2023/10/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にレンジュさんが現れました。
レンジュ > 此処は平民地区の露店通り。
まだ日の高い時間に、店先を覗き込む姿が一つ。

「……ん~。」

コツコツ、とブーツの音をさせながら歩いていく。
時折子供が走ってきてぶつかったりして、
そのたびにこらこら危ないぞ、と軽く窘める。
まだこの地区の子供は素直なもので、はーい、と、
返事をしては歩いて母親たちと共に去って行ったり。
それを見て微笑ましそうに目を細めた。

レンジュ > そうしているとふと目に映ったのは女性らしい衣服の店。
ドレス…とまでいかないが、ひらりとした裾がかわいらしいワンピースなんかが並んでいる。
特に何の意味もなくぼんやりとそれを見つめていたが。

「…着こなせない、っていうか身長がありすぎるよな…。」

小柄な女性を羨ましいと思ったことは無い。
生きていくうえでこの体格で役立ったことのほうが多かった。
けれども…単純にかわいいよな、と思ってワンピースに手を伸ばしてみた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からレンジュさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にセカンドさんが現れました。
セカンド > 夕方だというのに、酒場はほぼ満席で賑わっている。
注文のラッシュも一段落つき、黒髪の女は軽く息をついた。

「どばーっと一度に来るんはなんとかならへんかなぁ」

先程まで忙しく配膳していたウェイトレス達も落ち着いたようだ。客達に視線を向けて新たな注文が入らないか探っている。
カウンターにいる女の担当はそう多くない。火を使わない食べ物とドリンクメニューが担当だ。
手持無沙汰になると自然と他のことを考える。

「――そろそろ終幕やな」

ぽつり、呟いた。

セカンド > 物語には須らく終わりがある。だが、登場人物の人生は続く。
雇用主は新しい道を見つけ、足を踏み出そうとしている。己は――復讐譚が終わりを迎えるとは考えてもみなかった。
今の生活にそう未練がある訳でもないが、何かやりたいことがあるでもない。生きる目的を女はとうに見失っている。
守るべき城が陥落した時か、お家再興の望みが絶たれた時か、あるいは主家が滅亡した時か。

聖騎士(パラディン)であり復讐者(アヴェンジャー)でもある男の姿を最前列で眺めていられたのは心地よかった。
亡き主の魂の慰めになると思っていたし、女としてのケジメでもあった。その時間がもう少しで終わる。

ふと、ウェイトレスが己を呼んでいることに気付いた。物思いにふけってしまったようだ。
注文を復唱し、グラスを手に取って――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からセカンドさんが去りました。