2023/10/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にレンジュさんが現れました。
■レンジュ > 此処は平民地区の露店通り。
まだ日の高い時間に、店先を覗き込む姿が一つ。
「……ん~。」
コツコツ、とブーツの音をさせながら歩いていく。
時折子供が走ってきてぶつかったりして、
そのたびにこらこら危ないぞ、と軽く窘める。
まだこの地区の子供は素直なもので、はーい、と、
返事をしては歩いて母親たちと共に去って行ったり。
それを見て微笑ましそうに目を細めた。
■レンジュ > そうしているとふと目に映ったのは女性らしい衣服の店。
ドレス…とまでいかないが、ひらりとした裾がかわいらしいワンピースなんかが並んでいる。
特に何の意味もなくぼんやりとそれを見つめていたが。
「…着こなせない、っていうか身長がありすぎるよな…。」
小柄な女性を羨ましいと思ったことは無い。
生きていくうえでこの体格で役立ったことのほうが多かった。
けれども…単純にかわいいよな、と思ってワンピースに手を伸ばしてみた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からレンジュさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にセカンドさんが現れました。
■セカンド > 夕方だというのに、酒場はほぼ満席で賑わっている。
注文のラッシュも一段落つき、黒髪の女は軽く息をついた。
「どばーっと一度に来るんはなんとかならへんかなぁ」
先程まで忙しく配膳していたウェイトレス達も落ち着いたようだ。客達に視線を向けて新たな注文が入らないか探っている。
カウンターにいる女の担当はそう多くない。火を使わない食べ物とドリンクメニューが担当だ。
手持無沙汰になると自然と他のことを考える。
「――そろそろ終幕やな」
ぽつり、呟いた。
■セカンド > 物語には須らく終わりがある。だが、登場人物の人生は続く。
雇用主は新しい道を見つけ、足を踏み出そうとしている。己は――復讐譚が終わりを迎えるとは考えてもみなかった。
今の生活にそう未練がある訳でもないが、何かやりたいことがあるでもない。生きる目的を女はとうに見失っている。
守るべき城が陥落した時か、お家再興の望みが絶たれた時か、あるいは主家が滅亡した時か。
聖騎士であり復讐者でもある男の姿を最前列で眺めていられたのは心地よかった。
亡き主の魂の慰めになると思っていたし、女としてのケジメでもあった。その時間がもう少しで終わる。
ふと、ウェイトレスが己を呼んでいることに気付いた。物思いにふけってしまったようだ。
注文を復唱し、グラスを手に取って――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からセカンドさんが去りました。