2023/10/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にオウルさんが現れました。
■オウル > これから賑わう時間帯なのだろう、どこもかしこも客引きの声や恋人同士或いは上司と部下とか諸々の楽しげな声が聞こえている。
少年はそんな平民地区の大通りを一人で歩いている。
普段なら何か目的があっての散策なのだが今宵はただの暇つぶしのようで……。
「………眠くなるまで散歩とか考えたけどよー…。
これ宿の部屋でごろごろしてる方がマシだったのではー?」
目的もなく当て所なく、知り合いも少なく、買い物する金もない、せめて小遣い程度の自由になる金があれば、と思うが仕事道具を買ったりだとか、ギルドにお金を納めたりとか、ですっからかんである。
ただ運がいい事に『飴』はギルドから無償で配られている。
この歪んだ王都に相応しい効果のある飴であるが、まあそれが溶け出すまで口に入れておかなければ問題ないと、解っていてその棒つきの飴を口に入れていた。
なので口寂しくはないが……。
辺りの賑やかな声に比べて一人歩きは少し寂しい気がする。
――貧民地区ではこんなのんびりと散歩する事なんて出来なかったので、これもよい事なのだろうと、口元は苦笑いの形に歪めていた。
今夜は晴れ、月は眩く輝いている。
風は微風、少し肌寒くらい。
そろそろ防寒用の服とか何とかしないと。
独り言を言いながら、次は確りと服でも見にこようか?
目的が見つかれば今夜は早々に帰宅する事にして、少年は一人どこかへと消えていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からオウルさんが去りました。