2023/09/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシレネさんが現れました。
■シレネ > 「その子、あんまり突かないであげてね?」
リン♪と鈴が鳴るような音を響かせて、燐光を纏った何かが少年――? 少女――? の周囲をくるくると舞う。
相手の注意がこちらへと向けば、透明な翅を震わせながら、その正面へと移動して。
「本当なら、森の奥の方に咲く花なの。
こんなところで咲くのは、ほんとに珍しいんだけど……」
小さな自身の身体と比べても、まだ小さな花をちらりと見遣り。
相手が花を引き抜こうとでもすれば、すぐさまこちらも攻撃に転じるだろうけれど。
今のところはそんな様子も見られない。
だとすれば、あまり警戒した様子もなく、話しかけ。
「薬――には、ならないんじゃないかな。
香りは良いんだけど、一輪だけじゃ、ポプリにもならないし。」
ふわりと、花の傍に降り立つと、その爽やかな香りを楽しんで。
■タン・フィール > 「―――うぁっ……!?……な、なにっ……だぁれ…?」
鈴の如きなにかの音と、続いて幼子の周囲を旋回する光る何者か。
全神経を花に集中させていたために、突如視覚に入り込んだその新たなる情報源は薬師の子を盛大に驚かせ困惑させて……
正面へと光が座標を固定すれば、おそるおそる目の焦点を合わせる。
ちいさな、ちいさな、ヒトのシルエット。
「ぇ……ぁ……キミは、おはなの、ようせいさん…?」
と、口にしたのは相手の正体を看過した等の理由ではなく、相手の言葉と姿からの印象が口をついて出ただけ。
おどろいて四つん這いのまま後ずさる様子は、まさに初めて蝶々と触れ合った仔猫のよう。
「そ、そうなの?……ボクは、おくすりを作るためにいろんな植物とか、素材のお勉強してるんだけど……
おくすりにならないなら、摘んじゃわなくってよかった。
せっかくここで咲いてるんだもん。」
と、花を愛でる手を一度離し、まじまじと不思議そうに、あまり出くわすことのない、花の芳香を楽しむ花の精に語りかける。
■シレネ > 「ごめんね、驚かせちゃったみたい。
そういうつもりはなかったんだけど……」
仲間内には、そういう悪戯好きな連中もいるのだけれど、そういうのと一緒にはして欲しくないので素直に頭を下げる。
まじまじとこちらを見つめてくる幼子に、くるりとその場で回って見せて。
「そそ、お花の妖精さんだよ。シレネっていうの。
キミは―――ニンゲンじゃなさそうね?」
透明な翅で羽搏くと鈴の音が響く。
そうして後ずさった相手の眼の前へと浮かび、じっと様子を窺う。
相手が纏う魔力を見れば、おのずとそれがこの街にたくさんいるニンゲンのものではないとは知れ。
「薬にするなら、こんな場所じゃなくて、森とかに行かなきゃ。
あとは、向こうの大きなお屋敷がいっぱいあるところなら、少しは花も咲いてたよ?」
首を傾げしつつも、ついっと指さすのは富裕地区の方角
庭先に色とりどりの花が咲くお屋敷が並ぶ一角で。
■タン・フィール > 「ぅ…ぅんっ…妖精さんなんて滅多にみないから、びっくりしちゃった。
でも、イタズラとか悪いことをする妖精さん……じゃなさそうで、ちょっとほっとしちゃった。」
素直に頭を下げる態度が伝わったのか、きにしないで、とぱたぱた手を振って
くるりと回って見せる姿を、興味深そうに見つめていて
「しれね、シレネっていうんだね。
ボクはタン。 タン・フィールっていうの。
まだまだ子供だけどお薬屋さんなんだよっ。
……ないしょだけど、そう、ここだけのおはなし、ニンゲンじゃなくって……ちょっとだけ、チガウもの。
まぞく……なんだけど、わるいことは、しないよ。」
こしょこしょ、と周囲に人の気配があるわけでもないのに、
前のめりになって彼女のその小さな頭の小さな耳に、耳打ちするように囁きかける。
「ぅん、普段は森とか、空き地で採取してるんだけど…今日このお花をみつけたのは、たまたまでさ。
へぇっ!あっちの…富裕地区のほうって、そんなに咲いてたんだっ。
…でも、勝手に採ったり、花畑に入っちゃったりしたら、おこられないといいなぁ……
あそこの人たち、あんまり知らないヒトを中に入れるの、ヤみたい。
お花やキノコとりほうだい!みたいな場所…ないのかなぁ。」
と、採取するにしても色々と障害や問題はあるらしく、慢性的な素材不足に肩をすくめて。
■シレネ > 「あたしたちって、あんまり人前に出ないからね。
実は、見えてないだけで、結構、そこらへんに居たりするんだよ?」
滅多に見ないという言葉に、小さく笑って実情を語ってみせる。
それにしたって、ニンゲンの街にいるのは、ほんの少しだけだろうけれど。
「よろしくね、タン。
ふぅーん、そうなんだ。この街だと、そっちの方が珍しいんじゃない?
あたしも詳しくないけれど。」
打ち明けられた秘密の話。
話の中身そのものにはあまり興味はなさそうに。
けれども、そのナイショの話という雰囲気は気に入ったらしく。
相手の肩に留まると、こちらも耳元で話けてみたり。
「うん、お花がいっぱい咲いてたよ。
でも、同じ種類ばっかりで、あんまりおもしろくないかなぁ……
どこでも好きに取ったら良いと思うけど、森の方なら案内できるよ?」
道は分からなくても、近くに咲いている花に訊けばいい。
その点、街中の――特に富裕地区の花は、どうにもニンゲンに似るのか、プライドが高くていけ好かないのも多く。
■タン・フィール > 「そうなんだっ、じゃあこれまでにも、花の採取してるときに気づかないうちに妖精さん、いたのかもしれないんだー。
シレネはどうして、今日は出てきてくれたの?」
話に聞いた妖精界隈の実情に興味深そうに聞き入りながら尋ねて、
挨拶を交わす相手が、魔族だからと理由で怖がったりしない様子に内心ほっと胸をなでおろしつつ
「そう…かもね、あんまり同族のヒトに出会うこと、少ないから。
ぇへへ、実はボクもあんまり、魔族とか、ミレーのヒトのこととか…種族の差とか、よくわかんない」
舌を出しておどけてみせて、あまり種族間の確執や差別、特別視というものとは無縁に育ってきたらしい。
声を窄めたのは最低限の自衛や常識程度の認識らしかったが、ひそひそばなしは心躍るもの。
肩に留まられれば、蝶や鳥にそうされて嬉しいように「わぁ」と感嘆の声をあげ、
耳元に聞こえる小さな声に少しこそばゆそうにしながら
「ほんと? やったっ♪
森の方はまだまだ知らない場所とかいっぱいあるから、もし良ければ案内、おねがいしてもいいかな?
……花の妖精さん的に、採ってもいいお花と、採っちゃダメなお花とかも、今後のために知っておきたいし。」
と、薬に関することや、花の妖精にとって花が大事なことは言うまでもないことから、その点に関してはあっけらかんとした無邪気さの中に、やや真面目で真剣な声色が混じって。
■シレネ > 「そうかもね?
んー、ぐーぜん? たまたま? きまぐれ?」
どうして、と訊ねられると、首を傾げる。
そういう気分だったというのが正解だろうか。自分のことながら、よく分からないと苦笑い。
「だよねー。
でもニンゲンの中には、あたしたちを見るとすぐに捕まえようとしてくるのもいるから、ヤなんだけど。」
こちらも種族にこだわりはないのだけど、どうしてもそういうことはある。
それはもう統計とか確率とか、そんなレベルでの違いであって。
捕まえようとして来ないだけで、幼子に対しては好感度アップというもの。
相手の肩の上で、大袈裟に肩を竦めて見せ。
「いいよー
代わりに、そうだなぁ… 甘いお菓子を分けてくれたら嬉しいかな。
森の中なら、根こそぎ採っちゃわないなら、あんまり気にしなくてもだいじょーぶ。」
世の中、ギブアンドテイクというらしい。
うーん、と少し悩んでから、そう対価を提案する。
やや真面目な雰囲気での問いに対して、軽い感じで返答する。
細かいことを言えば、多少のルールもあるのだけれど、それもフィーリング。
決まりが厳しい場所にまでは、案内するつもりもないから故の軽さで。
■タン・フィール > 「あははっ、まぁ…たまたまでもきまぐれでも、出逢うことができてよかったっ。」
首をかしげる様子にけたけたと笑って、続く言葉にはうぅん、と一緒に肩を竦めてみせ
「ああ……そういうおっかないヒトもいるよね。
つかまえて、どうしちゃうんだろう。」
眼の前の儚げで、けれども確りと存在している花妖精の姿をまじまじと見つめ、
そのような存在にどんな所業を行うのか、想像するのも悍ましい、とぶるりと震えながら、
話題が森の案内の代わりのギブアンドテイクに移れば、ふむふむと頷いて。
「なるほどなるほど…。
……たとえば、蜂蜜みたいに甘くておいしい、元気になる水飴薬とかじゃ、だめ?
クッキーとかが良いんだったら、お菓子は今持ってないから、ボクが住んでるテントまでいけば、なにかあげられるもの、あるけど」
と、提案の一つとして取り出したのは、胸ポケットから取り出す細くて短いクレヨンのような瓶に詰められている桃色の液体。
少年が日頃持ち歩いている、体力回復・精力増強に効く素材を甘く煮詰めた、蜂蜜のように甘くて美味な栄養剤の一種。
■シレネ > 「捕まえてどうするんだろうね?
ずっと檻の中に入れられるとか…? わかんないけど。」
実際には、もっとひどい実験体にさせられたりするのだろう。
けれども、捕まった仲間の行く末など聞くこともない。
だとすれば、未熟な想像でしかなく。幼子とふたり首を傾げ合い。
「はちみつ、大好きだよ♪
甘くて美味しいよね。お茶にも合うんだってね。」
聞きかじった知識をドヤ顔で披露しつつ、大歓迎だと手を伸ばす。
相手が取り出したのは、指で摘まめるくらいのものだけど、
こちらにしてみればひと抱えはしなくちゃいけないシロモノ。
ぎゅっと抱きつくようにして抱え。
「色んな香りが混じってるね。美味しそぉー♪
じゃあ、さっそく行っちゃう?」
小瓶を抱えて飛び立つと、重みでふらふらと左右に揺れる。
そんな危なっかしい様子で、街の門の方角を目指そうとして。
■タン・フィール > 「あるいはもっと――――……
……いや、やっぱり、ボクもよく、わかんないや。」
見た目の幼さや、無邪気純朴な表情の裏に、毒や危険物…媚薬の類いに至るまで扱うことのある幼子は、
薬師であるがゆえに昏い欲望の可能性にも気づきかける。
捕獲しての愛玩…飼育…調教…ひどいものになれば剥製だの、
何らかの妖しげな薬の材料にされてしまうこともあるかもしれない。
しかし、目の前の彼女を不安がらせ怖がらせることもあるまい、
と口からでかけた言葉を飲み込んで、一緒に首を傾げ合うことに落ち着いた。
「そうそう、お薬を煎じるのと同じように、お茶も煎じるんだけど、よく合うんだよー、これ。
自然の蜂蜜の甘さに負けないくらい甘いし、とろーってして美味しいし、ためしてみてね。
っとと……わわわ、あぶなっかしい……だいじょうぶ?
ボクが途中まで、持っておこうか?それとも…肩にとまったまま案内、してくれる?」
15センチほどの身長にしてみれば、小瓶といえども、ひと荷物。
相手を気遣いつつ、ふらふらと空中を揺蕩う燐光に惹かれるように、
幼子は妖精の後を追って街の外へ続く門へと誘われて歩みだす。
■シレネ > 「ありがとね。楽しみー♪」
にこにこ顔で、けれど重たそうな小瓶を抱えたままでお礼を告げて。
ふらふらと危なげな軌道を描きながら、街の外へと向かう1匹とひとり。
途中、肩に留まれば、水飴を舐めながら、あっちと指さすだけになるかもしれない。
森に着いた頃には、たっぷりあったはずの水飴も食べ尽くしているかもしれず―――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシレネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にリーナさんが現れました。
■リーナ > 冒険者ギルドには、様々な冒険者が行き来している。
冒険者とは、未知を既知にするお仕事であり、様々な人々の依頼を受けてそれをこなす人の事。
一方で、根無し草でもあり、国に所属してないチンピラと言うイメージを持つ人もいる。
どんなふうに取るのかは、人それぞれであり、リーナにしてみれば、危険を顧みずに旅立ち、様々な冒険をする人と認識している。
敬愛する母親が、その冒険者であり、冒険者の姿を見ているからこその、イメージ。
身内びいきだと言われれば、それまでだけど、其処は勘弁してほしい所である。
今日、リーナがこの場所に居るのは、別に依頼をしに来たわけでは無い。
冒険者とは、ケガ人が多いので、怪我の治療のためにやってきている。
ギルドの職員さんに許可を得て、ギルドの端っこに椅子を借りてちょこんと座らせてもらっている。
身長の小さな女の子が、ナース用の四角いバッグを持って、其の上にロケット砲弾のような乳房を乗せている。
ケガ人が来たら、そのケガ人を治療して、治療費を貰う。
そう言う意味で、今日はここに待機をさせて貰っている。
けが人はいないことに越したことはないが、ケガ人がいれば、治療の技術の訓練にもなる。
金色の瞳は、誰かが来るのかな、と不安そうに、キョロり、キョロり、と周囲を見回していた。
■リーナ > 今はけが人は居なさそうだ、冒険者が、リーナの事を何事かと見るけれど、そのまま通り過ぎている。
ケガ人が居ない事自体は良い事だと、リーナは思いながら、にこやかに冒険者たちを見送る。
お母さんとか、クロナお姉様とか、知っている人が来ないかな、と言う期待もあるけれど、それでも、お仕事中でもあるから。
右に、左に、歩いて行く冒険者達、偶に掲示板で依頼を眺めて持って行く人もいる。
リーナは、そんな様子を、金色の竜眼で、じっと見つめているだけ。
「少し、退屈、ですわね……。」
ナースとか、ヒーラーの仕事が無いのは良い事だけど、しかし、だ。
退屈を感じてしまうのは、リーナが修行不足、かも知れませんと、自戒する。
ふぅ、と溜息を零して、気合を入れなおす。
誰かが来たら、直ぐに治療にはいれるように、魔力を循環させる。
何時でも、何でも、いらっしゃいましな……!
そう、気合を入れて、魔力を高めて。
ケガ人でなくても、病気でも……。
「あ。」
そう言えば、ポーションを持っていた。
回復魔法を使わなくてもポーションを売る、そう言う方法もあった。
大丈夫でしょうか、と視線で受付の人に質問を。
―――伝わらなかった模様。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にガルルさんが現れました。
■ガルル > ようやくたどり着いた冒険者ギルド。
背負う大きなリュックと、少年の体からは濃い草の香りを纏っていれば、達成した依頼が薬草採取というのが分かるだろう。
大きなリュックを買い取りカウンターに預ければ、量が涼なので生産は後日と言われ、素直に頷き、引き換えの札を預かった。
そうすればとりあえずお仕事はひと段落。
顔や、手には細かい傷痕が残り、服の下には打撲があったりとなんだかんだボロボロになっているのは、厄介な魔物に追いかけられて必死の追いかけっこをしたせいで…。
後で自作の軟膏でも塗ろうか、なんて考えながら振り返ったところでナース服に身を包む不思議な女性が視界に入る。
視線の先を追えば受付の人と何やら交わしている様にも見えたが…。
所謂治療師の人だろうかと、値段によっては自身の薬草を使った薬よりも早く治れば、またお仕事に出た時困らない事は確かで…。
一瞬悩んでからとことことそちらへと歩み寄っていく。
■リーナ > 退屈を感じていた所、新しい動きがあった。
ギルドの入り口が開いて、其処に一人の冒険者らしき少年が入ってくる。
ミレー族、だろうか、ミレーにしては、魔力が少ない様な気もする。
目が合って、此方の方を見て何かを考えたような気がして、其のまま、此方に近づいてくる。
「こんにちは、初めまして。
私、リーナと申しますわ。
治療を、ご希望ですか?それとも、お薬、ご希望ですか?」
にっこりと頬笑みを浮かべながら、問いかけてみる。
その掌も、その顔も、もとはもっと綺麗にも思える。
ただ、少年は傷だらけにも見えるから、近づいてきたからこそ、お客さんだろうか、と。
じっと少年を見る、彼の様子も合わせてみれば急患と言うわけではなさそうだし、落ち着いて問いかけた。
■ガルル > 高い場所の木の枝に飛びついた時にはしたたかに胸を打ったりと、骨に異常はないがなかなかの鈍痛を抱え、使い方をろくに知らない魔力で非効率的な運用をして、魔力も普段より激減している状態ながら、ゆっくり近づいていれば、向けていた視線に相手の視線がぶつかり目が合って声をかけられる。
何て声をかけようか、等と考えていたタイミングで先手を取られればビクッと僅かに揺れ、瞳が彷徨い動揺を見せてしまう。
何はともあれ、早く言葉を返さなければ失礼というのと、
柔らかで落ち着いた問いかけに意を決し、小さな拳を体の横でキュッと握ってから相手の前に。
「こんにちは。 僕はガルルっていいます。 はい。治療を…、お願いしたいですが─、金額とかお支払方法とか教えていただけると…」
話しながらも腰かけ同じぐらいの目の高さの相手の姿に今更ながら気づき、優しそうなたれ目になんだか目を引く泣き黒子、ローズピンクの唇に、大きく突き出された胸と色白の肌。
近所にいたらうれしい優しいお姉さんを形にしたような相手についつい見惚れてしまい、彷徨う視線はまさしく泳いでしまう。 下を向けば大きな胸に、さらに下を見れば白くてもっちりとした太腿にドキドキしてしまうので視線は金髪の上にかぶっているアンゼリカキャップへと固定するも語尾はもにょもにょとしぼんでいってしまう。
■リーナ > 「はい、ダメですよぉ?
ちゃんと、お話するときは、目を見てお話しないとだめ、ですよぉ?」
リーナの大きな胸に視線が行く、その次には、ミニスカートにしている太ももに。
彼の健全な男性の視線に対しては、にこやかに笑って受け止める、そう言うのもありますわ、と。
それよりも、彼の状態を確認する様に立ち上がる。
鞄を隣において、きょどきょどしている少年に近づこう。
「ガルルさん、まずは、治療の前に、状態の確認をさせて頂きますね。
けがの状態を調べるので、触れますので、痛かったら、言ってくださいねぇ?」
小さな体に、手を伸ばして、そっと怪我の様子を確認する様に、腕に、腰に、優しく触れていく。
にっこり笑いを零しつつ、痛かったら、言ってくださいねぇ、と。
緊急で癒す必要の怪我はなさそうで。
「そうですねぇ、全部で5ゴルド、ですわね。
でも、貴方の回復力なら、一日、寝て居れば、治る程度のモノ、でもありますわ。」
彼の怪我は大きいな物はないし、打ち身ばかりだと判定できる。
彼の事を見て、ミレー族ではない種族だと理解できる。
見立てに間違いが無ければ、確り栄養を取って寝れば、治る程度の物だ。
お支払方法に関しては、先ほど言った貨幣で。
其処迄高いわけでは無いだろうが、払ってでも、癒すほどの物ではありませんよ、と言う値段設定。
よし、よし、と頭を撫でるリーナは、彼を優しく見下ろす。
■ガルル > 「うぅぅ…ごめんなさい…。」
視線が踊っていたのに指摘されれば首元や耳を真っ赤にしながらこくこくと頷き、アンゼリカキャップから相手の目へと視線を向ければ、立ち上がる相手。
駆けられる言葉にコクリと頷くと、大人しく相手の手に身を委ねる。
腕や腰に触れる相手の手がどこかくすぐったくもあるが続く言葉にこくこくと頷きながら聞いて。
確かに少年の回復力には目を見張るものがある。
その診察にほっと胸をなでおろしつつ。
「よかったです。じゃぁ…せめて診察代だけでも…、ふゎ…」
値段やらを聞いていれば、頭を撫でてくる手についつい離れてしまった家族を思い出す。
乱暴に撫でてくる兄のごつごつとした手に柔らかく撫でてくれる祖母の手。
少年の頭の上のキャップの中に有る大きな狼耳はぴくぴくと揺れキャップ越しに相手の手をもぞもぞと刺激しつつ、少年も甘えるようにすりすりと小さな頭を摺り寄せていく。
「ぇへへ…リーナさんの手優しくて気持ちイイです…。」
この街に来て追い払われたり物を投げられたりと、なかなか大変な目にあっていた中、久しぶりに優しく撫でられた気がして胸がほわほわ、少年の顔に浮かぶのはへにゃと、嬉しそうな笑顔で見上げつつ、無意識のうちに腕を伸ばし抱き付いてしまいそうになる。
其れは無意識なもので、相手が制すればその腕は容易く止められるがどう対処するかは相手次第。
■リーナ > 「判ってくれるならぁ、良いのですよぅ?」
軽く窘めただけであり、別に怒っているわけでは無いので、にこやかに彼の返答に、謝罪に答える。
金色の竜眼は、穏やかに彼を見つめ、ね?と首を傾いで、頭をもう一度撫でる。
触れて、怪我の様子を確認するだけで、問題はない、と確認をして。
「診察代……ですかぁ?
怪我を治しもないのに、お金は取れませんよぉ。」
首を振るり、と横に振って見せた。
魔力も使ってない、クスリも使ってない、怪我の状況を見ただけで、お金を取るなど無い。
怪我してないよ、お金払え、等と、ヒーラーの言い分では無いのだ。
頭を撫でて、気にしないで良いですよぉ、と。
「あら?まぁ。」
少年が抱き着いてくる、ふかふかのおっぱいは、彼の頭を優しく包み込む。
精神的にも疲れているのだろう、そう思ったリーナは、よし、よし、と彼の頭を撫でる事に。
落ち着くまでは、このままでも良いでしょう、と。
「大丈夫ですよぉ、よし、よし。」
弟がいれば、こういう風な物なのでしょうか?
彼の頭を撫でながら、自分には居ない、弟、と言う物に想いを馳せつつ。
よし、よし、と撫で続ける。
■ガルル > 「ん。ありがとうございます。」
じっと見つめていると、瞳が少し変わった瞳のような気がして。
ついついじっと見つめてしまう。撫でられながら首を傾げられればこくりと頷き応えて。
「んぅ…でも、何かお礼をしたいです。」
等と呟きながら撫でてくるその手に甘える内にとろんとしてくる意識。
無意識のままに抱き付いてしまえばふかふか、ほかほかのおっぱいに包まれる頭。
人の鼻より優れた鼻がどこか甘くも感じる柔らかな匂いを感じ、甘く蕩ける気がする。
無意識のうちに伸ばした腕、相手の腰に回し抱き付きながらも、止まることのない手の動き。
「リーナさんの手、優しくて凄く気持ちいい。」
胸いっぱいになる柔らかな気持ち、とろんとした目でちらりと見上げ、そう呟く少年の身体はポカポカと暖かく熱を持ち始める。
薄い少年の胸はトクトクと僅かにテンポが速くなり、相手の母性と優しい声が心地よく、制御できていない力により少年からは催淫の力を持つ仄かに甘い花の香りがふわりと漂い始める。
「よしよしってされると凄く幸せ…。 こっちに来て甘えさせてくれる人…いなかったから…お仕事の邪魔してごめんなさい…」
柔らかな温もりと感触に包まれる小さな体。
いつまでもこうしていたいけど、いつまでもこうしていれば邪魔になってしまうと、意を決して離れようとするも、離れ難い温もりと柔らかさの相手。
胸の谷間に顔を挟んだま見上げる顔は眉尻下がり寂しそうな表情、其れだけで本当はもっとぎゅっとしていたいと相手に伝えてしまう。
「せめてものお詫びに…ご飯とか一緒に食べに行きませんか?」
等と勇気を振り絞ってのお誘いをしてみたのであった。