からギンジョウさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアニエスさんが現れました。
■アニエス > 「ふっふーん♪ ふっふふーん♪」
鼻歌交じりに質屋から出て来た少女の手には、そこそこの額の貨幣があった。
生活費に回せば暫くはのんびり過ごせるし、ぱぁっと使うなら一晩か二晩、安酒を飲み明かせるだろう。
……となると、ある程度の量の物品を持ち込み、金銭に換えたのだろうが。
資産を手放した人間にまま見られる、気落ちした雰囲気は見られない。
「やー、役得役得。こういう副収入も無いと、真面目におしごとなんてやってられないっす!」
──ネタを明かすと。
彼女が質屋に持ち込んだのは、街でとっ捕まえた盗賊なり、酔っ払いなり、
強く出られない立場の人間から少しずつ掠め取った装飾品類であった。
つまり、業務上横領である。
一部始終をお偉いさんに見られでもしていたら、言い訳のしづらい状況となるのだが──この国の兵士としては、あまり珍しくもない汚職とも言えようか。
「何を買おうかなー♪ そろそろ服でも買うか、それともお酒っすかねー?
……んー、それとも? 美味しいもの食べにいっちゃう……?」
良心の呵責は、無い。
■アニエス > 「よしっ、こういう時は宵越しのなんちゃら!
温泉にごちそうにお酒! パーっと使って気張らしコースっす!」
……最終的に汚職兵士が選んだのは散財の道。
悪銭身につかずとは言うが、なるほど、こうして使ってしまえば溜まりはするまい。
尤も蓄財とは、財貨に価値があることが前提の行い。
この国が十年、数十年先、同じ形で存続している保証など何処にも無いのだから──
「……あっ、あのお店いい匂いがする」
予定などは立てず、目に付いた場所へふらふらと迷い込んでいく少女。
悪徳の国に馴染んだ生き方である。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアニエスさんが去りました。
ご案内:「公園 平民地区」に フリッツさんが現れました。
■ フリッツ > 学院での仕事帰り、男は公園のベンチに腰掛けては往来を眺める。
目的は魔力の供給である。
男は人間にしては強力な魔力を持つ魔術師だ。
その腕前を買われ、王城や学院での業務に従事している。
そして、そんな男を支えている魔力がそろそろ補給して欲しいと訴えていた。
「この感じだと、数日以内にはなんとかしないと…。」
男は誰にともなく呟くと、再び往来に視線を向けた。