2023/11/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にレヴィアさんが現れました。
■レヴィア > 冒険者ギルドに併設された酒場の一角に異様な光景がある。
冒険者が持ち帰った冒険の自慢や吟遊詩人が音楽を奏で踊り子が踊る中で、其処だけが空気が少し違うのだ。
熱気の中にあってゆったりと。
喧騒の中に静寂を、そして鼻歌を。
冒険者を求めているようにもパーティーメンバーを探しているようにも見えない、少女?が一人でテーブル席を占拠し、頬杖をつきながらニコニコと賑やかな世界を眺めている。
「捗るわー…次のお話のネタが捗るわー……。」
縁の厚くレンズの厚い眼鏡の向こう側で紅色の瞳を細め、口元には穏やかな微笑を浮かべ、鋭敏な聴覚を利用して、様々な冒険者の自慢話や失敗談、吟遊詩人の奏でる英雄譚や踊り子達の華やかな踊りに混じる愚痴を聴いている。
時々頬杖をつく腕の片方を外せば、テーブルに広げた手帳に羽ペンを走らせてメモに言葉を綴ると、また頬杖をつく、若しくはだいぶ大きなワイングラスに注がれている生ぬるい赤ワインを喉に流し込む。
今夜は屋敷で缶詰しているのに嫌気がさしてこうして刺激を得るために今執筆している小説のアイデアを得るために冒険者ギルドの片隅を占領していた。
なお、ワインのお供は青かびがところどころに生えたチーズ、血が滴る魔物らしき何かの生肉がスライスされたもの、本当は踊り子さんが給仕さんの血が欲しいが我慢している。
ある強さが判る冒険者であれば強者と判り、聖職者であれば怖気を感じることも有るだろう、何故なら少女?は吸血鬼、種族としては人より強者であり、長い年月を生きる不死者なのだから。
でもそれと執筆作業が進まないのは何も関係はない。
吸血鬼でもペンが進まない時は進まないのであった。
面白い話も聞きたい、誰かが間違えて依頼を投げ込んでくれてもいい、何なら今なら格安で請け負うし、とニコニコで冒険者ギルドの空気を楽しんでいる。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」に劉若汐さんが現れました。
■劉若汐 > 冒険者ギルドに立ち入って数分で気づく異様な空気。
一角だけ違和感しかない空気の持ち場の違和感のありよう。
そこ以外は熱気に喧騒に賑やかしに色気を足した宴の模様があるのに
とある場所だけ静寂そのものの地がある。
長らく遠方の依頼を受けて王都に戻ってきたとある職人は報告をしにギルドに来たもののとある一角を凝視していた。
あれは何なんだ、といわんばかりにほかの冒険者や聖職者は気づいていないのかと。
気づいているのはごく少数なのかあえて指摘もしないのか気にはなりながらも
職人はいったん職員がいるカウンターへと急ぎ手短に依頼主から渡された書類の筒を差し出して手続きをしてもらう次第。
それにしてもあれは何なのか。職人はただただとんでもない何かに遭遇してしまった気分であった。
■レヴィア > 本来なら耳は少々尖り気味である吸血鬼だが、今夜は人に混じり、人の誉れを肴にワインを執筆をという気分なので人と同じ形の耳であるが、ピクピクっと丸みを帯びた耳の先っぽを震わせる――これは何も音を拾ったわけではなく、好奇心が疼いた証拠。
この賑やかな冒険者ギルド併設の酒場にあって、己の存在に興味を抱く者は少なくない。
例えば踊り子に食いついてローなアングルから見上げているソードマンとか、面白いところで言えば給仕さんなどは先ほどから視線をこちらに向けながら、しきりに首に手をあて何度も首を傾げている。
でも吸血鬼の少女?が耳を震わせて態度に表す程まで興味を抱いたのはその二人ではなく、こちらを露骨に凝視してくる熱い視線である、これは美味しい執筆の糧になりそうな眼差しである。
「こんばんはー!こんばんはー!見てたでしょ?ねぇ私を見てたでしょ?ねぇ!ねぇ!!」
吸血鬼は暇が大嫌いである。
――よってそんな好奇心を刺激してくる相手を逃がす筈もなく、頬杖を止めてバンッと一度テーブルを叩いた後にガタッと音をたてて椅子から立ち上がり、酒場に木霊するような声を張り上げて、ペンを握ったまま腕を大きく振って視線の主を呼んでみる。
酒場の喧騒の中にも凛とした声を通すも、今夜も冒険者ギルドの酒場は大盛況で、直ぐにその声も喧騒に飲まれていくだろう。
■劉若汐 > 人には言えないことであるがこの身も人ではなく天狐であった。今宵は人の姿を形繕い、
辺境の地にあるとされるとある島国の出身者が纏う服装に身を包ませ
腰に刀を差して一端の職人兼冒険者といった風情を成していたが所作は人にしていたこともあり反応はあなた様より遅れた。
踊り子もいるこの冒険者ギルドにおいてとある出会いが発生した模様。
一介の喧騒の狭間に殺気の籠らぬ視線に気づかれたことの浅はかなさまを後程反省するとして、
溜息を吐くことはせずゆるゆると視線をきちりとかの女性らしきあなた様へと向ける事と相成り申す。
「気づかれましたか さすがなものです。暫しおつきあい致しましょうか」
嘘はこちらも嫌うものである。隠し事はするやもしれないが嘘はない。
気づくことへの褒めを最初に述べ次に会釈と呼ばれた場所へと近づきテーブル席の向かいの席に移動をし
最終的に向かい席に座れと言われたのであらば 座る所存である。
所作が忍びのもののような音が極力立たない動きはもはや職業病であった。
■レヴィア > 当然招いた客人を直立不動でいろ!だなんて無粋な事は無し。
テーブル席にまで音もなく下手をすれば空気を揺らす事無く近づく女に興味が湧かない筈などない、有り得ない、ないない。
分厚いレンズの向こうの紅色の瞳をスゥと細めて、無作法で不躾な、値踏みではなく好奇心による文字通りの好奇の視線を向け、『人に非ず』な香り、空気を感じ取ると思わず唇だって笑みを濃く、両隅を持ち上げて三日月を描く。
「ンー………。」言葉を濁したわけではなく、少々悩んでから、小さく小首を傾げた後に言葉を紡ぐ、呼吸に赤ワインの葡萄の香りと、元来持ち合わせている薔薇の香気を混ぜた吐息共に。
「あっ、まずは席におかけくださいな。
何ならお好きなものを注文して頂戴?
それと、えー…っと……そうね……。
何が流石かわからないけど、貴女からは好奇心をそそる香りがするし、何なら美味しそうだし。」
始祖の吸血鬼を容易く滅ぼせる暇から逃れられた事で、少々言葉は矢継ぎ早になってしまうが、そこは笑顔で誤魔化して、会釈に対して礼を返すべく、スカートの中程を摘んで軽い会釈をしてから相手が座りやすいように、まず自分が椅子に腰を下ろす――ちゃんとスカートをお尻の下に巻き込むようにして。
■劉若汐 > この王国も含めてだが確か身分階級によりふるまい方が違うはず。
今は一介の冒険者兼職人という立場になっているので平民に毛が生えた程度のはず多分大丈夫のはず。
あなた様の人ではないぼんやりとだが香りが違うし、程度で怪しいと決めつけるわけにもいかず
ましてやここは王都しかも王都には結界が張られているらしいから魔に属するものは力が出にくい(絶対ではない)らしい。
魔ではないけど人でもないこの身は何ら影響はないけれどあなた様からの返答に待機致す。
待機の姿勢はとても姿勢はよかったと思いたい。
「感謝を。
酒は好みませぬのでそうですね、ミルクを一杯。
好奇心をそそりますか満足させるほどであればよいのですが。
美味しそうとは如何に???」
美味しそうとはいかがなものか。香りを発しているとはわからぬことが増えてしまった。
あなた様が座ったのを見計らってからこちらも椅子に腰を下ろした。ついでに差していた刀は座る際に少しずらす程度であったと。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」から劉若汐さんが去りました。
■レヴィア > ――今宵一番のワインの肴を前にして、微笑も絶えず。
何を聞こうか、それとも何か質問を受けようか、厚いレンズの向こう側で細めた紅色の瞳は一部も人に非ずの客人より視線を注ぐまま、先に客人の喉を潤す為に給仕さんに向けて手を振るのだ。
「ミルク、ミルクね、うん、ミルクだわ。
給仕さん、これを頂戴?……うん、これよ!
ちゃんとこれだからね?」
またガタと椅子を鳴らして立ち上がると、メニューを片手に握っていたペン先でメニューの一部を叩いて注文をする。
ミルク、確かにミルクであるが、アルコール入りのミルクである。
こうしてお酒と肴の肴が揃った夜は過ぎていく。
人に非ずの二人が交わした会話は喧騒に紛れて何時までも。
当然今夜は小説の執筆が捗る吸血鬼でした。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からレヴィアさんが去りました。