2023/10/10 のログ
タン・フィール > 【次回継続予定です】
ご案内:「大雨の路地」からネルフィナさんが去りました。
ご案内:「大雨の路地」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にフー・メイユウさんが現れました。
フー・メイユウ >  
お店をちょこっと開けて早めに畳んだ正午過ぎ。
お店の食材仕入れに市場をぐるっと回って。
馴染みの肉屋や魚屋と八百屋に配達頼んで。
お店の食材仕入れに自然地帯へ……
は、十分に買い付けも出来たし、空模様が若干怪しいし、取り止めて。

「あら~これ美味し~♡」

雑貨屋を見て日用品少々化粧品少々を買って手提げ袋に詰めた帰り道。
露天で見掛けた、飲むデザートとかいう、コーヒーゼリーを細か~く刻んでからミルクティーを少し混ぜて生クリームたっぷり混ぜたもの、つい衝動買いしてみたらこれがもう美味しいの何の。うふふっ♡ とか。むふふっ♡ とか笑みが溢れるわ頬もすっかり緩々だわで締まり悪い顔しながら頂き中。
人が賑わう広場の隅っこ。往来やはしゃぐ子供たちの邪魔にならないような位置。
ベンチが開いてなかったが観賞用の樹木の一つに背を預けて、小休憩中。

「私のとこでも出そうかなぁこれ……そのまま出すと怒られそうだし……飲む杏仁豆腐……とか……?」

新商品、飲む杏仁豆腐。
……いけるかぁ~……?
何て思案に首を傾げる。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフー・メイユウさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」にレヴィアさんが現れました。
レヴィア > コツ、コツ、コツ、コツ

場所は王都マグメール。
貴族に非ず、無法者に非ず、一般的な市民が生活する平民地区の路地の一つに軽快な足音が木霊する。

そこは何処かへの近道か、はたまた誰かの屋敷に通じているのか、足音の主はこの道が何処へ通じているか知っているように、迷いもなく路地裏を真っ直ぐにただ真っ直ぐに歩いている。

足音が一つ響くたびに、ふわりと闇色のワンピースのスカートを翻し、柔らかな布地が揺れる捲れる度に真紅の裏地を垣間見せ――…ふわりと薔薇の甘い香りを広げる。

「はぁー……1年?ううん、2年くらい寝過ごした気がするんですがー?」

歩みを止めぬまま、病的に白い肌を左手の手の甲をひたっと顎先に添えてから、かく、と小首を傾げておかしいなぁ?という表情を浮かべる。

少女?少年は吸血鬼である。
不死者の体感時間は人と離れているらしく、今の今まで寝ていたようで、すっかりと王都の地理さえ記憶からすっぽりと抜けていた。

つまりは【迷子】である。

目的地はお気に入りのお店。
目覚めて直ぐに執筆活動を再開しようとしたが、どうも頭がモヤモヤとして晴れない、なので気分転換にと、そう気分転換にお気に入りのお店に足を運ぼうとして、道を歩いていたら迷子になったのだ。

吸血鬼なので当然空は飛べる。
何なら蝙蝠になるとか狼になるとか、色々な手法もある。
けれど吸血鬼は歩くのだ、人間がそうするように、人間としてそうするように、迷子を楽しむように。


薄暗い路地裏に今宵はワンピース姿の吸血鬼が現れた。

レヴィア > あれ?とか、おや?とか、ここだっけ?を数回繰り返す。
見知った筈の道は見当たらず、見覚えのある路地には辿りつかず、右を見ても左を見ても上を見ても――…見覚えなし。

蝙蝠になって空からお店を探そうか?それとも狼が?でも王都の中でそれをやるのは大変好ましくない。

「……うん、仕方ない。緊急処置という奴だよ。」

左手の人差し指を自分の唇に添えると、ふっと柔らかく微笑み、一瞬にして身体を真っ赤な薔薇の花弁へと姿を変えると、甘い薔薇の香気と共に夜の風に紛れて散り散りになる。

数秒後には大通りの片隅に薔薇の花弁は集まって、少女?はまた歩き出す。

あのお店に、気晴らしにこれからの執筆活動の意欲を集めに。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/路地裏」からレヴィアさんが去りました。