2023/08/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシアンさんが現れました。
■シアン > 夜半の冒険者ギルド。受付は深夜応対の一つを残して締まり併設酒場も閉じて人気も少ない施設の更に奥――
屋外・屋内共に幾つか設えられた鍛錬場のうち屋内の一つから防音の壁越しにも外へと響く、連続する、重い、打突音。
「……」
右拳は、顔に近く、左拳は心臓の近くに置いて、
足幅を肩幅ほどに開いた状態で右半身に構える。
一歩右足を地面に小さく擦らせながら前へとずらすと同時走らせる右拳が目前のサンドバックを叩く。
大きな拳が風切り音を上げ目標を叩けばまた一発重めの音を上げて目標が揺れる。
どしん、どしん――
其れ二度繰り返して。
右半身を左半身にくるりと身を翻しながらに左足を前へ同時に差し出しながらに左拳がサンドバッグを叩く。
どしん!
殊更大きな音。
「んー……」
大きく撓んで揺れるサンドバッグを前にして……
納得いかなさそうな顔して唸り声を上げる。
■シアン >
「スイッチ、ねぇ……流石に一朝一夕ではいかんなぁ……」
右の構えに右の打突から左の構えと左の打突への切り替え。
相手が測る間合いを見誤らせ其処を撃ち抜く戦法、らしい。
偶々耳にしたものだが、どれやってみっか! 何て練習してはみたものの中々巧くいかない、切り替える足運びに気を取られてしまって切り替えたところからの腰の撓りや肩の力の連動が遅れて拳に力が載らない。……それでもサンドバッグが良い音立てながらぐわんぐわんと揺れちゃあいる、これでも普通の人間にはそれなりに効く。が、普通の人間じゃない場合を想定するとこれでは駄目だ。
練習風景をあまり人に見せたくないので夜半を選んだ。
お陰で人目を気にせず存分に撃ち込める。
存分に撃ち込んで二~三時間程経った経過は今のところ芳しくない。
汗ですっかりとへばり付いて筋肉の隆起を浮き立たせるシャツの裾を摘み、
ぱたぱたと煽っては外気を取り込んで軽く涼みながらに首を傾げる。
■シアン >
「要練習。物に出来れば……まあ。人間相手にゃそれなりに使える……かぁ?」
魔物戦のほうが多い身の上としては此処へと多く時間を割くなら、
筋力の鍛錬や魔力の制御に重きを置いた方がいい気もするものの。
対人戦や駆け引きが必要な相手への引き出しはあって困るものでもない。
拳での打突でこのスイッチをある程度修めたら次は杖術にこのスイッチ取り入れて……
何て皮算用はそこそこにして一旦休憩にして持ち込んでおいた水筒の蓋を開けて煽る。
「ふーーー……」
氷をたっぷり入れて冷やした水が喉を冷やし食道を冷やす感覚味わいながらに喉仏を幾度も動かし、
ぐび、ぐび、ぐび、ぐび、
一息で結構な量を飲み下す。
後、適当なベンチに腰掛ける。
「に、しても暑ぃ……」
宿帰ったら速攻風呂だな。
何てぼやいてはシャツをぱたぱた揺らしたり髪を掻き上げたり。
■シアン > 小休止をしたら練習再開して暫くしたらまた小休止と繰り返し繰り返し。幾度目かの折で、
要訣は何とな~く解ってきたものの此処突き詰めてくと……朝まで掛かるコースだなこれ……と、確信。中断。
夜通しぶっ続けでやるには水も食い物も持ち込んでいない為適当なところで切り上げて、
汗でびっしょりになった体躯をシャワーで一度洗い流してから風呂のついた宿へと足を向ける事になった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシアンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にテンドンさんが現れました。
■テンドン > 昼間。
何処かの御店の日陰辺り。
ばうばうわんわんきゅーんきゅーん。
ひっきりなしに聞こえて来る犬の鳴き声の合唱。
大小様々の犬種が一塊の状態、全員首輪付きリードぶっとい紐は、
店の軒先の頑丈柱にぐるぐる巻きにされた上で結ばれている。
何故こんな事になっているのか?
それはこの真夏あちあちの猛暑炎天下で外に出たくない御仁達から、
いっぺんにワンちゃん達のお散歩代行を引き受けているから。
101匹には及ばないかも知れないが数は凄い。
そしてその無軌道なバイタリティに疲れ果てたボクはちょっと一休みをしているのだった、まる。
「うーんうーん」
店の日陰箇所の椅子の腰かけに片胡坐をかいて睨む。
目の前には将棋とかチェスっぽい対盤ボードゲーム。
一休みがてらに一勝負をしている。
■テンドン > 「うわ。タンマ!いや勝負を待ってって意味じゃなくて!」
ワンちゃんたちも同じ日陰に当然インしているがそれでもこの暑さだもの。
一団の一部がヘバッているのを認め、椅子横に鎮座したバケツに汲んでる水をじゃばーっとぶっかける。
日光を弾いて煌めき小さな虹の橋、パンディングに舌先を突き出していた犬達も復帰する。
「仕事を引き受けてなんだけど、こういう暑いときは無理せずに散歩しなくても良いと思うんだよね……足裏だいじょーぶ?」
かいぐりかいぐり撫でまわし。
薄毛ならばまだいいけれども、夏毛であってももっこもこの種類のわんこも中には居る。
もわ、と、たまっている熱量を感じて眉をひそめる。
照り付け石焼ビビンバの器みたいになってる路上を闊歩してきた肉球の足裏を引っ繰り返してみて回りケア。
軽い火傷になってる子には軟膏をぬりぬりする。
「川にでも連れていこーかなー、流石に水遊場は動物連れ込み禁止だろうし。でもこのパワーで引っ張られて入水とかなっても洒落にならないしなー」
むんむん悩みうねりが雑音になって脳裏に犇めく。
なのでボドゲの打ち筋もあんまり良くはない。
■テンドン > 「あ、その一手待った!!!」
駄目って言われる。
「うわーん!!!」
掛け金がじゃらじゃら対戦相手に移ろって行く。
日常風景に馴染む遣り取り。
■テンドン > 「あっついの本当に調子出ない…早く秋に来て欲しい…夏終われ……」
ぶつぶつと呪詛を自然現象相手に吐き出しながら、騒々しい日陰に籠っている。
相対性的に普段よりも流れが牛歩な時間の流れを堪えながらボドゲ対戦の継続…。
■テンドン > 「……むっ!日差しが和らいだ!?」
少しばかり減光する日陰外の気配を察知!
今のうちだ!勝負を早々に仕舞にするとその場より蹴るように立ち上がる。
飛びつくようにして柱に結び付けた紐を手で解き。
「行くよー!!」
ばうばうわんわんきゅーんきゅーん。
そして吠え立てる騒がしい犬の群を引き連れその場を離れて行く。
いざや散歩の続きだー!
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からテンドンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 体格が大きいというのは、なかなか困ったことが多い。
そりゃあ戦場ではそれによって助けられたこともたくさんあるのだけれど、
日常生活においては、とかく、でかすぎるというのは問題になる。
例えば今、男がいる雑貨屋では、――先日もそうだったんだけど、体格に合うだけの衣類がなかったりもする。
「んぐ。………なんだ、やっぱり特注しかないのか。」
もちろん特注は金がかかる。時間もかかる。いいことはあんまりない。
呻いて振り返ろうとした瞬間、大きさゆえの弊害がまたひとつ。
男にとっては狭いスペースで動いたから、肘がこつんと、置いてあるマグカップに当たり
「んな、……っ」
ぐらりと机の上から揺れて――落ちそうだ。
さて、手を伸ばそうとするが間に合うか、否か。
■イグナス > なんとか、マグカップをつかむのに成功――。あぶない。
やれやれと息を吐いて、今日はその場を立ち去っていき――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にレナードさんが現れました。
■レナード > 昼過ぎの冒険者ギルド。
既に高額報酬の依頼やリスクに対して美味しい依頼などは
早朝に張り出されてすぐに『解っている』冒険者達が引き受けていった。
そうなると残りはリスクに対し報酬の旨味の少ない依頼や
常時発注されているような採集系の依頼などが殆ど。
既に早朝の活気は無く静かで落ち着いた冒険者ギルドの掲示板の前で
すっかりと散財してしまい懐が寂しくなってしまった男は
しっかりと二度寝まで決め込んでしまった結果出遅れてしまい
ギルドからの依頼掲示板の前、両手を組んで眉間に皺を寄せ
残る依頼書の内容を何度も何度も目を通し
「――……仕事が…ない…。」
ポツリと独り言を呟きながら、寒くなった懐具合を思い返しつつも
それなりに実績も経験も積んでいるという自負からか
駆けだしの冒険者達が最初に受けるような採集系の依頼を受けるのは
なんかよくわからん無駄なプライドが邪魔をして手が伸びず。
ただただ、掲示板の前で無為な時間を浪費しながら悩み続けていた。
■レナード > 悩んでいても時間は無慈悲に過ぎていくし
突然美味しい依頼が沸いて出て来る訳も無い。
だが、もしかしたらギルドでは受理されたばかりな
掲示されていないだけの依頼もあるかもしれないと一抹の望みを胸に。
組み込んでいた腕を解き、ギルドの受付へと脚を向け歩を進めて行き。
「すみませーん。なんか掲示されているヤツ以外で
新しく受注した依頼とか来てない?緊急の奴とか難易度高めとか。」
それなりに冒険者歴も長いし、高難度な依頼の成功率も高い方。
顔も経歴も知られているからか、此方の問い合わせに応対した
ギルドの受付嬢は
「あぁレナードさん、こんにちは。ちょっと待ってくださいね~。」
と、挨拶を交わしては新たに入っている依頼は無いかと
確認の為、一度カウンターを離れ奥の事務室へと向かって行く。
「お願いしますお願いします……
オーガの群れでも盗賊集団でも最悪ドラゴンでもなんでもぶっ倒すんで…。」
背を向けて事務室へと向かっていく受付嬢の背中へと
呟き祈るかのように両手合せ双眸閉じて、美味しい仕事が
舞い込んできている事を祈る男の姿がギルドの受付にあった。
■レナード > 暫くして奥の部屋から扉の開く音と共に
胸元に依頼書らしき物を手にした受付嬢の姿が双眸に入ってくる。
神頼みであっても、日頃は真面目に仕事もやっているのだ。
こんな時位は日頃の行いに免じ報酬の良い仕事が棚ぼたしても良い筈。
損な淡い期待を抱きながら、カウンターへと戻ってきた受付嬢が
カウンターの上、男に提示された依頼書へと目を走らせ内容を吟味し
「――……錬金術用の薬草の採取…。」
やってきたのは採集の依頼書に
カウンターの前で膝からガクリと崩れ両手は地へ着いて崩れ落ちる。
「すみませ~ん。
急ぎの依頼みたいなので丁度レナードさんお暇みたいですし、
簡単なはずですからお願いしますね~。」
受けるという了承をしていないはずなのだが、何故か勝手に
依頼受注の判が押されて、依頼書はヒラリと男の頭へと舞い落ちていった。
結局、依頼破棄となるとランクの査定にも影響する手前
落ちた依頼書握りしめ、ギルドの扉を豪快に開いて王都の郊外へと
駆けていく冒険者の姿があったとか――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からレナードさんが去りました。